JP2680698B2 - 配向性ホウ酸リチウム結晶膜の製造方法 - Google Patents

配向性ホウ酸リチウム結晶膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、配向性ホウ酸リチウム結晶膜の製造方法に
関する。
(従来の技術) 一般に、圧電性材料としては、LiNbO3、LiTaO3等が知
られており、これらの材料は特に表面弾性波フィルター
等に応用されている。これらの材料に対して、最近、圧
電性材料としての用途において、周波数の温度安全性の
点でLiNbO3及びLiTaO3よりも優れ、また電気−機械結合
定数の点で水晶よりも優れているLi2B4O7単結晶が注目
されるようになった。表面弾性波フィルター等に応用す
る場合、一般に圧電特性は結晶軸の方向により異なるの
で、結晶軸の方向がランダムに分布した多結晶では特性
がばらつき、安定に欠ける。その点、結晶軸を特定の方
向に配向させた結晶、例えば単結晶ではこれらの問題点
を解決できるとともに特性を向上させることが可能とな
る。
従来、Li2B4O7単結晶の製造方法としては、Li2CO3
びB2O3を原料とするチョクラルスキー法が知られている
程度であり、その他の方法についてはほとんど研究され
ていない。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、チョクラルスキー法は単結晶を得るた
めには有効な方法であるが、1000℃以上の高温を必要と
するためリチウムあるいはホウ素成分が一部蒸発した
り、気泡・クラックが生じ易く、Li2B4O7の均一な単結
晶が得られ難いばかりでなく、加熱のために多大のエネ
ルギーを必要とするという問題を有する。
また、特に、上記した方法で得られるLi2B4O7単結晶
は、製法上肉厚のものしか得られず、前記した表面弾性
波フィルターのような用途において好適なLi2B4O7結晶
の薄膜を形成させることはできなかった。
本発明者等は、Li2B4O7単結晶に替えて、配向性を有
するLi2B4O7結晶膜を低温で製造する方法について研究
を重ねた。その結果、リチウム及びホウ素のアルコキシ
ドに対して、特定量の水並びに特定量の酸又は錯化剤を
混合した混合物を基板上にコーティングした後、乾燥
し、次いで結晶化温度以上に加熱して結晶化させること
によりかかる目的を達成し得ることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
本発明は、一般式LiOR(式中、Rはアルキル基を示
す)で表わされるリチウムアルコキシド、一般式B(O
R′)(式中、R′はアルキル基を示す)で表わされ
るホウ素アルコキシド、水並びに酸又は錯化剤を次式を
満足するように混合した 及び mA/(mLi+mB)>0.02 アルコキシド混合液を基板上にコーティングした後、
加熱して結晶化させることを特徴とする配向性ホウ酸リ
チウム結晶膜の製造方法である。
本発明に用いられるホウ素アルコキシドとしては、前
記一般式で示されるものが使用されるが、一般にアルキ
ル基(R′)の炭素数が1〜20のものが使用される。具
体的には、B(OC4H9、B(OC2H5、B(OC16H
33、B(OC3H7、B(OCH3、B(OC18H37
、B(OC6H5、B(OC7H7等があるが、リチウ
ムアルコキシドとの反応性、安全性、安定性、経時性等
の面でB(OC4H9等が特に好ましい。また、リチウ
ムアルコキシドとしては、前記一般式で示されるものが
使用されるが、一般にアルキル基(R)の炭素数が1〜
5のものが使用される。具体的には、LiOCH3、Lioc
2H5、LiOC3H7等があるが、ホウ素アルコキシドと均一に
混合しやすいものを選択して用いることが好ましい。例
えば、ホウ素のアルコキシドとしてB(OC4H9を用
いる場合はリチウムのアルコキシドとしてLiOCH3を用い
るのが好ましい。
本発明において、リチウムアルコキシド及びホウ素ア
ルコキシドは、一般に夫々のアルコキシドを過剰のアル
コールに溶解混合した溶液状態で使用される(以下、ア
ルコキシドアルコール溶液ともいう)。溶媒として用い
られるアルコールとしては1価のアルコール、特にメチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール等の低級アルコールが、その粘
度特性、溶解性の点で好ましく採用される。又、該溶媒
アルコールは各アルコキシドの合成原料であるアルコー
ル(ROH)と同一のものであることが製造上好ましい。
リチウムアルコキシドとホウ素アルコキシドとの構成
比は、ホウ素とリチウムの比B/Liが約2になるように調
整するのが一般的である。上記のアルコキシドアルコー
ル溶液において、各アルコキシドの濃度は特に制限され
ないが、リチウムアルコキシドの濃度は0.1〜1.5モル/
、ホウ素アルコキシドの濃度は0.2〜3モル/が好
ましい。上記アルコキシドの濃度が小さすぎると得られ
る膜厚があまりにも薄く、逆に濃度が高すぎるとコーテ
ィング膜の厚みが大きくなりすぎて膜が不均一になった
り、剥離する傾向がある。
本発明において、上記各アルコキシドへ添加混合する
水の比率は得られるLi2B4O7結晶膜の性質に重大な影響
を及ぼす。即ち、上記水の比率は、リチウムアルコキシ
ドのモル数(mLi)及びホウ素アルコキシドのモル数(m
B)に対して水のモル数 で0.05以上、好ましくは0.5以上となるように決定する
ことが重要である。水の比率が上記範囲より低い場合、
目的とするLi2B4O7以外に副生成物が生成し、良好な結
晶体を得ることができない。また、得られる結晶体が着
色することもある。
また、水の比率は、上記範囲に含まれていれば特に制
限されないが、一般に水の比率が増加するとアルコキシ
ドアルコール溶液中に沈澱が生じることがあるため、沈
澱の生成が起こらない範囲内で決定することが好まし
い。また、水の比率が増加すると、水の乾燥にも時間が
かかる等、効率的でない。かかる水の比率の好適な範囲
は使用するアルコキシドに応じて適宜決定すればよい。
一般には、下式で示す範囲となるように水を混合すれば
よい。
好ましくは、 (但し、MLi及びMBは、水を添加混合する前のアルコキ
シドアルコール溶液中のリチウムアルコキシドとホウ素
アルコキシドのモル濃度(モル/)である。) また、本発明において、各アルコキシドと混合する酸
又は錯化剤(以下、添加剤ともいう)は得られるLi2B4O
7結晶膜の性質に重大な影響を及ぼす。
本発明に用いる酸としては、プロピオン酸、酪酸、イ
ソ酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、
マレイン酸、グルタル酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロ
キシ安息香酸、サリチル酸、グリコール酸、マンデル
酸、酢酸、ギ酸等のカルボン酸類;スルホン酸類;塩
酸、硝酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸が挙げ
られ、なかでも酢酸、塩酸、硝酸等が特に好ましい。ま
たエタンチオール等のチオール化合物;オキシム類;酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセチルアセト
ン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル等のカルボニ
ル基が2個以上有する化合物;エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン、カテコール、マンニ
トール、糖類等の複数の水酸基等を有する化合物等の錯
化剤も、上記酸と同様の目的で使用できる。
上記の添加剤を添加しない場合、結晶が特定の方位に
配向した膜、即ち配向性結晶膜が得られない。この原因
については、本発明者等も充分に説明し得ないが、水を
添加したアルコキシドアルコール溶液を更に上記の酸又
は錯化剤を添加したアルコキシド混合液では、基板上に
コーティング後大気中の水分の部分的な攻撃を受けて
も、上記添加剤が急激に部分的な加水分解を受けること
を抑制して、基板に強固に付着した均一な膜を形成させ
るためでないかと推定される。
実際、上記添加剤を添加しない場合、上記アルコキシ
ド混合液を基板上にコーティングした直後に膜は白色化
するが、上記添加剤を添加した場合は配向して無色透明
となる。
上記の添加剤の添加比率はリチウムアルコキシドのモ
ル数(mLi)及びホウ素アルコキシドのモル数(mB)に
対して、添加剤のモル数(mA)が式mA/(mLi+mB)で0.
02を越え、好ましくは0.05以上である。アルコキシドに
対する添加剤の比率が上記範囲より低い場合、目的とす
る配向性Li2B4O7結晶膜が得られない。
また、上記添加剤の比率は、上記範囲に含まれていれ
ば特に限定されないが、一般に添加剤の比率が高くなる
と除去が困難になる場合があるのでmA/(mLi+mB)で5
以下にすることが好ましい。
本発明の方法によって得られる配向性Li2B4O7結晶膜
の厚さは後述の方法により任意に変化させることがで
き、通常0.005〜1000μmで存在する。配向性Li2B4O7
晶膜を、例えば表面弾性波フィルターとして使用する場
合、その機能を発揮させるには、表層に10μm以下の厚
みでLi2B4O7結晶体が存在していれば十分であり、むし
ろ薄膜化することが経済性、機能性の点でも有利であ
る。
このような薄膜を形成する手段としては、浸漬法、ス
ピンコート法、スプレー法、はけ塗り法等があるが、そ
のうち浸漬法が均一な薄膜を得るために好ましい。この
浸漬法は、その表面に薄膜を形成させるための基板をア
ルコキシド混合液に浸漬し、該基板を引き上げることに
より行われる。
上記基板の引き上げ速度は、小さすぎると効率が悪
く、また大きすぎるとコーティング膜が不均一になった
り、剥離する。従って、基板の引き上げ速度としては0.
1cm/minから70cm/minが適当である。膜厚を厚くしたい
場合は該コーティング操作を、乾燥操作及び必要に応じ
て結晶化のための加熱処理を介して繰り返せばよい。
本発明に用いられる基板としては、特に限定されない
が、良好に配向したLi2B4O7膜を得るためには、単結晶
基板を用いることが好ましく、特にLi2B4O7と格子定数
が近く、あるいは結晶構造が似ている単結晶基板が好ま
しい。例えば、Si、Ge、MgAl2O4、水晶、α−Al2O3、Ti
O2、MgO等が挙げられる。また、単結晶基板の方位は目
的に応じて決定すればよい。
本発明において、上記方法で膜を形成後、加熱処理し
て結晶化させる前に乾燥を行なうのが好ましい。即ち急
激に高い温度で加熱を行なうと有機物の分解によってカ
ーボン等が膜中に残り、着色することがあるからであ
る。従って、膜を形成後該薄膜中に存在する水、溶媒と
して存在するアルコール、加水分解により生成するアル
コール等は、乾燥により除去することが良好な配向性Li
2B4O7結晶膜を得るために好ましい。
また、膜を形成後本乾燥前に、室温で予備乾燥させる
こともより好ましい態様である。
予備乾燥を行なう雰囲気としては大気を用いることも
可能であるが、乾燥窒素雰囲気がより好ましい。何故な
ら、雰囲気の湿度が高すぎるとアルコール等の溶媒が蒸
発して加水分解及び重縮合が十分進む前に、水分の作用
によってホウ素が選択的に加水分解を受けるホウ酸が生
成することかある。また、二酸化炭素の濃度が高い場合
炭酸リチウムが生成することがあるからである。
本発明に用いる乾燥温度は特に限定されないが、低す
ぎると続いて更にコーティングを行なう場合、コーティ
ング膜の溶解が起こったり膜が不均一になることがあ
る。また、乾燥温度が高すぎると温度の上昇に時間を要
し効率的でない。従って、乾燥温度は150℃ないし350℃
の範囲とするのが適当である。
本発明において、アルコキシド混合液を基板上にコー
ティングした後、結晶化させるために加熱処理すること
が必要である。加熱処理温度は予めLi2B4O7結晶が析出
する温度を熱分析により求め、それを参考にして結晶化
が進行する温度範囲内で決定される。
加熱処理温度が低すぎれば結晶の析出が起こらずに非
晶質となり、逆にあまり高すぎると成分の選択的な蒸発
が顕著になるおそれがある。一般にかかる加熱処理温度
は400℃から900℃、特に500℃から850℃が好ましい。ま
た、加熱処理時間は加熱温度に応じて、適宜決定すれば
よい。
また、本発明に用いられる加熱処理雰囲気としては、
空気あるいは酸素雰囲気が特に好ましいが、基板が酸化
して好ましくない場合は窒素雰囲気を用いることができ
る。即ち、基板が酸化しないできるだけ高い温度で十分
乾燥を行なった後、Li2B4O7膜の結晶化温度において窒
素雰囲気中で結晶化させる方法を採用することができ
る。この基板が酸化しない温度は用いる基板に応じて適
宜決定すればよい。
(作用及び効果) 本発明の方法によれば、1000℃未満の低温でLi2B4O7
の配向性結晶膜を得ることができる。そのため、得られ
る結晶膜は化学量論性の点で良好である。特に、本発明
の方法は従来の方法では得ることができなかったLi2B4O
7の結晶が特定の方向に配向したLi2B4O7結晶薄膜を得る
ことが可能であり、極めて有用な方法である。またその
用途も、表面弾性波フィルター等の圧電材料を始めとす
る種々の用途に対して利用できる。
(実施例) 以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 乾燥窒素雰囲気中において0〜2℃で、過剰のメタノ
ールにリチウム金属0.2776gを溶解させ、透明で均一な
リチウムのアルコキシドアルコール溶液を得た。その後
25℃でB(OC4H9318.4128gを10ml/minの割合でリチウ
ムのアルコキシドアルコール溶液に滴下し透明で均一な
溶液とした後、40℃3時間撹拌してLiOCH3の濃度が0.4
M、B(OC4H9の濃度が0.8Mである均一で透明なアル
コキシドアルコール溶液100mlを得た。次に水をモル比H
2O/(LiOCH3+3B(OC4H9)で2.4、塩酸を(LiOCH3
+B(OC4H9)に対してモル比で0.3添加、30分間撹
拌してコーティング溶液とした。次にシリコン単結晶
(111)基板を脱脂後、乾燥窒素雰囲気中でコーティン
グ溶液に浸漬し60cm/minの一定速度で引き上げ、乾燥窒
素雰囲気で室温で乾燥させた後、200℃で1分間乾燥さ
せた。この操作を15回繰り返した後、空気中で600℃で3
0分間加熱した。得られたコーティング膜を薄膜X線回
折によって評価した結果を第1図に示す。この場合Li2B
4O7の(244)面に対応するシャープなピークのみが現わ
れ結晶が配向した膜厚6μmのLi2B4O7結晶膜が得られ
た。
実施例2 塩酸の添加モル比を1.3及び基板の引き上げ速度を30c
m/minにすること、及び空気中で600℃で30分間加熱後更
に窒素雰囲気中800℃で1時間加熱する事以外は実施例
1と同様に行なった。
得られたコーティング膜を薄膜X線回折で評価した結
果を第2図に示す。基板のシリコンが酸化して少量の水
晶が生成したが、Li2B4O7のピークとしては(244)面に
対応するピークのみが現われ配向した膜厚3μmのLi2B
4O7結晶膜が得られた。
実施例3 塩酸の代わりに、酢酸を(LiOCH3+B(OC4H9
に対してモル比で2.3添加する事以外は実施例2と同様
に行なった。
得られたコーティング膜を薄膜X線回折で評価した結
果を第3図に示す。基板のシリコンが酸化して水晶が生
成しているが、Li2B4O7のピークとしては(244)面に対
応するピークのみが現われ配向した膜厚1.5μmのLi2B4
O7結晶膜が得られた。
実施例4 基板としてシリコン単結晶基板(111)の代わりにシ
リコン単結晶基板(100)を使うこと以外は実施例2と
同様に行なった。得られたコーティング膜を薄膜X線回
折で評価した結果を第4図に示す。基板のシリコンが酸
化して少量の水晶が生成しているが、Li2B4O7のピーク
としては(244)面に対応するピークのみが現われ、配
向した膜厚3μmのLi2B4O7結晶膜が得られた。
実施例5 基板としてシリコン単結晶基板(111)の代わりにシ
リコン単結晶(100)基板を使用すること及び基板の引
き上げ速度を60cm/minにする事以外は実施例3と同様に
行なった。得られたコーティング膜を薄膜X線回折によ
って評価した結果を第5図に示す。
基板のシリコンが酸化して水晶が生成しているが、Li
2B4O7のピークとしては(235)面に対応するピークと強
い(244)面に対応するピークのみが現われ、配向した
膜厚2.5μmのLi2B4O7結晶膜が得られた。
実施例6 塩酸の代わりに、硝酸を(LiOCH3+B(OC4H9
に対してモル比で0.6添加する事以外は実施例2と同様
に行なった。得られたコーティング膜を薄膜X線回折で
評価した結果を第6図に示す。
基板のシリコンが酸化して水晶が生成しているがLi2B
4O7のピークとしては(244)面に対応するピークのみが
現われ配向した膜厚3μmのLi2B4O7結晶膜が得られ
た。
比較例1 酸を全く添加しないこと、基板としてシリコン単結晶
(100)基板を用いること、基板の引き上げ速度が10cm/
minであること、コーティング回数が8回であること及
び加熱処理温度が550℃であること以外は実施例1と同
様に行なった。得られたコーティング膜を薄膜X線回折
によって評価した結果を第7図に示す。Li2B4O7に対応
するピークが多く現われ、特に結晶の配向は認められな
かった。
比較例2 酢酸を(LiOCH3+B(OC4H9)に対してモル比で
0.02添加すること以外は比較例1と同様に行なった。得
られたコーティング膜を薄膜X線回折によって評価した
結果を第8図に示す。Li2B4O7に対応するピークが多く
現われ、特に結晶の配向は認められなかった。
比較例3 水の添加率をH2O/(LiOCH3+3B(OC4H9)に対し
てモル比で2.2添加すること及び基板の引き上げ速度が4
5cm/minであること及びコーティング回数が8回である
こと及び600℃で空気中において30分間加熱後窒素雰囲
気で800℃で1時間加熱すること以外は比較例1と同様
に行なった。得られたコーティング膜を薄膜X線回折に
よって評価した結果を第9図に示す。Li2B4O7に対応す
るピークが多く現われ、特に結晶の配向は認められなか
った。
比較例4 水の添加比率が(LiOCH3+3B(OC4H9)に対して
モル比で0.03、酢酸の添加比率を((LiOCH3+B(OC4H
9)に対してモル比で2.3添加すること、及び基板と
してシリコン単結晶(100)基板を用いること以外は実
施例1と同様に行なった。得られたコーティング膜を薄
膜X線回折によって評価した結果を第10図に示す。Li2B
4O7に対応するピーク以外に副生成物に対応するピーク
が多く現われ、またLi2B4O7結晶の配向性も特に認めら
れなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、第4図、第5図、第6図は本
発明によって得られた配向性Li2B4O7結晶薄膜のX線回
折図、 第7図、第8図、第9図、第10図は比較例の方法によっ
て得られたLi2B4O7薄膜のX線回折図を示す。図中の白
丸はLi2B4O7に対応するピーク、黒丸は水晶に対応する
ピークを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式LiOR(式中、Rはアルキル基を示
    す)で表わされるリチウムアルコキシド、一般式B(O
    R′)(式中、R′はアルキル基を示す)で表わされ
    るホウ素アルコキシド、水、並びに酸又は錯化剤を次式
    を満足するように混合した 及び mA/(mLi+mB)>0.02 アルコキシド混合液を基板上にコーティングした後、加
    熱処理して結晶化させることを特徴とする配向性ホウ酸
    リチウム結晶膜の製造方法。
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