JP2675623B2 - 4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却構造 - Google Patents

4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却構造

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JP2675623B2 JP1133978A JP13397889A JP2675623B2 JP 2675623 B2 JP2675623 B2 JP 2675623B2 JP 1133978 A JP1133978 A JP 1133978A JP 13397889 A JP13397889 A JP 13397889A JP 2675623 B2 JP2675623 B2 JP 2675623B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動二輪車用水冷式4サイクルエン
ジンに採用されるシリンダヘッドの冷却構造に関し、特
に吸気弁を3本,排気弁を2本設けた5バルブエンジン
の場合に、シリンダヘッド全体を均一に冷却できるよう
にした吸気通路,排気通路,及びウォータジャケットの
配置構造の改善に関する。
〔従来の技術〕 一般に4サイクルエンジンの燃焼系統は、燃焼室の吸
気弁用開口を吸気通路でシリンダヘッド外側に導出し、
該外側開口に気化器等の燃料供給装置を接続するととも
に、排気弁用開口を排気通路で外側に導出し、該外側開
口に排気管を接続し、上記吸気通路を介して低温の混合
気を吸入し、排気通路を介して高温の排気を排出するよ
うに構成されている。従って、上記吸気通路,及び排気
通路が形成されたシリンダヘッドの燃焼室付近は、温度
分布に大きな偏差が生じ易い。この温度偏差があまり大
きくなると、熱歪等により各種のトラブルが生じる恐れ
がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで上記温度偏差は、吸気弁,排気弁の本数が多
くなるほど増大する傾向があるので、弁を多数本、例え
ば吸気弁3本,排気弁2本備えた5バルブエンジンの場
合は、シリンダヘッドの温度分布を均一化できるよう
に、吸気通路,排気通路,ウォータジャケット等の配置
を考慮した冷却構造が要請される。しかしながら従来の
5バルブエンジンにおいては、2バルブエンジンの場合
と同様の冷却構造が採用されており、十分な温度分布の
均一化は実現されていないのが実情である。
そこで本発明は、吸気弁を3本、排気弁を2本備えた
5バルブエンジンにおいて、シリンダヘッドの温度分布
を均一化できるシリンダヘッド冷却構造を提供すること
を目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、3本の吸気弁,2本の排気弁をそれぞれ燃焼
室の一側,他側にまとめて、かつ燃焼室周壁に沿うよう
に配置し、該燃焼室の周囲を覆うように液冷ジャケット
を形成した4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却構
造において、上記シリンダヘッドに形成された吸気通路
を、燃料供給装置接続開口に連通する1つの共用吸気通
路と、該共用吸気通路から分岐されて上記各吸気弁用開
口に連通する3つの分岐吸気通路とで構成し、シリンダ
ヘッドに形成された排気通路を、上記各排気弁用開口を
各排気管接続開口に別個に導出する2つの独立排気通路
で構成し、上記液冷ジャケットを、上記吸気通の外壁面
と排気通路の外壁面との間に位置する中央ジャケット
と、上記2つの独立排気通路の外壁面同士の間に位置す
る排気通路間ジャケットとを有するものとし、上記排気
通路間ジャケット及び中央ジャケットの排気側左,右隅
部に冷却水がシリンダブロック側から流入する冷却水流
入口を形成し、上記中央ジャケットの吸気側左,右隅部
に冷却水が外部に流出する冷却水流出口を形成したこと
を特徴としている。
ここで本発明は、水冷エンジン以外に、油等の液体で
冷却するエンジンにも適用できる。
〔作用〕
本発明に係るシリンダヘッド冷却構造によれば、3つ
の分岐吸気通路をシリンダヘッド内で1つの共用吸気通
路にまとめたので、シリンダヘッドの、吸気通路外表面
を構成する壁面の面積が、各分岐通路をそのまま外方に
導出する場合に比較して狭くなり、従ってシリンダヘッ
ドから低温の吸気(混合気)側に伝達される熱量が少な
くなり、それだけシリンダヘッドの吸気通路側部分の温
度変下が軽減される。またこの場合、中央の分岐吸気通
路は、両側の分岐吸気通路によって狭まれているので、
シリンダヘッドから該中央の分岐吸気通路側への熱伝達
量はさらに少なくなり、従ってこの点からもシリンダヘ
ッドの吸気通路側部分の温度低下が軽減される。
一方、排気通路を、2つの独立排気通路で構成し、間
に液冷ジャケットを形成したので、高温の排気はこれに
比べて低温の冷却液によって冷却され、排気からシリン
ダヘッド側に伝達される熱量が少なくなり、従ってシリ
ンダヘッドの排気通路側部分の温度上昇が軽減される。
このようにシリンダヘッドの、吸気通路側部分の温度
低下が軽減され、かつ排気通路側部分の温度上昇が軽減
されるので、結果的にシリンダヘッドの温度分布が全体
的に均一となる。
液冷ジャケットを中央ジャケットと独立排気通路間の
ジャケットとを有するものとし、該排気通路間ジャケッ
ト及び中央ジャケットの排気側左,右隅部に冷却水流入
口を形成し、上記中央ジャケットの吸気側左,右隅部に
冷却水流出口を形成したので、これにより温度の高い排
気側の3箇所から比較的低温の冷却水が燃焼室を覆う液
冷ジャケット内に流入し、温度の低い吸気側の2箇所か
ら流出することとなり、温度の高い排気側をより確実に
かつ均一に冷却でき、また冷却水が各部で淀むことがな
く、この冷却水流入口,流出口の配置構造の点からもシ
リンダヘッドの温度分布が均一となる。
またエンジンのカム軸方向の寸法(幅寸法)について
見れば、吸気側部分と排気側部分とで上記幅寸法のバラ
ンスが良好になる。即ち、一般には弁を3本設けた吸気
側が弁を2本設けた排気側より幅寸法が大きくなるが、
本発明では、排気通路を独立させて設けるとともに、該
両独立排気通路間に液冷ジャケットを配設したので、そ
れだけ排気側の幅寸法が大きくなり、吸気側との差が小
さくなる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第4図は本発明の第1実施例による4サ
イクルエンジンの動弁装置を説明するための図である。
図において、1は本実施例装置が適用された4サイク
ルエンジンを搭載した自動二輪車であり、これの車体フ
レーム2の前端には、下端で前輪3を軸支する前フォー
ク4が軸支され、中央下端には、後端で後輪5を軸支す
る後アーム6が上下に揺動自在に枢支されており、さら
に後部には大型の燃料タンク7が、その上側にはシート
8がそれぞれ搭載されている。なお、62〜64,58はそれ
ぞれオイルタンク,ラジエータ,エアクリーナ,気化器
である。
そして上記車体フレーム2の前部には水冷式4サイク
ル単気筒のエンジンユニット9が搭載されている。この
エンジンユニット9は、シリンダ10,シリンダヘッド11,
及びヘッドカバー12をクランクケース14上に積層した構
成となっている。また、ヘッドカバー12の上面中央部は
ブラケット61を介して車体フレーム2のテンションパイ
プ2aに懸架されており、クランクケース14の前側中央部
は、ヘッドパイプ2bから下方に延びるダウンチューブ2c
で懸架されている。
上記シリンダ10は水冷ジャケット10aが形成されたシ
リンダ本体10b内に円筒状のシリンダライナ10cを圧入し
て構成されており、該シリンダライナ10c内にはピスト
ン14が摺動自在に挿入されている。
また、上記シリンダヘッド11の合面の略中央には上記
ピストン14の上面とで燃焼室Aを形成する燃焼室凹部16
が凹設されている。この燃焼室凹部16の周縁に沿う略円
周上に、3つの吸気弁開口17〜19及び2つの排気弁開口
20,21が形成されている。
上記3つの吸気弁開口17〜19はシリンダヘッド11に車
両後方に延びるよう、かつ相互に平行に形成された3つ
の分岐吸気通路31a〜31bによって後方に導出され、かつ
該シリンダヘッド11内で1つの共用吸気通路31に合流し
た後、シリンダヘッド後壁に導出されている。この共用
吸気通路31の外側開口31dにはキャブジョイント57を介
して2つの気化器58,59が接続されている。このキャブ
ジョイント57は隔壁57aによって2つのジョイント通路5
7b,57cに画成されている。
ここで本実施例では、全吸気量のうち50%が中央の分
岐吸気通路31bを流れ、残25%,25%がそれぞれ左,右の
の分岐吸気通路31a,31cを流れるように設定されてい
る。これは、後述のように、中央の吸気流量を多くする
ことによって、シリンダヘッド11からの伝熱量を可能な
限り低減させるためである。
また、上記2つの排気弁開口20,21は、このシリンダ
ヘッド11に車両前方に、かつ斜め外方に延びるように別
個に形成された2つの独立排気通路32,32によってエン
ジン前壁に導出されている。この各独立排気通路32の外
側開口32aには排気管33が接続されており、該各排気管3
3は上述のダウンチューブ2cの外側を通って下方に折り
曲げられ、エンジン底部から車両後端まで延びている。
上記吸気弁開口17〜19、排気弁開口20,21には、各開
口を開閉する吸気弁23〜25、排気弁26,27の弁板部が配
置されている。この各吸,排気弁23〜27の弁軸部は分岐
吸気通路31a〜31c、独立排気通路32,32の天井壁部を貫
通してこのシリンダヘッド11の上端開口内に突出してい
る。この突出部の上端に取り付けられたリテーナ34とシ
リンダヘッド11に装着されたばね座11aとの間には付勢
ばね35が配設されており、これにより各弁23〜27は各弁
開口17〜21を閉じるように付勢されている。
そして上記燃焼室Aの中央上方にはカム軸36がこれを
横切るように配設されている。このカム軸36の左,右両
端及び中央はそれぞれ左,右軸受部及び中央軸受部で支
持されており、この左,右軸受部及び中央軸受部は、シ
リンダヘッド11側に形成された下半部とヘッドカバー12
側に形成された上半部とからなる2分割構造になってい
る。また、このカム軸36の一端はチェン室11b内に突出
しており、該突出部に固着されたスプロケット,チェン
を介してクランク軸に連結されている。
そして上記シリンダヘッド11の、上記燃焼室凹部16を
構成する天井壁部16aと、カム軸36等が収容されたカム
室との境界壁16bと、周壁とで囲まれた空間は、ヘッド
側水冷ジャケット15になっている。上記境界壁16bの略
中央にには上記燃焼室Aの中央に連通するプラグ孔22が
形成されており、このプラグ孔22はプラグ挿入孔29によ
ってエンジン外方に導出されている。このプラグ挿入孔
29はシリンダヘッド11,ヘッドカバー12に直線状に形成
された筒部29a,29bで構成された筒状のもので、上記排
気弁25,26と略平行に、該ヘッド側水冷ジャケット15を
貫通して斜め上方に延びている。また上記プラグ孔22に
は点火プラグ30が装着されている。
上記ヘッド側水冷ジャケット15は吸気通路31の外壁面
31eと排気通路32,32の外壁面32b,32bとの間に位置する
中央ジャケット15bと、上記両独立排気通路32,32の外壁
面32b,32b同士の間に位置する排気通路間ジャケット15a
とから構成されている。そしてこのヘッド側水冷ジャケ
ット15は、上記排気通路間ジャケット15aに形成された
中央流入口53a,及び該両排気通路32,32の左,右外側、
つまり中央ジャケット15bの排気側左,右隅部に形成さ
れた左,右流入口53b,53cによって上記シリンダ側水冷
ジャケット10aに連通している。またこの各流入口53a〜
53cは上記各分岐吸気通路31a〜31cと対向している。
また、上記共用吸気通路31の左,右両側位置、つまり
中央ジャケット15bの吸気側左,右隅部には、該ヘッド
側水冷ジャケット15を外方に連通させる左,右流出口54
a,54bが貫通形成されており、またこの流出口54a,54bの
外側に締結ボルト60が位置している。また上記両流出口
54a,54bの外部開口部は、それぞれに装着された接続ジ
ョイント55a,55bを介してジョイントパイプ56aで連結さ
れている。このジョイントパイプ56aは上記キャブジョ
イント57の上側に、つまりシリンダヘッド11と気化器5
8,59との間に配索されており、さらに該ジョイントパイ
プ56aは冷却水リターンパイプ56bによって該シリンダヘ
ッド11の左側を通ってラジエータに接続されている。
次に本実施例の作用効果について説明する。
先ず、冷却水はシリンダ10のシリンダ側水冷ジャケッ
ト10aの下部に供給され、該ジャケット10aから、排気側
の流入口53a〜53cを通ってヘッド側水冷ジャケット15
の、上記両独立排気通路32,32間の排気通路間ジャケッ
ト15a及びその両外側部分に供給される。そしてこの冷
却水は、このヘッド側水冷ジャケット15内を、プラグ挿
入孔29の両側を通って(第1図,第3図参照)、かつカ
ム軸36の中央軸受部39の下方を通って一様に分岐吸気通
路31a〜31c側に流れ、該通路の壁面に沿って左,右に別
れ、左,右の流出孔54a,54bから流出し、ジョイントパ
イプ56a,リターンパイプ56bを通ってラジエータに導か
れる。
次に、外気は気化器58,59で混合気となってキャブジ
ョイント57から共用吸気通路31を通り、分岐吸気通路31
a〜31cで分岐した後燃焼室A内に吸引され、ここで爆発
燃焼し、排気は各独立排気通路32を通って各排気管33か
ら車両後方に排出される。
ここでシリンダヘッド11の温度分布を均一にするに
は、上述のように、シリンダヘッド11の吸気側部分の、
低温の混合気による温度低下、及び排気側部分の、高温
の排気による温度上昇をできるだけ抑制することが必要
である。
本実施例では、吸気側については、3つの分岐吸気通
路31a〜31cを1つの共用吸気通路31に合流させてから外
方に導出しているので、この吸気通路の外周壁(シリン
ダヘッド11自体との境界壁であり、伝熱面となる)の面
積が、3つの通路をそのまま外方に導出した場合に比較
して狭くなり、従ってシリンダヘッド11から上記低温の
混合気側に伝達される熱量がそれだけ減少する。
また上記中央の分岐通路31bは、その左,右側が左,
右の分岐通路31a,31cで挟まれているので、この点から
もシリンダヘッド11からの伝達熱量を軽減できる。即
ち、本実施例では、中央の分岐通路31bを全吸気量の50
%が流れるように設定してあり、流量の点から見れば該
中央分岐通路31bによるシリンダヘッド11の温度低下へ
の影響力は左,右の各分岐通路による影響力よりも大き
い。しかし上述のように中央分岐通路31bは左,右分岐
通路31a,31cで挾まれでいるので、吸気流量が多いにも
関わらず、シリンダヘッド11からの伝熱を抑制できる。
また、排気側については、2つの独立排気通路32を斜
め外側に拡げながら外方に導出するとともに、ヘッド側
水冷ジャケット15の排気通路間ジャケット15aを上記両
独立排気通路32,32間に延長したので、この両独立排気
通路32,32は周囲が水冷ジャケットによって囲まれるこ
ととなり、高温の排気は水冷ジャケット内の冷却水によ
って冷却されて温度が低下し、それだけ排気からシリン
ダヘッド11の排気側部分への伝達熱量が減少する。
このように本実施例ではシリンダヘッド11の吸気側部
分の吸気による温度低下が抑制され、かつ排気側部分の
排気による温度上昇が抑制され、その結果シリンダヘッ
ド11の温度が均一化される。
また、本実施例では、吸気側,排気側部分のカム軸方
向に見た寸法(幅寸法)のバランスが良好である。即
ち、吸気弁3本,排気弁2本の5バルブエンジンでは、
この弁数に応じて吸気側が排気側より幅寸法が大きくな
り、両者のバランスが悪くなる恐れがあるが、本実施例
では排気通路を間隔の開いた2つの独立排気通路32,32
で構成し、これを斜め外方に拡げながら前方に導出した
ので、幅寸法は吸気側,排気側とも略等しくなってい
る。そして上記両独立排気通路32間に上述のヘッド側水
冷ジャケット15の排気通路間ジャケット15aを設けたの
で、開きスペースの有効利用が図られており、また独立
排気通路32を斜め外方に導出したので、排気管33をエン
ジンユニットの前側中央に位置するダウンチューブ2cに
干渉することなく接続できる。
また本実施例の冷却構造では、冷却水は排気側の3箇
所から流入し、吸気側の左,右2箇所から流出するの
で、各部に冷却水が淀むことがなく、シリンダヘッド11
の燃焼室A近辺及び排気通路32,33廻りを均一に冷却で
きる。
さらにまた、左,右流出口54a,54bを連結するジョイ
ントパイプ56aを、気化器58,59とシリンダヘッド11との
間の隙間に配置したので、デッドスペースを有効利用で
き、必要な配管スペースを確保できる。
なお上記第1実施例では、水冷ジャケット15の中央に
1つのプラグ挿入孔29が形成されていたが、このプラグ
挿入孔を2つ設けた場合にも勿論本発明を適用できる。
第5図及び第6図は、点火プラグを左,右側部に2本
配置した本発明の第2実施例であり、第5図は水冷ジャ
ケット部分の断面底面図である。
図において第1図と同一符号は同一又は相当部分を示
し、29d,29eはヘッド側水冷ジャケット15の左,右両側
に配設されたプラグ挿入孔である。また、該ヘッド側水
冷ジャケット15の前部15aは独立排気通路32,32間に延び
ている。
本実施例の冷却構造では、冷却水が、独立排気通路32
間,及びその両側に形成された冷却水流入口53a〜53cか
ら、ヘッド側水冷ジャケット15に上記排気通路間ジャケ
ット15a,及び左,右側部を通って流入し、独立排気通路
32部分を冷却しながら、カム軸36の中央軸受部,左,右
の点火プラグ30a,30bを均等に冷却した後、左,右の流
出口54a,54bから外方に流出することとなる。
また本第2実施例においても、上記第1実施例と同様
に、シリンダヘッド11の温度分布を均一化できる効果が
あり、また幅寸法のバランスが良好になる効果がある。
また、上記第1,第2実施例で、1本のカム軸で吸気
弁,排気弁の両方を駆動するSOHCエンジンについて説明
したが、本発明は別個のカム軸で吸,排気弁を駆動する
DOHCエンジンについても勿論適用できる。
第7図,第8図は直動式DOHCエンジンに適用した第3
実施例を示し、図中、第1図ないし第6図と同一符号は
同一又は相当部分を示す。
図において、シリンダヘッド11は下部ヘッド11bと上
部ヘッド11cとから構成されており、吸気弁23〜25はリ
フタ34aを介して吸気カム軸36aで駆動され、吸気弁26,2
7はリフタ34aを介して排気カム軸36bで駆動されるよう
に構成されている。
また、プラグ挿入孔29は、ヘッドカバー12,上部ヘッ
ド11c,下部ヘッド11bにそれぞれ一体形成された挿入筒
部29a〜29cによって筒状に形成されており、上記排気弁
26,27と平行になるよう傾斜している。
さらにまた、ヘッド側水冷ジャケット15の排気通路間
ジャケット15aは両独立排気通路32,32間に延びており、
冷却水流入口53aによってシリンダ側水冷ジャケット10a
に連通している。
本実施例においても、上記各実施例と同様に、シリン
ダヘッド11の温度分布を均一化できるとともに、吸気
側,排気側の幅寸法バランスが良好になり、かつ独立排
気通路32間の空きスペースを有効利用できる。
さらに本実施例では、プラグ挿入孔29を排気弁側に傾
斜させたので、吸気弁23〜25を垂直側に置こして配置で
き、それだけ燃焼室Aの容積を小さくでき、圧縮比を高
くして出力を増大できる効果もある。
第9図は上記第3実施例の変形例であり、これはスイ
ングアーム式DOHCエンジンを例を示す。
図において、第1図ないし第8図と同一符号は同一又
は相当部分を示す。34bはスングアームであり、各弁は
各カム軸の回転により、このスイングアーム34bを介し
て駆動される。そしてプラグ挿入孔29は左,右の排気弁
26,27間にその一部が位置するように傾斜しており、ま
たヘッド側水冷ジャケット15の前部15aは左,右の独立
排気通路32,32間に延びている。
本実施例においても上記第1ないし第3実施例と同様
の効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明に係る4サイクルエンジンのシリ
ンダヘッド冷却構造によれば、吸気通路を、1つの共用
吸気通路と3つの分岐吸気通路とで構成するとともに、
排気通路を、2つの独立排気通路で構成し、該両独立排
気通路間にヘッド側液冷ジャケットを形成したので、シ
リンダヘッドの吸気通路側部分の温度低下が軽減される
とともに、排気通路側部分の温度上昇が軽減され、その
結果、シリンダヘッドの温度分布を全体的に均一にでき
る効果があり、かつ吸気側,排気側の幅寸法のバランス
を良好にできる効果があり、液冷ジャケットを中央ジャ
ケットと排気通路間ジャケットとを有するものとし、該
排気通路間ジャケット及び中央ジャケットの排気側左,
右隅部に冷却水流入口を形成し、上記中央ジャケットの
吸気側左,右隅部に冷却水流出口を形成したので、この
構成により、比較的低温の冷却水が温度の高い排気側の
3箇所から流入し、温度の低い吸気側の2箇所から流出
することとなり、そのため温度の高い排気側をより確実
にかつ均一に冷却でき、また冷却水が各部で淀むことが
なく、シリンダヘッドの温度分布を均一にできる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の第1実施例によるシリン
ダヘッド冷却構造を説明するための図であり、第1図は
ヘッド側水冷ジャケット部分の断面平面図、第2図は断
面側面図、第3図は第2図のIII−III線断面図、第4図
は本実施例装置が適用された自動二輪車の左側面図、第
5図,第6図は本発明の第2実施例を説明するための図
で、第5図は第6図のV−V線断面図、第6図は断面側
面図、第7図,第8図は本発明の第3実施例を説明する
ための図であり、第7図はその断面側面図、第8図は第
7図のVIII−VIII線断面図、第9図は上記第3実施例の
変形例を説明するため断面側面図である。 図において、11はシリンダヘッド、15は液冷ジャケッ
ト、15aは排気通路間ジャケット、15bは中央ジャケッ
ト、17〜19は吸気弁開口、20,21は排気弁開口、23〜25
は吸気弁、26,27は排気弁、31は共用吸気通路、31a〜31
cは分岐吸気通路、31dは接続開口、32は独立排気通路、
58,59は気化器(燃料供給装置)、Aは燃焼室である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3本の吸気弁,2本の排気弁をそれぞれ燃焼
    室の一側,他側にまとめて、かつ燃焼室周壁に沿うよう
    に配置し、該燃焼室の周囲を覆うように液冷ジャケット
    を形成した4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却構
    造において、上記シリンダヘッドに形成された吸気通路
    を、燃料供給装置接続開口に連通する1つの共用吸気通
    路と、該共用吸気通路から分岐されて上記各吸気弁用開
    口に連通する3つの分岐吸気通路とで構成し、シリンダ
    ヘッドに形成された排気通路を、上記各排気弁用開口を
    各排気管接続開口に別個に導出する2つの独立排気通路
    で構成し、上記液冷ジャケットを、上記吸気通の外壁面
    と排気通路の外壁面との間に位置する中央ジャケット
    と、上記2つの独立排気通路の外壁面同士の間に位置す
    る排気通路間ジャケットとを有するものとし、上記排気
    通路間ジャケット及び中央ジャケットの排気側左,右隅
    部に冷却水がシリンダブロック側から流入する冷却水流
    入口を形成し、上記中央ジャケットの吸気側左,右隅部
    に冷却水が外部に流出する冷却水流出口を形成したこと
    を特徴とする4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却
    構造。
JP1133978A 1989-05-26 1989-05-26 4サイクルエンジンのシリンダヘッド冷却構造 Expired - Fee Related JP2675623B2 (ja)

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