JP2676313B2 - バタフライ弁の継手 - Google Patents

バタフライ弁の継手

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JP2676313B2
JP2676313B2 JP5276225A JP27622593A JP2676313B2 JP 2676313 B2 JP2676313 B2 JP 2676313B2 JP 5276225 A JP5276225 A JP 5276225A JP 27622593 A JP27622593 A JP 27622593A JP 2676313 B2 JP2676313 B2 JP 2676313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管路に介装するバタフラ
イ弁のうち、両端面に取り付け用のフランジのないウエ
ハー型バタフライ弁の継手に係る。
【0002】
【従来の技術】管路を開閉するバタフライ弁、特に両端
面にフランジを具えずに両端の管体に取り付けたフラン
ジによってガスケットを介して圧接し、水密を保って介
装しているウエハー型のバタフライ弁は、弁自体が軽量
であり取り付けも簡単であるから、工場用の配管、ビル
など建築物内の配管に適用して重宝されている。この場
合、管路を形成する管体と管体の間へ介在させるために
は、図7に示すような方式を採ることがもっとも一般的
であり経済的でもあるとされている。すなわち、ウエハ
ー型バタフライ弁Vには両端にフランジがないから、管
体Pの端面にフランジ101の取り付けを必要とする
が、作業性を考えると管体に直接フランジを溶接するよ
りは、短管102の端面にフランジ101をあらかじめ
溶接して取り付け、当該短管102を本管Pに溶接継合
する方が有利であり、広く採用され実施されている。ウ
エハー型バタフライ弁を挟む両側に図示しないガスケッ
トを挟んでフランジの付いた短管がそれぞれ接続される
と、当フランジ同士をボルト103,ナット04で締結
し、管路内へバタフライ弁を介装した継合が完了され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術におい
て課題となることは、まず継合作業の非能率と継合後の
不安定な機能である。最初にフランジ101を短管102に溶
接するときに、工場または現地でフランジの中心と短管
の軸芯とを一致した接合が必要となるが、溶接時の高熱
や歪みなどのために高い精度で両センターを一致させる
ことはかなりの技量を必要とする。また、短管を現地で
本管に溶接するときも同様に高い技量が必要であり、両
者の芯を合わせることと、取り付けたフランジ管同士の
間隔がこの間で挟持するバタフライ弁の両端距離と一致
させるために、溶接時の寸法精度は厳しいレベルが要求
される。短管,本管の継合溶接を現地で施工するとき
は、大きな作業工数を必要とするから作業の非能率性が
問題となる上、作業自体も不安定な高所における高熱作
業となることが多いから、不安全非能率な作業条件を覚
悟せざるを得ない。
【0004】一方、継合後の管路の機能を考えると、フ
ランジ同士を締結するのは多数箇所におけるボルト,ナ
ットであるから、熟練した組立工が慎重に作業しないと
全周に亘って均等に締め付けることが難しい。片締めと
なってフランジ間の締結に強弱の差が生じると、予定し
た水封能力が維持できないで漏水の原因となることがあ
る。また、この形式は必然的にフランジを貫通する数箇
所の取り付け孔とボルトとの間に若干のクリアランスを
設けておかなければ挿通することができないため、継合
後、このクリアランスががたつきの原因となって接続部
から漏水する懸念もある。どのような管路においても建
物の振動や、揺動,衝撃の加わる機会の可能性は完全に
は否定できないから、ボルト締めの方式には一抹の不安
が残る。
【0005】本発明は以上に述べた課題を解決するため
に取り付けがきわめて簡単であり、ほとんどワンタッチ
に等しい手軽さで管路内へバタフライ弁が取り付けら
れ、しかも取り付け後はきわめて接続が安定していて信
頼性の高い継手機能が長く持続されるウエハー型バタフ
ライ弁の継手の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバタフライ
弁の継手は、流路を開閉するバタフライ弁Vを管体P間
へ介装する継手において、ウエハー型バタフライ弁Vの
端面とガスケットGを介して圧接する一方の継手本体1
は管体Pを内嵌する円筒形よりなり、その内端面外周上
へ外側面が螺旋面12よりなる突起11を複数個突出すると
ともに、庇状に外方へ延出した螺合部15の内周上に雌ね
じ13を螺刻し、バタフライ弁端面と圧接する他方の継手
本体2も同じく円筒形よりなり、内端面外周へ突条21を
周設するとともに、庇状に外方へ延出した螺合部25の内
周上に雌ねじ22を螺刻し、両継手本体1,2と共通に係
合する係合環3は、環外周上へ内側面が前記螺旋面12と
係合する螺旋面31よりなる凹溝33を切り込んだ爪34を複
数個突設し、さらに環全周で前記突条21の外側面24と圧
着する内側面32を具え、前記雌ねじ13と螺合する雄ねじ
41を外周上に螺刻したテーパーリング4の内周は外端へ
向け縮径する傾斜面42を形成して一つ割の口金5の外周
の球面51と当接し、前記雌ねじ22と螺合する雄ねじ61を
外周上に螺刻したテーパーリング6の内周は外端へ向け
傾斜面62を形成して一つ割の口金7の外周の球面71と当
接し、口金5および7は内面に環状の鋭利な咬合歯を具
えていることによって前記の課題を解決した。
【0007】また、この構成において、継手本体1にお
ける突起11は円周を均等に三分割した3ケよりなり、係
合環3における爪34も円周を均等に三分割した3ケより
なることがきわめて好ましい実施例である。また、口金
5および7は管体Pよりも硬度の高い金属材料で製作
し、かつ、その内径は管体の外径よりも僅かに小さく製
作していることが実施上、望ましいことである。
【0008】
【作用】本発明の継手はウエハー型バタフライ弁を対象
とし、そのバタフライ弁の両端面とガスケットを介して
圧接する両側の継手本体1,2と、両者と共通して係合
する係合環3、継手本体の内周と螺合するテーパーリン
グ4,6、該テーパーリングの内周の傾斜面で当接する
一つ割の口金5,7という構成から成立している。継手
本体1,2は何れも円筒形で管体Pを内嵌する内径より
なり、それぞれ左右の管体を被覆してバタフライ弁と接
続する。継手本体1は内端面上に螺旋面12を具えた突起
11を有し、一方の継手本体2は内端面に突条21を周設し
ているから、ウエハー型バタフライ弁を挾む管体へ両側
から継手本体1,2を外嵌し、両者に跨がって共通する
係合環3を嵌めつつ回動すると、継手本体1の突起側面
の螺旋面12と係合環の爪32に切り込んだ凹溝33の内側面
である螺旋面31とがテーパー同士で摺動し合って緊密に
係合し、環の内側面32は継手本体2の先端に突出する突
条21の外側面24と圧着するので、継手本体1とバタフラ
イ弁はあたかも螺合したように相互に係合し、継手本体
2の内端面の突条21は係合環内側面と全面で圧接するか
ら、この突条21はストッパーの作用を果す。すなわち係
合環3を回動することによって継手本体1の突起と係合
環の爪とがねじを締め付けたのと同一の作用を発揮し、
継手本体2は係合環の内側面と全周で圧着して三者はほ
とんどワンタッチでバタフライ弁を挟んで継合する。
【0009】継手本体1および継手本体2の外周から外
側へ向けて庇状に延出した螺合部15,25の内面には
じ13および22が螺刻され、この雌ねじと螺合す
るテーパーリング4,6が継手本体と螺合し、このテー
パーリング内面は外端へ向けて縮径する傾斜面42,6
2で形成され、一つ割の口金5,7の球面51,71と
当接する。口金5,7は切欠き部53,73で分断され
る一つ割の環体であるから、管体の外周上へ嵌合すると
きは、若干内径を広げて被せるので被冠後は初期締め付
け力が発揮する上、口金内径に環状に鋭く突出する咬合
歯52,72が管体の外周面に噛み込み、きわめて強固
な係合関係を形成する。この係合のため、使用中に何か
の原因で外力が掛っても容易に抜け出すことがない。
【0010】口金を管体に噛合した後、テーパーリング
を回動し締め込んでいけば、口金はテーパーリングの傾
斜面に圧迫されて径が縮小するので、咬合歯の噛み込み
はさらに助長され継手部の抜け止めの作用はますます昂
進する。使用中に管路内の圧力が上昇して配管を抜く方
向に働く外力が増大すると、管体は抜け方向へ移動しよ
うとするが、同時に咬合歯、口金へも同じ作用が掛かる
から、口金球面とテーパーリングの傾斜面間に楔作用が
発生して口金の径をさらに縮めようとするので、咬合歯
は管体と一層強く係止する作用が現れるのである。この
ように継手本体1とウエハー型バタフライ弁と継手本体
2とが相互に係合し、かつ本管に対して回り止めとなる
係止作用を受け、両作用によって信頼できる継合関係が
構築される。
【0011】
【実施例】図1は本発明実施例の全体図であり、縦断正
面図(A)と側面図(B)よりなる。両図においてウエ
ハー型バタフライ弁Vは自らは両端面に取り付け用のフ
ランジを具えていない。ガスケットGを介して継手本体
1,継手本体2に水密的に挟持され、継手本体1と継手
本体2とは係合環3と、また、両継手本体と管体とはテ
ーパーリング4,6および該テーパーリングと係合する
口金5,7を介して、それぞれ係合している。継手本体
1の内周には断面「コ」形の凹溝14が全周に亘って刻設
され、この凹溝の中へゴムパッキング8が嵌入されてい
る。同様に継手本体2の内周にも凹溝23が刻設されてゴ
ムパッキング8が嵌入され、それぞれ継手本体外周と管
体Pの内周との水封作用を行なう。
【0012】継手本体1だけの斜視図を図2に示す。継
手本体1は円筒形の形状からなり、その内側端面に3ケ
の突起11を均等に円周を分割して突出している。突起の
外側面は螺旋面12を形成しているので、突起11の幅は一
定ではなく規則的に増減する。継手本体1の突起と反対
側の端面へ庇状に螺合部15が延出し、その内面に雌ねじ
13が螺刻されている。
【0013】図3は継手本体2の斜視図であり、全体の
形状は円筒形、内側の端面近くに一定の厚さからなる突
条21を周設し、他方の端面へ向けて延出する螺合部25の
内周に継手本体1と同様な雌ねじ22が螺刻されている。
また、内周側の適当な位置にゴムパッキング8を嵌入す
る凹溝23を刻設して継手本体1と同様に管体Pとの水封
作用を務める。
【0014】図4は係合環3の斜視図であり、爪34は断
面が「コ」字形となる凹溝33が切り込まれ、その凹溝の
内側面が螺旋面31を形成している。また、爪34の各外面
上には打撃用突起35が突設しているので、この突起へハ
ンマーなどで打撃を加えると、係合環3は円周方向へ回
動し継手本体1の螺旋面12と当接する螺旋面31がテーパ
ー面上で摺動し、双方が噛み込んで強固な係合状態とな
る。係合環の内側面32は継手本体2の突条21と圧接する
ストッパー面の役割を果す。打撃用突起のない場合には
パイプレンチを嵌合して回動すればよい。
【0015】図5はテーパーリング4および6の斜視図
である。内周は前記の継手本体1,2の螺合部内周の雌
ねじと螺合する雄ねじ41および61が螺刻され、内周は外
端へ向けて縮径する傾斜面42および62となって口金の球
面51および71と当接する。口金の外面が球面で形成され
ているから、継合時に多少の芯ずれがあっても特に問題
を生じる懸念がなく、作業上の細かい調整が簡略化でき
る。内端外周上に打撃用突起43および63を3ケ突設して
いるので、この突起へハンマーなどで打撃を与えるとテ
ーパーリングが螺進して口金を圧迫し、継手本体を押圧
するとともに管体との係止力が増大して抜け止め作用が
強化される。打撃用突起のない場合にはパイプレンチを
嵌合して回動することとなる。
【0016】図6は口金5および7の斜視図であり、切
欠き部53および73を持つ一つ割の環体である。外周は球
面51,71よりなり、内面には鋭利な咬合歯52,72が環状
に突設され管体の外周に噛み込んで抜け止めの役割を果
す。この場合、口金の内径を嵌合する管体の外径より僅
かに小さく設定しておけば、被冠するときには若干広げ
て被せるから、被冠後は締め付け力が生ずる。さらに口
金の材質を管体よりも硬度の高い金属材料、たとえば低
合金熱処理鋼で製作すればこの噛み込みは一層確実な状
態となることが期待できる。また、このような形状で使
用の態様から見ても口金は繰り返し何度でも使用するこ
とができるという利点もある。
【0017】実際の管接合作業においては、現地に既に
配設された両側の管体Pの先端へそれぞれ継手本体1,
継手本体2をまず差し込んでテーパリングと口金で係止
しておいた後、両者の間へバタフライ弁を嵌め込んで位
置を定め、外周から係合環を回動しつつ嵌合する手順が
第一の方法である。または継手本体1と継手本体2とウ
エハー形バタフライ弁の三者をあらかじめ係合環3を使
用して一体的に組合わせておき、この継手本体1の開口
部を既設の管体へテーパリングと口金を介して差し込ん
で係止し、次に継手本体2の開口部へテーパリング、口
金とともに継合すべき次の管体を差し込んで係止すると
いう手順もある。この場合は管体の配管と継合とが交互
に連続して管路を延ばしていくという工法となる。
【0018】
【発明の効果】本発明に係るウエハー型バタフライ弁の
継手は、取り付けがほとんどワンタッチに等しいほどの
簡単な動作で完結するから、工場、建物の内外配管に際
して継合作業が負担とならず、また、熟練した作業員で
なくても間違いなく信頼性の高い管路の形成ができる。
継合に際しては各部材の取り合せに厳しい寸法精度の必
要のないことも現場的には大きな利便を与えるものであ
る。作業の性質上、高所における溶接などの高熱作業と
ならざるを得なかった従来技術に比べると、工数の大幅
軽減、作業員の安全確保、使用する管路の安定性の向上
など、有形無形の効果は枚挙に暇ないほど多岐に及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の全体を示す縦断正面図(A)と
側面図(B)である。
【図2】実施例のうち、継手本体1を示す斜視図であ
る。
【図3】同じく継手本体2を示す斜視図である。
【図4】同じく係合環3を示す斜視図である。
【図5】同じくテーパーリング4および6の斜視図であ
る。
【図6】同じく口金5および7の斜視図(A)と断面の
一部斜視図(B)である。
【図7】従来技術を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 継手本体 2 継手本体 3 係合環 4 テーパーリング 5 口金 6 テーパーリング 7 口金 8 ゴムパッキング 11 突起 12 螺旋面 13 雌ねじ 14 凹溝 15 螺合部 21 突条 22 雌ねじ 23 凹溝 24 外側面 25 螺合部 31 螺旋面 32 内側面 33 凹溝 34 爪 35 打撃用突起 41 雄ねじ 42 傾斜面 43 打撃用突起 51 球面 52 咬合歯 53 切欠き部 61 雄ねじ 62 傾斜面 63 打撃用突起 71 球面 72 咬合歯 73 切欠き部 V ウエハー型バタフライ弁 G ガスケット P 管体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−50448(JP,A) 実開 昭59−191469(JP,U) 実開 平4−99474(JP,U) 実開 昭52−28732(JP,U) 実開 昭60−86688(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路を開閉するバタフライ弁Vを管体P
    間へ介装する継手において、ウエハー型バタフライ弁V
    の端面とガスケットGを介して圧接する一方の継手本体
    1は管体Pを内嵌する円筒形よりなり、その内端面外周
    上へ外側面が螺旋面12よりなる突起11を複数個突出する
    とともに、庇状に外方へ延出した螺合部15の内周上に雌
    ねじ13を螺刻し、バタフライ弁端面と圧接する他方の継
    手本体2も同じく円筒形よりなり、内端面外周へ突条21
    を周設するとともに、庇状に外方へ延出した螺合部25の
    内周上に雌ねじ22を螺刻し、両継手本体1,2と共通に
    係合する係合環3は、環外周上へ内側面が前記螺旋面12
    と係合する螺旋面31よりなる凹溝33を切り込んだ爪34を
    複数個突設し、さらに環全周で前記突条21の外側面24と
    圧着する内側面32を具え、前記雌ねじ13と螺合する雄ね
    じ41を外周上に螺刻したテーパーリング4の内周は外端
    へ向け縮径する傾斜面42を形成して一つ割の口金5の外
    周の球面51と当接し、前記雌ねじ22と螺合する雄ねじ61
    を外周上に螺刻したテーパーリング6の内周は外端へ向
    け傾斜面62を形成して一つ割の口金7の外周の球面71と
    当接し、口金5および7は内面に環状の鋭利な咬合歯52
    および72をそれぞれ具えていることを特徴とするバタフ
    ライ弁の継手。
  2. 【請求項2】 請求項1において、継手本体1における
    突起11は円周を均等に三分割した3ケよりなり、係合環
    3における爪34も円周を均等に三分割した3ケよりなる
    ことを特徴とするバタフライ弁の継手。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、口金5およ
    び7は管体Pよりも高硬度の金属材料で製作し、一つ割
    の内径寸法は管体の外径より僅かに小さいことを特徴と
    するバタフライ弁の継手。
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