JP2685286B2 - 炭酸ガスセンサ - Google Patents

炭酸ガスセンサ

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昌志 西口
徹 小野内
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松下精工株式会社
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、施設園芸,環境衛生,防災用,工業用など
の炭酸ガス濃度を計測し制御する場所に使用するイオン
伝導体を用いた固体電解質型炭酸ガスセンサに関するも
のである。
従来の技術 近年、空調,農畜産分野を中心に炭酸ガスセンサに対
するニーズが高まり、種々の方式のセンサの開発が進め
られている。
以下、従来のこの種の炭酸ガスセンサについて第3図
〜第5図に基づいて説明する。第4図において、固体電
解質である薄板状のNAXS(ナトリウムイオン伝導体(Na
2O−Al2O3−XSiO2(X=2,4,6,8))板11は、その両端
に1対の電極層である陰極層12aおよび陽極層12bを備
え、陰極層12aはAuを用いた電極層内に炭酸ナトリウム
が分散して添加形成されており、陽極層12bはAuを用い
た電極層で形成され、ガス感知部1を構成していた。つ
ぎに第5図に示すように、このガス感知部1には片面下
部に加熱用ヒータ2を備え、一対の陰極層12aと陽極層1
2bから引き出した2本のリード線3a,3bおよび加熱用ヒ
ータ2から引出したリード線5a,5bのそれぞれに接続し
たピン7a,7b、ピン8a,8bを介して下部の台座6に固定さ
れている。
ピン7a,7b,8a,8bは、それぞれ信号出力用および電圧
印加用で台座6を貫通しており外部と接続できるように
なっている。
プロテクタ4は、内包するガス感知部1、ヒータ2、
リード部3a,3b,5a,5b、ピン7a,7b,8a,8bそれぞれを機械
的損傷から保護するとともに測定雰囲気と接触を良くす
るためにステンレス製金網で構成され、台座6に固定さ
れている。
上記構成において、ガス感知部1は以下の電池を構成
し得る。すなわち このような電池を構成するガス感知部1をヒータ2によ
り測定温度に加熱すると、陰極層12aおよび陽陰層12bに
各々以下のような電池反応が起き (陰極)Na2CO3=2Na++CO2+1/2O2+2e- ……(1) (陽極)2Na++1/2O2+2e-=Na2O ……(2) 両電極間には、次式で表わされる起電力が発生する。
ここで、 E;発生起電力 P;雰囲気全圧 R;気体定数 ;雰囲気中の炭酸ガス分圧 F;ファラディ定数a Na2O;NAXS中のNa2Oの活量 T;絶対温度a Na2CO3;Na2CO3の活量 (3)式からわかるように発生起電力Eは雰囲気中の
炭酸ガス分圧の対数に比例するから、この起電力を陰極
層12a,陽極層12bより、リード線3a,3bを介して取り出す
ことにより雰囲気中の炭酸ガス濃度を電気的に検出する
ものであった。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成では以下のような課
題を有していた。すなわち、前記の式(3)に示す式に
より発生起電力Eは、ガス感知部の絶対温度Tが変化す
ることにより大きく変化する。よって、測定雰囲気の温
度変化の影響を受け第3図に示すような雰囲気温度依存
性を持っていた。
また、雰囲気温度依存性を補償するためにヒータ温度
を一定に保つ制御を用いた場合においても、発生起電力
Eは、雰囲気温度の変化に対して負の依存性を持ってい
ることから補償することはできないという問題があっ
た。
本発明は上記課題に留意し、炭酸ガス濃度と比例する
発生起電力Eの温度依存性を小さくし、高い信頼性を得
ることを第1の目的とする。
第2の目的は、発生起電力Eの温度依存性を雰囲気温
度の変化に対し正の特性とし、ヒータ温度を一定に保つ
ことによる雰囲気温度依存性の補償を可能とすることに
ある。
課題を解決するための手段 第1の目的を達成するために本発明の第1の手段は、
固体電解質からなる、炭酸ガスと解離平衡を行う金属炭
酸塩を形成し得るアルカリ金属イオンを伝導するイオン
伝導性セラミックス板の両端に1対の電極層を設け、前
記電極層の一方に、前記イオンと反応することなく導電
性を有する電極材料と前記イオン伝導性セラミックス板
を伝導し得るイオンからなる金属炭酸塩を備えて陰極層
を形成し、他方に酸素イオン伝導性物質を10〜20wt%添
加して陽極層としたガス感知部と、前記ガス感知部を動
作温度に加熱する加熱部とを備えた構成としたものであ
る。
第2の目的を達成する第2の手段は、第1の手段の陽
極層を酸素イオン伝導性物質を重量比で20〜40wt%添加
して構成したものである。
作用 第1の手段の構成により陽極層に添加されている酸素
イオン伝導性物質が固有の温度依存性を持つため、式
(2)に示す陽極の酸素分圧の温度によって変化し、式
(3)の発生起電力Eを変化させる。この酸素イオン伝
導性物質の温度依存性による発生起電力Eの変化が、発
生起電力Eの温度依存性を打ち消す方向に働くこととな
る。
第2の手段の構成により、陽極層に酸素イオン伝導性
物質を約20〜40wt%添加することにより、発生起電力E
の雰囲気温度依存性は、雰囲気温度の変化に対し正の依
存性を持つ。よって、発生起電力Eの温度依存性は少く
なり、ヒータ温度を一定に保つことにより温度補償がで
きることとなる。
実 施 例 以下、本発明の第1の手段による一実施例を第1図に
基づいて説明する。なお従来例と同一の箇所には同一記
号を付し詳細な説明は省略する。
図に示すように、NAXS板11の両端に陰極層12aと陽極
層12bを有しガス感知部1としている。このガス感知部
1の下面に加熱用ヒータ2を設けている。そして陰極層
12aのリード線3aと陽極層12bのリード線3bおよび加熱用
ヒータ2のリード線5a,5bがそれぞれ台座6に貫通固定
したピン7a,7b,8a,8bに接続している。台座6の貫通し
たピンのリード線が接続されていない方を除き、全体を
ステンレス製の金網17によって覆われている。
薄板状のNAXS板11の一端に形成した陽極層13aは電極
材料であるAuペーストに酸素イオンと電子の両方に対し
て伝導性を持つ混合伝導性セラミックスでペロブスカイ
ト型酸化物La0.5Sr0.5CoO3の粉末、いわゆる酸素イオン
伝導性物質16を10〜20wt%添加し、混合してペースト状
にしたものを塗布し、150℃程度で乾燥後、800℃で焼成
したものである。
以上のように構成された炭酸ガスセンサについて以下
その動作について説明する。
上記構成において、その検出動作は従来例と同様なの
で説明は省略する。ガス感知部1を測定温度に加熱する
と、NAXS板11と陰極層12a,陽極層13aの各々の界面で、
従来例で示した式(1)および(2)の電池反応が生
じ、式(3)で示した発生起電力Eが生じる。その際、
雰囲気温度が変化すると、式(3)に示す、絶対温度T
aNa2Oが変化し発生起電力Eが変化する。すなわち雰
囲気温度依存性が生じる。その際、陽極層13a内に添加
した酸素イオン伝導性物質16La0.5Sr0.5CoO3粉末の温度
依存性により、陽極層13aの酸素分圧が変化し、発生起
電力Eの雰囲気温度依存性を打ち消す様に働く。この効
果は、酸素イオン伝導性物質16La0.5Sr0.5CoO3粉末の添
加量を変えることにより次に説明するように変化する。
第3図の特性図はLa0.5Sr0.5CoO3の添加量別に発生起
電力の温度依存性を示している。横軸は雰囲気温度、縦
軸は20℃での発生起電力を基準とした発生起電力の変化
量を示している。なお炭酸ガス濃度は500ppmで一定であ
る。図に示すように、La0.5Sr0.5CoO3を添加しない0%
の従来のセンサは温度変化に対し負の依存性を持ってお
り、20℃の変化で約30mV変化する。しかし、La0.5Sr0.5
CoO3の添加すると依存性は減少し、20%添加すると20℃
の温度変化で約5mVとなる。
以上のように、陽極層13aに酸素イオン伝導性物質16
を添加することにより、発生起電力の雰囲気温度依存性
を小さくすることができる。
なお、本実施例ではイオン伝導性セラミックス板11を
NAXS板としたがNASICON[Na1+xZr2P3−xSixO12、(0
≦x≦3)]板でもよい。
また、酸素イオン伝導性物質16をLa0.5Sr0.5CoO3とし
たが、イットリウムを含有した安定化ジルコニアである
YSZまたは、カルシウムを含有した安定化ジルコニアで
あるCSZでも良い。
つぎに、本発明の第2の手段による一実施例を第2図
に基づいて説明する。
なお従来例と同一の箇所には同一記号を付して説明は
省略する。
図において薄板状のNAXS板11の一端に形成した陽極層
13bは電極材料であるAuペーストに酸素イオンと電子の
両方に対して伝導性を持つ混合伝導性セラミックスでペ
ロブスカイト型酸化物La0.5Sr0.5CoO3の粉末、いわゆる
酸素イオン伝導性物質16を20〜40wt%添加し、混合して
ペースト状にしたものを塗布し、150℃程度で乾燥後800
℃で焼成したものである。
以上のように構成された炭酸ガスセンサについて以下
その動作について説明する。
上記構成において、その検出動作は従来例と同様なの
で説明は省略する。ガス感知部1を測定温度に加熱する
と、NAXS板11と陰極層12a,陽極層13bの各々の界面で従
来例で示した式(1)および(2)の電池反応が生じ、
式(3)で示した発生起電力Eが生じる。その際、雰囲
気温度が変化すると、式(3)に示す、絶対温度TやaN
a2Oが変化し、発生起電力Eが変化する。すなわち雰囲
気温度依存性が生じる。また、この依存性は、図に示す
ように温度変化に対し負の特性を持っていた。そのた
め、ヒータ2の温度を一定に保つ様に制御した場合にお
いても、雰囲気温度依存性を補償することはできなかっ
た。本センサのヒータを一定温度に制御した場合、正の
特性の場合では例えば、2mV/℃0mV/℃と温度依存性が
低くなり、負の特性の場合では例えば、−2mV/℃−4m
V/℃と温度依存性が大きくなります。このため、正の特
性を持たなければ、制御をすると逆に温度依存性を大き
くしてしまうという結果が生じます。陽極層13b内に酸
素イオン伝導性物質16La0.5Sr0.5CoO3粉末を20〜40wt%
添加することにより、酸素イオン伝導性物質16の温度依
存性の作用によって、発生起電力Eの雰囲気温度依存性
は、第3図に示すように雰囲気温度の変化に対し正の特
性となる。
以上のように、陽極層13bに酸素イオン伝導性物質16
を20〜40wt%添加することにより、発生起電力Eの雰囲
気温度依存性を小さくすることができ、さらに、ヒータ
2を制御し、ヒータ温度を一定に保つことにより温度依
存性を補償することができる。
なお、本実施例ではイオン伝導性セラミックス板11を
NAXS板としたが、NASICON板でも良い。
また、酸素イオン伝導性物質16をLa0.5Sr0.5CoO3とし
たがイットリウムを含有した安定化ジルコニアであるYS
Zまたは、カルシウムを含有した安定化ジルコニアであ
るCSZでも良い。
発明の効果 以上のように本発明によれば、陽極層内に酸素イオン
伝導性物質を10〜20wt%添加することにより発生起電力
の雰囲気温度依存性が小さくなり、発生起電力が安定
し、センサーの感度が安定し、信頼性が向上する。
また、陽極層に酸素イオン伝導性物質を20〜40wt%添
加することにより、発生起電力の雰囲気温度依存性は、
雰囲気温度の変化に対し正の特性となるからヒータ温度
を一定に保つことにより雰囲気温度依存性を補償するこ
とができ測定感度の安定向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の手段の実施例を示す炭酸ガスセ
ンサのガス感知部の縦断面図、第2図は同第2の手段の
実施例を示す炭酸ガスセンサのガス感知部の縦断面図、
第3図は炭酸ガスセンサの雰囲気温度依存性を示すグラ
フ、第4図は従来の炭酸ガスセンサのガス感知部の縦断
面図、第5図は同炭酸ガスセンサの構造を示す縦断面図
である。 1……ガス感知部、2……ヒータ、3a,3b……リード線,
7a,7b,8a,8b……ピン、11……NAXS板、12a……陰極層、
12b……陽極層、13a……陽極層、13b……陽極層、16…
…酸素イオン伝導性物質。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質からなる、炭酸ガスと解離平衡
    を行う金属炭酸塩を形成しうるアルカリ金属イオンを伝
    導するイオン伝導性セラミックス板の両端に一対の電極
    層を設け、前記電極層の一方に、前記アルカリ金属イオ
    ンと反応することなく導電性を有する電極材料と前記ア
    ルカリ金属イオン伝導性セラミックス板を伝導し得るイ
    オンからなる金属炭酸塩を備えて陰極層を形成し、他方
    に酸素イオン伝導性物質を10〜20wt%添加して陽極層と
    したガス感知部と、前記ガス感知部を測定温度に加熱す
    る加熱部とを備えた炭酸ガスセンサ。
  2. 【請求項2】固体電解質からなる、炭酸ガスと解離平衡
    を行う金属炭酸塩を形成しうるアルカリ金属イオンを伝
    導するイオン伝導性セラミックス板の両端に一対の電極
    層を設け、前記電極層の一方に、前記アルカリ金属イオ
    ンと反応することなく導電性を有する電極材料と前記ア
    ルカリ金属イオン伝導性セラミックス板を伝導し得るイ
    オンからなる金属炭酸塩を備えて陰極層を形成し、他方
    に酸素イオン伝導性物質を20〜40wt%添加して陽極層と
    したガス感知部と、前記ガス感知部を測定温度に加熱す
    る加熱部とを備えた炭酸ガスセンサ。
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