JP2682803B2 - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ

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JP2682803B2
JP2682803B2 JP6132146A JP13214694A JP2682803B2 JP 2682803 B2 JP2682803 B2 JP 2682803B2 JP 6132146 A JP6132146 A JP 6132146A JP 13214694 A JP13214694 A JP 13214694A JP 2682803 B2 JP2682803 B2 JP 2682803B2
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friction
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博文 宮田
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Bando Chemical Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/081Torsion springs

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車のOH
Cエンジンにおけるカム軸駆動ベルトに張力を付与しつ
つそのベルト反力を減衰させるオートテンショナに関
し、特に減衰機構の構造の簡単化を図る対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のオートテンショナと
しては、油圧式の減衰機構を用いたものが一般に普及し
ており、その一例として例えば実開平4−66448号
公報で知られているものがある。このものは、基本構成
として、進退移動可能なピストンロッドを有する油圧式
減衰機構部と、ベルトを押圧するためのテンションプー
リを有しかつ上記ピストンロッドの作動方向を例えば9
0°だけ転換するための回動部材とからなっている。
【0003】上記減衰機構部は、作動油が充填されたシ
リンダボディと、該シリンダボディ内に往復動自在に嵌
挿され、シリンダボディ内を第1及び第2の2つの油室
に区画するピストンと、シリンダにおける第1油室側の
端部壁を貫通して内端部がピストンに移動一体に連結さ
れたピストンロッドと、第2油室に縮装され、シリンダ
が伸長するようにピストンを第1油室の側に向けて押動
付勢する圧縮コイルばねとを備えている。そして、上記
ピストン及びシリンダボディにそれぞれ両油室を互いに
連通する連通路が設けられ、かつピストン側の連通路に
はチェックバルブが設けられている。
【0004】上記チェックバルブは、シリンダの収縮方
向への外力の作用によりピストンが圧縮コイルばねの付
勢方向と逆の方向に移動して第2油室の作動油が第1油
室に流入しようとするときには、連通路を閉じるように
作動してピストンの移動を規制する一方、シリンダの伸
長時にピストンが付勢方向に移動して第1油室の作動油
が第2油室に流入しようとするときには、連通路を開く
ように作動してピストンの移動を許容するようになされ
ている。
【0005】そして、上記テンションプーリが押圧する
ベルトの反力により、上記ピストンを付勢方向とは逆の
方向に押圧してシリンダ収縮方向の外力がピストンロッ
ド先端に加わったときには、該ピストンの移動を抑制
し、このことで、上記回動部材を介してベルト反力を減
衰させるようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のオートテンショナでは、以下に示す幾つかの問題が
あり、それらの問題点を解消することが求められてい
る。
【0007】 油圧式減衰機構では、作動油の流動抵
抗を利用するので、高いシール性を要し、構造が複雑と
なる。したがって、部品点数が多くなりがちで組立作業
に手間がかかり、コストダウンが困難である。
【0008】 過度のベルト反力が加わった場合に
は、その反力に比例して作動油の圧力が上昇するため
に、減衰機構部自体が高圧により損傷する虞れがある。
【0009】 減衰特性が連通路やチェックバルブ等
の流路抵抗によって決まることから、所定の減衰特性が
既に設定されている減衰機構部において、その減衰特性
を変更調整することは困難であり、したがって、減衰特
性を変更するためには、減衰機構部自体を交換しなけれ
ばならない。
【0010】 作動油の粘性特性が温度変化の影響を
受け易く、例えば常温時に比べて低温時には作動油の流
動抵抗が増大して減衰力が所定の値よりも大きくなる等
の難点を抱えている。
【0011】 減衰機構部がその長さ方向に作動する
ことから、ピストンロッドの先端にテンションプーリを
移動一体に取り付けてベルトの押圧を行うようにすると
なると、減衰機構部の基端側がエンジンから側方に向け
て突出することになるために、減衰機構部をベルトの走
行方向に沿って配置せざるを得ない。
【0012】したがって、ピストンロッドの作動方向を
転換するための回動部材が別に必要となり、このこと
で、オートテンショナのコンパクト化や軽量化が妨げら
れる。
【0013】 と同じ理由から、減衰機構部及び作
動方向転換部材の2つの部材をエンジンに取り付けなけ
ればならないために、取付作業に手間がかかる。
【0014】この発明は斯かる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、プーリ部材と、それに巻き
掛けられるベルト等の摩擦部材とを利用するようにする
ことにより、少ない部品点数で容易に組み立てられるよ
うにしてコストダウンが図れる一方、過度の外力に対す
るフェールセーフ機能が具備されるようにするととも
に、減衰特性の設定チューニングが容易でかつ温度依存
性が小さくなり、さらにコンパクト化及び軽量化が図れ
てエンジンへの取付作業に手間がかからないようにする
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、2つのプーリ部材間に巻き掛
けられたエンドレスの摩擦部材の両スパンの張力が変化
すると、プーリ部材と摩擦部材との間のグリップ力が変
化することを利用し、減衰させるべきベルト反力に応じ
て上記グリップ力を変化させることにより、該ベルト反
力に応じた減衰力が得られるようにした。
【0016】具体的には、この発明では、固定側に固定
され、軸部を有するとともに外周に略円弧状の摩擦面を
有する固定プーリ部材と、この固定プーリ部材の軸部に
回動自在に外嵌合されている円筒部を有するとともに、
該円筒部の外周側にその回動軸心と平行な軸心回りに回
転自在なテンションプーリを有する回動部材と、これら
固定プーリ部材及び回動部材間に介装され、固定プーリ
部材に対し回動部材を所定回動方向に回動付勢する付勢
手段と、上記回動部材に回転不能に支持されているとと
もに、外周に固定プーリ部材の摩擦面と対をなす略円弧
状の摩擦面を有する移動プーリ部材と、上記固定プーリ
部材の摩擦面と移動プーリ部材の摩擦面との間に巻き掛
けられたエンドレスの摩擦部材と、この摩擦部材の両プ
ーリ部材の摩擦面間に位置する両スパンのうち、上記付
勢手段の回動付勢方向と逆の方向の側に位置するスパン
を押圧する押圧手段とを備えるようにする。
【0017】請求項2の発明では、固定側に固定され、
軸部を有する固定板と、この固定板の軸部に回動自在に
外嵌合されている円筒部を有するとともに、該円筒部の
外周側にその回動軸心と平行な軸心回りに回転自在なテ
ンションプーリを有する回動部材と、これら固定板及び
回動部材間に介装され、固定板に対し回動部材を所定回
動方向に回動付勢する付勢手段と、上記回動部材に回転
不能に支持されているとともに、外周に略円弧状の摩擦
面を有する移動プーリ部材と、上記固定板に両端が固定
された状態で中間部が移動プーリ部材の摩擦面に巻き掛
けられた摩擦部材と、この摩擦部材の移動プーリ部材の
摩擦面により区画形成された両スパンのうち、上記付勢
手段の回動付勢方向と逆の方向の側に位置するスパンを
押圧する押圧手段とを備えるようにする。
【0018】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の発明において、移動プーリ部材及び摩擦部材は、それ
ぞれテンションプーリの半径方向内周側に配置されてい
るものとする。
【0019】請求項4の発明では、上記請求項1又は2
の発明において、押圧手段は、回動部材と一体となって
回動するように該回動部材に支持されているものとす
る。
【0020】
【作用】以上の構成により、請求項1又は2の発明で
は、摩擦部材の一方のスパンが押圧手段に押圧されてい
るとともに、移動プーリ部材が回動部材に回転不能に支
持されているので、回動部材が回動する際には摩擦部材
とプーリ部材の摩擦面との間にグリップ力が生じ、回動
部材の回動が抵抗を受けることになる。つまり、回動部
材を回動させようとする回動付勢力及びベルト反力に減
衰力が作用するようになる。
【0021】このとき、上記回動部材が回動付勢方向に
回動する際、つまり押圧手段に押圧されているスパンが
張り側スパンに変化する方向に回動する際には、該スパ
ンとは反対の側のスパンが緩み側スパンとなって張力が
低下し、摩擦部材と移動プーリ部材との間のグリップ力
が低下するので、回動付勢力に対する減衰力は小さい。
一方、上記回動付勢方向とは逆の方向、つまり押圧手段
に押圧されているスパンが緩み側スパンに変化する方向
に回動部材が回動する際には、押圧手段に押圧されてい
ることで該スパンの張力低下が回避され、上記グリップ
力が維持されるので、ベルト反力に対し大きな減衰力が
生じる。したがって、ベルト反力を大きな力で減衰させ
ることのできる二方向性の減衰特性が得られる。
【0022】また、上記ベルト反力による回動部材の回
動力が増加すると、それに応じて減衰力が徐々に増加す
る一方、摩擦部材とプーリ部材との間にスリップの発生
する率も徐々に上昇する。そして、上記回動力が所定値
に達すると、スリップ率が急激に上昇して100%とな
る状態に容易に移行し、減衰力は略一定の値をとるよう
になる。したがって、過度のベルト反力に対しては上記
スリップが生じることで摩擦部材の破断が回避される。
【0023】そして、上記オートテンショナの減衰機構
は、2つのプーリ間に巻き掛けられた伝動ベルトの一方
のスパンを押圧手段で押圧するようになされたベルト伝
動機構と同様の簡単な構造であるので、部品点数が少な
くて済み、組立作業が容易である。また、各スパンの張
力変化に応じて減衰力が変化するので、スパンの張力変
化量を調整することにより減衰特性を変更でき、したが
って、減衰特性の設定チューニングが容易である。その
上、温度により特性が変化し易い作動油等の作動体を用
いることなく減衰力が発生するので、温度変化に対し安
定した減衰特性が得られる。そして、レバー部材にテン
ションプーリが一体化されているので、従来の油圧式オ
ートテンショナと比べてコンパクト化及び軽量化が図
れ、またエンジンへの取付けに要する手間が半減する。
【0024】さらに、上記回動部材の円筒部が、その外
周側でテンションプーリを回転可能に支持し、この円筒
部において回動部材が固定プーリ部材又は固定板の軸部
により回動自在に支持されているので、該軸部が上記テ
ンションプーリの内周側に収容され、その分だけ、回動
部材の回動軸心がテンションプーリの回転軸心側に近接
し、このことで、押圧すべきベルトに対するオートテン
ショナのアーム長さを短くできる。よって、回動部材の
回動面におけるオートテンショナのさらなるコンパクト
化を図ることができる。
【0025】請求項3の発明では、上記移動プーリ部材
及び摩擦部材が、それぞれテンションプーリの半径方向
内周側に配置されているので、その分だけ上記請求項1
又は2の発明におけるコンパクト化が具体的に行われる
ようになるのみならず、テンションプーリに干渉するこ
となく摩擦部材を該テンションプーリに対し回動軸心方
向において近接させることができ、よって、回動軸心方
向でのコンパクト化も図れるようになる。
【0026】請求項4の発明では、上記押圧手段は、回
動部材と一体となって回動するように該回動部材に支持
されていることにより、摩擦部材の押圧すべきスパンと
の位置関係が一定化されるので、回動部材の回動位置に
拘らず上記スパンを常に同じ条件で押圧でき、安定した
減衰特性が得られる。
【0027】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1〜図3は実施例に係るオートテンショナの
全体構成を示し、このオートテンショナは、自動車用の
OHCエンジン(オーバー・ヘッド・カムシャフト・エ
ンジン)におけるカム軸駆動のためのタイミングベルト
tに所定の張力を付与し、かつそのベルト反力に応じて
張力調整動作に対する減衰力を自動的に変化させるもの
である。
【0028】この発明の特徴として、上記オートテンシ
ョナは、自動車用エンジンのエンジンブロックfに固定
され、軸部7を有するとともに外周に円周状の摩擦面1
aを有する固定プーリ部材1と、この固定プーリ部材1
の軸部7に回動自在に外嵌合されている円筒部31を有
するとともに、該円筒部31の外周側にその回動軸心P
と平行な軸心Q回りに回転自在なテンションプーリ2a
を有する回動部材2と、これら固定プーリ部材1及び回
動部材2間に介装され、固定プーリ部材1に対し回動部
材2を所定回動方向A(図1の反時計回り方向)に回動
付勢する付勢手段としての捩りコイルばね21と、上記
回動部材2に回転不能に支持されているとともに、外周
に固定プーリ部材1の摩擦面1aと対をなす円周状の摩
擦面3aを有する移動プーリ部材3と、上記固定プーリ
部材1の摩擦面1aと移動プーリ部材3の摩擦面3aと
の間に巻き掛けられたエンドレスの摩擦部材としての平
ベルト4と、この平ベルト4の両プーリ部材1,3の摩
擦面1a,3a間に位置する両スパン4a,4bのう
ち、上記捩りコイルばね21の回動付勢方向Aと逆の方
向Bの側に位置するスパン4aを押圧する押圧手段とし
ての押圧機構部5とを備えている。そして、上記捩りコ
イルばね21の回動付勢力により上記テンションプーリ
2aにタイミングベルトtを押圧させて所定の張力を付
与する一方、ベルト張力の変動時に回動部材2が上記回
動付勢方向Aとは逆の方向Bに回動されるときにその回
動を大きく減衰させるようになっている。
【0029】上記固定プーリ部材1は、フロント側(図
2の上側)が開口された有底円筒状のリヤケース部32
と、このリヤケース部32の底部中央から回動軸心Pに
沿ってフロント側に延びる円柱部33とを有する。この
リヤケース部32と円柱部33とは、リヤケース部32
の底部中央に設けられた組付孔32aに、円柱部33の
リヤ側端部に設けられた小径部33aを嵌入固定するこ
とで一体に組み付けられるようになっている。上記リヤ
ケース部32の周壁の一部には、回動軸心P方向に延び
て該リヤケース部32の開口縁に至るリヤ側係止スリッ
ト34が設けられている。一方、上記円柱部33には、
その回動軸心Pの部分にボルト挿通孔35が設けられて
いる。さらに、円柱部33のフロント側端部は僅かに大
径となされていて、この大径部により固定プーリ部材1
のプーリ部6が構成されている。また、このプーリ部6
のリヤ側(図2の下側)の周縁には、半径方向外方に向
けて突出する鍔部36が全周に亘って設けられている。
そして、この円柱部33の鍔部36からリヤ側に亘る部
分により、上記軸部7が構成されている。
【0030】上記回動部材2は、リヤ側が開口されかつ
その開口部が上記リヤケース部32の開口部と対向する
有底円筒状のフロントケース部37を有し、該フロント
ケース部37は上記円筒部31のリヤ側開口端に一体に
設けられている。また、このフロントケース部37の周
壁の一部には、回動軸心P方向に延びて該フロントケー
ス部37の開口縁に至るフロント側係止スリット38が
設けられている。そして、上記円筒部31は、固定プー
リ部材1の軸部7により樹脂ブッシュ39を介して回動
軸心P回りに回動自在に支持されている。一方、円筒部
31の外周側には、上記テンションプーリ2aがベアリ
ング40を介して軸心Q回りに回転自在に設けられてい
る。さらに、回動部材2のフロント側の端部には回動軸
心Pに沿ってフロント側に向けて延びる断面方形状の軸
部41が設けられている。
【0031】上記回動部材2の軸部41には、固定プー
リ部材1のプーリ部6よりも小径の平プーリからなりか
つ上記テンションプーリ2aの内周側に配置された移動
プーリ部材3が、その軸心部分に設けられた断面方形状
の取付孔においてフロント側から外嵌合され、このこと
で回動部材2に回転不能に支持されている。そして、テ
ンションプーリ2aの内周側において、上記プーリ部材
1の摩擦面1aと移動プーリ部材3の摩擦面3aとの間
に、ベルト長さの短い上記平ベルト4が巻き掛けられて
いる。
【0032】上記回動部材2における円筒部31のフロ
ント側端面には、上記平ベルト4の一方のスパン4a
(図1の下側のスパン)を押圧する押圧機構部5が設け
られている。この押圧機構部5は、図3に詳しく示すよ
うに、平ベルト4の上記スパン4aを外周側から押圧可
能な金属製の円柱部42と、この円柱部42が先端に埋
設されているとともに基端において回動部材2の保持部
43に該回動部材2と一体となって回動するように保持
された樹脂ばね44とからなっている。
【0033】上記固定プーリ部材1のリヤケース部32
と回動部材2のフロントケース部37との間の空間に
は、上記捩りコイルばね21が縮径状態で介装されてい
る。この捩りコイルばね21は本体が左巻きで、リヤ側
及びフロント側の各端部21a,21bがそれぞれの係
止スリット34,38を半径方向に貫通して係止されて
いる。これにより、上記テンションプーリ2aを所定回
動方向Aに回動付勢してタイミングベルトtを押圧する
ようになされている。
【0034】かくして、上記オートテンショナでは、平
ベルト4の一方のスパン4aが押圧機構部5に押圧され
ているとともに、移動プーリ部材3が回動部材2に回転
不能に支持されているので、回動部材2が回動する際に
は平ベルト4とプーリ部材3,1の各摩擦面3a,1a
との間にそれぞれグリップ力が生じ、回動部材2の回動
が抵抗を受けることになる。つまり、回動部材2を回動
させようとする回動付勢力及びベルト反力に減衰力が作
用するようになる。
【0035】このとき、上記回動部材2が捩りコイルば
ね21の回動付勢力により回動付勢方向Aに回動する
際、つまり押圧機構部5に押圧されているスパン4aを
張り側スパンに変化させる方向に回動する際には、該ス
パン4aとは反対の側のスパン4bが緩み側スパンとな
って張力が低下し、平ベルト4と移動プーリ部材3又は
固定プーリ部材1との間のグリップ力が低下するので、
回動付勢力に対する減衰力は小さく、よって、テンショ
ンプーリ2aをベルト押圧方向に速やかに回動付勢する
ことができる。
【0036】一方、上記ベルト反力により、上記回動付
勢方向Aとは逆の方向B、つまり押圧機構部5に押圧さ
れているスパン4aを緩み側スパンに変化させる方向に
回動部材2が回動する際には、押圧機構部5に押圧され
ていることで該スパン4aの張力低下が回避され、上記
グリップ力が維持されるので、ベルト反力に対し大きな
減衰力が生じる。すなわち、ベルト反力を大きな力で減
衰させることのできる二方向性の減衰特性が得られるこ
とになる。
【0037】また、上記ベルト反力による回動部材2の
回動力が増加すると、それに応じて減衰力が徐々に増加
する一方、平ベルト4とプーリ部材3,1との間にスリ
ップの発生する率も徐々に上昇する。そして、上記回動
力が所定値に達すると、スリップ率が急激に上昇して1
00%となる状態に容易に移行し、ベルト反力に対する
減衰力は略一定の値をとるようになる。よって、過度の
ベルト反力に対しては、上記スリップが生じて平ベルト
4の破断を回避するフェールセーフ機能が発揮されるこ
とになる。
【0038】したがって、この実施例によれば、2つの
プーリ間に巻き掛けられた伝動ベルトの一方のスパンを
押圧手段で押圧するようになされたベルト伝動機構と同
様の簡単な構造であるので、部品点数が少なくて済み、
組立が容易である。さらに、各スパン4a,4bの張力
変化に応じて減衰力が変化するので、スパン4a,4b
の張力変化量を調整することで減衰特性を変更すること
ができ、減衰特性の設定を容易にチューニングすること
ができる。また、油圧式減衰装置の作動油のような作動
特性が温度変化の影響を受け易い作動体を用いずに減衰
力を発生させることができるので、温度変化の影響の少
ない減衰特性を得ることができる。
【0039】そして、油圧式のオートテンショナと比べ
た場合には、油圧式のものがシリンダをベルトtの走行
方向に沿わせて設置するとともに、テンションプーリを
回転自在に支持する回動部材を用いてピストンロッドの
作動方向を例えば90°ほど転換しているのに対し、回
動部材2が回動するものであることから、テンションプ
ーリ2aを一体化して回動部材2がベルトtの走行方向
に沿うように配置することができる。よって、上記一体
化によりコンパクト化及び軽量化を図ることができ、ま
たエンジンブロックfに取り付ける際の手間を半減する
ことができる。
【0040】また、押圧機構部5は、回動部材2と一体
となって回動するように該回動部材2に支持されている
ことで、平ベルト4の押圧すべきスパン4aとの位置関
係が一定であるので、回動部材2の回動位置に拘らず上
記スパン4aを常に同じ条件で押圧でき、安定した減衰
特性を得ることができる。さらに、上記固定プーリ部材
1の摩擦面1aが円周状をなすとともに、平ベルト4が
エンドレスであることから、回動部材2が回動軸心P回
りの如何なる回動位置にあっても減衰機能を発揮するこ
とができる。したがって、エンジンブロックfに取り付
けた後に、平ベルト4の張力を緩めて回動部材2を所定
の回動位置に適正にセットできるので、取付時には回動
軸心Pを位置決めするだけで済み、取付作業を大幅に容
易化することができる。
【0041】さらに、固定プーリ部材1が回動部材2
回動自在に支持する軸部7の部分と、移動プーリ部材3
及び平ベルト4とをそれぞれテンションプーリ2aの内
周側に配置したので、その分だけオートテンショナの
ーム長さ方向の大きさに加えて回動軸心P方向の大きさ
もコンパクトにすることができる。したがって、回動軸
心P方向の寸法が小さくなったことでは、該オートテン
ショナを含めた自動車エンジンの全長を小さくすること
ができ、近年のように種々様々な機器類や配管、配線で
寸分の隙間もなく埋め尽くされたかの如き様相を呈して
いる自動車のエンジンルームに配設する際に、極めて有
利である。
【0042】尚、上記実施例では、平ベルト4の一方の
スパン4aを外周側から押圧するようにしているが、内
周側から押圧するようにしてもよい。
【0043】また、上記実施例では、平ベルト4の一方
のスパン4aのみを常に押圧するようにしているが、回
動部材2の回動方向に応じて両スパン4a,4bを交互
に押圧するようにしてもよい。
【0044】また、上記実施例では、摩擦部材として平
ベルト4を用いているが、VベルトやVリブドベルトを
使用してもよい。その場合には、使用するベルトの断面
形状に倣って摩擦面を構成することで大きなグリップ力
が得られるようにすることができる。
【0045】また、これとは逆に、摩擦部材としてスチ
ールベルトを用いてスリップが発生し易いように構成し
てもよい。
【0046】また、上記実施例では、固定プーリ部材1
及び移動プーリ部材3の各摩擦面1a,3aを円周状に
構成しているが、摩擦部材との間で必要なグリップ力が
得られる範囲で円弧状に構成してもよい。
【0047】また、上記実施例では、摩擦部材とプーリ
部材との間のスリップをフェールセーフ機能として利用
しているが、スリップの発生する状態でも減衰力は得ら
れるので、回動部材2の両回動方向においてそれぞれス
リップ率が100%となるレベルを含めて減衰の常用範
囲としてもよい。その場合に、回動部材2が何れの方向
に回動してもスリップの生じる側のプーリ部材に、例え
ば該プーリ部材の摩擦面との間で平ベルトを挟圧する規
制手段を設け、回動部材2が回動付勢方向Aと逆の方向
Bに回動されるときには平ベルト4のスリップが許容さ
れ一方、減衰力の小さい方向に回動されるときにはスリ
ップが規制されるように構成することにより、回動部材
2の往復回動に伴って平ベルト4を一方向に循環移動さ
せることができるので、固定プーリ部材1及び移動プー
リ部材3との間のグリップ力が平ベルト4の特定箇所に
集中して加わるのを回避でき、平ベルト4への負荷を該
平ベルト4の全体に萬遍なく分散させることができて好
適である。
【0048】さらに、上記実施例では、エンドレスの摩
擦部材を用いているが、有端の摩擦部材を用いることが
できる。その場合には、固定プーリ部材1に代えて、摩
擦部材の両端が固定可能な固定板を用いてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、固定側に固定され、軸部を有するとともに外周
に略円弧状の摩擦面を有する固定プーリ部材と、この固
定プーリ部材の軸部に回動自在に外嵌合されている円筒
部を有するとともに、該円筒部の外周側にその回動軸心
と平行な軸心回りに回転自在なテンションプーリを有す
る回動部材と、これら固定プーリ部材及び回動部材間に
介装され、固定プーリ部材に対し回動部材を所定回動方
向に回動付勢する付勢手段と、上記回動部材に回転不能
に支持されているとともに、外周に固定プーリ部材の摩
擦面と対をなす略円弧状の摩擦面を有する移動プーリ部
材と、上記固定プーリ部材の摩擦面と移動プーリ部材の
摩擦面との間に巻き掛けられたエンドレスの摩擦部材
と、この摩擦部材の両プーリ部材の摩擦面間に位置する
両スパンのうち、上記付勢手段の回動付勢方向と逆の方
向の側に位置するスパンを押圧する押圧手段とを備える
ようにしたので、少ない部品点数で容易に組み立てるこ
とができ、コストダウンを図ることができるとともに、
過度のベルト反力に対するフェールセーフ機能を具備す
ることができ、かつ減衰特性の設定を容易に変更するこ
とができるとともに減衰特性の温度依存性を小さくする
ことができ、さらに従来の油圧式オートテンショナと比
べてコンパクト化及び軽量化を図ることができ、またエ
ンジンへの取付けに要する手間を半減することができる
のみならず、押圧すべきベルトに対するオートテンショ
ナのアーム長さを短くして回動部材の回動面における一
層のコンパクト化を図ることができる。
【0050】請求項2の発明によれば、固定側に固定さ
れ、軸部を有する固定板と、この固定板の軸部に回動自
在に外嵌合されている円筒部を有するとともに、該円筒
部の外周側にその回動軸心と平行な軸心回りに回転自在
なテンションプーリを有する回動部材と、これら固定板
及び回動部材間に介装され、固定板に対し回動部材を所
定回動方向に回動付勢する付勢手段と、上記回動部材に
固定板と同一面側において回転不能に支持されていると
ともに、外周に略円弧状の摩擦面を有する移動プーリ部
材と、上記固定板に両端が固定された状態で中間部が移
動プーリ部材の摩擦面に巻き掛けられた摩擦部材と、こ
の摩擦部材の移動プーリ部材の摩擦面により区画形成さ
れた両スパンのうち、上記付勢手段の回動付勢方向と逆
の方向の側に位置するスパンを押圧する押圧手段とを備
えるようにしたので、上記請求項1の発明と同じ効果を
得ることができる。
【0051】請求項3の発明によれば、上記移動プーリ
部材及び摩擦部材を、それぞれテンションプーリの半径
方向内周側に配置するようにしたので、その分だけ回動
部材の回動面におけるコンパクト化を具体的に行うこと
ができるのみならず、テンションプーリに干渉すること
なく摩擦部材を該テンションプーリに対し回動軸心方向
において近接させることができ、よって、回動軸心方向
でのコンパクト化をも図ることができる。
【0052】請求項4の発明によれば、上記押圧手段
を、回動部材と一体となって回動するように該回動部材
支持されているものとしたので、回動部材の回動位置
に拘らず摩擦部材の所定のスパンを常に同じ条件で押圧
でき、ベルト反力に対する安定した減衰特性を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るオートテンショナを示
す正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】オートテンショナを示す背面図である。
【符号の説明】
1 固定プーリ部材 1a 摩擦面 2 回動部材 2a テンションプーリ 3 移動プーリ部材 3a 摩擦面 4 平ベルト(摩擦部材) 4a,4b スパン 5 押圧機構部(押圧手段) 7 軸部 21 捩りコイルばね(付勢手段) 31 円筒部 P 回動軸心 Q 軸心 f エンジンブロック(固定側) t タイミングベルト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側に固定され、軸部を有するととも
    に外周に略円弧状の摩擦面を有する固定プーリ部材と、 上記固定プーリ部材の軸部に回動自在に外嵌合されてい
    る円筒部を有するとともに、該円筒部の外周側にその回
    動軸心と平行な軸心回りに回転自在なテンションプーリ
    を有する回動部材と、 上記固定プーリ部材及び回動部材間に介装され、固定プ
    ーリ部材に対し回動部材を所定回動方向に回動付勢する
    付勢手段と、 上記回動部材に回転不能に支持されているとともに、外
    周に固定プーリ部材の摩擦面と対をなす略円弧状の摩擦
    面を有する移動プーリ部材と、 上記固定プーリ部材の摩擦面と移動プーリ部材の摩擦面
    との間に巻き掛けられたエンドレスの摩擦部材と、 上記摩擦部材の両プーリ部材の摩擦面間に位置する両ス
    パンのうち、上記付勢手段の回動付勢方向と逆の方向の
    側に位置するスパンを押圧する押圧手段とを備えている
    ことを特徴とするオートテンショナ。
  2. 【請求項2】 固定側に固定され、軸部を有する固定板
    と、 上記固定板の軸部に回動自在に外嵌合されている円筒部
    を有するとともに、該円筒部の外周側にその回動軸心と
    平行な軸心回りに回転自在なテンションプーリを有する
    回動部材と、 上記固定板及び回動部材間に介装され、固定板に対し回
    動部材を所定回動方向に回動付勢する付勢手段と、 上記回動部材に回転不能に支持されているとともに、外
    周に略円弧状の摩擦面を有する移動プーリ部材と、 上記固定板に両端が固定された状態で中間部が移動プー
    リ部材の摩擦面に巻き掛けられた摩擦部材と、 上記摩擦部材の移動プーリ部材の摩擦面により区画形成
    された両スパンのうち、上記付勢手段の回動付勢方向と
    逆の方向の側に位置するスパンを押圧する押圧手段とを
    備えていることを特徴とするオートテンショナ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のオートテンショナ
    において、 移動プーリ部材及び摩擦部材は、それぞれテンションプ
    ーリの半径方向内周側に配置されていることを特徴とす
    るオートテンショナ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のオートテンショナ
    において、 押圧手段は、回動部材と一体となって回動するように該
    回動部材に支持されていることを特徴とするオートテン
    ショナ。
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