JP2684641B2 - 金属部材の樹脂被覆方法 - Google Patents

金属部材の樹脂被覆方法

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JP2684641B2 JP63327624A JP32762488A JP2684641B2 JP 2684641 B2 JP2684641 B2 JP 2684641B2 JP 63327624 A JP63327624 A JP 63327624A JP 32762488 A JP32762488 A JP 32762488A JP 2684641 B2 JP2684641 B2 JP 2684641B2
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司 前之園
豊 大和田
正記 栗林
忍 佐伯
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,機械部品などの金属部材,特に凹部を有す
る金属部材に,充填材を多量に含んだ樹脂を被覆する方
法に関する。
〔従来の技術〕
金属部材への樹脂被覆は昨今,機械部品等を中心に,
単なる装飾,防食の範疇を越えて,摺動性向上,摩耗防
止,非粘着などをはじめとする幅広い適用を見ており,
それに従い金属部材の被覆面形状も凹凸を有する複雑な
ものが見られる。例えば,第1図に示すルーツブロワー
のローター1に対して,その外周面2及び端面3にフッ
素系樹脂被覆が行われている。このような金属部材に対
する樹脂被覆は,樹脂粉体を利用した静電塗装法及び流
動浸漬法,金型内に金属部材を装着しそこに溶融樹脂を
供給する射出成形法などによって行われている。これら
の方法はいずれも,金属部材に樹脂を熱融着被覆し,そ
の溶融樹脂を冷却固化することによって金属部材に接着
した樹脂層を形成するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
最近,このような樹脂被覆の物性を改善するため,樹
脂中に各種の充填材を充填することが行われている。と
ころが,充填材の充填量が増加すると,ローター1の外
周面2のように凹部を有する金属部材に樹脂被覆を形成
した際,凹部の樹脂層が金属部材表面から剥離し,浮き
上がることがあるという問題が生じた。この樹脂層の浮
き上がりは,充填材の充填量が10%を越えると顕著にな
ってくる。
凹部における樹脂層の剥離の原因は次のように考えら
れる。以下,ローターを例にとって説明する。第2図に
示すように,ローター1の外周面2に樹脂が熱融着被覆
され,その溶融樹脂が冷却固化して被覆樹脂層4を形成
する。一般に樹脂層4は,基体金属に比べて熱膨脹係数
がはるかに大きいため,樹脂層4の冷却過程で収縮しよ
うとし,樹脂層4内に引張り残留応力が発生する。従っ
て,ローター外周面2の凹部表面2A上の樹脂層4Aには,
矢印Aで示す引張り力が作用し,樹脂層4Aを凹部表面2A
から浮き上がらせようとする。一般に,充填材の充填量
が多いほどヤング率が上がり,樹脂層4に生じる残留応
力は大きくなっている。このため,充填材の充填量が多
い場合には,凹部2A上の樹脂層4Aを浮き上がらせる力が
大きくなり,これが樹脂層とローター表面との接着力よ
りも大きくなって樹脂層4Aをローターの凹部表面2Aから
剥離させてしまう。この現象は,静電塗装法,流動浸漬
法,射出成形法のいずれにも共通するところであるが,
熱融着後の急速な冷却が必然であるところの射出成形に
於いて特に顕著となるものである。なお,樹脂層4が冷
却固化する際の残留応力はローター外周面の凹部表面2B
上の樹脂層4Bにも当然作用するが,この応力は矢印Bの
ように作用し,樹脂層4Bを凸部表面2Bに押付けるので,
この部分での剥離はほとんど生じない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので,金属
部材の凹部に対しても,充填材の充填量の多い樹脂を良
好に接着させることの可能な樹脂被覆方法を提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成すべくなされた本願発明は,凹部を有
する金属部材の表面に,充填材を多量に充填した樹脂を
熱融着被覆し,溶融状態の被覆樹脂を凹部の金属部材側
から先に冷却固化させることを特徴とする金属部材の樹
脂被覆方法を要旨とする。
本願発明において樹脂被覆をすべき金属部材の材質は
任意であるが,一般的には炭素鋼,合金鋼,アルミニウ
ム,アルミニウム合金が多用されている。樹脂の種類
も,熱可塑性であること以外は限定しないが,機械部品
などに多用されるのは,エチレン−4フッ化エチレン共
重合体,PFAなどのフッ素樹脂,ポリアセタール樹脂,各
種ナイロンなどの比較的硬質のものである。これらの樹
脂中に充填される充填材としては,カーボン,グラファ
イト,ガラス,シリカ,タルク等の粉末,短繊維,フレ
ークなどであり,充填量としては,通常15〜25体積%程
度である。
金属部材の表面には必要に応じ,樹脂を熱融着被覆す
る前に,洗浄,脱脂,ブラスト加工等の前処理を行う。
また,自己接着性を有しない樹脂を使用する場合には,
金属部材の表面に接着プライマーを施しておく。
金属部材表面に樹脂を熱融着被覆する方法としては,
静電塗装法,流動浸漬法,射出成形法等を例示できる
が,本発明はこれに限らず,対象物の表面に樹脂系被覆
材を接触させてこれを溶融し接着させる方法を全て含む
ものであり,この際の溶融は金属部材の予熱によって
も,被覆材適用後の加熱であっても,或いは両者の併用
であってもよい。ここで,加熱手段も誘導加熱を含めて
任意であることは言うまでもない。
溶融状態の被覆樹脂を凹部の金属部材側から先に冷却
固化させる方法としては,金属部材の凹部の裏側に空
気,水等の冷却媒体を通すための冷却空洞を形成してお
き,この冷却空洞に冷却媒体を通す方法を採用し得る。
〔作用〕
上記構成になる本願発明に於いては,金属部材の凹部
の樹脂層が金属部材側から冷却固化されるため,固化し
た樹脂部分は周縁を何等拘束されておらず,従って,収
縮応力が生じることがなく,確実に金属部材に接着す
る。その後,他の部材の樹脂層が冷却固化され,その際
収縮応力が発生して先に冷却固化した凹部の金属部材側
の樹脂部分を金属部材から剥がす方向に引っ張るが,こ
の部分の樹脂は既に金属部材に強固に接着しているた
め,この部分が金属部材から剥離することはない。ま
た,凸部の樹脂層にも収縮応力が生じるが,この応力は
樹脂層を金属部材に押付ける方向に作用しているので,
樹脂層が金属部材から剥がれることはない。かくして,
確実に接着した樹脂層が得られる。
〔実施例〕
以下,本発明の実施例を説明する。
実施例I 本実施例は本願発明を第1図のローターに対して適用
したものである。このローター1は,自動車エンジンス
ーパーチャージャーに使用するに好適なルーツブロワー
のローターであり,凹凸を有する外周面2と平坦な端面
3と,中央の軸穴5とその両側に設けられた貫通穴6と
を有しており,外周面2及び端面3が樹脂被覆すべき面
である。ローター1はアルミニウム合金で作られてい
る。
このローター1の外周面2及び端面3をアルミナ研掃
材にてブラストした後,脱脂洗浄,水洗,乾燥を行う。
次に,軸穴5及び貫通穴6にマスキング部材を装入して
マスキングした後,ローター1を,誘導加熱,電気炉等
によって,エチレン−4フッ化エチレン共重合体の溶融
温度(約265℃)よりやや高い330℃に加熱する。
次いで,炭素繊維(繊維長0.2mm,太さ10μm)を20体
積%で充填したエチレン−4フッ化エチレン共重合体の
粉体を満たした流動槽に,加熱したローター1を装入
し,その表面に樹脂を熱融着させる。約0.6mmの樹脂が
熱融着した後,そのローター1を槽外に取り出し,軸穴
5のマスキング部材を取り外し,軸穴5内に冷却空気を
吹き込むことにより,外周面2の凹部2Aを,ローター内
側から冷却する。これによって,溶融状態の樹脂層が凹
部の内側から冷却固化し,この部分のローター外周面に
接着する。その後,ローター全体を放冷することによ
り,他の部分の樹脂層が冷却固化し,ローター表面に接
着する。以上の操作により,ローター1の外周面2及び
端面3に良好に接着した樹脂層(厚み約0.6mm)を形成
することができた。
〔発明の効果〕
以上のように,本願発明は,凹部を有する金属部材に
対して,充填材を多量に含む樹脂層を凹部における接着
障害を生じることなく,被覆することができ,接着の優
れた被覆金属部材の製造を可能ならしめるという効果を
有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は樹脂被覆を施すべき金属部材の1例であるロー
ターを示す斜視図,第2図はそのローターの凹部に形成
した樹脂層を拡大して示す断面図である。 1……ローター,2……外周面,2A……凹部表面,2B……凸
部表面,3……端面,4……樹脂層,5……軸穴,6……貫通
穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 忍 神奈川県川崎市川崎区殿町2―8―3 第一高周波工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−134214(JP,A) 特開 昭58−107334(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹部を有する金属部材の表面に,充填材を
    多量に充填した樹脂を熱融着被覆し,溶融状態の被覆樹
    脂を凹部の金属部材側から先に冷却固化させることを特
    徴とする金属部材の樹脂被覆方法。
JP63327624A 1988-12-27 1988-12-27 金属部材の樹脂被覆方法 Expired - Lifetime JP2684641B2 (ja)

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JPH02172575A JPH02172575A (ja) 1990-07-04
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS50134214A (ja) * 1974-04-13 1975-10-24
JPS58107334A (ja) * 1981-12-21 1983-06-27 宇部興産株式会社 ポリオレフイン被覆鋼管の製造法

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JPH02172575A (ja) 1990-07-04

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