JP2684731B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP2684731B2
JP2684731B2 JP31446088A JP31446088A JP2684731B2 JP 2684731 B2 JP2684731 B2 JP 2684731B2 JP 31446088 A JP31446088 A JP 31446088A JP 31446088 A JP31446088 A JP 31446088A JP 2684731 B2 JP2684731 B2 JP 2684731B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はコモンレール型式のディーゼルエンジン用
の燃料噴射装置に関するものである。
[従来技術] この発明の先行技術資料として特開昭59−165858号公
報がある。この公報においてはコモンレールと呼ばれる
一種のサージタンクに高圧燃料を蓄圧し、この燃料をコ
マンドピストンにより開閉駆動されるインジェクタによ
り周期的に噴射してエンジンに供給している。然しコマ
ンドピストンにかかる背圧は制御室内のオリフィスによ
ってコントロールされているので燃料噴射率パターンは
オリフィスの直径により一義的に決まって了い、パイロ
ット噴射的な噴射率パターンを得ることは困難であっ
た。
[発明が解決しようとする課題] この発明はコモンレール式燃料噴射装置にパイロット
噴射的の噴射率パターンを付与することを課題とする。
[課題を解決するための技術的手段] 上記の課題を解決するためこの発明は本体にコマンド
ピストン室がインジェクタと同軸に設けられ、コマンド
ピストン室にはコマンドピストンが摺動可能に収容さ
れ、コマンドピストンの一端はインジェクタのノズルニ
ードルに連結され、コマンドピストンの他端側のコマン
ドピストン室は制御室として形成され、制御室のコマン
ドピストンと対向する側の端部にオリフィスを有する開
閉弁が設けられ、開閉弁とコマンドピストンの他端との
間に第2圧縮ばねが設けられ、ノズルニードルは第1圧
縮ばねによりノズルニードルの先端方向に付勢され,イ
ンジェクタに設けた油溜めはコモンレールに直接連通
し、前記開閉弁は三方電磁弁を介してコモンレール、リ
ザーバに通断可能である燃料噴射装置において、前記コ
マンドピストンはコマンドピストン室内を摺動する筒状
の大径コマンドピストンと、この大径コマンドピストン
の内部孔内に摺動可能に収容された小径コマンドピスト
ンとからなり、小径コマンドピストンの一端はノズルニ
ードルに連結され、他端は前記制御室に対向し、内部孔
には小径コマンドピストンの他端に当接してシール機能
を発揮する弁座が形成された構成を有している。
[作用] 三方電磁弁の無通電の状態では制御室は開閉弁のオリ
フィスを介してコモンレールに連通し、リザーバに対し
て遮断されている。そしてインジェクタの油溜め室には
コモンレールから供給された高圧の燃料が充満している
のでノズルニードルには制御室方向に向う力が作用して
いる。一方制御室はコモンレールに連通しているためコ
モンレールと同圧になっているが開閉弁は第2圧縮ばね
により閉弁している。そして小径コマンドピストンには
ノズルニードルの方向に向う力が作用する。このノズル
ニードルに作用する相反する方向の二つの力はほぼ等し
いがノズルニードルにはその先端方向に向けて第1圧縮
ばねの力が作用しているのでノズルニードルの先端は油
溜めの先端に当接し、インジェクタは閉弁している。そ
してこの状態では小径コマンドピストンの他端は大径コ
マンドピストンの内部孔に設けた弁座から離れている。
次に三方電磁弁に通電すると制御室はコモンレールと
の連通を遮断され、リザーバに連通する。このため制御
室内の燃料は開閉弁のオリフィスを通って徐々にリザー
バに流れるので制御室内の圧力は徐々に低下してゆく。
従って小径コマンドピストンに作用するノズルニードル
方向の力が次第に小さくなる。制御室の圧力の低下があ
る値になるとノズルニードルは閉弁し、小径コマンドピ
ストンは制御室方向に移動する。小径コマンドピストン
が移動して大径コマンドピストンの内部孔に設けた弁座
に当接すると大径コマンドピストンは制御室内の圧力及
び大きな受圧面積による力をノズルニードルの方向に受
けてコマンドピストン室の底面に押圧されているので小
径コマンドピストンの移動が止まる。この状態で燃料の
パイロット噴射が行なわれる。更に制御室内の圧力を低
下して所定の値になると大径コマンドピストンが小径コ
マンドピストンとともに移動するのでノズルニードルは
更に移動し、フルリフトの位置に達して主噴射が行なわ
れる。従って第2図に示すような噴射率パターンが得ら
れる。
[実施例] 以下実施例を示す図面によりこの発明を説明する。第
1図は第1実施例を示す。同図において本体1の一端面
1aには座板2を介して公知のインジェクタ3が取り付け
られている。インジェクタ3は筒状のケーシンク3aと、
ケーシング3a内を軸方向に摺動するノズルニードル3b
と、ノズルニードル3bを囲む油溜め3cとからなり、ケー
シンク3aの先端(第2図では下端)にはノズニードル3b
により開閉されるノズル3dが設けられている。本体1に
はその一端面1aに開口する小孔4と他端面1bに開口する
コマンドピストン室5がインジェクタ3と同時に配設さ
れている。コマンドピストン室5の小孔4に対向する側
は段差5bを介して小径部5aとなっており、又コマンドピ
ストン室5の他端面1bは円形の弁座7を有する本体取付
部材6に当接している。
コマンドピストン室5内には筒状の大径コマンドピス
トン8が摺動可能に収容され、その内部孔9のほぼ中間
部には外方向に延出する段差10が形成されている。段差
10の内縁は円形の弁座11となっている。段差10により内
部孔9には大径部9aが形成されている。ノズルニードル
3bは小孔4を貫通してコマンドピストン室5の小径部5a
内に延出している。小孔4内ではノズルニードル3bにば
ね受け12が取り付けられ、第1圧縮ばね13によりノズル
ニードル3bはその先端方向(第1図で下方)に付勢され
ている。大径コマンドピストン8の内部孔9内には小径
コマンドピストン14が摺動可能に収容されている。小径
コマンドピストン14は段差部を介して縮径する径小部14
aを有し、径小部14aはコマンドピストン室5の底面5bに
コマンドピストン室5と同心に設けた小径部5a内に隙間
を設けて遊挿されている。この径小部14aはノズルニー
ドル3bに連結されている。なお、小径コマンドピストン
14の上端面14bの周縁14cは面取りされ、前記弁座11に当
接可能の弁部になっている。
大径コマンドピストン8と本体取付部材6との間のコ
マンドピストン室5及び小径コマンドピストン14の上端
面より上方の内部孔9は制御室15となっており、この制
御室15に前記第1弁座7が臨んでいる。制御室15内には
円板状の開閉弁16が配置され、第2圧縮ばね17により第
1弁座7に押圧されている。開閉弁16のほぼ中心にはオ
リフィス18が設けられている。又大径コマンドピストン
8は第3圧縮ばねね19によりコマンドピストン室5の底
面5bに押し付けられている。
本体取付部材6には三方電磁弁20が取り付けられ、ソ
レノイド21を介してECU22により操作される。ECU22には
エンジン水温等のデータが入力され、これらの入力値に
よりソレノイドに対する通電、非通電時間が設定され
る。三方電磁弁20の供給ポート23は導管24を介してコモ
ンレール25に連通し、コモンレル25は導管26を介して高
圧ポンプ27及びリザーバ28に連通している。三方電磁弁
20のリークポート29は導管30を介してリザーバ28に連通
し、制御ポート31は導管32を介して第1弁座7に連通す
る。又インジェクタ3の油溜め3cは導管33を介して導管
24に連通し、コマンドピストン室5の小径部5aは導管34
を介して導管30に連通する。
次に上記構成による作用を第2図の動作図及び第3、
4図のフローチャートにより説明する。三方電磁弁20が
通電によりオン(第3図のステップ100)になると第2
図(イ)に示す駆動パルス波形が印加され、三方電磁弁
20の制御ポート31がリークポート29に連通し、供給ポー
ト23が閉鎖される(第2図(ロ)及び第3図のステップ
110)。このため高圧の制御室15内の燃料はオリフィス1
8を通って低圧のリザーバ28に徐々に流れ、制御室15の
圧力Pkは徐徐に低下する(第2図の(ハ)及び第3図の
ステップ120)。次にステップ130では小径コマンドピス
トン14に作用するノズルニードル方向(第1図で下方
向)の力が反対方向の力以下であるか否かが判断され
る。即ちコモンレール25の圧力をPc、制御室15の圧力を
Pk、小径コマンドピストン14の直径をDA、ノズルニード
ル3bの上向き受圧面積をSN、第1圧縮ばね13のばね力を
FSA、円周率をπとすると Pk.π.DA 2/4≦Pc.SN−FSA が判断され、YESであればノズルニードル3bは小径コマ
ンドピストン14とともに上昇し、初期微量噴射が行なわ
れる(第2図(ホ)の初期及び第3図のステップ14
0)。NOであればステップ130を繰り返す。次にステップ
150において小径コマンドピストン14が大径コマンドピ
ストン8の第2弁座11に接触したか否かが判断される。
YESであればステップ160に移行し、NOであればステップ
150を繰り返す。ステップ160では大径コマンドピストン
8にかかる下向きの力が上向きの力以下であるかが判断
される。即ち Pk.π.DB 2/4≦Pc.SN.−FSA −FSB−FSC ここで DB…大径コマンドピストンの直径 FSB…第2圧縮ばね17のばね力 FSC…第3圧縮ばね19のばね力 判断結果がYESであれば大、小径コマンドピストン8、1
4は上昇し、従ってノズルニードル3bも上昇して燃料の
主噴射が行なわれる(第2図の(ホ)及び第3図のステ
ップ170)。
次に三方電磁弁20が非通電でOFF(ステップ200)にな
ると、リークポート29は閉鎖され、制御ポート31が供給
ポート23に連通する(ステップ210)。この結果コモン
レール25内の高圧の燃料が第2圧縮ばね17のばね力に抗
して開閉弁16を押し下げ、制御室15内に急速に流入する
ので制御室15の圧力が上昇する(ステップ220)。そし
てステップ230において大、小径コマンドピストン8、1
4に作用する下向きの力がノズルニードル3bに作用して
いる上向きの力より大きいか否かが判断される。即ち Pk.π.DB 2/4>Pc.SN.−FSA −FSB−FSC が判断され、YESであればステップ240に移行し、大、小
径コマンドピストン8、14が同時に下降する。NOであれ
ばステップ230を繰り返す。大径コマンドピストン8は
コマンドピストン室5の底面5bに当接して停止するが小
径コマンドピストン14は更に下降してノズルニードル3b
がノズル3dを閉鎖する(ステップ250)。
第5図は第2実施例を示す。第1実施例との相違点は
小径コマンドピストン14の上端面(弁部)14bが大径コ
マンドピストン8の内部孔9の段差10に面接触可能であ
ることである。その他の構成は第1実施例と同じであ
り、又作用も同じである。
[効果] この発明は上記の構成を有するので次のような優れた
効果を有する。
(イ)三方電磁弁に通電すると小径コマンドピストンが
先ずリフトし、次に大径コマンドピストンが小径コマン
ドピストンとともにリフトするので主噴射の前にパイロ
ット噴射が可能となり、パイロット噴射の時間は小径コ
マンドピストンの弁部と大径コマンドピストンの第2弁
座との距離を調節することにより所望の値に設定でき
る。
(ロ)三方電磁弁への通電後パイロット噴射開始時期は
開閉弁のオリフィスの直径を大きくすれば早くなり、小
さくすれば遅くなるので所望の時期に設定可能である。
(ハ)以上のことから燃焼が安定する。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例の縦断正面図を示す。第2図は第1
実施例の時間に対する動作を示し、(イ)は三方電磁弁
の駆動パルスを、(ロ)は三方電磁弁のリフトを、
(ハ)は制御室圧力の変化を、(ニ)はノズルニードル
のリフトを、(ホ)は噴射率をそれぞれ示す。第3図は
通電時のフローチャートを示す。第4図は非通電時のフ
ローチャートを示す。第5図は第2実施例の要部の縦断
正面図を示す。 1……本体 3……インジェクタ 3b……ノズルニードル 5……コマンドピストン室 8……大径コマンドピストン 10……段差(弁座) 11……弁座 13……第1圧縮ばね 14……小径コマンドピストン 15……制御室 16……開閉弁 17……第2圧縮ばね 18……オリフィス 20……三方電磁弁 25……コモンレール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体にコマンドピストン室がインジェクタ
    と同軸に設けられ、コマンドピストン室にはコマンドピ
    ストンが摺動可能に収容され、コマンドピストンの一端
    はインジェクタのノズルニードルに連結され、コマンド
    ピストンの他端側のコマンドピストン室は制御室として
    形成され、制御室のコマンドピストンと対向する側の端
    部にオリフィスを有する開閉弁が設けられ、開閉弁とコ
    マンドピストンの他端との間に第2圧縮ばねが設けら
    れ、ノズルニードルは第1圧縮ばねによりノズルニード
    ルの先端方向に付勢され,インジェクタに設けた油溜め
    はコモンレールに直接連通し、前記開閉弁は三方電磁弁
    を介してコモンレール、リザーバに通断可能である燃料
    噴射装置であって、前記コマンドピストンはコマンドピ
    ストン室内を摺動する筒状の大径コマンドピストンと、
    この大径コマンドピストンの内部孔内に摺動可能に収容
    された小径コマンドピストンとからなり、小径コマンド
    ピストンの一端はノズルニードルに連結され、他端は前
    記制御室に対向し、内部孔には小径コマンドピストンの
    他端に当接してシール機能を発揮する弁座が形成されて
    いることを特徴とする燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3700981B2 (ja) * 1995-08-29 2005-09-28 いすゞ自動車株式会社 蓄圧式燃料噴射装置
JP3653882B2 (ja) 1996-08-31 2005-06-02 いすゞ自動車株式会社 エンジンの燃料噴射装置
JP4519143B2 (ja) * 2007-01-19 2010-08-04 株式会社デンソー インジェクタ

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