JP2678285B2 - 硬質塩化ビニル樹脂系採光材 - Google Patents

硬質塩化ビニル樹脂系採光材

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JP2678285B2 JP7042088A JP7042088A JP2678285B2 JP 2678285 B2 JP2678285 B2 JP 2678285B2 JP 7042088 A JP7042088 A JP 7042088A JP 7042088 A JP7042088 A JP 7042088A JP 2678285 B2 JP2678285 B2 JP 2678285B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建築材料や間仕切り等に使用される硬質塩
化ビニル樹脂系採光材に関する。
〔従来の技術〕
従来、優れた透光性が要求される採光材には、樹脂中
で最も透明性に優れるメチルメタクリレート樹脂のポリ
マー(MMA)を主体とする板状の押出成形体が用いられ
ている。これは、MMAが透明性のみならず耐候性も優れ
た熱可塑性樹脂であるためである。カーポートやサンル
ーフ等の採光材としてMMA主体の板状成形体を用いる場
合、その厚みは2〜3mmに設定されており、また、採光
材を支持する梁材のスパン間隙は670〜800mmの範囲に設
定されている。スパン間隙を上記範囲にしてあるのは、
スパン間隙がこれより狭いと梁材の使用本数が多くなり
すぎ、梁材によって採光性が阻害される一方、スパン間
隙がこれより広いと夏期等のように気温が高いときに採
光材が垂れ下がるからである。
しかしながら、上記厚みを有するMMA主体の板状成形
体は耐衝撃性に劣り、輸送中や特に施工中の冷間曲げ加
工中に割れが発生しやすいという欠点を有している。さ
らにMMAは可燃性であり、建築基準法により定められた
防火材料の試験によると防火材料として認定されないも
のである。そのため、採光材として用いる場合に、透明
性・耐候性等において満足できるものではあるけれども
近時の建築材料の難燃化指向にそぐわない。
防火材料の試験は、燃焼時における残炎時間等を測定
対象とする燃焼性並びに燃焼時における排気温度(煙温
度)や発煙係数を測定対象とする発煙性等を主要素とし
て、建築材料を不燃材,準不燃材,難燃材,準難燃材の
各区分に該当する防火材料と上記試験に合格しない材料
(以下、可燃物という。)のいずれかに区別するもので
あり、この試験に従えば可燃物を除く区分に属する建築
材料が難燃化指向に適合する。
一方、上記採光材には塩化ビニル樹脂ポリマー(PV
C)を主体とする波形の硬質押出成形品(波板)が使用
されることもある。PVCはそれ自体が難燃性を示し、厚
みが1.4mm以下のPVC主体の硬質板状成形体については上
記防火材料の試験で準難燃材と判定される。従って厚み
が1.4mm以下の上記波板は上記難燃化指向にそぐうもの
であり、しかもその波形状による保形性によりカーポー
トやサンルーフ等の採光材に要求される剛性も満足され
る。しかしながら、そのような波板を用いたカーポート
やサンルーフ等は、上述したMMA主体の成形体を用いた
ものに比べて外観のスマートさに欠けるため、準難燃材
であるにもかかわらず上記MMA主体の採光材に代替され
るまでには至っていない。
そこで、準難燃材である厚みが1.4mm以下の平坦な硬
質板をPVC主体の組成物により成形し、そのような硬質
平板状成形体を採光材として用いることが考えられる。
ところで、従来のPVC主体の硬質板状成形体は周知の
ようにPVCに主安定剤や滑剤や補強剤等の安定剤が配合
された組成物を成形したものであり、それらの配合割合
は目的とする成形品に要求される特性に応じて適宜選定
される。従来の硬質平板状成形体の場合、主安定剤には
錫系物質(主に液体)や鉛系物質(固体)が用いられて
いる。このうち、鉛系安定剤は硬質平板状成形体の熱変
形温度を余り下げることがないという長所を有する反面
で、錫系安定剤に比べて透明性に劣り硬質平板状成形体
の採光性を損うという短所を有しているところから、MM
A主体の採光材と同程度の透光性を必要とする硬質平板
状成形体の安定剤には透光性を害さない錫系安定剤が主
に用いられている。その一方、錫系安定剤はほとんどが
液状であり、これを用いると硬質平板状成形体の熱変形
温度が低下する。さらに成形原料の粘性が大きくなりす
ぎて成形加工性が低下し、そのままでは押出成形が不可
能になる。そこで、一般的な可塑剤であるジオクチルフ
タレート(DOP)を配合することによって錫系安定剤を
配合したことによる粘性の増大を抑制し、成形加工性を
改善している。ところが、押出成形可能な程度に成形加
工性を改善するには、DOPを3〜5部配合する必要があ
る。その程度のDOPを配合すると、今度は熱変形温度が6
0℃程度にまで下がり、上述したスパン間隙で配置され
た梁材に支持させた場合、夏期等の高温期には剛性が不
足して梁材のスパン間隙で採光材が自重等によって下方
へ撓むといった事態を生じ、実施用に耐え得ない。この
ような事態は程度の差はあっても厚みに関係なく生じ、
厚みが1.4mmより薄い硬質平板状成形体については勿
論、それより厚い硬質平板状成形体についても生じる。
また、1.5mm以上の厚みを有するPVC主体の硬質平板状成
形体については、上記防火材料の性能判定の試験により
残炎時間や発煙係数等の点で可燃物と判定される。従っ
てDOPを3〜5部配合したPVC主体の硬質平板状成形体
は、薄物では耐撓み性が不足するために従来のMMA主体
の採光材と代替することができず、厚物では耐撓み性が
不足することと難燃化指向にそぐわないことのために採
光材として実使用に不向きであった。また、可塑剤とし
てDOPが用いられている硬質板状成形体は太陽光線や湿
分による劣化を生じやすく、厚みが厚いと屋外使用によ
り早期にブリードを生じて失透しやすいという難点があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、従来は、採光材としてMMA主体の平板
状成形体やPVC主体の厚みが1.5mm以上の硬質平板状成形
体を使った場合には建築材料の難燃化指向に反する反
面、従来のPVC主体の厚みの薄い硬質平板状成形体を使
った場合には上記難燃化指向には適合するものの必要な
耐撓み性が確保されない等の問題があった。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたもので、硬質
平板状成形体であっても、上記防火材料の試験により準
難燃材と判定されて近時の建築材料の難燃化指向に合致
し、しかも透光性に優れ、さらに上述したスパン間隙が
670〜800mmの範囲に設定された梁材に支持させても年間
を通じて垂れ下がりを生じにくい硬質塩化ビニル樹脂系
採光材を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材は、PVCに
安定剤とリン系難燃剤又は塩素化パラフィン、ブロム系
及び酸化アンチモンより選ばれる難燃剤を配合した組成
物の硬質成形体よりなり、内部に金属製の芯材が埋入さ
れていることを特徴とする。
第2の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材は、PVCに
安定剤とリン系難燃剤又は塩素化パラフィン、ブロム系
及び酸化アンチモンより選ばれる難燃剤とを配合した組
成物の硬質成形体層と、該成形体層より熱変形温度の高
い合成樹脂製の芯材層とよりなり、熱変形温度が70℃以
上であることを特徴とする。
〔作 用〕 PVCは成形性や透明性に優れた熱可塑性樹脂であり、
本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系採光材は、リン系難
燃剤又は塩素化パラフィン、ブロム系及び酸化アンチモ
ンより選ばれる難燃剤によって採光材の厚みが1.5mm以
上となっても難燃性が付与される。
また、第1の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材は、
内部に埋入された金属製の芯材によって曲げ剛性が改善
されるため、上述したスパン間隙が670〜800mmの範囲に
設定された梁材に支持させた場合に年間を通じて垂れ下
がりを生じない。
さらに、第2の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材
は、難燃剤を配合した組成物よりなる硬質成形体層をそ
れよりも熱変形温度の高い合成樹脂製の芯材層と積層一
体としてものであるため、硬質成形体層の熱変形温度が
難燃剤の添加により低下しても芯材層で補われ、採光材
の熱変形温度を70℃以上に保つことができる。そして、
この程度の熱変形温度を具備していると、それが硬質平
板状採光材であっても上述したスパン間隙の梁材に支持
させた場合に年間を通じて垂れ下がりを生じにくい。
〔実施例〕
第1図は第1の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材の
断面図で、硬質塩化ビニル樹脂系成形体1の内部に金属
製の芯材2が埋入されている。硬質塩化ビニル樹脂系成
形体1は、PVCにリン系難燃剤又は塩素化パラフィン、
ブロム系及び酸化アンチモンより選ばれる難燃剤とを配
合すると共に、成形原料に通常添加される錫系安定剤や
滑剤や補強剤等を添加した組成物をPVC成形に用いられ
る公知の押出成形機やプレス機を用いて平坦な板に押出
或いはプレス成形した透明なものであって、MMA主体の
平板状成形体に比べても同等の透明性を有していて、採
光材に要求される透光性は十分に確保されている。透光
性は透明乃至半透明なものも含み、全光線透過率は透明
で80〜90%以上を有している。半透明にするには顔料等
公知のものを添加したり、表面を梨地にしたり、色付き
フィルムを積層したりする。なお、半透明のものである
ときは、主安定剤として鉛系安定剤を用いてもよい。
PVCは耐水性や難燃性等に優れ、成形、曲げ加工、切
断加工、接合等の二次加工性等に優れるため、従来より
平板や波板などに成形されて建築材料等に汎用されてい
るもので、重合度700〜1200の塩化ビニルストレートポ
リマーやエチレン等の他の樹脂との共重合体やアロイ等
である。
硬質塩化ビニル樹脂系成形体1の組成物は難燃剤を含
有しているためそれらを含有していないものに比べて熱
変形温度が低下する傾向にあり、硬質塩化ビニル樹脂系
成形体1単独では十分な曲げ剛性を確保できなくなくな
るおそれがある。特に主安定剤として錫系安定剤を用
い、難燃剤としてリン系、塩素化パラフィンを用いる
と、これらは主に液状であるから熱変形温度を70℃以上
に保てなくなる傾向が強い。なお、熱変形温度の測定は
ASTM D−648,荷重18.6kg/cm2にて行った。上記熱変形温
度は主安定剤や難燃剤の配合割合だけに影響されるもの
ではなく、DOPや補強剤や耐熱向上剤等の他の添加物の
配合割合によっても左右されるから、それらの配合割合
を勘案する必要がある。難燃剤の配合可能範囲は、押出
或いはカレンダー・プレス等の成形性・難燃性の付与性
・コスト等を勘案して、リン系の場合、PVC100部に対し
て6部以下である。リン系難燃剤の配合割合が少なすぎ
ると、その効用が期待できなくなる。効用を期待できる
範囲はPVC100部に対し、0.5部以上である。また、リン
系難燃剤に五酸化アンチモンを併用することにより透明
性及び熱変形温度を改善できる。また、難燃剤が塩素化
パラフィンの場合、配合可能範囲は、PVC100部に対し10
部以下である。これらの難燃剤の配合割合が少なすぎる
と、その効用が期待できなくなる。効用を期待できる範
囲はPVC100部に対し2部以上である。ブロムや酸化アン
チモンを難燃剤として用いる場合もこれとほぼ同様の配
合にすることが好ましい。
硬質塩化ビニル樹脂系成形体1はPVC主体で、MMA主体
の成形体に比べると耐候性に劣るが、この耐候性はその
表面にMMA等の耐候性に優れた保護フィルム3を積層す
ることにより容易に改善される。保護フィルム3は第1
図のように硬質塩化ビニル樹脂系成形体1の片面のみに
積層しても、第2図のように両面に積層してもよい。ま
た、第3図(a)及び同図(b)のように保護フィルム
に弗素フィルムを積層してもよい。さらに、図示はして
いないが上記フィルム3,4の外面又は内面に透光性を有
する制電又は導電層を設けて表面へのゴミ等の付着を防
止しても、柄付きとしてもよい。なお、保護フィルム3
は紫外線吸収剤リッチの耐候性を改良したPVC系フィル
ムでもよく、それらのフィルムは必要がなければ省略し
てもよい。
芯材2としては金属製のもの、例えば金網、ピアノ
線、パンチングメタル等を好適に使用できる。この芯材
2は硬質塩化ビニル樹脂系成形体1の曲げ剛性を高める
ことに役立つのみならず、硬質塩化ビニル樹脂系成形体
1がばらばらに割れるのを未然に防ぐことにも役立つ。
さらに、熱収縮を抑制することにも有益である。しか
し、芯材2を埋入することによって採光性が幾分かは損
なわれるため、芯材2として金網を用いる場合は十分な
採光性を確保できる程度の網目の大きさのものを選定す
る。パンチングメタルを用いる場合も同様である。ピア
ノ線を用いる場合は、多数のピアノ線を平行に埋入した
り、格子状に埋入したり、或いは薄い硬質塩化ビニル樹
脂系成形体に埋入しやすくするために第4図のように千
鳥配列として平行に配列したり、二層配列にしたりする
ことが可能であり、それらの場合にもピアノ線の相互間
隔は十分な採光性を確保できる程度に設定する。
硬質塩化ビニル樹脂系成形体1の厚みは7.0mm以下に
しておくことが望ましい。厚みを厚くしすぎると成形加
工性やコスト等の点で不利を招く。最も望ましい厚みの
範囲は1.8〜3mmであり、この範囲はMMA主体の板状成形
体を採光材として用いる場合の厚みと同程度であり、価
格等の点でもMMAポリマー成形体と代替でぎるものとな
る。
上記採光材Aは平坦な板であっても、第5図のように
硬質塩化ビニル樹脂系成形体1に一体に成形された補強
リブ5を有するものであってもよい。この場合、芯材2
としてピアノ線のような線材を補強リブ5の部分に設け
るようにすれば、芯材2を埋入しやすく、成形性も向上
する。また採光材Aをカーポートやサンルーフに用いる
場合の取付形状はドーム状であっても平坦形状であって
もよい。
ところで、リン系難燃剤としては正リン酸エステルや
ホスホン酸エステル等の有機リン系のものがあるが、ホ
スホン酸エステルは一般にポリウレタン樹脂やフェノー
ル樹脂の可塑剤として添加されることが多く、PVCに対
しては正リン酸エステルが適している。正リン酸エステ
ルに属するリン系難燃剤には例えば(株)大八化学工業
所製の商品名「TCP」,「TOP」,「CLP」,「CRP」,
「TPP」,「CDP」,「XDP」,「#41」,「CR−380」,
「CR−500」,「CR−509」,「CR−513」,[CR−53
0」,「CR−733」,「CR−735」,「UF−807」,「PPX
−33」等があり、ホスホン酸エステルに属するリン系難
燃剤には同社の商品名「CR−104」,「CR−705」,「CR
−706」,「CR−707」等がある。次に上掲したリン系難
燃剤のうちの代表的なものの化学名、分子量、特性等を
列挙する。
TCR:トリクレジルホスヘート,M.W.368,PVCに耐熱性・電
気絶縁性を与え、滑性に優れる。
TOP:トリ−2−エチルヘキシルホスヘート M.W.435,PV
Cに耐寒性・弾性を与える。
CLP:トリス・クロロエチルホスヘート M.W.285,リン及
び塩素の含有率が高く、水に不溶である。
CRP:トリス・ジクロロプロピルホスヘート M.W.431,CL
Pより塩素含有率が高く、耐加水分解性を有する。
TPP:トリフェニルホスヘート M.W.326,耐水性に優れ
る。
CDP:クレジルジフェニルホスヘート M.W.340,PVCへの
ゲル化効果、耐寒性、耐汚染性に優れ、TCPよりも高粘
度である。
XDP:キシレニルジルフェニルホスヘート M.W.354,PVC
へのゲル化効果が優れる。
#41:2−エチルヘキシルジフェニルホスヘート M.W.36
2,PVCに耐光・耐熱・耐寒性を与える。
これらのリン系難燃剤はDOPと併用することで熱安定
性、耐候性、耐寒性を向上させることができる。
またリン系難燃剤同志を組み合わせたり、他の種類の
難燃剤を組み合わせることもでき、特に酸化アンチモン
は微粒子であり液状のリン系難燃剤を減少させることが
出来る分だけ熱変形温度を向上させることができる。
また、ブロム系難燃剤としては、テロラブロムエタ
ン、テロラブロムブタン、トリ(ブロムクロロプロピ
ル)ホスフェート、高ブロム含有芳香族化合物等を用い
ることができる。
さらに酸化アンチモンの難燃剤としては、三酸化アン
チモン、五酸化アンチモン等を用いることができるが、
三酸化アンチモンの方が透明性に優れ好ましい。
第6図は第2の発明の実施例による硬質塩化ビニル樹
脂系採光材Aを示しており、硬質塩化ビニル樹脂系成形
体層1′,1′の真中に該成形体層1′,1′の熱変形温度
よりも高いそれを有する硬質塩化ビニル樹脂系の芯材層
2′を積層一体となした三層構造をなしている。
硬質塩化ビニル樹脂系成形体層1′は上記第1の発明
に示したものと同様にPVCに難燃剤としての透明なリン
系難燃剤又は塩素化パラフィン、ブロム系及び酸化アン
チモンより選ばれる難燃剤を配合すると共に、成形原料
に通常添加される安定剤や滑剤や補強剤等を添加した組
成物をPVC成形に用いられる公知の押出成形機或いはプ
レス機を用いて平坦な硬質板に押出或いはプレス成形し
た透明なものであり、その透明性や透光性は第1図で説
明した硬質塩化ビニル樹脂系成形体1と同程度である。
透光性は透明乃至半透明なものも含み、全光線透過率は
透明で80〜90%以上を有している。半透明にするには上
述した第1図のものと同様の手法を採用すればよい。
硬質塩化ビニル樹脂系芯材層2′は、上記した硬質塩
化ビニル樹脂系成形体1の組成物に後塩素化塩化ビニル
樹脂(以下、HT−PVCと記す。)を配合した組成物を公
知方法により成形した透明なものである。HT−PVCは塩
素リッチな樹脂で、PVCより難燃性に優れ、単独の熱変
形温度は90〜110℃を有する耐撓み性に優れた樹脂であ
る。従って、HT−PVCを配合した硬質塩化ビニル樹脂系
芯材層2′は、難燃性に優れ、難燃剤の配合による熱変
形温度の低下が抑制される。HT−PVCの配合割合は、難
燃剤や安定剤の種類や割合により変化させる必要がある
が、芯材層2′の熱変形温度を少なくとも80℃以上にし
ておく必要がある。なお、硬質塩化ビニル樹脂系芯材層
2′としては、上記したようにPVCにHT−PVCと難燃剤と
安定剤を配合したものの他に、HT−PVCの単独樹脂に難
燃剤・安定剤を配合したもの、或いはPVCの単独樹脂又
はHT−PVCの単独樹脂に安定剤を配合したもの等が適宜
用いられる。さらに、成形体層1′と芯材層2′の構成
も第6図の他に、第7図に示すように硬質塩化ビニル樹
脂系成形体層1′を真中に芯材層2′を両面に配置した
構造、第8図に示すように硬質塩化ビニル樹脂系成形体
層1′と芯材層2′とを二層に積層したもの等、種々の
構成を取り得る。
次に、第1表に示す種々の組成物を平坦で厚みの異な
る硬質板に成形してサンプル1〜8を作製し、それらに
ついての透明性や熱変形温度を同表に、サンプル1,3に
ついての防火材料の試験の結果を第2表に示す。また、
サンプル3,4,8のシートを組み合わせて積層一体とし、
その熱変形温度と透明性を第3表に示す。
第2表より難燃剤が配合されていないPVC主体の硬質
塩化ビニル樹脂系成形体(サンプル1)は厚みが1.4mm
より薄いと準難燃材と判定されるがそれよりも厚いもの
は可燃物と判定されるのに対し、難燃剤が配合されてい
る硬質塩化ビニル樹脂系成形体(サンプル3)は厚みが
7mmに達しても準難燃剤と判定されることが判る。この
ことより、本発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材は建築
材料の難燃化指向にそぐうものである。
また、第1表より難燃剤を配合したことによる熱変形
温度の低下がHT−PVCの配合によって抑制され、難燃剤
の配合割合が増してもその割には熱変形温度が低下して
いないとが判る。
さらに、第3表より難燃剤が配合された硬質塩化ビニ
ル樹脂系成形体層(サンプル3,4)の真中に、それより
熱変形温度の高い硬質塩化ビニル樹脂系芯材層(サンプ
ル8)を積層一体としたものは、全体の複層体の熱変形
温度が70℃を超えていることがわかる。
第9図はMMA主体の平板状成形体(比較品1:熱変形温
度80℃)と、可塑剤としてDOPが配合されているPVC主体
の硬質平板状成形体(比較品2:サンプル1:熱変形温度63
℃)と、難燃剤が配合されたPVC主体の硬質塩化ビニル
樹脂系成形体(比較品3:サンプル2:熱変形温度70℃)
と、第1の発明の採光材として用いられるサンプル2の
中間に金網をサンドイッチした平板状の硬質塩化ビニル
樹脂系採光材(発明品1)と、第2の発明の採光材とし
て用いられる硬質塩化ビニル樹脂系採光材(発明品2,サ
ンプル10,熱変形温度73℃)とを既設のカーポート(梁
材のスパン間隙700mm)の採光材に用い、気温の高い夏
期より気温の低い冬期に亘って実使用した場合の耐撓み
性を比較した試験の結果を示す図面代用グラフである。
縦軸は撓み幅を示し、プラス側は採光材が下方へ撓んだ
(垂れ下がった)場合、マイナス側は採光材が上方へ撓
んだ(膨らんだ)場合を示している。また、横軸は経過
時間である。採光材が凹んだり膨らんだりする原因には
採光材が蓄熱により軟化してそれ自体の自重によって撓
む場合のほか、熱伸縮による原因が考えられる。これら
のことを考慮しても、あまり大きな垂れ下がりのないも
のが上記スパン間隙での採光材として好適に使用できる
ものと考えられる。従って熱変形温度が70℃以上のもの
が採光材として適切であることが判る。さらに、金網を
埋入した採光材は撓みがほとんどなく、採光材として好
都合に使用できることが判る。
〔発明の効果〕
第1及び第2の発明による硬質ポリ塩化ビニル樹脂系
採光材は、リン系難燃剤や塩素化パラフィン等の難燃剤
によって採光材の厚みが1.5mm以上になっても難燃性が
付与される。
第1の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材は、内部に
埋入された金属製の芯材によって曲げ剛性が改善される
ため、熱変形温度が低くても年間を通じて垂れ下がりを
生じず、しかも硬質成形体は防火材料の試験で準難燃材
となり、近年の建築材料の難燃化指向に適合する。従っ
てMMA主体の板状成形体よりなる採光材と代替できるも
のである。
第2の発明の硬質塩化ビニル樹脂系採光材は熱変形温
度が70℃以上であるため、梁材のスパン間隙を670〜800
mm程度に設定してその硬質採光材を支持させることによ
り従来のMMA主体の平板状成形体の代替品としても下方
へ垂れ下がることがない。また、難燃性を付与するため
にリン系難燃剤や塩素化パラフィン等と難燃材を添加し
ているので熱変形温度が低下する傾向にあるが、熱変形
温度の高い芯材層を積層一体となしているから、複合材
である採光材は70℃以上に保つことが極めて容易であ
る。従ってMMA主体の板状成形体よりなる採光材と代替
できるものである。
また、本発明の硬質塩化ビニル樹脂系成形体或いは成
形体層に配合される難燃剤は透明であるため、難燃剤の
配合による透明性の低下が最小限度に抑えられて十分な
採光性を備えるという利点があるほか、成形性に優れた
PVCを主体としているために成形性も良好で割れにくい
といった採光材に要求される諸特性を具備するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の実施例による硬質塩化ビニル樹脂
系採光材の断面図、第2図,第3図(a),同図
(b),第4図,第5図は上記採光材の変形例を示す断
面図、第6図は第2の発明の実施例による硬質塩化ビニ
ル樹脂系採光材の断面図、第7図,第8図は上記採光材
の変形例を示す断面図、第9図は本発明の硬質塩化ビニ
ル樹脂系成形体の耐撓み性を示した図面代用グラフであ
る。 1……硬質塩化ビニル樹脂系成形体、2……芯材、1′
……硬質塩化ビニル樹脂系成形体層、2′……芯材層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 C08L 27/06 C09K 21/02 C09K 21/02 21/08 21/08 21/12 21/12 21/14 21/14 E04C 2/54 E04C 2/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニル樹脂に安定剤とリン系難燃
    剤又は塩素化パラフィン、ブロム系及び酸化アンチモン
    より選ばれる難燃剤とを配合した組成物の硬質成形体よ
    りなり、内部に金属製の芯材が埋入されていることを特
    徴とする硬質塩化ビニル樹脂系採光材。
  2. 【請求項2】ポリ塩化ビニル樹脂に安定剤とリン系難燃
    剤又は塩素化パラフィン、ブロム系及び酸化アンチモン
    より選ばれる難燃剤とを配合した組成物の硬質成形体層
    と、該成形体層より熱変形温度の高い合成樹脂製の芯材
    層よりなり、熱変形温度が70℃以上であることを特徴と
    する硬質塩化ビニル樹脂系採光材。
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