JP2688150B2 - 双ドラム薄板連続鋳造法 - Google Patents
双ドラム薄板連続鋳造法Info
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- JP2688150B2 JP2688150B2 JP4271980A JP27198092A JP2688150B2 JP 2688150 B2 JP2688150 B2 JP 2688150B2 JP 4271980 A JP4271980 A JP 4271980A JP 27198092 A JP27198092 A JP 27198092A JP 2688150 B2 JP2688150 B2 JP 2688150B2
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- drums
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双ドラム式薄板連続鋳
造装置を使用して溶鋼のような金属溶湯から薄板を連続
鋳造する連続鋳造方法に係り、特に、双ドラム式薄板連
続鋳造装置のスタートアップ(起動)方法に関するもの
である。
造装置を使用して溶鋼のような金属溶湯から薄板を連続
鋳造する連続鋳造方法に係り、特に、双ドラム式薄板連
続鋳造装置のスタートアップ(起動)方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開昭61−266159号公
報に記載されているように、従来の双ドラム式薄板連続
鋳造装置のスタートアップ方法としては、湯溜まり部へ
金属溶湯の注湯を開始すると同時に、ドラム速度が定常
の値に達するまで一定の加速度でドラム速度を上昇させ
るのが普通である。
報に記載されているように、従来の双ドラム式薄板連続
鋳造装置のスタートアップ方法としては、湯溜まり部へ
金属溶湯の注湯を開始すると同時に、ドラム速度が定常
の値に達するまで一定の加速度でドラム速度を上昇させ
るのが普通である。
【0003】しかしながら、従来の双ドラム式薄板連続
鋳造装置のスタートアップ方法においては次のような問
題点がある。 (1) スタートアップ時にはサイド堰の表面と、ドラムの
胴面の軸方向端部寄りに溶湯の凝固した地金が成長しや
すいため、その地金がドラム胴面の軸方向端部付近でド
ラム間隙に噛みこまれてドラム端部やサイド堰に損傷を
与えたり、シール不良のトラブルを起こすことが多い。 (2) ドラムの軸方向両端面にはサイド堰が摺動接触して
いるので、ドラムの回転に対して大きな抵抗力となって
いる。さらに、スタートアップ時にはドラム自体の質量
に応じた大きさの慣性力がドラムの回転を妨げるため、
ドラム起動指令に対してドラムの実際の起動が若干遅れ
る(タイムラグ)。 (3) ドラムの起動にタイムラグが存在する結果、スター
ト直後の鋳片の先端部(鋳造距離で50mm〜100mmの
区間)には板厚が大きくなった瘤と呼ばれる部分(図2
参照)ができ、この瘤が異常に大きい時は巻き取りに支
障を来したり、極端な場合には瘤がドラム間隙を通過す
ることができなくなってドラムが回転しないこともあ
る。
鋳造装置のスタートアップ方法においては次のような問
題点がある。 (1) スタートアップ時にはサイド堰の表面と、ドラムの
胴面の軸方向端部寄りに溶湯の凝固した地金が成長しや
すいため、その地金がドラム胴面の軸方向端部付近でド
ラム間隙に噛みこまれてドラム端部やサイド堰に損傷を
与えたり、シール不良のトラブルを起こすことが多い。 (2) ドラムの軸方向両端面にはサイド堰が摺動接触して
いるので、ドラムの回転に対して大きな抵抗力となって
いる。さらに、スタートアップ時にはドラム自体の質量
に応じた大きさの慣性力がドラムの回転を妨げるため、
ドラム起動指令に対してドラムの実際の起動が若干遅れ
る(タイムラグ)。 (3) ドラムの起動にタイムラグが存在する結果、スター
ト直後の鋳片の先端部(鋳造距離で50mm〜100mmの
区間)には板厚が大きくなった瘤と呼ばれる部分(図2
参照)ができ、この瘤が異常に大きい時は巻き取りに支
障を来したり、極端な場合には瘤がドラム間隙を通過す
ることができなくなってドラムが回転しないこともあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られるこのような問題点に鑑み、スタートアップに改
良を加えることによって、これらの問題を解消すること
を課題とするものである。
見られるこのような問題点に鑑み、スタートアップに改
良を加えることによって、これらの問題を解消すること
を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、内部を循環する冷却媒体に
よって冷却され、同じ回転速度で互いに反対向きに回転
駆動される一対のドラムを備え、前記ドラムの軸方向の
両端面に摺動接触する一対のサイド堰によって前記一対
のドラムの間隙の上部に金属の溶湯が供給される湯溜ま
り部を形成している双ドラム式薄板連続鋳造装置による
鋳造において、ドラム起動から鋳造距離が60〜375
mmの範囲に入るまでの間はドラム加速度を8〜24 m/m
in/secで加速し、その後は前記ドラム加速度よりも低
い加速度で通常のドラム速度まで加速することを特徴と
する双ドラム薄板連続鋳造方法を提供する。
解決するための手段として、内部を循環する冷却媒体に
よって冷却され、同じ回転速度で互いに反対向きに回転
駆動される一対のドラムを備え、前記ドラムの軸方向の
両端面に摺動接触する一対のサイド堰によって前記一対
のドラムの間隙の上部に金属の溶湯が供給される湯溜ま
り部を形成している双ドラム式薄板連続鋳造装置による
鋳造において、ドラム起動から鋳造距離が60〜375
mmの範囲に入るまでの間はドラム加速度を8〜24 m/m
in/secで加速し、その後は前記ドラム加速度よりも低
い加速度で通常のドラム速度まで加速することを特徴と
する双ドラム薄板連続鋳造方法を提供する。
【0006】
【作用】ドラム起動後から鋳造距離がL(図1参照)が
60〜375mmの範囲に入るまでの間(加速1期)の加
速度を8〜24 m/min/sec のような比較的高い値とし
てドラム速度を急速に上昇させることにより、サイド堰
の表面やドラムの胴面の軸方向端部寄りに地金が大きく
成長する時間を与えず、前記従来技術の問題点を解消す
ると共に、起動の遅れ(タイムラグ)を取り戻して、加
速2期において瘤が異常に大きくなるのを防ぐことがで
きる。更に、加速1期の後に続く加速2期においては、
加速1期の加速度(8〜24m/min/sec )をそのまま
継続すると、”鋳片の搬送がスムースに行われないこ
と”あるいは”駆動系の必要動力が大きくなる”等の問
題が生じる。そこで、加速2期の加速度は、加速1期の
加速度(8〜24 m/min/sec )よりも低い値にするこ
とにより、上記の問題点は解消する。
60〜375mmの範囲に入るまでの間(加速1期)の加
速度を8〜24 m/min/sec のような比較的高い値とし
てドラム速度を急速に上昇させることにより、サイド堰
の表面やドラムの胴面の軸方向端部寄りに地金が大きく
成長する時間を与えず、前記従来技術の問題点を解消す
ると共に、起動の遅れ(タイムラグ)を取り戻して、加
速2期において瘤が異常に大きくなるのを防ぐことがで
きる。更に、加速1期の後に続く加速2期においては、
加速1期の加速度(8〜24m/min/sec )をそのまま
継続すると、”鋳片の搬送がスムースに行われないこ
と”あるいは”駆動系の必要動力が大きくなる”等の問
題が生じる。そこで、加速2期の加速度は、加速1期の
加速度(8〜24 m/min/sec )よりも低い値にするこ
とにより、上記の問題点は解消する。
【0007】
【実施例】図1は本発明の方法を実施するための双ドラ
ム式薄板(この例では鋼板)連続鋳造装置1を例示した
もので、その主体をなす一対のドラム2及び3は、内部
を循環する水のような冷却媒体によって冷却されている
と共に、図示しない駆動機構によって同じ回転速度で互
いに反対向き(矢印の方向)に回転駆動される。双ドラ
ム式薄板連続鋳造装置1は、ドラム2及び3の軸4及び
5の両端をそれぞれ回転自由に支持する各一対の軸受
6、6及び7、7(図1は軸4及び5の各一端側の軸受
6及び7のみを示している。以下も同様)と、それらの
軸受6、6及び7、7を支持する共通のフレーム8(仮
想線によって示している)と、軸受7、7とフレーム8
との間にそれぞれ設けられて、ドラム3の軸受7、7
の、ドラム2の軸受4、4に対する位置をそれぞれ定め
る油圧シリンダ9、9と、軸受6、6に作用する荷重
(反力)を検出するためフレーム8との間に設けられた
荷重検出器(ロードセル)10、10等を備えている。
ム式薄板(この例では鋼板)連続鋳造装置1を例示した
もので、その主体をなす一対のドラム2及び3は、内部
を循環する水のような冷却媒体によって冷却されている
と共に、図示しない駆動機構によって同じ回転速度で互
いに反対向き(矢印の方向)に回転駆動される。双ドラ
ム式薄板連続鋳造装置1は、ドラム2及び3の軸4及び
5の両端をそれぞれ回転自由に支持する各一対の軸受
6、6及び7、7(図1は軸4及び5の各一端側の軸受
6及び7のみを示している。以下も同様)と、それらの
軸受6、6及び7、7を支持する共通のフレーム8(仮
想線によって示している)と、軸受7、7とフレーム8
との間にそれぞれ設けられて、ドラム3の軸受7、7
の、ドラム2の軸受4、4に対する位置をそれぞれ定め
る油圧シリンダ9、9と、軸受6、6に作用する荷重
(反力)を検出するためフレーム8との間に設けられた
荷重検出器(ロードセル)10、10等を備えている。
【0008】ドラム2及び3の間隔は油圧シリンダ9、
9によって定められる軸受7、7の位置によって決まる
が、その間隔とドラム2及び3の周速によって決まる鋳
造速度が連続鋳造される鋳片の厚さを決定する主たる要
因となる。ドラム2及び3の間隙の上部には図示しない
サイド堰によって側面を仕切られた湯溜まり部11が形
成され、やはり図示しないタンディシュのノズルが湯溜
まり部11内に伸びていて、そのノズルによって溶鋼
(一般的には金属の溶湯)が湯溜まり部11内に供給さ
れる。
9によって定められる軸受7、7の位置によって決まる
が、その間隔とドラム2及び3の周速によって決まる鋳
造速度が連続鋳造される鋳片の厚さを決定する主たる要
因となる。ドラム2及び3の間隙の上部には図示しない
サイド堰によって側面を仕切られた湯溜まり部11が形
成され、やはり図示しないタンディシュのノズルが湯溜
まり部11内に伸びていて、そのノズルによって溶鋼
(一般的には金属の溶湯)が湯溜まり部11内に供給さ
れる。
【0009】湯溜まり部11内に供給された溶鋼はドラ
ム2及び3の表面に接しているところで冷却され、凝固
してシェル12を形成し、ドラム2及び3が矢印の方向
に回転駆動されることによってドラム2及び3の間の最
も狭い間隙を通過し、圧下力を受けることによって帯板
状の鋳片13となり、連続的に下方へ送り出される。送
り出された鋳片13は図示しないピンチローラ等によっ
て案内されて送り出される間に更に冷却されて、最後に
図示しないコイラに巻き取られる。連続鋳造が行われる
とき、ドラム3は油圧シリンダ9、9によってドラム2
に向かって押圧されて支持されるが、それによってドラ
ム2及び3に挟まれた鋳片13(シェル12)には圧下
力が作用し、それに対応する大きさの反力が荷重検出器
10、10において検出される。それぞれの検出値が図
示しない制御装置に入力される。
ム2及び3の表面に接しているところで冷却され、凝固
してシェル12を形成し、ドラム2及び3が矢印の方向
に回転駆動されることによってドラム2及び3の間の最
も狭い間隙を通過し、圧下力を受けることによって帯板
状の鋳片13となり、連続的に下方へ送り出される。送
り出された鋳片13は図示しないピンチローラ等によっ
て案内されて送り出される間に更に冷却されて、最後に
図示しないコイラに巻き取られる。連続鋳造が行われる
とき、ドラム3は油圧シリンダ9、9によってドラム2
に向かって押圧されて支持されるが、それによってドラ
ム2及び3に挟まれた鋳片13(シェル12)には圧下
力が作用し、それに対応する大きさの反力が荷重検出器
10、10において検出される。それぞれの検出値が図
示しない制御装置に入力される。
【0010】図1に示された双ドラム式薄板連続鋳造装
置1における湯溜まり部11の底部では溶鋼が凝固して
シェル12を形成しているので、双ドラム式薄板連続鋳
造装置1を従来のスタートアップ(起動)方法によっ
て、ドラム速度(ドラム2及び3の周速)が定常の値に
達するまで略一定の加速度でドラム速度を上昇させる場
合には、図示しない制御装置から起動信号が出力され、
ドラム2及び3を駆動する電動機に通電された後、前述
のタイムラグを置いてドラム2及び3が緩やかに回転を
開始する。
置1における湯溜まり部11の底部では溶鋼が凝固して
シェル12を形成しているので、双ドラム式薄板連続鋳
造装置1を従来のスタートアップ(起動)方法によっ
て、ドラム速度(ドラム2及び3の周速)が定常の値に
達するまで略一定の加速度でドラム速度を上昇させる場
合には、図示しない制御装置から起動信号が出力され、
ドラム2及び3を駆動する電動機に通電された後、前述
のタイムラグを置いてドラム2及び3が緩やかに回転を
開始する。
【0011】起動した直後のドラム回転速度が未だ低い
間に送り出される鋳片13の先端14の付近では、単位
体積の溶鋼を冷却する時間が比較的長くなるため、シェ
ル12の厚さが一時的に大きくなり、鋳片13の先端
(最ボトム部)14の近くに、図2に示すような瘤15
が形成される。従って、起動直後のドラム2及び3はそ
れらの間に形成された狭い間隙から瘤15を押し出さな
ければならない。瘤15が過度に大きくなると、ドラム
の支持機構は弾力性が小さいので瘤15を通過させるこ
とができなくなって起動不能となる。また、ドラムが起
動した直後はドラム回転速度が低く、モールド内の溶鋼
滞留時間が比較的長くなり、サイド堰表面とドラムの胴
面の軸方向端部寄りに溶湯の凝固した地金が成長しやす
い。その地金がドラム胴面の軸方向端部付近でドラム間
隙に噛みこまれてドラム端部やサイド堰に損傷を与えた
り、シール不良のトラブルを起こす。
間に送り出される鋳片13の先端14の付近では、単位
体積の溶鋼を冷却する時間が比較的長くなるため、シェ
ル12の厚さが一時的に大きくなり、鋳片13の先端
(最ボトム部)14の近くに、図2に示すような瘤15
が形成される。従って、起動直後のドラム2及び3はそ
れらの間に形成された狭い間隙から瘤15を押し出さな
ければならない。瘤15が過度に大きくなると、ドラム
の支持機構は弾力性が小さいので瘤15を通過させるこ
とができなくなって起動不能となる。また、ドラムが起
動した直後はドラム回転速度が低く、モールド内の溶鋼
滞留時間が比較的長くなり、サイド堰表面とドラムの胴
面の軸方向端部寄りに溶湯の凝固した地金が成長しやす
い。その地金がドラム胴面の軸方向端部付近でドラム間
隙に噛みこまれてドラム端部やサイド堰に損傷を与えた
り、シール不良のトラブルを起こす。
【0012】そこで、本発明に従い、ドラム起動後から
鋳造距離Lが60〜375mmの範囲に入るまでの間(加
速1期)の加速度を8〜24 m/min/sec のような比較
的高い値としてドラム速度を急速に上昇させ、加速1期
の後に続く加速2期においては、加速1期の加速度(8
〜24 m/min/sec )よりも低い値にして、通常のドラ
ム速度である例えば80 m/minとなるまで加速するよう
に、スタートアップ時のドラム速度を急加速(加速1
期)と緩加速(加速2期)の組み合わせとすることによ
って、双ドラム式薄板連続鋳造装置1を円滑に起動させ
ると共に、大きな瘤15による前記のような問題を解決
することができる。
鋳造距離Lが60〜375mmの範囲に入るまでの間(加
速1期)の加速度を8〜24 m/min/sec のような比較
的高い値としてドラム速度を急速に上昇させ、加速1期
の後に続く加速2期においては、加速1期の加速度(8
〜24 m/min/sec )よりも低い値にして、通常のドラ
ム速度である例えば80 m/minとなるまで加速するよう
に、スタートアップ時のドラム速度を急加速(加速1
期)と緩加速(加速2期)の組み合わせとすることによ
って、双ドラム式薄板連続鋳造装置1を円滑に起動させ
ると共に、大きな瘤15による前記のような問題を解決
することができる。
【0013】スタートアップ時のドラム2及び3の周速
(ドラム速度)の加速を急加速と緩加速の2段に分けて
行うモードを、図3の(a)及び(b)に示すようにN
o.1からNo.17までの計17種類設定して、実際に連
続鋳造を行った実験結果を表1に示す。ドラム2及び3
のスタート条件の違いによって、初期の地金の噛み込み
や、その他の実験結果が大幅に変化することが判る。そ
して、表1に示されている結果の評価から、No.1,
2,8〜12,14,17は問題が残っているので本発
明に対する比較例とするにとどめ、No.3〜7,No.1
3,15,16の各例を本発明の実施例とする。これら
の共通の条件としては、ドラム2及び3について、ドラ
ム径を1200mm,ドラム幅を800mm、定常期の
鋳造速度を80m/min、使用する溶鋼の鋼種をSU
S304としている。
(ドラム速度)の加速を急加速と緩加速の2段に分けて
行うモードを、図3の(a)及び(b)に示すようにN
o.1からNo.17までの計17種類設定して、実際に連
続鋳造を行った実験結果を表1に示す。ドラム2及び3
のスタート条件の違いによって、初期の地金の噛み込み
や、その他の実験結果が大幅に変化することが判る。そ
して、表1に示されている結果の評価から、No.1,
2,8〜12,14,17は問題が残っているので本発
明に対する比較例とするにとどめ、No.3〜7,No.1
3,15,16の各例を本発明の実施例とする。これら
の共通の条件としては、ドラム2及び3について、ドラ
ム径を1200mm,ドラム幅を800mm、定常期の
鋳造速度を80m/min、使用する溶鋼の鋼種をSU
S304としている。
【0014】No.1,2は加速1期の加速度が小さいた
め、ドラムが起動しなかったり、あるいは遅れたりする
ことの弊害が発生している。また、No.8は加速1期の
加速度が大きすぎるため、ドラム表面とそれに接触して
いる鋳片表面とのずれが発生し、凝固シェル(鋳片表
層)の破れが発生し、更に湯漏れが発生する。即ち、加
速1期の最適の加速度はNo.3〜7に示すように、8〜
24 m/minである。No.9〜13は、加速1期の加速度
を適正値(20 m/min)にして、加速2期の加速度を
7.5〜20 m/minの間で変化させたものであるが、N
o.13の結果とも考え合わせると、加速2期の加速度は
7.5以下が適正であることが判る。しかし、この値は
ドラム駆動モーターの容量や、鋳片搬送の制御特性によ
り変わるものであり、絶対的な値ではない。No.14〜
17は、加速1期の鋳造距離を変化させたものであり、
No.14は加速1期が鋳片最ボトムの瘤の位置より手前
で終わっているため、瘤がドラム2及び3の間を通過す
ることができなかった。また、No.17は、加速1期の
長さを長く取りすぎた例であり、比較的高い加速度(2
0 m/min)が長時間継続したため、No.8と同様の湯漏
れが発生した。即ち、最適な加速1期の鋳造距離は60
〜375mmの範囲である。
め、ドラムが起動しなかったり、あるいは遅れたりする
ことの弊害が発生している。また、No.8は加速1期の
加速度が大きすぎるため、ドラム表面とそれに接触して
いる鋳片表面とのずれが発生し、凝固シェル(鋳片表
層)の破れが発生し、更に湯漏れが発生する。即ち、加
速1期の最適の加速度はNo.3〜7に示すように、8〜
24 m/minである。No.9〜13は、加速1期の加速度
を適正値(20 m/min)にして、加速2期の加速度を
7.5〜20 m/minの間で変化させたものであるが、N
o.13の結果とも考え合わせると、加速2期の加速度は
7.5以下が適正であることが判る。しかし、この値は
ドラム駆動モーターの容量や、鋳片搬送の制御特性によ
り変わるものであり、絶対的な値ではない。No.14〜
17は、加速1期の鋳造距離を変化させたものであり、
No.14は加速1期が鋳片最ボトムの瘤の位置より手前
で終わっているため、瘤がドラム2及び3の間を通過す
ることができなかった。また、No.17は、加速1期の
長さを長く取りすぎた例であり、比較的高い加速度(2
0 m/min)が長時間継続したため、No.8と同様の湯漏
れが発生した。即ち、最適な加速1期の鋳造距離は60
〜375mmの範囲である。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、双ドラム式薄板連続鋳
造装置のスタートアップ時において、サイド堰の表面や
ドラムの胴面の軸方向端部寄りに溶湯の凝固した地金が
成長するのを抑え、大きな地金がドラム胴面の軸方向端
部付近でドラム間隙に噛みこまれるのを防止することが
できる。それによってドラム端部やサイド堰が損傷した
りシール不良となることも回避される。また、本発明の
方法によれば、スタートアップ時において鋳片の最ボト
ム部にできる瘤が異常に大きくなることがないから、ド
ラムの起動も円滑になり、起動不能に陥るようなことが
ない。板厚の変動が早期に収斂して目標の厚さになるの
で、無駄に切り捨てる鋳片の長さが短くなり、製造コス
トの低減、生産効率の向上を図ることができる。
造装置のスタートアップ時において、サイド堰の表面や
ドラムの胴面の軸方向端部寄りに溶湯の凝固した地金が
成長するのを抑え、大きな地金がドラム胴面の軸方向端
部付近でドラム間隙に噛みこまれるのを防止することが
できる。それによってドラム端部やサイド堰が損傷した
りシール不良となることも回避される。また、本発明の
方法によれば、スタートアップ時において鋳片の最ボト
ム部にできる瘤が異常に大きくなることがないから、ド
ラムの起動も円滑になり、起動不能に陥るようなことが
ない。板厚の変動が早期に収斂して目標の厚さになるの
で、無駄に切り捨てる鋳片の長さが短くなり、製造コス
トの低減、生産効率の向上を図ることができる。
【図1】本発明の方法を実施すべき双ドラム式薄板連続
鋳造装置の構成を略示する概念図である。
鋳造装置の構成を略示する概念図である。
【図2】鋳片の瘤を例示する断面図である。
【図3】(a),(b)とも、実験を行った各例のドラ
ム速度の変化モードを示す線図である。
ム速度の変化モードを示す線図である。
1…双ドラム式薄板連続鋳造装置 2、3…ドラム 4、5…軸 6、7…軸受 8…フレーム 9…油圧シリンダ 10…荷重検出器 11…湯溜まり部 12…シェル 13…鋳片 14…鋳片の先端(最ボトム部) 15…瘤
フロントページの続き (72)発明者 山上 靖博 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内 (72)発明者 服部 英則 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 寺戸 定 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−232043(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 内部を循環する冷却媒体によって冷却さ
れ、同じ回転速度で互いに反対向きに回転駆動される一
対のドラムを備え、前記ドラムの軸方向の両端面に摺動
接触する一対のサイド堰によって前記一対のドラムの間
隙の上部に金属の溶湯が供給される湯溜まり部を形成し
ている双ドラム式薄板連続鋳造装置による鋳造におい
て、ドラム起動から鋳造距離が60〜375mmの範囲に
入るまでの間はドラム加速度を8〜24 m/min/sec で
加速し、その後は前記ドラム加速度よりも低い加速度で
通常のドラム速度まで加速することを特徴とする双ドラ
ム薄板連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4271980A JP2688150B2 (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 双ドラム薄板連続鋳造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4271980A JP2688150B2 (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 双ドラム薄板連続鋳造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06114504A JPH06114504A (ja) | 1994-04-26 |
JP2688150B2 true JP2688150B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=17507477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4271980A Expired - Fee Related JP2688150B2 (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 双ドラム薄板連続鋳造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2688150B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT411822B (de) * | 2002-09-12 | 2004-06-25 | Voest Alpine Ind Anlagen | Verfahren und vorrichtung zum starten eines giessvorganges |
KR100518327B1 (ko) * | 2002-12-23 | 2005-10-04 | 주식회사 포스코 | 쌍롤형 박판 주조장치에서의 초기 주조된 박판의 인발방법 |
CN106270426B (zh) * | 2016-08-26 | 2018-10-23 | 中国一冶集团有限公司 | 一种倾斜式双辊连续铸轧机及安装方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61232043A (ja) * | 1985-04-05 | 1986-10-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 薄板連続鋳造方法 |
-
1992
- 1992-10-09 JP JP4271980A patent/JP2688150B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06114504A (ja) | 1994-04-26 |
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