JP2682127B2 - 高強度、高弾性率ポリエステル中空繊維 - Google Patents

高強度、高弾性率ポリエステル中空繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は従来に見ない高強度と高弾性率特性を有する
エチレンテレフタレート系ポリエステル繊維に関するも
のである。
更に詳しくは、タイヤ補強材、コンベアベルト補強材
あるいは熱可塑性コンポジットの補強材等の用途に有用
なポリエステル繊維に関するものである。
(従来の技術) 従来、高強度・高弾性率ポリエステル繊維を得る方法
としては、例えば特開昭63−12715号公報、特開昭63−9
9322号公報、特開昭63−196711号公報、特開昭63−1967
12号公報、特開昭63−196713号公報等が提案されてい
る。特開昭63−12715号公報は極限粘度IVが1.2以上のポ
リマーをトリフルオロ酢酸/塩化メチレン混合溶媒に溶
解して紡糸原液となし、これを紡出し未延伸糸にした
後、熱延伸することで高強度・高弾性率ポリエステル繊
維を得ることが示されている。特開昭63−99322号公報
では紡出した未延伸物を膨潤処理し、次いで全延伸倍率
が6倍以上となるように延伸することで高強度・高弾性
率ポリエステル繊維とすることが開示されている。特開
昭63−196711号公報は極限粘度IVが1.2以上のポリマー
を特定の条件で紡糸し、未延伸物を膨潤処理した後、多
段熱延伸することにより高強度・高弾性率ポリエステル
繊維とすることが示されている。
また、特開昭63−196712号公報には極限粘度IVが1.2
以上のポリマーを特殊な条件で紡糸・延伸することによ
り折りたたみ分子鎖が減少し、結晶とをつなぐタイ分子
が著しく増大した繊維構造を発現せしめ高強度・高弾性
率ポリエステル繊維とすることが開示されている。特開
昭63−196713号公報は極限粘度IVが0.5以上1.2未満のポ
リマーを溶融紡糸で複屈折率が0.002〜0.060の未延伸糸
を得て、これを膨潤処理した後、多段熱延伸する高強度
・高弾性率ポリエステル繊維の製造方法を述べている。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、産業資材用繊維、例えばゴムを補強するタイ
ヤコード用繊維に要求される性能は高強度であることが
好ましい。しかし、現行のタイヤコード用ポリエチレン
テレフタレート繊維の切断強度は9(g/d)程度、初期
引張弾性率は130〜150(g/d)であり、130(g/d)未満
の初期引張弾性率のポリエチレンテレフタレート繊維は
ゴムの補強効果が、小さいために、一般には使用されな
い。かかる現状において前記したようにエチレンテレフ
タレート系ポリエステル繊維の高性能化に関する技術が
多数提案されている。しかしながら、前記提案の方法は
次に述べるような問題点を有している。
先ず、特開昭63−12715号公報に記載された方法はポ
リマーの溶解及び溶媒の回収が必要であり、さらには紡
糸速度等から考えて生産性が低い。
また、特開昭63−99322号公報に記載された方法は未
延伸糸の極限粘度IVが1.45と高い場合には高強度・高弾
性率のポリエステル繊維を得る極限粘度IVが0.95程度の
とき、従来の産業資材用ポリエチレンテレフタレート繊
維と比較して良好な値とはいえ、膨潤処理/高倍率延伸
の効果が充分に出ているとはいえない。
特開昭63−196711号公報及び特開昭63−196712号公報
に記載された方法はいずれも原理的には、極限粘度IVが
1.2以上のポリマーを利用することによりタイ分子の数
を増加せしめることで高強度・高弾性率化をはかってい
る。しかしながら、ポリマーの極限粘度IVが高くなるに
つれて溶融粘度も上昇するため、より高温の紡糸条件、
より高耐圧性の紡糸装置が必要になる。また複屈折率が
0.002〜0.06と比較的低配向の未延伸糸を得るためには
限定された紡糸条件が必要であるため通常の極限粘度
(IV≦1.0)のポリマーの紡糸に比べて生産性が低下す
る。
特開昭63−196713号公報に記載された方法は、通常の
極限粘度(IV≦1.0)のポリマーを溶融紡糸し、複屈折
率が0.002〜0.06と比較的低配向の未延伸糸を得て、こ
れを膨潤処理した後、特定の条件で延伸することにより
高強度・高弾性率化をはかっている。しかし、切断強
度、初期引張弾性率は従来の産業資材用ポリエチレンテ
レフタレート繊維と比較して良好な値とはいえ、出願人
が推測している切断強度及び初期引張弾性率のそれぞれ
の限界値である30(g/d)、500(g/d)から判断して膨
潤処理/高倍率延伸の効果を充分に引き出しているとは
いえない。本発明は、かかる従来技術において達し得な
い問題についての解決と、前記従来技術では達成するこ
とができなかったエチレンテレフタレート系ポリエステ
ル繊維の高強度化と高弾性率化を達成し、従来のエチレ
ンテレフタレート系ポリエステル繊維とは明らかに区別
される新規な構造に起因して発現する高強力、高弾性率
エチレンテレフタレート系ポリエステル繊維を提供せん
とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するための手段、即ち本発明は、極限
粘度IVが0.5〜2.0のエチレンテレフタレート系ポリエス
テルよりなり、横断面の中空率が2〜45%の中空繊維で
あり、繊維の切断強度が14g/d以上であり、且つ初期引
張弾性率が210g/d以上であることを特徴とする高強度、
高弾性率ポリエステル中空繊維である。
本発明では、エチレンテレフタレート系ポリエステル
のポリマーを、溶融紡糸した後、可能な限り高倍率で延
伸し、本発明の繊維を構成する高分子鎖ができる限りそ
の繊維軸方向に配列させる必要がある。かかる延伸を施
す手段としてポリエステル系未延伸糸を膨潤剤で処理す
ると高倍率延伸が可能となり、得られる延伸糸の繊維物
性も向上する。しかしながら、膨潤処理したことによる
延伸倍率の上昇に見合うだけの切断強度が発現している
とはいえない。ところが切断強度の向上を阻害している
原因でか、繊維横断面の中央部に存在する欠陥部分であ
ることが本願発明者らの研究により判明した。かかる欠
陥部分を取り除く事について鋭意研究を重ねた結果、驚
くべきことには、溶融紡糸段階で中空繊維となすことに
より切断強度の大幅な向上が達成されることが判明し
た。
本発明繊維を構成するポリエステルは、その反復単位
の85モル%以上がエチレンテレフタレート単位よりなる
ものであって、特にテレフタル酸またはその機能的誘導
体とエチレングリコールとか製造されるポリエチレンテ
レフタレートを主たる対象とする。しかしながら、ポリ
エチレンテレフタレートを構成する酸成分であるテレフ
タル酸またはその機能的誘導体の一部を15モル%未満の
例えばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸、ナフタール酸、p−オキシ安息香酸、2.5−ジ
メチルテレフタル酸のような2官能性酸、またはそれ等
の機能的誘導体のうち少なくとも一種で置き換えるか、
もしくは、グリコール成分であるエチレングリコールの
一部を15モル%未満の例えばジエチレングリコール、1.
4−ブタンジオール等の2価アルコールのうち少なくと
も一種で置き換えた共重合体であってもよい。また、こ
れ等のポリエステル酸化防止剤、難燃剤、接着性向上
剤、艶消剤、着色剤等を含有させてもさしつかえない。
本発明に使用されるエチレンテレフタレート系ポリエ
ステルの極限粘度IVの上限を特に限定するものではない
が溶融粘度と、それに関係した紡糸設備や製糸条件を勘
案するとIVは2.0未満であることが望ましい。
なお、使用するエチレンテレフタレート系ポリエステ
ルの極限粘度IVが0.5未満になると本発明の目的とする
高強度・高弾性率ポリエステル繊維の製造が困難とな
る。
本発明法は通常、産業資材用繊維の製造に使用される
極限粘度IVのポリマーを用いて中空繊維を紡出し、さら
に従来の高強度・高弾性率ポリエステル繊維の製造に適
用される手法を効果的に採用することにより新規な製造
法を達成したものである。即ち繊維横断面の中心に中空
部を有する未延伸糸を膨潤処理した後、多段熱延伸する
ことで14(g/d)以上の高強度210(g/d)以上の高弾性
率が同時に得られることを見い出だし、本発明に至った
ものである。以下、本発明の新規なエチレンテレフタレ
ート系ポリエステルの繊維の製造法及び繊維の特徴につ
いて更に詳しく述べる。
真空乾燥処理した極限粘度IVが2.0未満の原料ポリエ
ステルをポリマーの融点以上好ましくはポリマーの融点
より少なくとも20℃以上高い温度で溶融押出しする。
溶融押出し方法としては特に制限はないがエクストル
ーダー型押出機、ピストン型押出機、2軸混練型押出機
等が用いられる。溶融押出機より溶融したポリマーを延
伸後の繊維で2(%)以上45(%)未満の中空率を得る
ことが可能な形状の紡糸孔を複数個配列した口金を通し
て吐出する。紡糸孔の形状は特に限定するものではない
が1箇所に欠円部を有するC字型で円環状のものが好ま
しい。繊維の中空率は紡糸孔ディメンジョンのみならず
使用するポリマーの極限粘度IVや紡糸温度さらには吐出
直後の糸条に吹き当てられる冷却気流の温度、流速等に
影響されるからこれらを考慮して紡糸条件を設定するこ
とが肝要である。
延伸後の繊維の中空率が2(%)未満になる様な未延
伸糸を膨潤処理し、次いで多段熱延伸しても繊維横断面
内の構造の不均一性は解消されず高物性化は困難とな
る。また延伸後の繊維の中空率が45(%)以上になる様
な未延伸糸は吐出直後の冷却、固化の過程で繊維横断面
内に異方性を生じたり、また中空部の形成が困難になる
等の問題があり、結果的には高物性化の障害となる。
従って、中空率は2(%)以上45(%)未満、好まし
くは5(%)以上40(%)未満することが必要である。
このようにして溶融吐出されたポリエステル未延伸糸
を冷却、固化させ、適量の油剤を付与した後、糸速度を
制御する引取りローラーによって引取られる。
引取り速度は特に限定されるものではないが紡糸孔デ
ィメンジョンやポリマーの吐出条件を考慮した上で未延
伸糸の自然延伸倍率NEが200(%)〜250(%)となるよ
うに設定することが好ましい。
自然延伸倍率が200(%)未満では引き続き行なう膨
潤処理よる延伸性な向上効果が小さくなり、結果的に高
物性化が困難となる。自然延伸倍率250(%)以上にな
ると紡糸状態が非常に不安定となり糸条の長手方向の班
の抑制が困難となる。
引取られた糸条は一旦巻き取った後、又は、紡糸に連
続して該ポリエステルを膨潤する溶液に浸せき処理す
る。膨潤溶液としては繊維自体を溶解することなく、繊
維を膨潤させることにより、高倍率延伸を可能にするも
のであればいかなるものでもよいが、特にアセトン/水
系(水含有率0〜50vol%)が最も好ましい。
膨潤処理は0℃以上、好ましくは10℃以上の一定温度
で糸条の外観が白く変化し、結晶化が完了するように処
理時間を設定する。処理速度の制御方法は処理温度と膨
潤溶液中の膨潤剤濃度の変更により可能である。
このようにして膨潤処理されたポリエステル未延伸糸
を90℃以下の温度で、且つ、延伸ヒーター内での変形・
細化が支配的である最大の倍率で延伸する。延伸ヒータ
ー温度が90℃を越えると延伸前に熱結晶化が進行し延伸
性を阻害するので好ましくない。
低温延伸に引き続き、150〜250℃の温度の範囲で高温
延伸を行なう。高温延伸には多段延伸が好ましく、まず
150〜200℃の温度範囲で最大延伸倍率の95%以上で延伸
する。ここで最大延伸倍率とは1000m以上のサンプルが
連続して安定的に製糸し得ることができる最大の延伸倍
率をいう。
次いで、200〜250℃の温度の範囲で可能な限り高倍率
の延伸を行なうことが好ましい。
(作用) 本発明のポリエステル繊維の特徴を図面によって説明
する。第1図は本発明のポリエステル繊維の横断面を示
す図であり、第2図は比較例のポリエステル繊維の横断
面を示す図である。
第2図に示す如く比較例の繊維横断には中央部が黒化
して見え、繊維横断面内の内外層間で大きな密度差の存
在していることを示している。繊維横断面の中央部が黒
化していることから断面中央部の密度が外層に比べて著
しく低くなっており、断面中央部は比較的粗なボイド状
構造単位を含んでおり、この部分の繊維物性はかなり低
いことが推察される。
一方第1図は本発明のポリエステル繊維の横断面を示
すものであり、比較例のポリエステル繊維の横断面写真
に見られるような繊維横断面内に黒化部は存在しない。
つまり、繊維横断面の中央の黒化部は膨潤処理時の膨潤
剤の繊維内部への浸透作用に伴って生じる現象と考えら
れるから繊維の中央部を予め中空化しておくことで黒化
部の発生が抑制されたものと判断される。このことが高
強度・高弾性率化という性能向上効果をもたらすもので
あると推測される。
(実施例) 以下に実施例を示すが本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。尚、本発明の評価に用いた物性値
の測定法は以下のとおりである。
〈極限粘度IVの測定法〉 本発明において、エチレンテレフタレート系ポリエス
テルの極限粘度IVは、P−クロルフェノール/テトラク
ロルエタン=3/1混合溶媒を用い、30℃で測定した極限
粘度〔η〕を次式によりフェノール/テトラクロルエタ
ン=60/40の極限粘度IVに換算したものである。
IV=0.8325×〔η〕+0.005 〈繊維の繊度の測定法〉 標準状態(温度±2℃、相対温度65±2%の状態)の
試験室で、サーチ(株)製のオートバイブロ式繊度測定
器DENIER COMPUTER DC−11B型を使用して、単繊維の繊
度(デニール、d)を測定した。
但し、繊維の測定試料長は、50mmとした。
〈繊維の強度の測定法〉 繊維の引張強さ(強度)は、JIS−L−1013(1981)
の7.5.1に準じ、標準状態の試験室で、東洋ポールドウ
イン(株)製の定速伸長形万能引張試験機TENSILON UTM
−IIIを使用して単繊維の引張強さを測定した。
但し、測定条件は、5kg f引張型ロードセルを用い、
つかみ間隔10cm引張速度10cm/分(1分間当たりつかみ
間隔の100%の伸長速度)、記録紙の送り速度100cm/分
で試料を引張り、試料が切断した時の荷重(gf)を測定
し次の式により引張強さ(gf/d)を算出し強度(g/f)
とした。
〈繊維の初期引張弾性率の測定法〉 繊維の初期引張抵抗度(初期引張弾性率)は、JIS−
L−1013(1981)の7.5.1に準じた上記の繊維の強度の
測定法と同じ方法で試験をおこない記録紙上に荷重一伸
長曲線を描きこの図より、JIS−L−1013(1981)の7.1
0に記載の初期引張抵抗度算出式により、初期引張抵抗
度(gf/d)を算出し、初期引張弾性率(g/f)とした。
〈繊維の断面観察法〉 試料を樹脂に包埋しミクロトームにより数十ミクロン
の厚みにカットした後、光学顕微鏡を用い200〜600倍の
倍率下に観察するか、あるいは、黒色のタフセル綿を充
填した貫通孔中に試料を差し込み、カミソリ刃でカット
したものを光学顕微鏡を用い200〜600倍の倍率下に観察
する。
実施例1 極限粘度IVが1.0のポリエチレンテレフタレート原料
ポリマーをエクストルーダー型小型紡糸機を用いて295
℃単孔吐出量0.75g/minの条件で、第3図に示すC字型
紡糸細孔(a/b=0.22、a=0.40mm、b=1.80mm、c=
0.18mm)を有する紡糸口金から吐出し、20℃、0.3m/min
のクエンチ気流で冷却、固化させた後、約1(%)の油
剤を付与し、速度200m/minで糸条を巻き取った。得られ
た糸条の自然延伸倍率235(%)であった。
該未延伸糸を50℃のアセトン(水1.0vol%含有)中で
3分間浸せき処理し、引き続き処理糸を80℃の温度で3.
75倍の延伸を行なった(延伸速度1.0m/min)後、185℃
で最大延伸倍率の95%で2段延伸を、次いで245℃で3
段延伸を行なった。得られた延伸糸の中空率は12.5
(%)、繊維物性は2.8デニール、切断強度14.1(g/
d)、初期引張弾性率220(g/d)、繊維の極限粘度0.88
であった。
実施例2 1箇所に欠円部を有するC字型環状紡糸細孔のディメ
ンジョンa/bを0.14に変えた口金を使用し、実施例1と
同一紡糸、巻取り条件で自然延伸倍率が238(%)の中
空未延伸糸を得て、該未延伸糸を実施例1と同一条件で
アセトンに浸漬させて膨潤処理し、引き続いて多段熱延
伸を行なった。得られた延伸糸の中空率は23.3(%)
で、その繊維繊度は2.9デニール、切断強度15.1(g/
d)、初期引張弾性率238(g/d)、繊維の極限粘度は0.8
8であった。
比較例1 1箇所に欠円部を有するC字型環状紡糸細孔のディメ
ンジョンa/b、cをそれぞれ0.08、0.40mmに変えた口金
を使用し、実施例1と同一紡糸及び巻取り条件で自然延
伸倍率が210(%)の未延伸糸を得た。該未延伸糸を実
施例1と同一条件でアセトンに浸漬させて膨潤処理し、
次いで多段熱延伸を行なった。得られた延伸糸はC型断
面を有する異形糸で条化しており、その繊維繊度は2.9
デニール、切断強度10.1(g/d)、初期引張弾性率150
(g/d)、繊維の極限粘度は0.88であった。
比較例2 通常の円形断面で直径が0.3mmの紡糸細孔を有する口
金を用いて極限粘度IVが1.0のポリマーを溶融吐出し、2
50m/minの速度で自然延伸倍率237(%)の未延伸糸を巻
取った。該糸条を実施例1と同一の条件で膨潤処理し、
次いで多段熱延伸を行なった。得られた延伸糸の繊維繊
度は2.8デニール、切断強度13.4(g/d)、初期引張弾性
率197(g/d)、繊維の極限粘度は0.87であった。
実施例3 極限粘度IV1.0のポリエチレンテレフタレート原料ポ
リマーをエクストルーダー型小型紡糸機を用いて、1箇
所に欠円部を有する第3図に示すC字型環状紡糸孔のデ
ィメンジョンa/b、cを変更した以外は実施例1と同一
紡糸巻取条件で、各種中空率の異なる未延伸糸を得て、
それぞれの未延伸糸を実施例1と同一条件でアセトンに
浸漬させて膨潤処理し、引き続いて多段熱延伸を行なっ
た。得られた各種中空率を有する延伸糸の物性を下記第
1表の実験No.1〜5に示す。尚、実験No.5は中空率48%
の延伸糸を得るべく行なったものの紡糸延伸が困難で満
足な糸が得られなかった。
(発明の効果) 本発明の繊維は、切断強度が14(g/d)以上、初期引
張弾性率が210(g/d)以上と、従来には見られなかった
高物性を有するポリエステル繊維であり産業資材用とし
て極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明繊維の横断面を示す図であり、第2図
は比較例2で得られた延伸糸の横断面を示す図である。 第3図は中空繊維を得るための1箇所に欠円部を有する
C字型環状紡糸口金孔の横断面図の1例を示したもので
ある。 a:紡糸孔幅 b:欠円状重合体紡糸孔外円の直径 c:欠円部重合体紡糸間隙

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度IVが0.5〜2.0のエチレンテレフタ
    レート系ポリエステルよりなり、横断面の中空率が2〜
    45%の中空繊維であり、繊維の切断強度が14g/d以上で
    あり、且つ初期引張弾性率が210g/d以上であることを特
    徴とする高強度、高弾性率ポリエステル中空繊維。
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