JP2686691B2 - ヒータ線 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気毛布や電気カーペッ
ト等の面状採暖具に用いられるヒータ線に関する。
ト等の面状採暖具に用いられるヒータ線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より面状採暖具に用いられているヒ
ータ線の構造及び製造法について図4を用いて説明す
る。同図(a)は従来のヒータ線の構造を示す略図,ま
た同図(b)は従来の金属発熱導体の断面図である。ヒ
ータ線は、テトロン(東レ社商品名)撚糸,ガラス撚糸
等からなる巻芯1の外周に複数本(本図では4本)の金
属発熱導体2aを定ピッチでスパイラル状に並列巻き
し、この外周にナイロン−11, ナイロン−12等のポリア
ミド樹脂を押出しして熔断層3を設け、この外周に複数
本(本図では2本)の銅又は銅合金線からなる信号導体
4をスパイラル状に並列巻きし、更にこの外周に熱可塑
性の合成樹脂、例えばポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を
押出ししてシース5を設けた構造となっている。
ータ線の構造及び製造法について図4を用いて説明す
る。同図(a)は従来のヒータ線の構造を示す略図,ま
た同図(b)は従来の金属発熱導体の断面図である。ヒ
ータ線は、テトロン(東レ社商品名)撚糸,ガラス撚糸
等からなる巻芯1の外周に複数本(本図では4本)の金
属発熱導体2aを定ピッチでスパイラル状に並列巻き
し、この外周にナイロン−11, ナイロン−12等のポリア
ミド樹脂を押出しして熔断層3を設け、この外周に複数
本(本図では2本)の銅又は銅合金線からなる信号導体
4をスパイラル状に並列巻きし、更にこの外周に熱可塑
性の合成樹脂、例えばポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を
押出ししてシース5を設けた構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】巻芯1の外周に複数本
の金属発熱導体2aを定ピッチでスパイラル状に並列巻
きするには、該複数本の金属発熱導体2aのそれぞれの
定ピッチ状態を乱さずに巻芯1に均一に巻線する必要が
ある。しかしながら、テトロン撚糸等の軟らかい巻芯1
の外周に硬い金属発熱導体2aをスパイラル状に並列巻
きする際に該金属発熱導体2aの表面の滑り性が大きく
影響したりして巻線中に前記複数本の金属発熱導体2a
の個々の線のテンションが乱れ、ピッチが乱れて線が重
なりあい、外観形状が突起状いわゆるこぶになる事があ
る。この様な場合にはこの不良部分をカットしなければ
ならないため、ヒータ線の連続長さとしては今まで数千
mが限度であった。また、従来構造のヒータ線において
は、機械的特性,特に屈曲性がやや劣っているため、信
頼性の点で満足できるものではなかった。
の金属発熱導体2aを定ピッチでスパイラル状に並列巻
きするには、該複数本の金属発熱導体2aのそれぞれの
定ピッチ状態を乱さずに巻芯1に均一に巻線する必要が
ある。しかしながら、テトロン撚糸等の軟らかい巻芯1
の外周に硬い金属発熱導体2aをスパイラル状に並列巻
きする際に該金属発熱導体2aの表面の滑り性が大きく
影響したりして巻線中に前記複数本の金属発熱導体2a
の個々の線のテンションが乱れ、ピッチが乱れて線が重
なりあい、外観形状が突起状いわゆるこぶになる事があ
る。この様な場合にはこの不良部分をカットしなければ
ならないため、ヒータ線の連続長さとしては今まで数千
mが限度であった。また、従来構造のヒータ線において
は、機械的特性,特に屈曲性がやや劣っているため、信
頼性の点で満足できるものではなかった。
【0004】本発明はこれら従来技術が有する問題点を
解決するためになされたものであり、ヒータ線の製造
時、巻芯1の外周に前記複数本の金属発熱導体2aを定
ピッチでスパイラル状に並列巻きする際の個々の線のテ
ンションの乱れの原因を無くし、こぶをなくす事により
長尺のヒータ線を提供し、また屈曲性の良いヒータ線を
提供することを目的とする。
解決するためになされたものであり、ヒータ線の製造
時、巻芯1の外周に前記複数本の金属発熱導体2aを定
ピッチでスパイラル状に並列巻きする際の個々の線のテ
ンションの乱れの原因を無くし、こぶをなくす事により
長尺のヒータ線を提供し、また屈曲性の良いヒータ線を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、熔断層のポリアミド樹脂より低い融点を有
する熱可塑性樹脂を主成分とし、これに滑り剤を配合し
て表面滑り性のよい絶縁被膜を設けた複数本の金属発熱
導体を並行に隣接して配置し、前記絶縁被膜と同一の接
着被膜で固着一体化させたテープ状滑性絶縁金属発熱導
体を巻芯の外周にフラット面を密着させながら定ピッチ
でスパイラル状に巻線し、この外周にポリアミド樹脂の
熔断層を設け、該熔断層の外周に複数本の信号導体をス
パイラル状に並列巻きし、更にこの外周にシースを順次
設けてなるヒータ線にある。
に本発明は、熔断層のポリアミド樹脂より低い融点を有
する熱可塑性樹脂を主成分とし、これに滑り剤を配合し
て表面滑り性のよい絶縁被膜を設けた複数本の金属発熱
導体を並行に隣接して配置し、前記絶縁被膜と同一の接
着被膜で固着一体化させたテープ状滑性絶縁金属発熱導
体を巻芯の外周にフラット面を密着させながら定ピッチ
でスパイラル状に巻線し、この外周にポリアミド樹脂の
熔断層を設け、該熔断層の外周に複数本の信号導体をス
パイラル状に並列巻きし、更にこの外周にシースを順次
設けてなるヒータ線にある。
【0006】前記熔断層のポリアミド樹脂より低い融点
を有する熱可塑性樹脂(以下低融点熱可塑性樹脂と略記
する)がナイロン−11,12の共重合体であり、また
前記低融点熱可塑性樹脂に吸湿性を改善するための添加
剤を配合したヒータ線にある。
を有する熱可塑性樹脂(以下低融点熱可塑性樹脂と略記
する)がナイロン−11,12の共重合体であり、また
前記低融点熱可塑性樹脂に吸湿性を改善するための添加
剤を配合したヒータ線にある。
【0007】前記金属発熱導体としては、銅線又は抵抗
線等が挙げられる。また前記低融点熱可塑性樹脂として
は、融点が120〜150°Cであり、ナイロン−11,1
2 の共重合体であるプラタミド−H104,H105
(日本リルサン社商品名)、ダイアミドT−650,N
1901(ダイセルヒュルス社商品名)等が挙げられ
る。また前記滑り剤としては、低分子量の高級脂肪酸,
例えばC−15高級脂肪酸エステル等が挙げられる。ま
た前記添加剤としては、フェノール樹脂,例えばヒタノ
ール(日立化成社商品名)等が挙げられる。なお、前記
滑り剤及び添加剤の配合量は前記低融点熱可塑性樹脂1
00重量部に対し0.5〜20重量部であれば良い。
線等が挙げられる。また前記低融点熱可塑性樹脂として
は、融点が120〜150°Cであり、ナイロン−11,1
2 の共重合体であるプラタミド−H104,H105
(日本リルサン社商品名)、ダイアミドT−650,N
1901(ダイセルヒュルス社商品名)等が挙げられ
る。また前記滑り剤としては、低分子量の高級脂肪酸,
例えばC−15高級脂肪酸エステル等が挙げられる。ま
た前記添加剤としては、フェノール樹脂,例えばヒタノ
ール(日立化成社商品名)等が挙げられる。なお、前記
滑り剤及び添加剤の配合量は前記低融点熱可塑性樹脂1
00重量部に対し0.5〜20重量部であれば良い。
【0008】
【作用】本発明のヒータ線は、複数本の金属発熱導体2
aの外周に滑性絶縁被膜10を設けてから該絶縁被膜1
0と同一の滑性接着被膜10aで固着一体化させたテー
プ状滑性絶縁金属発熱導体2を用いているので、巻芯1
の外周にこのテープ状滑性絶縁金属発熱導体2を定ピッ
チでスパイラル状に巻線する際、ピッチが乱れて線が重
なりあうことがなくなる。その結果、外観形状が突起状
いわゆるこぶになる事がなくなり、長尺のヒータ線が得
られるようになる。また本発明のヒータ線は、前記テー
プ状滑性絶縁金属発熱導体2を用いる事により機械的特
性,特に屈曲性が向上する。更に、本発明のヒータ線
は、金属発熱導体2a表面に滑性絶縁被膜10を設け、
更に滑性接着被膜10aにより固着しているが、これら
の絶縁(接着)被膜10,10aの主成分である熱可塑
性樹脂の融点は溶断層を構成するポリアミド樹脂の融点
より低く設定してあるため、ポリアミド樹脂熔断層3の
熔断機構を何ら阻害することなくテープ状滑性絶縁金属
発熱導体2の表面状態(滑り性)が改善される。
aの外周に滑性絶縁被膜10を設けてから該絶縁被膜1
0と同一の滑性接着被膜10aで固着一体化させたテー
プ状滑性絶縁金属発熱導体2を用いているので、巻芯1
の外周にこのテープ状滑性絶縁金属発熱導体2を定ピッ
チでスパイラル状に巻線する際、ピッチが乱れて線が重
なりあうことがなくなる。その結果、外観形状が突起状
いわゆるこぶになる事がなくなり、長尺のヒータ線が得
られるようになる。また本発明のヒータ線は、前記テー
プ状滑性絶縁金属発熱導体2を用いる事により機械的特
性,特に屈曲性が向上する。更に、本発明のヒータ線
は、金属発熱導体2a表面に滑性絶縁被膜10を設け、
更に滑性接着被膜10aにより固着しているが、これら
の絶縁(接着)被膜10,10aの主成分である熱可塑
性樹脂の融点は溶断層を構成するポリアミド樹脂の融点
より低く設定してあるため、ポリアミド樹脂熔断層3の
熔断機構を何ら阻害することなくテープ状滑性絶縁金属
発熱導体2の表面状態(滑り性)が改善される。
【0009】
【実施例】本発明のヒータ線の実施例について図を用い
て説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるもの
ではない。図1(a)は本発明のヒータ線の構造を示す
略図、同図(b)は本発明のテープ状滑性絶縁金属発熱
導体の断面図、図2(a)は本発明のテープ状滑性絶縁
金属発熱導体を巻芯の外周にスパイラル状に巻線する方
法を説明するための略図、同図(b)は従来の金属発熱
導体を巻芯の外周にスパイラル状に巻線する方法を説明
するための略図、また図3はヒータ線の屈曲試験方法を
説明するための略図である。
て説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるもの
ではない。図1(a)は本発明のヒータ線の構造を示す
略図、同図(b)は本発明のテープ状滑性絶縁金属発熱
導体の断面図、図2(a)は本発明のテープ状滑性絶縁
金属発熱導体を巻芯の外周にスパイラル状に巻線する方
法を説明するための略図、同図(b)は従来の金属発熱
導体を巻芯の外周にスパイラル状に巻線する方法を説明
するための略図、また図3はヒータ線の屈曲試験方法を
説明するための略図である。
【0010】 1.滑性ポリアミド絶縁(接着)塗料の調製 ナイロン−11の共重合体使用 低融点熱可塑性樹脂としてナイロン−11の共重合体で
あるプラタミド−H105を150g、滑り剤としてC
−15高級脂肪酸エステルを1.5g、添加剤としてヒ
タノールを15g、また溶剤としてクレゾール/キシレ
ン混合溶剤を850g攪拌機付きの四つ口フラスコに投
入し、温度150°Cで3時間攪拌溶解して濃度約1
6.4%の滑性ポリアミド絶縁塗料を調製した。 ナイロン−12の共重合体使用 低融点熱可塑性樹脂としてナイロン−12の共重合体で
あるダイアミド−T650を150g用いる以外は.前
記と同様にして滑性ポリアミド絶縁塗料を調製した。
なお、これら及びの絶縁塗料は接着塗料としても用
いるものである。
あるプラタミド−H105を150g、滑り剤としてC
−15高級脂肪酸エステルを1.5g、添加剤としてヒ
タノールを15g、また溶剤としてクレゾール/キシレ
ン混合溶剤を850g攪拌機付きの四つ口フラスコに投
入し、温度150°Cで3時間攪拌溶解して濃度約1
6.4%の滑性ポリアミド絶縁塗料を調製した。 ナイロン−12の共重合体使用 低融点熱可塑性樹脂としてナイロン−12の共重合体で
あるダイアミド−T650を150g用いる以外は.前
記と同様にして滑性ポリアミド絶縁塗料を調製した。
なお、これら及びの絶縁塗料は接着塗料としても用
いるものである。
【0011】2.テープ状滑性ポリアミド銅線(テープ
状滑性絶縁金属発熱導体)の製造 テープ状滑性ポリアミド銅線の製造について図1(b)
を用いて説明する。前記で調製した滑性ポリアミド絶
縁塗料を導体径0.13mmφの銅線(金属発熱導体)2
aに塗布焼付けし、約0.004mm厚の滑性ポリアミド
絶縁皮膜10を設けた。次にこの絶縁皮膜10を設けた
銅線2aの4本を並行に密接して並べ、前記の接着塗
料を塗布焼付けして滑性ポリアミド接着皮膜10aを設
けて固着一体化させ、テープ幅が0.7mm, テープ厚が
0.15mmのテープ状滑性ポリアミド銅線2を製造し
た。このテープ状滑性ポリアミド銅線2の導体抵抗は0.
7250Ω/m(20°C)であった。なお、焼付炉は炉長3m
のものを使用し、炉温300°C,線速54m/min
の条件で行なった。
状滑性絶縁金属発熱導体)の製造 テープ状滑性ポリアミド銅線の製造について図1(b)
を用いて説明する。前記で調製した滑性ポリアミド絶
縁塗料を導体径0.13mmφの銅線(金属発熱導体)2
aに塗布焼付けし、約0.004mm厚の滑性ポリアミド
絶縁皮膜10を設けた。次にこの絶縁皮膜10を設けた
銅線2aの4本を並行に密接して並べ、前記の接着塗
料を塗布焼付けして滑性ポリアミド接着皮膜10aを設
けて固着一体化させ、テープ幅が0.7mm, テープ厚が
0.15mmのテープ状滑性ポリアミド銅線2を製造し
た。このテープ状滑性ポリアミド銅線2の導体抵抗は0.
7250Ω/m(20°C)であった。なお、焼付炉は炉長3m
のものを使用し、炉温300°C,線速54m/min
の条件で行なった。
【0012】3.ヒータ線の製造 ヒータ線の製造について図1及び図2(a)を用いて説
明する。0.45mmφのテトロン撚り糸からなる巻芯1
の外周に前記2で製造した1本のテープ状滑性ポリアミ
ド銅線2をフラット面を密着させながら巻きピッチ0.
85mmでスパイラル状に巻線してからボビンに一旦巻取
った(図示せず)。なお、巻線方法は図2(a)に示す
ように、巻芯1を矢印uの方向に上方へ移動させ、テー
プ状滑性ポリアミド銅線2を矢印rの方向に回転させな
がら巻線していくものである。次にボビンから前記巻取
った中間製品を繰り出し、この外周に仕上外径が1.2
0mmとなるようにポリアミド樹脂(リルサン BECN
O−TL(日本リルサン社商品名))をこの外周に押出
しして熔断層3を設けた。次にこの外周に2本の0.1
3mmφの銅線(信号導体)4を巻きピッチ2.0mmでス
パイラル状に並列巻きした。更にこの外周にPVCを厚
さ0.42mm以上押出ししてシース5を設け、仕上外径
2.38mmφのヒータ線6を製造した。
明する。0.45mmφのテトロン撚り糸からなる巻芯1
の外周に前記2で製造した1本のテープ状滑性ポリアミ
ド銅線2をフラット面を密着させながら巻きピッチ0.
85mmでスパイラル状に巻線してからボビンに一旦巻取
った(図示せず)。なお、巻線方法は図2(a)に示す
ように、巻芯1を矢印uの方向に上方へ移動させ、テー
プ状滑性ポリアミド銅線2を矢印rの方向に回転させな
がら巻線していくものである。次にボビンから前記巻取
った中間製品を繰り出し、この外周に仕上外径が1.2
0mmとなるようにポリアミド樹脂(リルサン BECN
O−TL(日本リルサン社商品名))をこの外周に押出
しして熔断層3を設けた。次にこの外周に2本の0.1
3mmφの銅線(信号導体)4を巻きピッチ2.0mmでス
パイラル状に並列巻きした。更にこの外周にPVCを厚
さ0.42mm以上押出ししてシース5を設け、仕上外径
2.38mmφのヒータ線6を製造した。
【0013】比較例 比較例のヒータ線の製造について図4及び図2(b)を
用いて説明する。0.45mmφのテトロン撚り糸からな
る巻芯1の外周に4本の導体径0.13mmφの銅線(金
属発熱導体)2aを巻きピッチ0.85mmでスパイラル
状に並列巻きし、その他は前記3のヒータ線の製造法と
全く同様にしてヒータ線を製造した。なお、巻線方法は
図2(b)に示すように、巻芯1を矢印uの方向に上方
へ移動させながら4本の導体径0.13mmφの銅線2a
のそれぞれを矢印rの方向に回転させながら巻線してい
くものである。
用いて説明する。0.45mmφのテトロン撚り糸からな
る巻芯1の外周に4本の導体径0.13mmφの銅線(金
属発熱導体)2aを巻きピッチ0.85mmでスパイラル
状に並列巻きし、その他は前記3のヒータ線の製造法と
全く同様にしてヒータ線を製造した。なお、巻線方法は
図2(b)に示すように、巻芯1を矢印uの方向に上方
へ移動させながら4本の導体径0.13mmφの銅線2a
のそれぞれを矢印rの方向に回転させながら巻線してい
くものである。
【0014】実施例及び比較例のヒータ線の比較 (1)ヒータ線製造時のこぶの発生状況 実施例及び比較例のヒータ線の製造において、実施例の
ものは巻芯1の外周に前記2で製造した1本のテープ状
滑性ポリアミド銅線2を巻きピッチ0.85mmでスパイ
ラル状に巻線するさい、巻線中の線のテンションは安定
しており、こぶの発生がなかった。一方、比較例のもの
は巻線中に線のテンションが乱れピッチが乱れて線が重
なりあい、こぶが発生した。その結果、実施例のヒータ
線は比較例のものと較べて約2〜3倍の連続長さの製品
が得られた。
ものは巻芯1の外周に前記2で製造した1本のテープ状
滑性ポリアミド銅線2を巻きピッチ0.85mmでスパイ
ラル状に巻線するさい、巻線中の線のテンションは安定
しており、こぶの発生がなかった。一方、比較例のもの
は巻線中に線のテンションが乱れピッチが乱れて線が重
なりあい、こぶが発生した。その結果、実施例のヒータ
線は比較例のものと較べて約2〜3倍の連続長さの製品
が得られた。
【0015】(2)ヒータ線の特性 実施例及び比較例のヒータ線について、それぞれの金属
発熱導体の特性試験として静止摩擦係数の測定、また完
成品のヒータ線の特性試験として屈曲試験を実施した。
その結果を表1に示す。
発熱導体の特性試験として静止摩擦係数の測定、また完
成品のヒータ線の特性試験として屈曲試験を実施した。
その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】上記試験において、静止摩擦係数の測定は
記録計付き引張試験機を用い、引張速度100mm/min,荷重
100 gで行なった。また屈曲試験は自社製試験機を用
い、図2に示すようにヒータ線6を左右に90°ずつ折り
曲げる動作( これを1回とする)を繰り返し、断線に至
るまでの回数を測定した。なお、試験条件としては荷重
500g, 屈曲間隔2.50mm、屈曲速度50rpm,温度20±3 °C
で行なった。
記録計付き引張試験機を用い、引張速度100mm/min,荷重
100 gで行なった。また屈曲試験は自社製試験機を用
い、図2に示すようにヒータ線6を左右に90°ずつ折り
曲げる動作( これを1回とする)を繰り返し、断線に至
るまでの回数を測定した。なお、試験条件としては荷重
500g, 屈曲間隔2.50mm、屈曲速度50rpm,温度20±3 °C
で行なった。
【0018】上記表1から明らかなように、本発明のヒ
ータ線に用いられるテープ状滑性ポリアミド銅線は、静
止摩擦係数が比較例の銅線と比較して極めて小さく、表
面滑り性が非常に良くなっていることが分かる。また完
成品のヒータ線は従来品と比較して約2倍の屈曲回数に
耐えることが分かる。なお、前記の絶縁塗料を用いて
テープ状滑性ポリアミド銅線(テープ状滑性絶縁金属発
熱導体)の製造、ヒータ線の製造を行なった場合も、ヒ
ータ線製造時のこぶの発生状況、ヒータ線の特性は前記
の絶縁塗料を用いたものと殆ど同一であった。
ータ線に用いられるテープ状滑性ポリアミド銅線は、静
止摩擦係数が比較例の銅線と比較して極めて小さく、表
面滑り性が非常に良くなっていることが分かる。また完
成品のヒータ線は従来品と比較して約2倍の屈曲回数に
耐えることが分かる。なお、前記の絶縁塗料を用いて
テープ状滑性ポリアミド銅線(テープ状滑性絶縁金属発
熱導体)の製造、ヒータ線の製造を行なった場合も、ヒ
ータ線製造時のこぶの発生状況、ヒータ線の特性は前記
の絶縁塗料を用いたものと殆ど同一であった。
【0019】
【発明の効果】本発明のヒータ線は金属発熱導体表面に
滑性絶縁被膜を設けてから該滑性絶縁被膜と同一の接着
被膜で固着一体化させたテープ状滑性絶縁金属発熱導体
を用いているので、巻芯の外周に定ピッチでスパイラル
状に巻線する際、ピッチが乱れて線が重なり合うことが
なくなった。その結果、外径が安定してこぶの発生がな
くなり、長尺のヒータ線の製造が可能になった。また、
ヒータ線としての完成品に要求される機械的特性、特に
屈曲性が大幅に向上し、従来品と比較して約2倍程度信
頼性が向上した。また、金属発熱導体表面に滑性絶縁被
膜を設け、更に滑性接着被膜により固着しているが、こ
れらの絶縁(接着)被膜の主成分である熱可塑性樹脂の
融点は溶断層を構成するポリアミド樹脂の融点より低く
設定してあるため、ポリアミド樹脂熔断層の熔断機構を
何ら阻害することなくテープ状滑性絶縁金属発熱導体の
表面状態(滑り性)が改善されている。また、本発明の
ヒータ線の製造は1本のテープ状滑性絶縁金属発熱導体
を巻芯の外周にスパイラル状に巻線すれば良いので巻線
作業が簡略化され、巻線作業の効率が大幅に改善され
る。
滑性絶縁被膜を設けてから該滑性絶縁被膜と同一の接着
被膜で固着一体化させたテープ状滑性絶縁金属発熱導体
を用いているので、巻芯の外周に定ピッチでスパイラル
状に巻線する際、ピッチが乱れて線が重なり合うことが
なくなった。その結果、外径が安定してこぶの発生がな
くなり、長尺のヒータ線の製造が可能になった。また、
ヒータ線としての完成品に要求される機械的特性、特に
屈曲性が大幅に向上し、従来品と比較して約2倍程度信
頼性が向上した。また、金属発熱導体表面に滑性絶縁被
膜を設け、更に滑性接着被膜により固着しているが、こ
れらの絶縁(接着)被膜の主成分である熱可塑性樹脂の
融点は溶断層を構成するポリアミド樹脂の融点より低く
設定してあるため、ポリアミド樹脂熔断層の熔断機構を
何ら阻害することなくテープ状滑性絶縁金属発熱導体の
表面状態(滑り性)が改善されている。また、本発明の
ヒータ線の製造は1本のテープ状滑性絶縁金属発熱導体
を巻芯の外周にスパイラル状に巻線すれば良いので巻線
作業が簡略化され、巻線作業の効率が大幅に改善され
る。
【図1】(a) 本発明のヒータ線の構造を示す略図で
ある。 (b) 本発明のテープ状滑性絶縁金属発熱導体の断面
図である。
ある。 (b) 本発明のテープ状滑性絶縁金属発熱導体の断面
図である。
【図2】(a) 本発明のテープ状滑性絶縁金属発熱導
体を巻芯の外周にスパイラル状に巻線する方法を説明す
るための略図である。 (b) 従来の金属発熱導体を巻芯の外周にスパイラル
状に巻線する方法を説明するための略図である。
体を巻芯の外周にスパイラル状に巻線する方法を説明す
るための略図である。 (b) 従来の金属発熱導体を巻芯の外周にスパイラル
状に巻線する方法を説明するための略図である。
【図3】ヒータ線の屈曲試験を説明するための略図であ
る。
る。
【図4】(a) 従来のヒータ線の構造を示す略図であ
る。 (b) 従来の金属発熱導体の断面図である。
る。 (b) 従来の金属発熱導体の断面図である。
1 巻芯 2 テープ状滑性絶縁金属発熱導体(テープ状滑性ポリ
アミド銅線) 2a 金属発熱導体(銅線) 3 熔断層 4 信号導体 5 シース 6 ヒータ線 10 滑性絶縁被膜(滑性ポリアミド絶縁被膜) 10a 滑性接着被膜(滑性ポリアミド接着被膜)
アミド銅線) 2a 金属発熱導体(銅線) 3 熔断層 4 信号導体 5 シース 6 ヒータ線 10 滑性絶縁被膜(滑性ポリアミド絶縁被膜) 10a 滑性接着被膜(滑性ポリアミド接着被膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−290683(JP,A) 実開 昭61−206287(JP,U)
Claims (3)
- 【請求項1】 熔断層のポリアミド樹脂より低い融点を
有する熱可塑性樹脂を主成分とし、これに滑り剤を配合
して表面滑り性のよい絶縁被膜を設けた複数本の金属発
熱導体を並行に隣接して配置し、前記絶縁被膜と同一の
接着被膜で固着一体化させたテープ状滑性絶縁金属発熱
導体を巻芯の外周にフラット面を密着させながら定ピッ
チでスパイラル状に巻線し、この外周にポリアミド樹脂
の熔断層を設け、該熔断層の外周に複数本の信号導体を
スパイラル状に並列巻きし、更にこの外周にシースを順
次設けてなることを特徴とするヒータ線。 - 【請求項2】 前記熔断層のポリアミド樹脂より低い融
点を有する熱可塑性樹脂がナイロン−11,12の共重
合体であることを特徴とする請求項1記載のヒータ線。 - 【請求項3】 前記熔断層のポリアミド樹脂より低い融
点を有する熱可塑性樹脂に吸湿性を改善するための添加
剤を配合したことを特徴とする請求項1または2記載の
ヒータ線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21345292A JP2686691B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ヒータ線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21345292A JP2686691B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ヒータ線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0636864A JPH0636864A (ja) | 1994-02-10 |
JP2686691B2 true JP2686691B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=16639458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21345292A Expired - Fee Related JP2686691B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ヒータ線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2686691B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2979861B1 (en) | 2013-03-29 | 2023-08-16 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Decorative sheet and decorative resin molded article |
JP2021190172A (ja) * | 2020-05-25 | 2021-12-13 | 東京特殊電線株式会社 | 高屈曲ヒータ線及び発熱体 |
-
1992
- 1992-07-17 JP JP21345292A patent/JP2686691B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0636864A (ja) | 1994-02-10 |
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