JP2677867B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JP2677867B2 JP1137348A JP13734889A JP2677867B2 JP 2677867 B2 JP2677867 B2 JP 2677867B2 JP 1137348 A JP1137348 A JP 1137348A JP 13734889 A JP13734889 A JP 13734889A JP 2677867 B2 JP2677867 B2 JP 2677867B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ゴム組成物、特に高トランスポリブタジ
エンゴムとオレフィン系ゴムと主成分とし、耐候性、耐
熱性及び耐亀裂成長性にすぐれるゴム組成物に関する。
更に、この発明は、前記ゴム組成物を使用したタイヤ、
特にトレッド部及び/又はサイドウォール部に使用する
ことにより、外観を飛躍的に改良したばかりでなく、特
に大型タイヤの更生寿命を著しく改良した空気入りタイ
ヤに関する。
(従来の技術) 空気入りタイヤの分野においては、従来からタイヤの
サイドウォール用のゴム組成物としては、天然ゴム、ポ
リブダジエン(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)
のブレンドから構成される場合が多かった。近年、屈曲
疲労性にすぐれるBRを多用する傾向にあり、BRのブレン
ド比率が50%以上になるケースが多くなっている。
しかしながら、上記ジエン系ゴムのみから構成される
ゴム組成物は、本質的に酸素、オゾンによって容易に劣
化されやすく、通常、強力なアミン系老化防止剤、パラ
フィン系ワックスを配合して老化を防いでいる。
タイヤが新しい間は、耐候性という観点からは、特に
問題がないが、使用末期、あるいはトレッド部を更生す
るなどして長期間使用した場合、ゴム組成物中の老化防
止剤の有効量が減少してオゾンクラック等が発生してく
る。また、上記耐久性に関する問題以外に最近はタイヤ
の外観そのものを改良しようとする要求も大きい。すな
わち、上記のようにタイヤサイドウォール用ゴム組成物
には多量のアミン系老化防止剤とパラフィン系ワックス
が配合されており、これがゴム表面にブルームし、保護
層を形成し、すぐれた老化防止効果を出しているのであ
るが、この保護層に太陽光等が当たると、アミン系の老
化防止剤が茶変色し、非常に外観を悪くしている。
上記の問題点を解決するために、寿命の長い老化防止
剤を使用する方法、ゴムの主鎖に反応して外部に老化防
止剤が出ていかない反応性老化防止剤を使用する方法等
が考えられているが、これらは、老化防止効果が小さ
く、必ずしも満足な効果を得ていない。
一方で老化防止剤を使用しなくても良いように、主鎖
に二重結合を有していない非ジエン系ゴムを使用する研
究も行われている。エチレン・プロピレン・ジエンター
ポリマー(EPDM)、ハロゲン化ブチルゴム等がそれであ
るが、これらのゴムは耐亀裂成長性及び破壊強力がジエ
ン系ゴムに比べて著しく劣るため、卓越した耐候性、耐
オゾン性が得られるものの実用化されたケースは極めて
少ない。
(発明が解決しようとする課題) この発明の目的は、長期にわたってすぐれた耐候性及
び耐オゾン性を有し、しかも耐亀裂成長性及び破壊強力
を改良したゴム組成物を提供することである。
この発明の第2の目的は、長期にわたってすぐれた耐
候性、耐オゾン性及び良好な外観を有し、しかも耐亀裂
成長性及び破壊強力が低下しない耐久性空気入りタイヤ
を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、オレフィン系ゴムをブレンドした耐候
性及び耐オゾン性にすぐれたゴム組成物を得るに当って
オレフィン系ゴムの欠点である耐亀裂成長性及び破壊強
力を改良する手段として高トランスポリブダジエンゴム
が極めて有効であることを見い出し、この発明を完成す
るに至った。
すなわち、この発明は、第一に1,4−トランス結合単
位を75〜90重量%の範囲内で含有する高トランスポリブ
タジエンゴム20〜80重量部と、エチレン、プロピレン及
びジエンのターポリマー並びにハロゲン化ブチルゴムよ
りなる群から選ばれた少なくとも1種のオレフィン系ゴ
ム20〜50重量部と、その他のジエン系ゴム0〜60重量部
とよりなるゴム分100重量部に対し、無機充てん剤20〜1
50重量部を配合してなる加硫可能なタイヤ用ゴム組成物
である。
また、第二にこの発明は、トレッド部、サイドウォー
ル部及びビード部を備える空気入りタイヤにおいてトレ
ッド部、サイドウォール部又はその両方が前記タイヤ用
ゴム組成物よりなる空気入りタイヤである。
(作 用) この発明のゴム組成物は、一方でオレフィン系ゴムを
20〜50重量部用いることによって耐候性及び耐オゾン性
の向上を図り、他方で1,4−トランス結合単位を75〜90
重量%の範囲内で含有する高トランスポリフダジエンゴ
ムを20〜80重量部用いることにより耐亀裂成長性、耐摩
耗性及び破壊強力を確保したことが最大の特徴である。
オレフィン系ゴムが20重量部未満では、耐候性、耐オ
ゾン性が悪くなり、50重量部を超えると、耐候性、耐オ
ゾン性は十分であるが、耐亀裂成長性、破壊強力が著し
く低下する。
また、高トランスポリブタジエンゴムも、20重量部未
満では耐亀裂成長性、破壊強力の改良効果が小さい。
その他のジエン系ゴムとしては、天然ゴム、合成ポリ
イソプレンゴムのようなイソプレン系ゴム、シスポリブ
タジエン、スチレンブタジエンゴムのようなブタジエン
系ゴムが挙げられるがイソプレン系ゴム、特に天然ゴム
が破壊物性、加工性等の上から好ましい。その他のジエ
ン系ゴムの使用量は、必要に応じて0〜60重量部使用さ
れる。
この発明においてエチレン、プロピレン及びジエンの
ターポリマーは、各種のエチレン及びプロピレン含量、
各種のジエンモノマーのターポリマーが使用されるが、
68〜85モル%のエチレン含量と、25万以上の重量平均分
子量と、10以上のヨウ素価を有するターポリマーが耐亀
裂成長性及び破壊物性が特にすぐれるので好ましい。エ
チレン量が68モル%未満では、エチレン連鎖による物性
改良効果が小さく、85モル%を超えるとゴム状を失って
くる。また、重量平均分子量が25万未満では重合体の強
力の低下が大きい。またヨウ素価が10より小さいと他の
ジエン系ゴムとの共加硫性が劣る。
この発明に用いられる高トランスポリブダジエンゴム
のトランス結合単位が75重量%未満では伸長結晶性を発
現するのに十分なトランス連鎖長を有しないし、90重量
%を超えると重合体がゴム状を示さない。トランス結合
単位が80〜85重量%であることが好まいし。また、伸長
結晶性を実現する点で、ビニル結合も15重量%以下が好
ましい。
このようなミクロ構造を有する高トランスポリブタジ
エンゴムは、十分な伸長結晶性を有し、破壊強力、屈曲
疲労性を改良することができる。
ここで、この発明では使用される前記高トランスポリ
ブタジエンゴムを製造するための触媒系としては、以下
の触媒系を挙げることができる。
特公昭62−35401号公報記載のバリウム、ストロン
チウム若しくはカルシウムのアルコラート、有機アルミ
ニウム化合物、及び有機マグネシウム化合物からなる触
媒。
特公昭62−21002号公報、あるいは特公昭56−4501
号公報記載のバリウムアルコラート及び有機リチウムか
らなる触媒。
特公昭60−2323号公報、あるいは特開昭56−157409
号公報記載のバリウム、ストロンチウム若しくはカルシ
ウムと有機アルミニウムとの複合錯体と、ルイス塩基又
はリチウムアルコラート若しくはリチウムフェノラート
からなる触媒。
特公昭57−34893号公報記載の有機リチウム/バリ
ウムのアルコラート又はフェノラート/有機アルミニウ
ム/ジエチレンジグリコールモノアルキルエーテルのリ
チウム、又は2−N−ジアルキルアミノエタノールのリ
チウム塩からなる触媒。
特公昭52−30543号公報、特開昭56−157411号公
報、又は特開昭56−157410号公報記載の有機リチウム/
バリウムのアルコラート若しくはフェノラート、又はカ
ルボン酸などの塩/有機アルミニウム又は有機亜鉛から
なる触媒。
特開昭56−11296号公報、又は特公昭60−26406号公
報記載のバリウムのアルコラート若しくはフェノラー
ト、有機リチウム、有機マグネシウム、及び有機アルミ
ニウムからなる触媒。
特公昭52−48910号公報、又は特開昭50−123628号
公報記載のバリウムアルコラートと有機マグネシウムか
らなる触媒。
有機バリウム化合物、有機アルミニウム化合物、及
びエチンレングリコールのジアルキルエーテルまたはエ
チレングリコールモノアリルエーテルのアルカリ金属塩
からなる触媒。
有機リチウム化合物、バリウムアルキルフェノラー
ト、アルコキシ又はフェノキシシリコン化合物、エチレ
ングリコールモノアリルエーテルのアルカリ金属塩から
なる触媒。
有機リチウム化合物、バリウムアルキルフェノラー
ト、アルコキシ又はフェノキシアルミニウム化合物、エ
チレングリコールモノアリルエーテルのアルカリ金属塩
からなる触媒。
有機マグネシウム化合物及び/又は有機アルカリ金
属化合物、有機アルカリ土類金属化合物(ただし、有機
マグネシウム化合物を除く)、並びに有機アルミニウム
化合物を主成分とする触媒系(特願昭62−253875号明細
書)。
有機バリウム・アルミニウム化合物(アート錯
体)、有機バリウム・アルミニウム化合物(アート錯
体)、及びリチウム化合物を主成分とする触媒系(特願
昭63−43570号明細書)。
バリウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機マ
グネシウム化合物、並びに有機リチウムアルコキシド化
合物及び/又は有機リチウムアミド化合物を主成分とす
る触媒系(特願昭63−60210号明細書)。
なお、前記触媒系に、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコール、エチレングリコールジアルキルエステル、
エチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコ
ールモノアルキルエーテルのアルカリ金属塩、エチレン
グリコールモノアリルエーテルのアルカリ金属塩、ジア
ルカリアミノエタノールのアルカリ金属塩などのエーテ
ル化合物を併用してもよい。
また、前記触媒系の調製に際して、必要に応じて共役
ジエンを併用してもよい。
触媒調製に用いる共役ジエンは、イソプレン、1,3−
ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが用いられる。触
媒成分としての共役ジエン又はエーテル化合物は必須で
はないが、これを併用することにより触媒成分の触媒活
性が一段と向上する。
触媒を調製するには、例えば不活性の有機触媒に溶解
した前記触媒系、更に必要に応じて共役ジエン又はエー
テル化合物を反応させることよりなる。その際、各成分
の添加順序は、任意でよい。これらの各成分は、あらか
じめ混合、反応させ、熟成させることが重合活性の向
上、重合開始誘導期間の短縮の意味から好ましいが、重
合に際し溶媒及び単量体中に直接触媒各成分を順次添加
してもよい。
前記のような触媒系の場合、得られるトランスポリブ
タジエンのトランス結合連鎖が長いので、伸長結晶性が
好適に発現する。
前記高トランスポリブタジエン製造触媒系は、リビン
グ触媒であるので、重合後期に適量のハロゲン化スズな
どを添加することにより、例えば特開昭58−162601号公
報記載のように重合体末端を修飾することができ、これ
により重合体中でのミクロカーボン分散性を改良するこ
とができ、耐摩耗性と加工性の両立上いっそう有利とな
る。
重合溶媒としては、不活性の有機触媒であり、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶
媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ブタン、シクロ
フキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、メチルシクロペン
タン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素溶媒及びこ
れらの混合物が使用できる。
重合温度は、通常、−20℃〜150℃で、好ましくは30
〜120℃である。重合反応は、回文式でも、連続式でも
よい。
なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜50重量%、
好ましくは10〜30重量%である。
また、重合体を製造するために、この発明で使用され
る触媒系及び重合体を失活させないために、重合系内に
酸素、水あるいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物
の混入を極力なくすような配慮が必要である。
重合終了後、重合体溶液中にスチームを吹き込んで溶
媒を除去するか、あるいはメタノールなどの貧溶媒を加
えて重合体を凝固したのち、熱ロール若しくは減圧下で
乾燥してブタジエン系重合体を得ることができる。
また、重合体溶媒を直接減圧下で溶媒を除去してブタ
ジエン系重合体を得ることもできる。
この発明のゴム組成物として使用する無機充てん剤と
してはカーボンブラックが最適であるが、その他にも二
酸化ケイ素(シリカ)、炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン、白艶華等が使用できる。これらを使用した場合に
は、耐候性、耐オゾン性、耐亀裂成長性、破壊強力にす
ぐれた明色配合も可能である。
この発明のゴム組成物は、耐候性、耐オゾン性、耐亀
裂成長性、破壊物性がすぐれており、タイヤの外皮部
材、すなわち、タイヤのサイドウォール部及びトレッド
部のいずれかか又は両方に好適に使用することができ
る。このようなタイヤは、前記ゴム組成物の特性により
耐久性及び外観性も著しく改良される。
(実施例) 次に実施例及び比較例によって、この発明を更に詳細
に説明する。
実施例中の各種の測定は、下記の方法によって行っ
た。
(1) ポリブタジエンのミクロ構造:赤外吸収スペク
トル法(モレロ)法により行った。
(2) 引張り特性:JIS K6301に準じて行う。
(3) 耐亀裂成長性:試験片 60mm×10mm×1.0mmの中
央に0.3mmの初期傷を入れ振動数30サイクル、/分、歪5
0%の条件下で伸長歪を与え、これが20mmに成長するま
での時間で評価した。
の値が大きい程耐亀裂成長性が良いことを示している。
(4) 耐候性:試験片 20mm×10mm×1.0mmのゴム板を
100%伸長させ、40℃、オゾン濃度50ppmノオゾン槽中に
放置し、肉眼でクラックが確認できるまでの時間で評価
した。
実施例1〜21,比較例1〜12 使用したポリブタジエン(BR)の名称及び特性を第1
表に示す。
使用したエチレン・プロピエン・ジエンターポリマー
の特性を第2表に示す。
第2表に示したEPDMは、いずれも市販品であり、表中
のエチレン量、ヨウ素価は発表されたデータの値であ
る。重量平均分子量、Mwは、GPC法により測定し、ポリ
スチレン換算にて求めた。GPC測定にあたり、o−ジク
ロルベンゼン溶媒を使用し東ソー製GMH−4カラムを使
用して135℃にて測定を行った。
上記ゴムを第3表に示す配合処方に従って配合し、14
5℃×40分で加硫して試験片を作成した。配合の詳細
は、更に第4表、第5表に試験結果とともに示す。
試験結果を第4〜6表に示す。
第4表では、高トランスBRのミクロ構造及び配合量の
影響を示す。従来のシスBRにEPDMをブレンドしたゴム
は、耐亀裂成長性及び破壊強力が劣る。これに対してこ
の発明のトランス結合含量75〜90%のトランス BR B 及
びCを20〜80重量部配合した場合、耐候性を良好に保持
したままで破壊強度及び耐亀裂成長性が著しく改良され
る。
第5表では、オレフィン系ゴム(EPDM A)を20部以上
配合することにより、耐候性が顕著に改良されるが、50
重量部を超えると耐亀裂成長性及び破壊強力が劣ること
を示す。
第6表では、EDPMの構造因子の影響を示した。エチレ
ン含量68〜85モル%、重量平均分子量25万以上及びヨウ
素価10以上を有するEPDMを配合した場合、破壊強力及び
耐亀裂成長性がすぐれることが分かる。
参考例1 トランス結合含量71%のポリブタジエン(トランスBR−
A)の製造 窒素雰囲気下、内容積7のステンレス製の撹拌機付
きの重合反応器にシクロヘキサン2400g、1,3−ブタジエ
ン600gを仕込み、これらの混合物を65℃に調整したの
ち、バリウムジノニルフェノキシド1.7ミリモルとトリ
エチルアルミニウム6.8ミリモルを70℃にて30分間反応
させて得られたアート錯体と、1,3−ブタジエン8.5ミリ
モル、n−ブチルリチウム6.8ミリモル、テトラヒドロ
フルフリロキシリチウム4.0ミリモルを更に70℃で30分
間反応させたのち得られた暗黄赤色の透明溶液とを、前
記重合反応器に仕込み、重合を開始した。
上昇温度下で40分重合を行い、100℃に到達したの
ち、更に30分間重合を行った。
仕込み単量体の重合体への転化率は、94%であった。
このようにして得られた重合体溶液に、安定剤として2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール5gを加え、溶媒を
スチームストリッピングにより除去して110℃ロール乾
燥し重合体を得た。
重合体のブタジエン部分のトランス−1,4結合含量は7
1%、ビニル結合含量は6%で、ムーニー粘度は40であ
った。
この重合体の特性を第1表に示す。
参考例2 トランス結合含量77%のポリブタジエン(トランスBR−
B)の製造 参考例1の方法において触媒のn−ブチルリチウム6.
0ミリモル、テトラヒドロフルフリロキシリチウム4.0ミ
リモルを用いたほかは同様にして重合を行った。
この重合体の特性を第1表に示す。
参考例3 トランス結合含量85%のポリブタジエン(トランスBR−
C)の製造 窒素雰囲気下、内容積7のステンレス製の撹拌機付
きの重合反応器にシクロヘキサン2400g、1,3−ブタジエ
ン600gを仕込み、これらの混合物を65℃に調整したの
ち、バリウムジノニルフェノキシド1.7ミリモルとトリ
エチルアルミニウム6.8ミリモルを70℃にて30分間反応
させて得られたアート錯体と、1,3−ブタジエン17ミリ
モル、n−ブチルリチウム5.1ミリモル、テトラヒドロ
フルフリロキシリチウム5.1ミリモルを更に60℃で30分
間反応させたのち得られた暗黄赤色の透明溶液とを、前
記重合反応器に仕込み、重合を開始した。
上昇温度下で40分重合を行い、80℃に到達したのち、
更に40分間重合を行った。
仕込み単量体の重合体への転化率は、92%であった。
このようにして得られた重合体溶液に、安定剤として2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール5gを加え、溶媒を
スチームストリッピングにより除去して110℃ロール乾
燥し重合体を得た。
重合体のブタジエン部分のトランス−1,4結合含量は8
5%、ビニル結合含量は3%で、ムーニー粘度は40であ
った。
この重合体の特性を第1表に示す。
参考例4 トランス結合92%のポリブタジエン(トランスBR−D)
の製造 参考例3の方法において触媒としてn−ブチルリチウ
ムの代わりにジブチルマグネシウムを用いたほかは同様
にして重合を行った。
この重合体の特性を第1表に示す。
次に、比較例1、実施例1、実施例2のゴム組成物を
乗用車用ラジアルタイヤ165SR13のトレッド部及びサイ
ドウォール部に配設し、タイヤ試作した後、それぞれト
レッド部の溝底及びサイドウォール部に0.3mmの初期傷
を10箇所ずつ入れ、屋外ドラム試験機にてそれぞれ5万
km走行させ傷の成長を評価した。
比較例1のゴム組成物を配設した試作タイヤに比較し
て、実施例1のゴム組成物及び実施例2のゴム組成物を
配設した試作タイヤはトレッド部、サイドウォール部い
ずれも傷の成長が著しく小さいことが確認された。
(発明の効果) 1,4−トランス結合単位を75〜90重量%の範囲内で含
有する高トランスポリブタジエンゴムと、EPDM又はハロ
ゲン化ブチルゴムと、その他のジエン系ゴムと、無機充
てん剤とをそれぞれ特定量配合してなるこの発明のタイ
ヤ用ゴム組成物は、従来のシスポリブタジエン配合ゴム
組成物に比べて耐候性を同等以上に保ちながら、耐亀裂
成長性、破壊強度が改良されたゴム組成物である。
更に、このゴム組成物をトレッド部及び/又はサイド
ウォール部に用いたタイヤは、耐候性及び耐屈曲亀裂性
が改良され、耐久性及び外観性が改良される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:28)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,4−トランス結合単位を75〜90重量%の
    範囲内で含有する高トランスポリブタジエンゴム20〜80
    重量部と、エチレン、プロピレン及びジエンのターポリ
    マー並びにハロゲン化ブチルゴムよりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種のオレフィン系ゴム20〜50重量部と、
    その他のジエン系ゴム0〜60重量部とよりなるゴム分10
    0重量部に対し、無機充てん剤20〜150重量部を配合して
    なる加硫可能なタイヤ用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】ターポリマーが68〜85モル%エチレン含有
    量と、25万以上の重量平均分子量と、10以上のヨウ素価
    を有するゴムである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成
    物。
  3. 【請求項3】その他のジエン系ゴムがイソプレン系ゴム
    である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】無機充てん剤がカーボンブラック、二酸化
    ケイ素、炭酸カルシウム、二酸化チタンよりなる群から
    選ばれた充てん剤である請求項1記載のタイヤ用ゴム組
    成物。
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