JP2679808B2 - ダイヤモンド状炭素膜の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド状炭素膜の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、イオンビーム蒸着法に基づくダイヤモンド
状炭素膜の製造方法に関する。
〔従来の技術〕 ダイヤモンドは、物質の中では最も硬度および熱伝導
率等に優れるので、その薄膜の応用が幅広く検討されて
いる。
ダイヤモンド状炭素膜の製造方法としては、従来よ
り、例えば、熱フィラメントCVD法(特開昭58-91100号
公報等)、マイクロ波プラズマCVD法(特公昭61-3320号
公報等)などのCVD法による製造方法が知られている。
これらのCVD法は、水素と炭化水素の混合ガスを熱フ
ィラメントまたはマイクロ波プラズマにより分解して、
800℃前後に加熱した基板上にダイヤモンド結晶を成長
させて成膜する方法である。
また、その他のダイヤモンド状炭素膜の製造方法とし
ては、イオンビーム蒸着法(特開昭53-106391号公報、
特開昭59-174507号公報等)がある。
このイオンビーム蒸着法は、原料ガスや原料の原子を
イオン化し、電界により引き出して基体上に膜を形成す
る方法である。この方法によれば、アモルファスの炭素
膜や粒径が数十〜数百Åの微結晶を含む膜などが得られ
ることが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前述したような熱フィラメントCVD法
やマイクロ波プラズマCVD法により形成された膜の中に
は、粒径が1〜10μm程度の大きなダイヤモンド結晶の
集合体が形成されるので、表面の凹凸が激しい膜しか得
られなかった。また、基体温度も800℃前後の高温にす
る必要があった。したがって、得られるダイヤモンド状
炭素膜の応用範囲が狭かった。
一方、前述したようなイオンビーム蒸着法により形成
した膜は表面が平坦で、基体温度が比較的低温であって
も成膜が可能である。したがって、応用範囲の非常に広
い膜の形成が期待できる。
しかしながら、イオンビーム蒸着法により得られる膜
は、可視光に対する透明度、硬度、絶縁性などの諸特性
が、ダイヤモンドに比べてはるかに劣っているので、そ
の蒸着法はほとんど実用化されていないのが現状であ
る。
本発明は、そのような課題を解決するためになされた
ものであり、その目的は、表面が平坦な膜が得られ、基
板温度が比較的低温であっても成膜が可能であり、かつ
ダイヤモンドに類似の性質を持つ膜を得ることのできる
ダイヤモンド状炭素膜の製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、炭素含有ガスをプラズマによりイオン化
し、該イオンを電界により基体上に引き出して膜を形成
する過程を有するイオンビーム蒸着法によるダイヤモン
ド状炭素膜の製造方法において、前記基体に対して高周
波バイアスの印加により基体に発生する自己バイアスの
電圧と、イオンを引き出す電圧の和が200V〜5kVの範囲
となるように、イオンの引き出し電圧を設定することを
特徴とするダイヤモンド状炭素膜の製造方法である。
なお、ここでいう「ダイヤモンド状炭素膜」とは、ビ
ッカース硬度で波2000kg/mm2程度の硬度をもち、1010Ω
cm程度といった高い値の絶縁性をもった、ダイヤモンド
類似の性質を持つ膜である。
本発明の製造方法においては、基体に対して適当な電
圧の高周波バイアスを印加するので、基体表面が活性化
し、結合状態の弱いアモルファス相や二重結合を含んだ
炭素などが除去され、得られる膜の結晶性が向上する。
なお、従来のイオンビーム蒸着法においては、炭素含
有イオンの衝突エネルギーだけにより、基体上に炭素−
炭素結合を形成していたので、得られる膜の結晶性は悪
く、二重結合を含んだ炭素などを十分に除去できるよう
なエネルギーは付与されなかった。
本発明における基体に対する高周波バイアスの印加
は、100kHz〜1GHz程度の高周波により行なえばよく、一
般には13.56MHzの通常の高周波電源を用いて印加すれば
よい。
高周波バイアスの出力は、高周波バイアスを印加する
ことによって基体に発生する自己バイアスの電圧が望ま
しくは20〜500V、更に望ましくは50〜200Vとなるように
印加する。その電圧が20Vよりも低い場合には、高周波
バイアス印加による本発明の効果が認められないことが
あり、また500Vよりも高い場合には、成膜中に基体温度
が上昇して高温になってしまうので、イオンビーム蒸着
法の利点(基体温度が比較的低温でも成膜可能)を有し
つつ良好な膜を得るという本発明の目的を達成できない
ことがあり、かつ成膜速度が遅くなることがある。
また、本発明の方法におけるイオンを引き出す引き出
し電圧は、上述した基体の自己バイアスの電圧と引き出
し電圧との和が200V〜5kVの範囲にする。更に望ましく
は200V〜1kVである。それらの電圧の和が5kVよりも高い
場合には、加速イオンによるエッチング速度が上昇して
しまうので、実用上必要な成膜速度が得られなくなり、
またエッチングによる膜の劣化も生じることがある。一
方、それらの電圧の和が200Vよりも低いと、イオンのビ
ーム電流が十分でなくなるので、実用上必要な成膜速度
が得られなくなる場合があり、また加速イオンのエネル
ギーが低くなるので、得られる膜の結晶性が低下し、ア
モルファス相や二乗結合を含んだ炭素を除去できるとい
う本発明の効果が不十分になる場合がある。
本発明に用いる炭素含有ガスとしては、例えばメタ
ン、エタン等の炭化水素ガス、CCl4、CHCl3等のハロゲ
ン化炭素、ハロゲン化炭化水素等を用いることができ
る。また、それらの炭素含有ガスに、放電安定化用また
は希釈用として、水素ガス、希ガス(He、Ar等)等を混
入して用いてもよい。また、反応室内のガスの圧力は、
10-5〜10-2Terr程度であればよい。
本発明の方法における基体温度は、従来のCVD法のよ
うに800℃程度の高温にする必要はなく、室温〜400℃程
度であればよい。
本発明の方法に用いることのできる装置は、イオンビ
ーム蒸着法を行なうことのできる手段と、基体に対して
高周波バイアスを印加可能な手段(高周波電源等)とを
有する装置である。
上記イオンビーム蒸着法を行なうことのできる手段と
は、原料ガスをイオン化できるプラズマを発生可能な手
段と、該イオンを引き出すことのできる電界を印加可能
な手段とを有するイオンビーム発生装置であり、そのよ
うな装置には、例えばカウフマン型イオン源、冷陰極型
イオン源などを用いることができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1 第1図は、本発明の方法に用いることのできる装置の
一例を示す図である。
図中の1は真空チャンバー、2はイオンビーム発生装
置、3は原料ガス(炭素含有ガス、希釈ガス)の導入
口、4は基体、5は基体ホルダー、6は高周波バイアス
用高周波電源、7はイオンビーム発生装置より得られる
イオンビームで、8はガス排気口である。
第1図に示した装置を用い、イオンビーム発生装置2
としてカウフマン型イオン源を用い、以下の条件にて本
発明のダイヤモンド状炭素膜の製造方法を実施した。
基体4には石英基板を用い、これを不図示のヒーター
を用いて、300℃に加熱した。原料ガスとして、水素と
メタンガスをそれぞれ20SCCMで導入し、チャンバー内の
圧力を1×10-4Torrとし、イオンビーム発生装置2によ
りイオン化し、500Vの引き出し電圧で、基体4に対して
イオンを照射した。また、基体4および基体ホルダー5
に対して、高周波電源6により高周波バイアスを基体4
の自己バイアスが100Vとなるように印加した。このとき
の高周波バイアスの出力は20Wだった。高周波の周波数
は13.56MHzである。
以上のようにして得られた炭素膜のX線回折により、
ダイヤモンド結晶が確認された。
そのダイヤモンド状炭素膜は、マイクロビッカース硬
度が5500kg/mm2と硬く、走査型電子線顕微鏡観察によれ
ば、ほとんど凹凸の認められない平滑な膜であった。電
気伝導度は5×10-10Ω-1cm-1で、非常に絶縁性は高か
った。また、光学バンドギャップは3.1eV、成膜速度は
2.5μm/時だった。
実施例2 高周波バイアスを基体の自己バイアスが200Vとなるよ
うに印加した以外は実施例1と同様にして成膜を行なっ
た。
以上のようにして得られた炭素膜のX線回折により、
ダイヤモンド結晶が確認された。
そのダイヤモンド状炭素膜は、マイクロビッカース硬
度が6000kg/mm2と硬く、電気伝導度は1×10-10Ω-1cm
-1で、非常に絶縁性は高かった。また、光学バンドギャ
ップは3.3eV、成膜速度は2.0μm/時だった。
実施例3 引き出し電圧を200Vとする以外は実施例2と同様にし
て成膜を行なった。
以上のようにして得られた炭素膜のX線回折により、
ダイヤモンド結晶が確認された。
そのダイヤモンド状炭素膜は、マイクロビッカース硬
度が5500kg/mm2であり、電気伝導度は5×10-11Ω-1cm
-1で、非常に絶縁性は高かった。また、光学バンドギャ
ップは3.5eV、成膜速度は1.5μm/時だった。
実施例4 引き出し電圧を4kVとする以外は実施例2と同様にし
て成膜を行なった。
以上のようにして得られた炭素膜のX線回折により、
ダイヤモンド結晶が確認された。
そのダイヤモンド状炭素膜は、マイクロビッカース硬
度が5000kg/mm2であり、電気伝導度は1×10-10Ω
-1で、光学バンドギャップは3.2eV、成膜速度は2.0μm/
時だった。
比較例1 高周波バイアスを印加しない以外は実施例1と同様に
して成膜を行なった。
以上のようにして得られた炭素膜のX線回折では、ダ
イヤモンド結晶は認められなかった。
その炭素膜は、マイクロビッカース硬度が2500kg/mm2
と低くかった。また、電気伝導度は5×10-8Ω-1cm-1
あり絶縁性が悪く、光学バンドギャップは2.3eVと低く
かった。なお、成膜速度は3μm/時だった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、イオンビーム蒸着法に基づく本
発明の方法では、基体に適当な高周波バイアスが印加さ
れるので、 結晶性が高い 硬度が高い 絶縁性が良い 光学特性(可視光の透過性)が良い 平坦である などの特性を持つダイヤモンド状炭素膜を製造するこ
とが可能である。
このような特性を有するダイヤモンド状炭素膜は、従
来の炭素膜よりも、その応用範囲が非常に広く有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法に用いることのできる装置の一
例を示す模式図である。 1……真空チャンバー 2……イオンビーム発生装置 3……原料ガス導入口、4……基体 5……基体ホルダー、6……高周波電源 7……イオンビーム、8……ガス排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生駒 圭子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 栗原 紀子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−85092(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素含有ガスをプラズマによりイオン化
    し、該イオンを電界により基体上に引き出して膜を形成
    する過程を有するイオンビーム蒸着法によるダイヤモン
    ド状炭素膜の製造方法において、前記基体に対して高周
    波バイアスの印加により基体に発生する自己バイアスの
    電圧と、イオンを引き出す電圧の和が200V〜5kVの範囲
    となるように、イオンの引き出し電圧を設定することを
    特徴とするダイヤモンド状炭素膜の製造方法。
  2. 【請求項2】高周波バイアスの印加により基体に発生す
    る自己バイアスの電圧と、イオンを引き出す電圧の和が
    200V〜1kVの範囲となるように、イオンの引き出し電圧
    を設定する請求項1記載のダイヤモンド状炭素膜の製造
    方法。
  3. 【請求項3】高周波バイアスの周波数を100kHz〜1GHzの
    範囲とする請求項1記載のダイヤモンド状炭素膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】高周波バイアスの印加により基体に発生す
    る自己バイアスの電圧が20V〜500Vの範囲となるよう
    に、高周波バイアスの出力を設定する請求項1記載のダ
    イヤモンド状炭素膜の製造方法。
  5. 【請求項5】高周波バイアスの印加により基体に発生す
    る自己バイアスの電圧が50V〜200Vの範囲となるよう
    に、高周波バイアスの出力を設定する請求項1記載のダ
    イヤモンド状炭素膜の製造方法。
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