JP2687976B2 - Ti又はTi系合金のろう付用Ti系ろう付材料 - Google Patents

Ti又はTi系合金のろう付用Ti系ろう付材料

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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/32Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at more than 1550 degrees C
    • B23K35/325Ti as the principal constituent

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、Ti又はTi系合金のろう付用Ti系ろう付材料
に関する。 (従来技術及び発明が解決しようとする問題点) Ti及びTi系合金は、高比強度且つ高靱性を有し、優れ
た耐食性を示すと共に、加工性、溶接性に優れているこ
とから、近年、宇宙航空機器、化学装置、或いは、眼鏡
のフレーム等極めて幅広い分野で重用されている。 かかるTi及びTi系合金を溶接する際に使用するろう付
材料としては、例えば、銀ろう系のろう付材料が使用さ
れている。この銀ろう系のろう付材料は上記のTi及びTi
系合金中に拡散しても脆い化合物を生じることなく、
又、ぬれ性も良好であるという利点を有するが、しか
し、非常に高価であり、接合部の最大引張強度もそれ程
大きくないという不都合があった。 そこで、特にTi及びTi系合金のろう付接合に適したろ
う付材料の開発が行われており、例えば、Tiを含む合金
粉末を有機溶媒等のバインダーによりペースト化してな
るろう付材料が提案されている。ところが、かかるペー
スト状のろう付材料は溶接部への充填効率が低く、溶融
後に収縮してキャビティが生じたり、バインダーからガ
スが発生したりするという問題に加えて、例えば、ハニ
カム構造における突き合わせ接合や、スポット溶接等に
使用した際に充分な接合強度を得ることが困難であると
いう問題がある。 従って、ろう付材料としては、充填効率が高く、しか
も、接合箇所の構造を選ばない箔状もしくは線状のもの
が望まれている。しかしながら、ろう付材料としてのTi
系合金の組成によっては、延伸加工が著しく困難なもの
がある。この場合には、最終的に所望の合金組成が得ら
れるように、ろう付材料の成分を延伸加工が可能な成分
に分割して、これらの積層体をろう付材料としたものが
提案されている。具体的には、特開昭61−269997号公報
には、Ti芯材の外周面をNi−Cu合金で被覆して得られた
素線の束をNi−Cu合金の外郭体の内部に収容したのち、
圧延加工してなるテープ状のろう付材料が開示されてい
る。 ところが、かかるろう付材料は、上述したように製造
工程が複雑であるため高価となり、更に、それ自体組成
が均一ではなく、完全な合金ではないので、溶融させる
ためには例えばTiの変態点(約800℃)を越える温度ま
で加熱する必要がある。そのため、Tiの機械的強度が小
さくなり、接合強度が低下してしまうという不都合が生
じる。 本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、
均一な組成を有し、且つ、延伸加工を施すことなく帯状
もしくは線状とすることが可能であり、低融点でろう付
作業性を向上することが可能なTi又はTi系合金のろう付
用Ti系ろう付材料を提供することを目的とする。 (問題点を解決するための手段および作用) 本発明は、Ti及びTi系合金のろう付に最適なろう付材
料としての合金組成を開発すると共に、その合金を液体
急冷凝固法により非晶質化すれば、容易に帯状もしくは
線状とすることが可能で、しかも、均一な組成のろう付
材料が得られるとの認識に基づくものである。 即ち、本発明のTi又はTi系合金のろう付用Ti系ろう付
材料は、Cu:15原子%を越え、20原子%未満、Ni:20原子
%を越え、30原子%未満、Zr:20原子%を越え、35原子
%未満、残部Ti、及び、含有量が、O:0.2原子%以下、
N:0.1原子%以下、C:0.5原子%以下、Fe:0.1原子%以下
である不可避不純物からなり、液体急冷凝固法により帯
状もしくは線状をなしていることとしたものである。 以下に、本発明のろう付材料の各成分範囲の限定理由
を述べる。 Cu:20原子%未満 CuはTi合金系のろう付材料の融点を低下させるのに極
めて有効な元素である。Cuの含有量が20原子%以上とな
ると、母材であるTi及びTi系合金との親和性が低下する
と共に、ろう付後に結晶質となって脆い金属間化合物が
析出して、ろう付接合部の接合強度及び靱性を低下させ
るので、上限を20%未満とした。但し、Cuの含有量が15
原子%以下であると、融点の低下が充分とは言えない場
合が生じるので、15原子%を越えて含有させる。 Ni:30原子%未満 Niは上記したCuと共に、Ti合金系のろう付材料の融点
を低下させるのに有効な元素であるが、その含有量が30
原子%以上となると、上記と同様に母材との親和性が低
下するので、上限を30原子%未満とした。 Zr:35原子%未満 Zrは上記したCu及びNiと共に、Ti合金系のろう付材料
の融点を更に低下させるのに有効な元素である。しか
し、その含有量が35原子%以上となると母材の脆化を招
くので上限を35原子%とした。尚、Ti合金系ろう付材料
を健全な非晶質の箔状体として得るためには、Zrの含有
量は25原子%以上とすることが望ましい。 更に、不純物中においては、O:0.2原子%以下、N:0.1
原子%以下、C:0.5原子%以下、Fe:0.1原子%以下とす
る。これによって、ろう付接合部における強度及び靱性
に代表される機械的特性を一層向上させることが可能と
なる。 尚、上記成分組成において、残部を占めるTiは、前述
したように、特に母材となるTi及びTi系合金のろう付接
合において、接合部の特性を当該母材の特性に近似させ
るための成分である。このTiと上記のZrの含有量の比
は、Zr/(Ti+Zr)の値が0.25〜0.45の範囲となるよう
に決定すると、Zrの融点低下効果が極めて大きくなるた
め好ましい。 本発明のTi系ろう付材料は上記の成分よりなる合金溶
湯を公知の液体急冷凝固法により帯状もしくは線状とし
たものである。この液体急冷凝固法における冷却速度
は、例えば、104〜106℃/secに設定される。そして、具
体的には、例えば回転状態にある液中に上記成分の合金
溶湯を流下させる液中紡糸法、ガラス管内に上記合金溶
湯を入れてガラス管ごと引くテイラー法、或いは、回転
する単ロールもしくは双ロールの表面に上記合金溶湯を
流下させるロール法等によって、帯状もしくは線状のろ
う付材料を製造することができる。 このような液体急冷凝固法によって得られたろう付材
料は、微細結晶質となっているもの、全部が非晶質(ア
モルファス)となっているもの、又は半分以上が非晶質
(アモルファス)で残部が微細結晶質となっているもの
の何れかであるが、中でも非晶質を多く含有するもので
あることが好ましい。 即ち、非晶質を多く含有する帯状もしくは線状とする
ことにより、溶融による収縮を低減し、薄くて均一な肉
厚を有し、曲げによって折れたり破断することがないろ
う付材料とすることが可能となる。又、このろう付材料
は、可撓性を有しているため、例えば上記したハニカム
構造等複雑形状のもののろう付接合部への適用が容易で
あり、充填効率を向上させるという利点を有する。 (実施例) 第1表に示す成分(原子%)のTi系合金をArガス雰囲
気中で高周波誘導加熱により溶製したのち、得られた合
金溶湯をノズル先端より、高速回転するロール表面に流
下させる、液体急冷凝固法を適用することによって帯状
の非晶質系(非晶質の含有割合が50〜100体積%)のTi
系ろう付材料A〜Gを得た。表中には、各ろう付材料の
融点も示した。第1表から明らかなとおり、ろう付材料
A〜Eは本発明の組成範囲を満足するものであり、ろう
付材料F及びGは本発明の組成範囲を逸脱するものであ
る。これらのろう付材料A〜Gの靱性を調べるために18
0°折り曲げ試験を行い、結果を第1表中に示した。
尚、この折り曲げ試験の結果は、◎…折り曲げ可能、○
…略折り曲げ可能、×…折り曲げ時破断として評価し
た。 次いで、上記のろう付材料を使用して、実際にろう付
接合を行い、接合部における接合強度を調べた。即ち、
母材としてTi−6%A1−4%VなるTi系合金を使用し、
これらの母材間に前記帯状のろう付材料を介装した状態
にして、Arガス雰囲気中で夫々第2表に示す温度及び時
間で突き合わせ接合を行った。しかるのち、この突き合
わせ接合体の最大引張強度(UTS)を測定し、その結果
を第2表中に示した。 第1表及び第2表から明らかなとおり、本発明のTi又
はTi系合金のろう付用Ti系ろう付材料は、高靱性を有す
る帯状体として得られ、且つ、Ti及びTi系合金よりなる
母材の接合に使用した際に、極めて高い接合強度が得ら
れることが確認された。 (発明の効果) 以上説明したように本発明のTi又はTi系合金のろう付
用Ti系ろう付材料によれば、Cu:15原子%を越え、20原
子%未満、Ni:20原子%を越え、30原子%未満、Zr:20原
子%を越え、35原子%未満、残部Ti、及び、含有量が、
O:0.2原子%以下、N:0.1原子%以下、C:0.5原子%以
下、Fe:0.1原子%以下である不可避不純物からなり、液
体急冷凝固法により帯状もしくは線状をなしていること
としたので、均一な組成を有し、且つ従来のTi系合金よ
りなるろう付材料のように延伸加工等を施すことなく、
容易に帯状もしくは線状とすることが可能で、安価であ
る。しかも、充填効率が高く、複雑形状の母材にも容易
に適用できるという利点を有する。更に、低融点であっ
てろう付時の作業性が良好で、また、接合強度も非常に
高いため、Ti及びTi系合金を使用する幅広い分野でその
有用性は極めて大きい。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.Cu:15原子%を越え、20原子%未満、Ni:20原子%を
    越え、30原子%を越え、Zr:20原子%を越え、35原子%
    未満、残部Ti、及び、含有量が、O:0.2原子%以下、N:
    0.1原子%以下、C:0.5原子%以下、Fe:0.1原子%以下で
    ある不可避不純物からなり、液体急冷凝固法により帯状
    もしくは線状をなしていることを特徴とするTi又はTi系
    合金のろう付用Ti系ろう付材料。 2.Zr/(Ti+Zr)の値が0.25〜0.45の範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のTi又はTi系合
    金のろう付用Ti系ろう付材料。
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