JP2677070B2 - 水平連続鋳造方法 - Google Patents

水平連続鋳造方法

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JP2677070B2 JP3232660A JP23266091A JP2677070B2 JP 2677070 B2 JP2677070 B2 JP 2677070B2 JP 3232660 A JP3232660 A JP 3232660A JP 23266091 A JP23266091 A JP 23266091A JP 2677070 B2 JP2677070 B2 JP 2677070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炭素鋼、低合金鋼、
ステンレス鋼、高合金鋼、超合金等の例えば熱間押出し
用ブルーム又はビレットを水平連続鋳造する際に、鋳片
の中心部に発生するキャビティやポロシティの存在範囲
(径)を小さく抑えることが可能な水平連続鋳造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にユジーン・セジュルネ法等の熱間
押出し製管法においては、製管の際に中央部が穿孔され
るので穿孔径よりキャビティの存在径が小さい場合に
は、キャビティは穿孔によって除去され品質上の問題は
生じない。しかし、キャビティの存在径が穿孔径より大
きい場合、そのまま製管すると管内面疵の原因となり、
管の品質低下を招く。また管内面疵の発生を防止するた
めに、穿孔時に穿孔径を大きくしてポロシティを除去す
ると穿孔分だけ歩留りロスを生じ、経済性が悪くなる。
【0003】水平連続鋳造設備は、垂直型や湾曲型の連
続鋳造設備と比較して設備の高さが低く、大がかりな鋳
片支持機構が不要であるため、設備費が少なくてすみ、
かつ保守点検が容易である等の利点がある。このため連
続鋳造化が遅れていた小ロット、多品種のステンレス鋼
などを対象として実用化が図られてきた。水平連続鋳造
では特に高温での曲げや矯正を必要としないために、熱
間での割れ感受性の強い高合金鋼やNi基超合金等のこの
方法による連続鋳造化が、近年さらに推進されようとし
ている。
【0004】しかし、水平連続鋳造においては前記のよ
うに、設備の高さが低いので鋳片の最終凝固位置近傍の
溶鋼静圧が小さくなるため、鋳片の中心部に凝固収縮に
よるひけ巣が発生し易く、中心部にキャビティが残存し
がちである。この中心部のキャビティは、鋳片の断面積
または厚さ、あるいは鋳造速度が大きくなるほど発生し
易くなり、キャビティの存在径も大きくなる傾向にあ
る。またステンレス鋼、高合金鋼、Ni基超合金等のよう
に、一般鋼と比較して低融点でかつ固液共存相の温度域
が広いものは、キャビティがさらに発生し易くなる。
【0005】上記の問題点を解決するために、特開昭57
−75258 号公報には、リニア型電磁攪拌装置を少なくと
も2段設置し、クレータエンド側に等軸晶片を移動させ
ることによってセンターポロシティを防止する方法が提
案されている。また、特開昭59−133957号公報には、少
なくとも2つの回転磁界型電磁攪拌装置を鋳片引抜速度
と第1段電磁攪拌装置の後端部における液芯値とから定
まる一定間隔内に直列に配置して、未凝固溶湯を攪拌す
ることにより等軸晶核の沈降を防止し、鋳片中心部のミ
クロキャビティを改善する方法が提案されている。これ
らの方法はいずれも、未凝固溶湯中の等軸晶の核または
等軸晶片を電磁攪拌により分散させようとするものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の各公報に開示さ
れている方法のように、単に等軸晶を溶湯内で分散させ
るだけではポロシティまたはキャビティの解消には不充
分であり、下記のような問題点を解決する必要がある。
【0007】a.鋳片の凝固末期においては、固相(等
軸晶)の分率が増加し、固相どうしが合体してブリッジ
ングが形成される。この固相ブリッジングの中に閉じ込
められた液相が凝固収縮する際にポロシティまたはキャ
ビティが生じ易い。
【0008】b.ポロシティまたはキャビティを防止す
るには、鋳片の組織を等軸晶化することが必要である。
しかし等軸晶であってもその結晶粒が大きい場合は、凝
固末期において上記のブリッジングが形成され易くな
り、ポロシティまたはキャビティが生じ易くなる。
【0009】c.鋳片中央まで完全に凝固する時間(位
置)は、鋳造速度、鋳片径、鋼種、鋳込み温度等によっ
て変化するので電磁攪拌を未凝固部が存在する全期間
(全区間)印加することも考えられる。しかしこれは、
攪拌による負偏析帯を増大させて鋳片の均質化を阻害す
るだけでなく、設備費の不必要な増大を招く。従って電
磁攪拌の印加時期を適正に選択する必要がある。
【0010】本発明の目的は、水平連続鋳造鋳片の初期
凝固殻生成領域では鋳片中の溶湯中に微細な等軸晶核を
分散させ、鋳片中心の溶湯中に固相が存在しない領域で
は等軸晶の成長の防止と微細等軸晶の増加とを図り、セ
ンターポロシティやキャビティが形成される領域では、
凝固直前の溶湯に強い剪断力を与え、等軸晶の合体を抑
制してブリッジングを防止することにより、センタポロ
シティまたはキャビティの存在径が、例えば、ユジーン
製管時の穿孔径より小さい鋳片を製造する方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水平連続鋳
造に関する多くの試験研究によって、鋳造速度、鋳片
径、鋼種、鋳込み温度、その他の鋳造条件に関係なく下
記の手段によれば上記の目的が達成できることを見い出
した。
【0012】本発明は下記の水平連続鋳造方法をその要
旨とする。
【0013】水平連続鋳造でビレットまたはブルームを
製造する際に、少なくとも3段の回転磁界型電磁攪拌装
置を直列に配置し、 1段目の電磁攪拌は、鋳型内の凝固開始位置に相当
する位置で実施し、 2段目の電磁攪拌は、鋳型出口と鋳片中心の固相率
が0を超えない位置との間で実施し、かつ 3段目の電磁攪拌は、鋳片の中心の固相率が 0.1を
超え 0.3未満の範囲内の値となる位置から開始し、鋳片
中心の固相率が 0.7を超えない位置までで実施する。
【0014】なお、3段目の電磁攪拌では1段目および
2段目より攪拌強度が強い中心磁束密度が1200ガウス以
上、かつ 磁場回転数が10Hz以上の回転磁界を印加する
のが望ましい。
【0015】本発明において「固相率」というのは、固
液共存相である溶湯のある領域中の全容積に占める固相
の体積比率をいう。固相率と温度とは1対1の対応関係
があり、液相温度以上では固相率は0、固相温度以下で
は固相率は1である。この固相率の分布は、鋳片内の温
度分布を実測または伝熱計算で求めることによって算出
できる。
【0016】
【作用】以下図を用いて本発明の方法を説明する。
【0017】図1は本発明方法を実施する電磁攪拌が行
える水平連続鋳造装置の一例の縦断面図である。一旦タ
ンディッシュ4に蓄えられた溶湯は、鋳型5、二次冷却
帯6を経て冷却され、ピンチロール7で水平方向(図の
右方向)に引き抜かれていく。以下、図示の装置を用い
て、γ (オーステナイト) 単相で凝固するステンレス鋼
を、鋳造速度0.4m/minでタンディシュ4から内径 265m
m、長さ 300mmの鋳型5に鋳造する場合を例にして説明
する。
【0018】第1段の電磁攪拌装置1はその電磁攪拌有
効長さが 200mmであり、鋳型5内の初期の凝固殻9が生
成し始める位置の溶湯10を充分に攪拌できるように鋳型
5のの外周近傍に配置される。
【0019】このように、鋳型5内の凝固開始位置に相
当する位置で電磁攪拌を実施する理由は、冷却速度が最
も速い時期に凝固する初期の凝固殻9の前面に溶湯10の
攪拌作用を及ぼすことにより、微細な等軸晶の核を多数
溶湯10内に分散遊離させることができるからである。
【0020】なお、第1段の電磁攪拌の強度は中心磁束
密度が1200ガウス、磁場回転数が3Hzの回転磁界を印加
して得られるものであるが、これより大きい磁束密度で
回転数をあまり大きくすると負偏析が凝固界面に生じ、
鋳片の均質性を阻害するので望ましくない。
【0021】次に第2段の電磁攪拌装置2は、その電磁
攪拌有効長さが 300mmであり、鋳型入口から鋳造方向に
2.5mの位置にその中心がくるように配置する。
【0022】図2は鋳片各位置における凝固殻厚さおよ
び溶湯10内の固相率の一例を示す図である。図に示すよ
うに、第2段の電磁攪拌装置2の位置では鋳片中心の固
相率(fs)が0であり、鋳片中心には液相だけの溶湯が存
在する。
【0023】このように第2段の電磁攪拌位置を鋳型出
口と鋳片中心の固相率が0を超えない位置との間に設定
する理由は、この間で攪拌を行うことにより未凝固溶湯
のスーパーヒートを均一化させて、溶湯10内に分散遊離
した等軸晶が成長して粒径が増大するのを防止するとと
もに凝固殻9の前面で新たな等軸晶の核を発生させて微
細な等軸晶の増加を図り、さらに等軸晶の沈降を防止す
ることができるからである。
【0024】一方、鋳片の中心の固相率が0を超えた状
態では、溶湯10のスーパーヒートが利用できなくなり、
流動抵抗が急激に大きくなるので、上述のような効果は
期待できなくなる。
【0025】なお第2段の電磁攪拌では、中心磁束密度
が1200ガウス、磁場回転数が3Hzの回転磁界を印加し
て、攪拌強度を第1段の電磁攪拌と等しくする。
【0026】次に第3段の電磁攪拌装置3は、その電磁
攪拌有効長さが1m であり、鋳型入口から鋳造方向に5.
4mの位置にその中心がくるように配置する。
【0027】図2に示すように、この電磁攪拌範囲の鋳
片中心の固相率は0.1〜0.2 である。
【0028】第3段の電磁攪拌開始位置における鋳片中
心の固相率を 0.1を超え 0.3未満の範囲内の値とする理
由は、この時期になると溶湯10の固相分率が加速凝固に
より急激に増加し、等軸晶粒径が急激に大きくなって、
等軸晶の合体によるブリッジングが形成され、ポロシテ
ィまたはキャビティを生ずるのであるが、電磁攪拌で剪
断力を与えれば等軸晶の合体を防止することができるか
らである。
【0029】これに対して鋳片中心の固相率が 0.3以上
の時期から攪拌を開始すると、それまでに形成されたポ
ロシティまたはキャビティの改善は不可能となる。また
鋳片中心の固相率が 0.1以下の時期から攪拌を開始して
も、この時期ではセンターポロシティまたはキャビティ
が形成されないので、等軸晶の合体防止の観点からは無
意味である。
【0030】一方、第3段の電磁攪拌を鋳片中心の固相
率が 0.7を超えない位置まで実施する理由は、鋳片中心
の固相率が 0.7以上になると凝固相が急速に発達し、剪
断による等軸晶の合体防止が不可能となるからである。
【0031】さらに、第3段の電磁攪拌ではその強度が
第1段および第2段より強くなるように、この例では中
心磁束密度1300ガウス、磁場回転数15Hzの回転磁界を印
加している。
【0032】鋼種あるいは鋳造条件の如何にかかわら
ず、中心磁束密度が1200ガウス以上で、10Hz以上の磁場
回転数の回転磁界を印加することにより、等軸晶の合体
を防止できる強い剪断力が付与され、センターポロシテ
ィまたはキャビティの形成を抑制することができる。
【0033】本発明の実施に用いる電磁攪拌装置はいず
れも回転磁界型である。リニアモータ型を用いない理由
は、攪拌効率が悪いことと、上述の作用効果を得るには
鋳片の鋳造方向に垂直な横断面内の攪拌が有効で、軸方
向(鋳造方向)の攪拌を行う必要がないことによる。
【0034】以下、本発明の実施例を説明する。
【0035】
【実施例1】図1に示した装置を用いて本発明方法を実
施した。
【0036】〔実験条件〕 鋳造鋼種:C:0.08%、Si:0.3 %、Mn:1.5 %、P:
0.02%、S:0.005 % Ni:11%、Cr:18%のγ相単相凝固するステンレス鋼。
【0037】溶鋼温度: 1480 ℃ (タンディッシュ内) 鋳 型:内径 265mm、長さ 300mm 電磁攪拌装置の主要な仕様および設置位置を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】上記の実験条件で本発明の3段の電磁攪拌
を実施して水平連続鋳造を行った。
【0040】得られた鋳片横断面および縦断面のマクロ
組織と鋳片中心部のキャビティまたはポロシティの存在
径を調査した。なお鋳片横断面とは鋳造方向に垂直な断
面、縦断面とは鋳片長手方向の鋳片中心軸を含む断面で
ある。
【0041】一方、比較例として、3段の電磁攪拌の
内、第1段、第2段、あるいは第3段の電磁攪拌をそれ
ぞれ省略した以外は実施例1と同じ条件での試験も行っ
た。これらを比較例1、2および3とする。
【0042】図3は本発明の3段電磁攪拌を実施した実
施例の鋳片のマクロ組織を示す図であり、(a)は鋳片
横断面、(b)は鋳片縦断面である。
【0043】図3(a)に示すように実施例で得た鋳片
は中心部まで微細な等軸晶粒で均一に充填されており、
ブリッジングが生じている範囲も小さく、鋳片縦断面に
V字状に連なるポロシティまたはキャビティの存在径は
わずかに 25mmである。これは通常のユジーン穿孔径の3
0mmより小さいから、製管時に管内面に疵を発生させる
おそれは皆無である。
【0044】図4は第1段電磁攪拌を省略した比較例1
の鋳片のマクロ組織を示す図であり、(a)は鋳片横断
面、(b)は鋳片縦断面である。
【0045】図示のように、比較例1の鋳片では、その
中央部に肥大等軸晶が形成されており、中心部の広い範
囲でブリッジングが発生して鋳片縦断面にV字状に連な
るセンターポロシティまたはキャビティの存在径が60mm
と大きくなっている。
【0046】図5は第2段電磁攪拌を省略した比較例2
の鋳片のマクロ組織を示す図であり、(a)は鋳片横断
面、(b)は鋳片縦断面である。この鋳片では下方に等
軸晶が沈澱しており、その粒径も比較的大きい。一方、
肥大柱状晶が鋳片上方から中心まで成長しており、柱状
晶の粒界に比較的長い線状のキャビティが存在してお
り、鋳片中央部の沈澱等軸晶の中心部内にもキャビティ
またはポロシティが認められる。その存在径は55mmと大
きい。
【0047】図6は第3段電磁攪拌を省略した比較例3
の鋳片のマクロ組織を示す図であり、(a)は鋳片横断
面、(b)は鋳片縦断面である。この鋳片の場合は、中
央部は微細な等軸晶が形成され、鋳片縦断面にV字状に
連なるキャビティまたはポロシティの存在径も40mmで比
較例1、2よりは小さくなっている。しかし、前述のユ
ジーン穿孔径30mmを超えており、やはり製管時に内面疵
の発生が避けられない。
【0048】以上の結果から本発明の3段電磁攪拌を実
施することにより、センターポロシティまたはキャビテ
ィの形成を抑制する効果が得られるのは明らかである。
【0049】
【実施例2】3段電磁攪拌を実施する際、第2段電磁攪
拌の位置を変えて、その位置の鋳片中心の固相率と、鋳
片のセンターポロシティまたはキャビティの存在径との
関係を調査した。他の試験条件は実施例1と同じであ
る。図7にその結果を示す。なお固相率は電磁攪拌の有
効長さの中での最小値で示した。
【0050】図7に示すように第2段電磁攪拌を鋳片中
心の固相率が0を超えない位置で実施することにより、
センターポロシティまたはキャビティの存在径をユジー
ン製管時の穿孔径より小さくすることができる。
【0051】
【実施例3】3段電磁攪拌を実施する際、第3段電磁攪
拌開始位置を変えて、その位置の鋳片中心の固相率と、
得られた鋳片のセンターポロシティ又はキャビティの存
在径との関係を調査した。この場合も他の試験条件は実
施例1と同じである。試験結果を図8に示した。図示の
とおり、第3段電磁攪拌開始位置における鋳片中心の固
相率が 0.1〜 0.3の範囲にあるとき、センターポロシテ
ィまたはキャビティの存在径をユジーン製管時に問題を
生じない程度まで抑制することができる。
【0052】
【実施例4】3段電磁攪拌を実施する際、第3段電磁攪
拌の磁束密度だけ、または磁場回転数だけを変化させる
試験を行い、得られた鋳片のセンターポロシティまたは
キャビティの存在径を調査した。他の試験条件は実施例
1と同じである。その結果を図9(a)と(b)に示
す。(a)は中心磁束密度の適正範囲、(b)は磁場回
転数の適正範囲を示している。第3段電磁攪拌の中心磁
束密度を1200ガウス以上、磁場回転数を10Hz以上とする
ことが、センターポロシティまたはキャビティの形成を
抑制するのに有効であることがわかる。
【0053】
【実施例5】鋳造速度と鋳片径を変化させたこと以外は
実施例1と同じ条件で3段電磁攪拌を実施して鋳造を行
い、鋳片のセンターポロシティまたはキャビティの存在
径を調査した。
【0054】一方、リニア型電磁攪拌装置を用い、前記
特開昭57−75258 号公報に開示される発明に準ずる方法
で鋳造条件を変化させて比較例 (比較例4とする) の鋳
造を行った。
【0055】図10は、鋳造速度および鋳片径がセンター
ポロシティまたはキャビティの形成に及ぼす影響を本発
明例と比較例とを対比して示す図である。この図に示す
ように、比較例4では試験範囲内の鋳造速度、鋳片径の
条件下でユジーン製管時の穿孔径より小さいセンターポ
ロシティまたはキャビティの存在径にするのは難しい。
これに対して本発明の方法では、どの種類の鋳片径でも
広い鋳造速度範囲で、製管時に内面疵発生の問題を生ず
ることのない程度までセンターポロシティまたはキャビ
ティの存在径が縮小されている。
【0056】
【発明の効果】本発明方法によれば、水平連続鋳造の鋳
片で大きな問題になるセンターポロシティまたはキャビ
ティの形成を抑制することができる。図10にも示したと
おり、広範囲な鋳造条件下でユジーン製管時の穿孔径よ
りも小さい範囲にセンターポロシティまたはキャビティ
の存在径をおさめることができる。従って穿孔径を大き
くしなくでも製管時の内面疵の発生が防止され、熱間押
出し製管の際の材料歩留りを上げることができる。
【0057】本発明の鋳造方法で得られる鋳片は、前述
のように内部欠陥の少ないものであるから、押出し製管
用としてのみならず、あらゆる用途向けの素材として優
れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための電磁攪拌が行える
水平連続鋳造装置の一例の縦断面図である。
【図2】本発明方法における電磁攪拌位置と鋳片各位置
における凝固殻厚さおよび溶湯内固相率の一例を示す図
である。
【図3】本発明の3段電磁攪拌を実施した鋳片のマクロ
組織を示す図であり、(a)は鋳片横断面、(b)は鋳
片縦断面である。
【図4】第1段電磁攪拌を省略した比較例の鋳片のマク
ロ組織を示す図であり、(a)は鋳片横断面、(b)は
鋳片縦断面である。
【図5】第2段電磁攪拌を省略した比較例の鋳片のマク
ロ組織を示す図であり、(a)は鋳片横断面、(b)は
鋳片縦断面である。
【図6】第3段電磁攪拌を省略した比較例の鋳片のマク
ロ組織を示す図であり、(a)は鋳片横断面、(b)は
鋳片縦断面である。
【図7】本発明方法における第2段電磁攪拌位置での鋳
片中心の適正固相率範囲を示す図である。
【図8】本発明方法における第3段電磁攪拌位置での鋳
片中心の適正固相率範囲を示す図である。
【図9】本発明方法の第3段電磁攪拌における適正攪拌
強度を示す図であり、(a)は中心磁束密度の適正範
囲、(b)は磁場回転数の適正範囲を示す図である。
【図10】鋳造速度および鋳片径がセンターポロシティ
またはキャビティの形成に及ぼす影響を本発明法と従来
法とを対比して示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻田 進 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地住友金 属工業株式会社鋼管製造所内 (72)発明者 照沼 正明 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地住友金 属工業株式会社鋼管製造所内 (72)発明者 小玉 宏 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地住友金 属工業株式会社鋼管製造所内 (72)発明者 阿部 俊治 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地住友金 属工業株式会社鋼管製造所内 (56)参考文献 特開 昭59−24558(JP,A) 特開 昭58−151946(JP,A) 特開 昭51−81734(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平連続鋳造によってビレットまたはブル
    ームを製造するに際し、少なくとも3段の回転磁界型電
    磁攪拌装置を直列に配置し、1段目の電磁攪拌は鋳型内
    の凝固開始位置に相当する位置で実施し、2段目の電磁
    攪拌は鋳型出口と鋳片中心の固相率が0を超えない位置
    との間で実施し、そして、3段目の電磁攪拌は鋳片の中
    心の固相率が 0.1を超え 0.3未満の範囲内の値となる位
    置から開始し、鋳片中心の固相率が 0.7を超えない位置
    までで実施することを特徴とする水平連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】3段目の電磁攪拌では、1段目および2段
    目より攪拌強度が強い中心磁束密度が1200ガウス以上、
    かつ磁場回転数が10Hz以上の回転磁界を印加することを
    特徴とする請求項1の水平連続鋳造方法。
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JPH0569091A (ja) 1993-03-23

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