JP2686253B2 - 酸化物系超電導材の製造方法 - Google Patents

酸化物系超電導材の製造方法

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宰 河野
義光 池野
伸行 定方
伸哉 青木
恭治 太刀川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気浮上列車、核
融合炉、単結晶引上装置、磁気分離装置、医療装置、磁
気推進船等に用いられる超電導マグネットコイルや電力
輸送用等に使用される超電導線、ジョセフソン素子、S
QUID(Superconducting Quantum Interference Dev
ice)等の薄膜超電導材料生成用のスパッタリングター
ゲット、プリント基板配線用材料、磁気シールド材料等
に用いられる酸化物系超電導材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近に至り、常電導状態から超電導状態
へ遷移する臨界温度(Tc)が液体窒素温度を超える値
を示す酸化物超電導体が種々発見されている。この種の
酸化物超電導体は、一般式A-B-Cu-O(ただしA
は、Y,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等
の周期律表IIIa族元素の1種以上を示し、Bは、M
g,Ca,Sr,Ba等の周期律表IIa族元素の1種以
上を示す。)で示される酸化物であり、液体ヘリウムで
冷却することが必要であった従来の合金系あるいは金属
間化合物系の超電導体と比較して格段に有利な冷却条件
で使用できることから、実用上極めて有望な超電導材料
として研究がなされている。ところで従来、このような
酸化物超電導体の製造方法の一例として、以下に説明す
る方法が知られている。酸化物超電導体を製造するに
は、A-B-Cu-Oで示される酸化物超電導体を構成す
る各元素を含む複数の原料粉末を混合して混合粉末を作
製し、次いでこの混合粉末を仮焼して不要成分を除去
し、この仮焼粉末を熱処理して超電導粉末とした後に、
所定形状に圧粉成形したり、この超電導粉末を金属管に
充填し、更に縮径して所望の直径の線材などに成形した
後、熱処理を施して酸化物超電導体を製造する方法であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述の従
来方法においては、原料粉末を完全に均一に混合するこ
とが困難なことから、熱処理を施しても酸化物超電導体
の全体が完全に均一な結晶構造とならず、臨界電流密度
の高い高性能の超電導体を得ることができない問題があ
った。また、前述の従来方法では、原料粉末を圧密した
成形体を焼結し、各元素を固相反応させて超電導体を生
成するが、この固相反応は反応速度が小さく、このため
超電導体の生成効率が悪い問題があった。本発明は、上
記課題に鑑みてなされたもので、臨界電流密度などの超
電導特性に優れた高性能の酸化物超電導材を製造する方
法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式A-B-Cu-O(ただしAは、
Y,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周
期律表IIIa族元素の1種以上を示し、Bは、Mg,C
a,Sr,Ba等の周期律表IIa族元素の1種以上を示
す。)で示される組成の酸化物系超電導材の製造方法に
おいて、上記B元素とCuの合金からなる第1の材料
と、A21Cu15なる組成比の第2の材料とを接触さ
せた後、800〜1300℃で数時間〜数百時間加熱す
る熱処理を施し、第1の材料と第2の材料の元素を相互
拡散させて前記酸化物超電導体を生成させるものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、上記B元素とCuの
合金からなる第1の材料と、A21Cu15なる組成比
の第2の材料とを接触させた後、800〜1300℃で
数時間〜数百時間加熱する熱処理を施すことにより、第
1,第2の材料中の元素が相互に拡散反応して、各材料
の接触部分にA12Cu37-xなる組成の酸化物系超電
導体が生成する。本発明では、B元素とCuとの合金か
らなる第1の材料を用いることにより、上記熱処理を施
す際に、この第1の材料が溶融状態となって、反応速度
の速い溶融拡散反応が可能となる。
【0006】図1ないし図4は、本発明の製造方法をY
-Ba-Cu-O系の超電導体の製造方法に適用した一例
を説明するためのものである。この例では、まず、Cu
-Ba合金からなる粉末(第1の材料)と、Y2Ba1
15なる組成の酸化物粉末(第2の材料)を作製す
る。
【0007】この第1の材料は、純銅と金属Baを、C
u:Ba=(1〜10):(9〜0)[モル比]となる
ように溶融混合して合金とし、この合金をアルゴンガス
中などの不活性ガス中で粉砕処理を施して作製され、好
ましくは粒径が1μm以下の粉末が使用される。また、
上記第2の材料は、Y23とBaOとCuOの各粉末
を、Y:Ba:Cu=2:1:1[モル比]となるよう
に均一に混合した混合粉末を、酸素含有雰囲気中、70
0〜1400℃で数時間〜数十時間加熱した後、粉砕処
理を施して作製され、好ましくは粒径が1μm以下の粉
末が用いられる。
【0008】次に、上記第1の材料と第2の材料を重量
比1:(1〜5)となるように均一に混合して混合粉末
とし、この混合粉末を所定の形状(図1においては円板
状)に圧粉成形して成形体1を作製する。混合粉末を圧
粉成形するには、ラバープレスなどが好適に使用され
る。この成形体1は、図2に示すように第1の材料2と
第2の材料3の各粉末が圧密された状態になっている。
【0009】次に、先のように作製された成形体1を1
気圧の酸素気流中などの酸化雰囲気において800〜1
300℃に数時間〜数百時間加熱し、その後に室温ま
で、例えば−100℃/時間の割合で徐冷する熱処理を
施す。
【0010】この熱処理により、Cu-Ba合金からな
る第1の材料2がY2Ba1Cu15なる組成の第2の材
料3の元素と相互拡散溶融反応して、図3に示すように
第2の材料3の残部の周囲に、Y1Ba2Cu37-xの組
成比を有する酸化物超電導体4が生成し、図4に示す酸
化物系超電導材5が得られる。なお、Cu-Ba合金か
らなる第1の材料2はBaの添加効果により融点を90
0℃程度まで低下させることができるので、前記熱処理
時の加熱によって溶融拡散反応が可能となる。従って熱
処理時に第1の材料2の元素と第2の材料3の元素が溶
融拡散反応し、この部分にY1Ba2Cu37-xの組成比
を有する酸化物超電導体4が生成する。即ち、溶融拡散
反応による反応速度の高い均一な反応を生じさせること
ができるために、圧密体を固相反応させていた従来の酸
化物超電導体に比較して、空孔のない緻密な構造の臨界
電流密度の高い酸化物超電導体4を生成させることがで
きる。
【0011】また、前述のような溶融拡散反応により酸
化物超電導体4を生成するならば、固相反応させて形成
していた従来方法よりも元素の反応速度が速いために、
短時間で酸化物超電導体4を生成させることができる。
なお、酸化物超電導体4を生成する場合、1000℃以
上の高温で長時間熱処理すると、酸化物超電導体4の結
晶粒が粗大化するので、これを阻止するためには、第1
の材料2のBa含有量を調節して融点を低下させ、溶融
拡散反応可能な温度を低くすることが好ましく、このよ
うに低い温度で短い時間の反応を行うことにより、生成
される酸化物超電導体4の結晶粒を微細化して超電導特
性を向上させることができる。
【0012】なお、前記の例においてはY-Ba-Cu-
O系の酸化物超電導体材の製造方法について説明した
が、本発明はその他のA-B-Cu-O系の超電導材の製
造方法に適用できることは勿論である。なおまた、本発
明による酸化物系超電導材の形状は円板状に限定される
ことなく、例えば円柱状、角柱状、薄板状、線状など種
々の形状とすることができる。線状や薄板状の酸化物系
超電導材を形成する場合には、例えば、少なくとも表面
にY2Ba1Cu15なる組成の酸化物を有する線状や薄
板状の基材(第2の材料)を作製する一方、Cu-Ba
合金の粉末(第1の材料)に分散媒を加えてスラリー状
材料を作製し、このスラリー状材料中に先の基材を通過
させて基材の表面に第1の材料を付着させる方法や、ス
ラリー状材料を基材の表面に吹き付ける方法などによ
り、Y2Ba1Cu15なる組成の基材の表面にCu-B
a合金を含む第1の材料を積層形成し、この後熱処理を
施して酸化物超電導体を生成する方法が好適に使用され
る。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による酸化
物系超電導材の製造方法は、B元素(周期律表IIa族元
素)とCuの合金からなる第1の材料と、A21Cu1
5なる組成比の第2の材料とを接触させた後、800
〜1300℃で数時間〜数百時間加熱する熱処理を施
し、第1の材料と第2の材料の元素を相互拡散反応さ
せ、各材料の境界部に酸化物超電導体を生成させるの
で、各原料粉末を混合した混合粉末に熱処理を施す従来
方法と比較して、反応速度の高い均一な反応を生じさせ
て酸化物超電導体を生成させることができ、A12Cu
37-xの組成を有する均質で緻密な酸化物超電導体を生
成させることができる。従って、本発明によれば、超電
導線材や超電導コイルに好適な酸化物系超電導材を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例を説明するための成形体の斜視
図。
【図2】 図1の成形体の要部拡大図。
【図3】 熱処理後の酸化物超電導体の生成状態を示す
拡大図。
【図4】 酸化物系超電導材の斜視図。
【符号の説明】
2……第1の材料 3……第2の材料 4……酸化物超電導体 5……酸化物系超電導材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池野 義光 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 定方 伸行 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 青木 伸哉 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式 会社フジクラ内 (72)発明者 太刀川 恭治 東京都世田谷区成城3丁目13番29号 (56)参考文献 特開 平1−219018(JP,A) JAN.J.APPL.PHYS., VOL.26,NO.12 (1987.12) P.L2007−L2009

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式A-B-Cu-O(ただしAは、
    Y,Sc,La,Yb,Er,Eu,Ho,Dy等の周
    期律表IIIa族元素の1種以上を示し、Bは、Mg,C
    a,Sr,Ba等の周期律表IIa族元素の1種以上を示
    す。)で示される組成の酸化物系超電導材の製造方法に
    おいて、 上記B元素とCuの合金からなる第1の材料と、A21
    Cu15なる組成比の第2の材料とを接触させた後、8
    00〜1300℃で数時間〜数百時間加熱する熱処理を
    施し、第1の材料と第2の材料の元素を相互拡散させて
    前記酸化物超電導体を生成させることを特徴とする酸化
    物系超電導材の製造方法。
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Non-Patent Citations (1)

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