JP2673970B2 - 写真処理剤収納用容器とそのセット - Google Patents

写真処理剤収納用容器とそのセット

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JP2673970B2
JP2673970B2 JP2241831A JP24183190A JP2673970B2 JP 2673970 B2 JP2673970 B2 JP 2673970B2 JP 2241831 A JP2241831 A JP 2241831A JP 24183190 A JP24183190 A JP 24183190A JP 2673970 B2 JP2673970 B2 JP 2673970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感
光材料または感材という)を処理する写真処理剤を収納
する写真処理剤収納用容器を複数個組み合わせた写真処
理剤収納用容器とそのセットに関する。
<従来の技術> 感光材料の湿式処理は、処理槽内に満たされた例えば
現像液のような処理液中に感光材料を浸漬することによ
り行なわれるが、感光材料を連続的に自動処理するよう
な場合には、処理槽内の処理液の活性度を一定に保つた
めに、新たな処理用補充液(以下、補充液という)を補
充する必要がある。
そのため、補充用タンクから、少量の補充液を適時処
理槽内に供給しつつ処理作業を行なうようにしている。
この場合、補充用タンクに貯溜される補充液自身は別
の場所で作製され、必要に応じて補充用タンク内に補給
されるのが普通であるが、その作製にあたっては、従来
から次のような手作業的な方法が採られている。
以下、この手作業による作製方法を現像液を例にして
説明する。
第10図に示すように、ボルトのような容器Xa、Xbおよ
びXcにそれぞれ入れられた例えば3種類の写真処理用の
パーツ剤P1A、P1BおよびP1Cと、混合撹拌用のタンクT1
とを準備する。なお、このタンクT1には、作製する現像
補充液の量に見合った量の希釈液(希釈水)W1が予め入
れられている。
次に、1回の現像補充液作製に必要な各パーツ剤P
1A、P1BおよびP1Cの量を計量し、これらを各々の容器Xa
〜Xcから個別に薬剤用ビーカーYa、YbおよびYcに入れて
おく。そして、タンクT1へ薬剤用ビーカーYa、Ybおよび
Ycからパーツ剤を、その混合順序に従って投入し、混合
撹拌する。例えば、まず始めにパーツ剤P1AをタンクT1
へ投入し、充分に混合撹拌し、次にパーツ剤P1Bを投入
し、充分に混合撹拌し、その後パーツ剤P1Cを投入し、
混合撹拌して所定の配合比を持った現像補充液P1を作製
する。
このような作製方法は、補充用の定着(漂白・定着)
液P2や洗浄液Ps等についても同様である。
そして、このようにして作製された補充用処理液P1
P2およびPsは、その都度、これも手作業により、感光材
料処理装置に設置されたそれぞれの補充用タンク(サブ
タンク)に補給されるようになっている。
しかしながら、補充作業を含めたこれらの作業は、そ
の全てが手作業により行なわれ、しかもその作業は煩雑
であるため、特に、作業者が未熟練者である場合や補充
する回数の多い場合等には、補充液の作製に時間がかか
り、また、各パーツ剤の配合比を間違えたり、ある種の
パーツ剤を混合し忘れたりして、補充液の組成が不適正
なものとなることがある。さらには、作業中にパーツ剤
が飛散して、人体(特に手)や衣服または周辺機器に付
着し、汚損、あるいは病気の原因となるという問題もあ
る。
また、各パーツ剤の一回当りの消費量に差があるた
め、容量の等しい薬剤容器(ボトル)を用いた場合に
は、薬剤容器の交換サイクルに差が生じ、管理が煩雑と
なる。
これらの問題を回避するため、予め大量の補充液を作
製して予備タンク等に貯溜し、必要に応じてこれを補給
するという方法も考えられるが、この方法では、貯溜さ
れている間に補充液の蒸発や変質、劣化(酸化等)が生
じ、感光材料の写真性の低下を招くという問題や、大容
量の予備タンクの設置による装置の大型化の問題が生じ
好ましくない。
さらに、容器Xa、XbおよびXcは、硬質であり、つぶし
て平坦な形状とすることも困難であるため、空になった
容器を廃棄処理するにあたり、大きなスペースをとり、
また廃棄すること自体も環境上問題となっていた。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、
各種処理液の作製作業に費やす労力および時間を軽減す
るとともに、写真処理剤収納用容器に写真処理剤の残存
がなく、しかも廃棄が容易な写真処理剤収納用容器とそ
のセットを提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明によ
り達成される。
(1)複数個の写真処理剤収納用容器を具え、 この写真処理剤収納用容器は、収縮時に内部空間の容
積が実質的にゼロとなる可撓性を有する容器本体と、 この容器本体の口部に固着され、一端が前記容器本体
の内部まで延長されているチューブ体と、 このチューブ体の容器本体外に露出している部分に形
成され、写真処理剤収納用容器を支持する容器支持部
と、 前記チューブ体の流路を封止する封止手段とを有し、 前記複数個の写真処理剤収納用容器には、写真処理剤
が充填されており、 前記写真処理剤収納用容器は、写真処理剤収納用容器
を前記容器支持部にて支持した状態で、前記チューブ体
の流路の封止を解除した後、チューブ体を吸引手段の吸
引ノズルと気密的に連結し、この吸引手段の作動により
前記容器本体内の写真処理剤を吸引して取り出すように
使用され、 写真処理剤が取り出されて空になったときには、前記
容器本体はチューブ体を挟むように平坦になる写真処理
剤収納用容器セット。
(2)前記容器本体は、ガスバリア性を有するものであ
る上記(1)の写真処理剤収納用容器セット。
(3)前記容器本体は、樹脂シートと金属箔との積層体
で構成されている上記(1)または(2)の写真処理剤
収納用容器セット。
(4)前記容器本体内における前記チューブ体の前記口
部付近に側孔が形成されている上記(1)ないし(3)
のいずれかの写真処理剤収納用容器セット。
(5)前記封止手段は、前記チューブ体の流路を封止す
る破断可能な膜を有するものである上記(1)ないし
(4)のいずれかの写真処理剤収納用容器セット。
(6)各写真処理剤収納用容器内にハロゲン化銀写真感
光材料を処理する処理液を構成するパーツ剤がそれぞれ
充填された上記(1)ないし(5)のいずれかの写真処
理剤収納用容器セット。
(7)各写真処理剤収納用容器内に充填されるパーツ剤
の量が、それらのパーツ剤の混合比率に対応したものと
なっている上記(6)の写真処理剤収納用容器セット。
(8)各写真処理剤収納用容器は、複数の写真処理剤収
納用容器を一括して支持する支持手段にその容器支持部
にて支持されるものである上記(1)ないし(7)のい
ずれかの写真処理剤収納用容器セット。
(9)各写真処理剤収納用容器の容器支持部は、前記支
持手段に対し着脱自在である上記(8)の写真処理剤収
納用容器セット。
(10)前記吸引ノズルは、先端に向かって外径が漸減す
るテーパ部を有する上記(1)ないし(9)のいずれか
の写真処理剤収納用容器セット。
(11)収縮時に内部空間の容積が実質的にゼロとなる可
撓性を有する容器本体と、 この容器本体の口部に固着され、一端が前記容器本体
の内部まで延長されているチューブ体と、 このチューブ体の容器本体外に露出している部分に形
成され、写真処理剤収納用容器を支持する容器支持部
と、 前記チューブ体の流路を封止する封止手段とを有し、 前記写真処理剤収納用容器には、写真処理剤が充填さ
れており、 前記写真処理剤収納用容器は、写真処理剤収納用容器
を前記容器支持部にて支持した状態で、前記チューブ体
の流路の封止を解除した後、チューブ体を吸引手段の吸
引ノズルと気密的に連結し、この吸引手段の作動により
前記容器本体内の写真処理剤を吸引して取り出すように
使用され、 写真処理剤が取り出されて空になったときには、前記
容器本体はチューブ体を挟むように平坦になる写真処理
剤収納用容器。
(12)内部にハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理
液を構成するパーツ剤が充填された上記(11)の写真処
理剤収納用容器。
<作用> 本発明では、パーツ剤のような写真処理剤が充填され
た各写真処理剤収納用容器(以下、単に容器という)を
その容器支持部にて支持し、この状態でチューブ体の封
止を解除し、その後、このチューブ体に吸引手段の吸引
ノズルを連結し、容器内の写真処理剤を吸引して取り出
す。
このようにして、取り出された各パーツ剤は、処理液
種類毎に、例えば希釈液により希釈しつつ混合され、所
定濃度の補充液とされる。
容器内のパーツ剤の全量が取り出されると、容器本体
は収縮し、その内部空間の容積が実質的にゼロとなる。
従って、容器内にはパーツ剤が残存せずムダがない。
このようにして空になった容器は、取り外された後、
そのまま、または折りたたむ等して容易に廃棄すること
ができる。
そして、再び、パーツ剤か充填された新たな容器セッ
トする。
この場合、各容器内に充填されるパーツ剤の量が、そ
れぞれのパーツ剤の混合比率に対応したものとなってい
れば、各容器内のパーツ剤は、同時に空になるので、容
器の交換サイクルが一致し、容器交換の手間が軽減され
る。
<実施例> 以下、本発明の写真処理剤収納用容器を添付図面に示
す好適実施例に基いて詳細に説明する。
第1図は、本発明の写真処理剤収納用容器セットの構
成例を示す斜視図である。同図に示すように、写真処理
剤収納用容器セット2は、複数個の写真処理剤収納用容
器60を並設して、これらを包材3内に収納し、必要に応
じ、バンド4を掛けて縛ったものである。
図示の例では、6個の容器、すなわち、後述する現像
液P1を構成するパーツ剤が充填された容器11、12および
13と、定着液(漂白・定着液)P2を構成するパーツ剤が
充填された容器21および22と、洗浄液Psを構成するパー
ツ剤が充填された容器31とがひとまとめにして包材3内
に収納されている。
包含3内における各容器11、12、13、21、22、31の配
列(収納順序)は任意でよいが、好ましくは、後述する
支持手段8に容器を支持する際の配列と等しい配列とし
ておくのがよい。これにより、容器のセット位置を間違
えることがなくなり、処理液の作製を容易かつ適正に行
なうことができる。
なお、図示の例では、6個の容器11、12、13、21、2
2、31の組み合わせを写真処理剤収納用容器セット2と
しているが、本発明はこれに限らず、例えば、現像液P1
を構成するパーツ剤に関する容器11、12および13のみを
ひとまとめにして包材3内に収納したものでもよい。
包材3としては、複数の容器60を収納可能なものであ
ればいかなるものでもよく、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリスチレン、ABS樹脂または紙材等で構成され
る袋状のもの、硬質樹脂、厚紙、ダンボール紙等で構成
される箱状のもの等が挙げられる。
バンド4としては、各種ゴム、樹脂、布、皮等で構成
されたものが挙げられる。
また、本発明の写真処理剤収納用容器セットは、複数
の容器60を包材3内に収納したものに限らず、各容器を
単に束ねたものや、ベルト、バンド等の連結部材により
連結したものでもよい。
次に、容器60の構成について説明する。
第2図は、容器の構成例を示す斜視図である。同図に
示すように、容器60は、容器本体61を有する。この容器
本体61は、復数枚の可撓性を有するシート材(図示の例
では4枚)の端部同士を融着または接着によりシールし
たものであり、膨張、収縮することにより、内部空間の
容積が変化する。
この容器本体61を収縮させると、容器本体61は平坦な
シート状となり、内部空間の容積が実質的にゼロとな
る。これにより、写真処理剤の残存することなくほぼ全
量が取り出され、ムダがない。
容器本体61を構成するシート材としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、スチ
レン系樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリフ
ェニレンサルファイド、酢酸セルロース、シリコーン、
ポリウレタン、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂等の樹脂シート、または鉛、アルミニウム等の比
較的軟質な金属箔、あるいはこれらのうちの任意を積層
したもの等が挙げられる。
容器本体61は、ガスバリア性を有するものであるのが
好ましく、具体的には、酸素透過量が、50ml/m2・atm・
day(30℃)以下、特に20ml/m2・atm・day(30℃)以下
とするのが好ましい。
これにより、容器60内で写真処理剤を保存中に、大気
中の酸素等が容器本体61を透過して写真処理剤中に混入
し、写真処理剤が変質、劣化(特に酸化)することが防
止され、長期間にわたり良好な状態が維持される。
このようなガスバリア性を容易に得ることができる容
器本体61としては、容器本体61を構成するシート材に樹
脂シートと金属箔との積層体を用いたものが挙げられ
る。
例えば、第5図に示すように、樹脂シート61a、樹脂
シート61b、金属箔61cおよび樹脂シート61dをこの順に
重ねて圧着(ラミネート)したものが挙げられる。この
場合、樹脂シート61aはポリプロピレン、樹脂シート61b
ポリアミド、金属箔61cはアルミ箔、樹脂シート61dはポ
リエステルとしたものが挙げられる。
なお、このようなシート材では、金属箔61cを有して
いるため、容器本体61は、光遮断性をも有し、写真処理
剤の変質、劣化防止にとってより好ましい。
また、容器本体61の外表面には、内容物の種類や充填
量等の表示が付されていてもよい。
このような容器本体61の口部62には、チューブ体64が
固着されている。図示の構成では、容器本体61の上端部
のシール部63において、チューブ体64がシート材間に介
挿された状態でシールすることにより固着されている。
第3図に示すように、チューブ体64の図中上端は容器
本体61外に露出し、チューブ体64の図中下端は容器本体
61の内部の所定位置まで延長されている。
さらに、容器本体61内におけるチューブ体64の口部62
付近に複数の側孔65が形成されている。
このように、チューブ体64の下端を容器本体61の内部
まで延長し、さらに口部62付近に側孔65を設けたことに
より、容器本体61内の写真処理剤は、容器60の状態に応
じ、チューブ体64の下端開口および/または側孔65より
吸引される。よって、容器60の状態にかかわらず、容器
内の写真処理剤を残存することなく吸引することができ
る。
チューブ体64の容器本体61外に露出した部分には、容
器60を支持する容器支持部66が形成されている。図示の
例では、容器支持部66は、チューブ体64の長手方向に沿
って3段に形成された鍔状のリブである。
例えば、後述する処理液作製装置1における容器60を
保持する箇所には、容器支持部66と嵌合しうる形状のブ
ラケット80を有する支持手段が設置され、このブラケッ
ト80に容器支持部66を嵌合することにより容器を支持す
る。
ここで、支持手段としては、第6図に示すように、複
数の容器60、特に写真処理剤収納用容器セット2の全て
の容器11、12、13、21、22および31を一括して支持する
支持手段8を用いるのが好ましい。このような構成とす
ることにより、各容器内におけるパーツ剤の残量を集中
管理することができ、また、容器の交換も一括して行な
うことができるという利点がある。
この支持手段8は、ステー81に、所定の間隔をおいて
前述したブラケット80が固着されたものである。
また、各容器11、12、13、21、22および31の容器支持
部66は、対応するブラケット80に対し、着脱自在に嵌合
する構成とするのが好ましい。これにより各容器の交換
を容易に行なうことができる。
なお、各容器11、12、13、21、22および31を支持手段
8に支持するに際しては、写真処理剤収納用容器セット
2の包材3を開封し、各容器を包材3内から取り出して
支持手段8に装置するか、または、包材3を開封し、各
容器の容器支持部66を包材3外に露出し、各容器を包材
3こど支持手段8に装着することができる。後者の場合
には、空になった各容器を廃棄する際にも、包材3ごと
まとめて廃棄することができ、取り扱いが容易である。
本発明では、各容器11、12、13、21、22および31にお
ける容器支持部66の形状、寸法等(例えばリブの数や形
状、寸法)をそれぞれ異なるものとし、対応するブラケ
ット80にのみ嵌合可能なようにすることもできる。
これにより、容器を支持手段8の誤った位置にセット
することが防止され、処理液作製を適正に行なうことが
できる。
また、同様の目的で、各容器11、12、113、21、22お
よび31の容器支持部66や容器本体61と、これに対応する
ブラケット80との色彩を、それぞれ同一とすることもで
きる。
なお、この容器支持部66は、チューブ体64に一体的に
形成されているのが好ましい。
第6図に示す例では、支持手段8は、全ての容器11、
12、13、21、22および31を一括して支持するものである
が、本発明では、これに限らず、例えば第7図に示す構
成のように、現像液P1を構成するパーツ剤に関する容器
11、12および13を一括して支持するものでもよい。
また、支持手段8における各容器60を支持する配列、
形態は、第6図に示すような1列配置に限らず、例え
ば、縦または横方向に2列以上配置したり、環状に配置
したりしてもよい。
さらに、各容器60は、チューブ体64が鉛直方向となる
ように支持しても、水平方向または水平方向に対し所定
角度傾斜した方向となるように支持してもよい。
第2図および第3図に示すように、容器支持部66の図
中上方のチューブ体64外周面には、雄ねじ67が形成され
ている。
チューブ体64の構成材料としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリアミド、ポリエステル、フェ
ノール樹脂等の樹脂、アルミナ等のセラミックス、また
は、ステンレス、アルミニウム、チタン、ハステロイ等
の各種金属等が挙げられる。
第3図に示すように、チューブ体64の上端部には、チ
ューブ体64の流路を封止する封止手段として、キャップ
68が装着される。このキャップ68の内周面には、前記雄
ねじ67と螺合しうる雌ねじ69が形成されており、これら
を螺合してキャップ68を装着することにより、容器60の
気密性または液密性が維持される。
容器60内の写真処理剤を取り出すときには、まず、チ
ューブ体64からキャップ68を取り外し、次に、後述する
吸引手段の吸引ノズル76を第3図中の矢印で示す方向に
相対的に移動して、チューブ体64の上端開口70に挿入、
密着させ、この吸引ノズル76の先端部側方に形成された
複数の孔77より吸引する。
第4図は、封止手段の他の構成例を示す。同図に示す
ように、封止手段は、雄ねじ67と螺合しうる雌ねじ72が
形成されたキャップ71を有し、このキャップ71の頂部に
は、開口73が形成されている。
さらに、キャップ71の内側からこの開口73を封止する
ように、膜74が貼着されている。この膜74は、容器60の
気密性または液密性を保持することができるものである
とともに、例えば突起や刃先により刺通し、破断するこ
とが可能なものである。
この膜74の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アミド等の樹脂、アルミニウム、鉛等の金属、あるいは
これらの積層体が挙げられる。
容器60内の写真処理剤を取り出すときには、吸引ノズ
ル76を第4図中の矢印で示す方向に相対的に移動し、吸
引ノズル76の先端にて膜74を破断し、さらに、チューブ
体64の上端開口に挿入、密着させた後、この吸引ノズル
76の先端部側方に形成された孔77より吸引する。
なお、吸引ノズル76先端部は、先端に向かって外径が
漸減するテーパ状をなしており、図中矢印方向に移動す
ると、そのテーパ部78がチューブ体64の上端開口70また
は開口73を通してチューブ体64の内部に挿入されてセッ
トされた位置にくると、上端開口70または開口73の縁部
全周に係合して気密的に連結されるようになっている
が、気密性をさらに高めるために、上端開口70または開
口73の縁部全周や吸引ノズル76のテーパ部78外周面に各
種ゴムや軟質樹脂等の弾性材料で構成されるシール部材
(図示せず)を設置してもよい。
テーパ部78のテーパ角度(吸引ノズル76の軸に対する
角度)は、特に限定されないが、10〜45°程度、特に、
20〜30°程度とするのが好ましい。
また、孔77は、テーパ部78の先端部外周面に形成され
ているため、吸引不良が生じにくく、残液がないという
利点がある。
チューブ体64の上端開口70および開口73の直径は、特
に限定されないが、挿入される吸引ノズル76との関係
で、5〜15mm程度、特に、7〜12mm程度とするのが好ま
しい。
なお、吸引ノズルの形状は図示のものに限定されず、
チューブ体64の上端部と気密的に嵌合(例えば螺合)と
うるカプラーまたはその他任意の構造のものが可能であ
る。
次に、本発明の容器を用いた処理液作製システムにつ
いて説明する。
第7図は、現像液P1、定着液(漂白・定着液)P2およ
び洗浄液Psを同時または順次に作製しうる処理液作製装
置の構成例を示すものである。同図に示す処理液作製装
置1は、処理液の種類毎に3つの処理液作製系統を有し
ている。
まず、現像液P1の作製系統10であるが、この系統10に
は、容器11、12および13、支持手段85、吸引手段14、ス
タティックミキサー15および補充液タンク16が設けられ
ている。
支持手段85は、その基本的構成において前記支持手段
8と同様であり、この支持手段85には、前記容器60と同
様の構成の容器11〜13がその支持部66にて支持されてい
る。
容器11〜13の内部には、それぞれ現像液P1の構成成分
である例えば3種類のパーツ剤P1A、P1B、P1Cが別個に
充填されている。これらのパーツ剤P1A、P1B、P1Cは、
例えば水溶性のペースト状薬剤または濃縮液薬剤として
構成されている。
なお、本発明では同一種の写真処理を2以上の容器に
充填したものを含んでいてもよく、また、1つの容器内
に現像液P1またはその濃縮液を充填したものでもよい。
なお、各容器11〜13内に収納される写真処理剤がパー
ツ剤であれば、保存中に変質や析出物の発生等が難く、
保存性に優れるので好ましい。
また、各パーツ剤が、それぞれ独立した容器11〜13に
入れられているため、前述した容器内に現像液P1または
その濃縮液を充填した場合と異なり、後述する成分補充
が可能となる。従って、より適正で、微妙な処理液の組
成(濃度)管理を容易に行なうことができ、処理装置の
高性能化、ハイテク化に対応することができる。
なお、パーツ剤入りの容器11〜13は、現像液を完成す
るのに必要なパーツ剤の全種類(すなわち、パーツ剤P1
A、P1BおよびP1C)を用意する場合と、それらのうちの
一部(例えば、パーツ剤P1Aのみ)を用意する場合とが
可能である。
前者は、通常の補充、特に処理劣化に対応するための
補充の場合であり、後者は、例えば径時劣化に対応する
ために、補充液中の特定の成分(例えば保恒剤)を補充
する場合(成分補充)である。
吸引手段14は、3本のパイプ17a、17bおよび17cと、
これらのパイプ17a〜17cの途中にそれぞれ設置されたポ
ンプ18a、18bおよび18cと、各パイプ17a〜17cの一端に
それぞれ装着された吸引ノズル76とで構成されている。
また、各パイプ17a〜17cの他端は、後述するスタティッ
クミキサー15の薬剤注入口155、156および157に接続さ
れている。
なお、図示の例では、ポンプ18a〜18cはベローズポン
プであるが、これに限らず、例えばローラポンプを用い
ることもできる。
吸引ノズル76を各容器11〜13のチューブ体62に接続し
た状態で、ポンプ18a〜18cを作動すると、各容器11〜13
内のパーツ剤P1A、P1BおよびP1Cは、吸引ノズル76より
吸引され、パイプ17a〜17cを経てスタティックミキサー
15へ供給される。
容器11〜13が空になったら、容器11〜13を取り外し、
パーツ剤が充填されている新たな容器11〜13に交換す
る。この場合、空の容器11〜13は、平坦な形状となって
いるため、そのまま、あるいは折たたんで廃棄すること
ができ、便利であるとともに、廃棄した際のスペースも
小さいという利点がある。
本発明では、各容器11〜13内のパーツ剤P1A〜P1Cをポ
ンプ18a〜18cにより吸引して取り出すため、閑散期補充
のような補充成分を変更する場合などには、独立して補
充量が制御できるという利点があり、また、チューブ状
の容器内に入れられたパーツ剤を押し出して取り出す構
成のもの(特開昭61−73956号公報)に比べ、成分ごと
の補充や、蒸発対策としての加水補充ができるなど、多
目的、多機能の補充ができるという利点がある。
各容器11〜13内に充填されるパーツ剤P1A、P1Bおよび
P1Cの量は、それらのパーツ剤の配合比(混合比率)に
対応した量とするのが好ましい。
例えば、パーツ剤P1A、P1B、P1Cを1:2:3の割合で配合
する場合には、容器11、12および13の容積をほぼ等しい
ものとし、パーツ剤P1A、P1BおよびP1Cの充填量をそれ
ぞれ1:2:3の割合とするか、あるいは、容器11、12およ
び13自体の容積を1:2:3の比率に設定しておくことがで
きる。
これにより、各容器11〜13の内容物が同時に空になる
ため、各容器の交換のサイクルが一致し、交換の手間が
軽減される。
なお、成分補充を行なう場合には、補充すべきパーツ
剤の入った容器(例えば容器11)のみをセットするか、
または、必要なポンプ(例えばポンプ18)のみを作動す
ることにより実行する。
スタティックミキサー15は、第8図および第9図にそ
の詳細を示すように、下端部に縮径した吐出口151が形
成された細長い円筒状の外周壁152を有し、その内部に
は、それぞれ90度に捻られた複数個の捻り撹拌板153
が、互いにその端面が直交するような状態で多段配置さ
れた構造となっている。
この場合における捻り撹拌板153の形状、大きさおよ
び設置数は、各パーツ剤P1A、P1B、P1Cに対する混合撹
拌性能を考慮して適宜決定される。
外周壁152には、外周壁の長手方向に所定の配置で薬
剤注入口155、156、157が形成されており、これらの各
薬剤注入口155〜157には、それぞれパイプ17a〜17cが接
続されている。
なお、スタティックミキサー15の各薬剤注入口155〜1
57に対するパイプ17a〜17c(容器11〜13)の接続順序
は、例えば各容器11〜13内のパーツ剤の種類、流出量の
大小、または、各パーツ剤の性質等に基いて好適な位置
に設定することができる。
また、スタティックミキサー15の上端開口部154に
は、後述する希釈液注入用のパイプ49aが連結されてい
る。
このように、スタティックミキサー15は、その内部流
路の長手方向に沿った所定の位置から所定のパーツ剤お
よび希釈水を投入することができる。これにより、各パ
ーツ剤および希釈水を最適な混合順序で混合することが
できる。
このようなスタティックミキサー15により各パーツ剤
および希釈液を混合して得られた現像液P1の補充液は、
スタティックミキサー15の吐出口151より流出し、直下
にある補充液タンク16内に貯溜される。
パイプ17a、17b、17c、49aは、例えばポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドのよう
な可撓性かつ耐薬品性を有する材料で構成されているの
が好ましい。
なお、本発明では、スタティックミキサー以外の混合
撹拌手段、例えば振動子等を有する可動式のものを用い
てもよい。
次に、定着液(漂白・定着液)P2の作製系統20である
が、この系統20には、容器21および22、前記現像液作製
系統10でのものと同様の支持手段86、吸引手段24および
スタティックミキサー25が設けられている。
容器21および22内には、それぞれ、定着液P2の構成成
分である例えば2種類のパーツ剤P2AおよびP2Bが充填さ
れている。
支持手段86には、2つの容器21および22が支持されて
いる。
吸引手段24は、2本のパイプ27aおよび27bと、これら
のパイプ27aおよび27bの途中にそれぞれ設置されたポン
プ28aおよび28bと、各パイプ27a、27bの一端にそれぞれ
装着された吸引ノズル76とで構成されている。また、各
パイプ27a、27bの他端は、それぞれ、スタティックミキ
サー25の2つの薬剤注入口に接続されている。
次に、洗浄液Psの作製系統30であるが、この系統30に
は、容器31、支持手段87、前記作製系統10および20での
ものと同様の吸引手段34およびスタティックミキサー35
が設けられている。
容器31内には、洗浄液Psへの添加成分である例えば1
種類のパーツ剤PsAが充填されている。
支持手段87には、1つの容器87が支持されている。
吸引手段34は、1本のパイプ37aと、このパイプ37aの
途中に設置されたポンプ38aと、パイプ37aの一端に装着
された吸引ノズル76とで構成されている。また、パイプ
37aの他端は、スタティックミキサー35の薬剤注入口に
接続されている。
なお、処理液作製装置1においては、処理液の作製系
統ごとに支持手段85、86および87が設けられているが、
これらの支持手段85、86および87に代わり、全容器11、
12、13、21、22および31を一括して支持する支持手段8
を用いてもよい。
第7図に示すように、各々の処理液作製系統10、20、
30は、共通の希釈液供給装置40と組み合され、各作製系
統10、20、30から送り出された所定量の各パーツ剤は、
この希釈液供給装置40から供給される希釈液Wによって
所定の濃度に希釈される。
この希釈液供給装置40は、希釈液貯溜タンク41を主要
部とする装置として構成されている。この希釈液貯溜タ
ンク41は、内部の上方空間にイオン交換フィルター42が
取り付けられ、例えば電磁弁のごときバルブ手段43を介
して連接された外部の水道水供給設備(図示せず)等か
ら供給される水道水をフィルター42の通過により純水に
変え、このタンク41内に貯溜し得るように構成されてい
る。
また、希釈液貯溜タンク41の内部の2個所には、タン
ク41内の液量を検出するためのセンサー44aおよび44bが
設置されており、該センサー44a、44bからの信号に基づ
くバルブ手段43の開閉制御により、貯溜タンク41内に貯
溜される純水(希釈液)Wの液量を、所定の液量(常用
液量)範囲内に保ち得るように構成されている。
希釈液貯溜タンク41の下部には、タンク41内と連通す
る希釈液送液用の3本のパイプ49a、49bおよび49cの一
端が接続され、各パイプ49a、49b、49cの他端は、それ
ぞれスタティックミキサー15、25、35の上端開口部154
に接続されている。
このパイプ49a〜49cの途中には、各系統10、20、30毎
に独立する3個のポンプ46、47、48が設置されている。
このポンプ46、47、48を作動すると、希釈液貯溜タン
ク41から吸引された希釈液Wは、パイプ49a〜49cを介し
て、各作製系統10、20、30のスタティックミキサー15、
25、35にそれぞれ所望の流量で供給される。
なお、ポンプ46〜48に代り、1つのローラポンプ(図
示せず)により希釈液Wを各スタティックミキサー15、
25、35に送液することもできる。この場合、パイプ49
a、49b、49cには、それぞれ希釈液Wの供給量に対応し
た内径を有するポンプチューブを接続し、各ポンプチュ
ーブをローラポンプのローラにて同時にしごくことによ
り、各スタテックミキサー15、25、35に、所望流量の希
釈液が供給される。
さて、3つの作製系統10、20、30と希釈液供給装置40
とは、自動制御部50により次のように制御されるが、そ
の制御方法を補充用現像液P1を例にして説明する。
この自動制御部50は、適宜の演算機能、記憶機能、警
報機能等を有する。
記憶機能には、下記〜等の基礎データが記憶され
ている。
目的とする補充用現像液P1を作製するときの各パー
ツ剤P1A、P1B、P1Cの配合比と希釈後の濃度 一回の補充用現像液P1を作製する際に要する各パー
ツ剤の必要量と希釈液Wの必要量 各容器11〜13の容量 各容器11〜13から必要量のパーツ剤を吸引するのに
要するポンプ18a〜18cの出力や作動時間 必要量の希釈液Wをスタティックミキサー15に供給
するのに必要なポンプ46の出力や作動時間 希釈液貯溜タンク41内の希釈液Wを常用液量に保つ
のに必要なバルブ手段43の開閉条件 補充用現像液P1の作製シーケンス 成分補充を行なう場合の上記〜 補充用現像液P1の作製に際し、自動制御部50を作動さ
せると、作製シーケンスが進行を開始して、まず、液量
検出センサー44a、44bをチェックし、希釈液貯溜タンク
41内の希釈液Wが常用液量範囲内にあるか否かの判定を
行なう。
このとき、希釈液Wが不足していると判定された場合
には、自動制御部50からバルブ手段43へ命令信号が出力
されてバルブ手段43が開状態となり、水道水を流入させ
ると共にイオン交換フィルター42により純水化して不足
分を補充する。
次に、各容器11〜13からのパーツ剤の吸引を開始す
る。すなわち、自動制御部50よりポンプ18a〜18cを作動
する命令信号が出力され、各ポンプ18a〜18cは、それぞ
れ、所定時間作動して、各容器11〜13からそれぞれのパ
ーツ剤P1A、P1B、P1Cが吸引される。吸引されたパーツ
剤は、パイプ17a〜17cを介してスタティックミキサー15
内に送られる。
なお、各ポンプ18a〜18cの総吐出量は、自動制御部50
に予めまたは随時の設定により記憶されている一回の現
像液P1の作製に必要な各パーツ剤の量に応じて決定さ
れ、その制御は、例えば内蔵するタイマーにより各ポン
プ18a〜18cの作動時間をコントロールする等の方法によ
り行なわれる。
また、各パーツ剤の吸引とほぼ同時期に、希釈液Wの
供給を開始する。すなわち、自動制御部50よりポンプ46
を作動する命令信号が出力され、ポンプ46を作動し、パ
イプ49aを介して必要量の希釈液Wをスタティックミキ
サー15内に流入させる。
これにより、各パーツ剤P1A、P1B、P1Cと希釈液Wと
は、スタティックミキサー15内で良好に混合、撹拌され
て現像液P1となり、スタティックミキサー15の吐出口15
1から吐出し、補充液作製用タンク16内に落下して、目
的量の現像液P1が作製される。
なお、希釈液Wの供給量は、自動制御部50に予めまた
は随時の設定により記憶されている一回の現像液P1の作
製に必要な希釈液Wの量に応じて決定され、その制御
は、例えば内蔵するタイマーによりポンプ46の作動時間
をコントロールする等の方法により行なわれる。
このような現像液P1の作製に関する制御は、定着液P2
および洗浄液Psについても同様に行なわれる。すなわ
ち、自動制御部50には、定着液P2および洗浄液Psに関す
る前記と同様の基礎データが記憶されており、これらに
基づいて制御することにより、目的量の定着液P2および
洗浄液Psが作製される。
この場合、3種類の処理液P1、P2、Psの作製順序につ
いては、それぞれの処理液に係る作製系統10、20、30の
作動順序を定める作製シーケンスの作製順位設定の如何
により、同時作製または任意の順序での作製のいずれを
も選択することが可能である。
このように、各処理液の作製系統10、20、30に対し、
共通の希釈液供給装置40を有していることから、次のよ
うな利点がある。
1) 希釈液供給装置、特に希釈液貯溜タンク41の共有
により、装置の小型化が図れる。
2) 希釈液Wの供給に必要な制御(例えば、希釈液貯
溜タンク41内の液量保持)が容易となる。特に、前述の
ローラポンプを用いた場合には、送液手段の簡素化とと
もに、供給量の設定を含む送液に伴う制御が容易とな
る。
3) 例えば、イオン交換フィルター42の交換等のメイ
ンテナンスが統一的に行なわれ、作業労力の軽減とな
る。
なお、第5図に示す処理液作製装置1では、作製され
た現像液P1、定着液P2および洗浄液Psは、それぞれ補充
液タンク16、26および36に貯溜されるようになっている
が、作製された現像液P1、定着液P2および洗浄液Psを、
それぞれ感光材料処理装置の現像槽、定着槽および洗浄
槽(またはこれらの槽に連通するよう連結されたサブタ
ンク)に直接投入してもよい。
本発明の容器内に収納されるパーツ剤の具体例として
は、次のようなものが挙げられる。
カラーペーパー用 [現像液作製用パーツ剤] A剤:炭酸カリウム 水酸化カリウム キレート剤 の混合 B剤 硫酸ヒドロキシルアミン溶液 C剤 4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスル
ホンアミドエチル)−m−トルイジン硫酸塩 ベンジルアルコール ジエチレングリコール の混合 [漂白・定着液作製用パーツ剤] A剤:チオ硫酸アンモニウム 重亜硫酸ナトリウム の混合 B剤 エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム アンモニア水 の混合 [洗浄液作製用パーツ剤] A剤:二塩化イソシアヌール酸ナトリウム溶液 カラーネガフィルム用 [現像液作製用パーツ剤] A剤:亜硫酸ナトリウム 臭化カリウム 重炭酸ナトリウム 炭酸カリウム の混合 B剤:水酸化カリウム 硫酸ヒドロキシルアミン ジエチレントリアミン五酢酸 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 の混合 C剤:4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)
アミノ]−2−メチルアニリン [漂白液作製用パーツ剤] A剤:硫酸アンモニウム アンモニア水 の混合 B剤:エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水
塩 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 臭化アンモニウム の混合 [定着液作製用パーツ剤] A剤:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 重亜硫酸ナトリウム アンモニア水 の混合 B剤:チオ硫酸アンモニウム [洗浄液作製用パーツ剤] A剤:二塩化イソシアヌール酸ナトリウム溶液 [安定液作製用パーツ剤] A剤:ホルマリン モノエチレングリコール ポリエチレンオキサイド の混合 なお、上記パーツ剤は一例であって、これらに限定さ
れるものではない。
以上説明した通り、処理液作製装置1は、本発明の写
真処理剤収納用容器セットを構成する各容器より、所要
の配合比に基くパーツ剤の必要量を吸引して取り出すと
ともに、パーツ剤を所定の濃度に希釈する希釈液を供給
し、各パーツ剤と希釈液とを作製すべき処理液毎に設け
た混合撹拌手段において混合、撹拌することにより、所
定の濃度に希釈された処理用補充液を作製することがで
き、しかもこれらを自動制御の下で行なうことができ
る。
従って、未熟練者であっても、簡単な操作で正確な各
種処理用補充液の作製作業を行なうことができる。
しかも、補充液の作製作業は自動的に行なわれ、手作
業の依存度が少ないため、パーツ剤が手、衣服または周
辺機器に付着して汚れるといったことがなく、衛生上、
環境上好ましい。
また、処理液作製装置1を下記のような感光材料処理
装置と組み合せることも可能であり、この場合には、処
理液の作製と同時に各種処理液の処理槽への補給作業も
併て自動的に行なうことができ、感光材料処理装置の独
立性(自己完結性)に寄与する。
本発明において、処理対象とされる感光材料の種類は
特に限定されず、例えば、カラーネガフィルム、カラー
反転フィルム、カラー印画紙、カラーポジフィルム、カ
ラー反転印画紙、製版用写真感光材料、X線写真感光材
料、黒白ネガフィルム、黒白印画紙、マイクロ用感光材
料等、各種感光材料が挙げられてる。
また、感光材料処理装置としては、例えば、湿式の複
写機、自動現像機、プリンタープロセッサ、ビデオプリ
ンタープロセッサー、写真プリント作成コインマシー
ン、検版用カラーペーパー処理機等が挙げられる。
以上、図示の実施例について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範
囲内で、種々に変形実施することが可能である。
<発明の効果> 以上述べた通り、本発明によれば、各種処理液の作製
作業に費やす労力および時間を軽減することができ、特
に、自動化に適するため、労力および時間の軽減、補充
精度の向上、衛生上、環境上の良化等の利益がもたらさ
れる。
また、容器内に写真処理剤の残存がほとんどなく、写
真処理剤のムダがない。
さらに、容器の廃棄が容易であるとともに、廃棄に際
して容器の体積が小さくなるので、廃棄物の処理上有利
である。
また、本発明では、必要とされる容器がセットとなっ
ているため、保管、運搬、交換またはその他の管理にお
いて有利である。特に、容器の交換に関しては、容器の
装填等の取り扱いが容易であり、装填位置の誤認等も防
止されるので、容易かつ適正な処理液作製が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の写真処理剤収納用容器セットの構成
例を示す斜視図である。 第2図は、本発明における写真処理剤収納用容器の構成
例を示す斜視図である。 第3図は、第2図に示す写真処理剤収納用容器の上部付
近の構成を拡大して示す断面正面図である。 第4図は、封止手段の他の構成例を拡大して示す断面正
面図である。 第5図は、容器本体を構成するシート材の構成例を示す
断面側面図である。 第6図は、支持手段の構成例を示す斜視図である。 第7図は、本発明における写真処理剤収納用容器を用い
た処理液作製装置の構成例を模式的に示す概略構成図で
ある。 第8図および第9図は、それぞれ、第7図に示す処理液
作製装置におけるスタティックミキサーの構造を示す縦
断面図および拡大斜視図である。 第10図は、従来の方法により補充液を作製する手順を模
式的に示す説明図である。 符号の説明 1……処理液作製装置 2……写真処理剤収納用容器セット 3……包材 4……バンド 8……支持手段 10、20、30……作製系統 11、12、13、21、22、31……写真処理剤収納用容器 14、24、34……吸引手段 15、25、35……スタティックミキサー 151……吐出口 152……外周壁 153……捻り撹拌板 154……上端開口部 155、156、157……薬剤注入口 16、26,36……補充液タンク 17a、17b、17c、27a、27b、37a……パイプ 18a、18b、18c、28a、28b、38a……ポンプ 40……希釈液供給装置 41……希釈液貯溜タンク 42……イオン交換フィルター 43……バルブ手段 44a、44b……センサー 46、47、48……送液ポンプ 49a、49b、49c……パイプ 50……自動制御部 60……写真処理剤収納用容器 61……容器本体 61a、61b、61d……樹脂シート 61c……金属箔 62……口部 63……シール部 64……チューブ体 65……側孔 66……容器支持部 67……雄ねじ 68、71……キャップ 69、72……雌ねじ 70……上部開口 73……開口 74……膜 76……吸引ノズル 77……孔 78……テーパ部 80……ブラケット 81……ステー 85、86、87……支持手段 P1……現像液 P2……定着液 Ps……洗浄液 P1A、P1B、P1C、P2A、P2B、PsA……パーツ剤 W、W1……希釈液(希釈水) T1……タンク Xa、Xb、Xc……容器 Ya、Yb、Yc……薬剤用ビーカー

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個の写真処理剤収納用容器を具え、 この写真処理剤収納用容器は、収縮時に内部空間の容積
    が実質的にゼロとなる可撓性を有する容器本体と、 この容器本体の口部に固着され、一端が前記容器本体の
    内部まで延長されているチューブ体と、 このチューブ体の容器本体外に露出している部分に形成
    され、写真処理剤収納用容器を支持する容器支持部と、 前記チューブ体の流路を封止する封止手段とを有し、 前記複数個の写真処理剤収納用容器には、写真処理剤が
    充填されており、 前記写真処理剤収納用容器は、写真処理剤収納用容器を
    前記容器支持部にて支持した状態で、前記チューブ体の
    流路の封止を解除した後、チューブ体を吸引手段の吸引
    ノズルと気密的に連結し、この吸引手段の作動により前
    記容器本体内の写真処理剤を吸引して取り出すように使
    用され、 写真処理剤が取り出されて空になったときには、前記容
    器本体はチューブ体を挟むように平坦になる写真処理剤
    収納用容器セット。
  2. 【請求項2】前記容器本体は、ガスバリア性を有するも
    のである請求項1の写真処理剤収納用容器セット。
  3. 【請求項3】前記容器本体は、樹脂シートと金属箔との
    積層体で構成されている請求項1または2の写真処理剤
    収納用容器セット。
  4. 【請求項4】前記容器本体内における前記チューブ体の
    前記口部付近に側孔が形成されている請求項1ないし3
    のいずれかの写真処理剤収納用容器セット。
  5. 【請求項5】前記封止手段は、前記チューブ体の流路を
    封止する破断可能な膜を有するものである請求項1ない
    し4のいずれかの写真処理剤収納用容器セット。
  6. 【請求項6】各写真処理剤収納用容器内にハロゲン化銀
    写真感光材料を処理する処理液を構成するパーツ剤がそ
    れぞれ充填された請求項1ないし5のいずれかの写真処
    理剤収納用容器セット。
  7. 【請求項7】各写真処理剤収納用容器内に充填されるパ
    ーツ剤の量が、それらのパーツ剤の混合比率に対応した
    ものとなっている請求項6の写真処理剤収納用容器セッ
    ト。
  8. 【請求項8】各写真処理剤収納用容器は、複数の写真処
    理剤収納用容器を一括して支持する支持手段にその容器
    支持部にて支持されるものである請求項1ないし7のい
    ずれかの写真処理剤収納用容器セット。
  9. 【請求項9】各写真処理剤収納用容器の容器支持部は、
    前記支持手段に対し着脱自在である請求項8の写真処理
    剤収納用容器セット。
  10. 【請求項10】前記吸引ノズルは、先端に向かって外径
    が漸減するテーパ部を有する請求項1ないし9のいずれ
    かの写真処理剤収納用容器セット。
  11. 【請求項11】収縮時に内部空間の容積が実質的にゼロ
    となる可撓性を有する容器本体と、 この容器本体の口部に固着され、一端が前記容器本体の
    内部まで延長されているチューブ体と、 このチューブ体の容器本体外に露出している部分に形成
    され、写真処理剤収納用容器を支持する容器支持部と、 前記チューブ体の流路を封止する封止手段とを有し、 前記写真処理剤収納用容器には、写真処理剤が充填され
    ており、 前記写真処理剤収納用容器は、写真処理剤収納用容器を
    前記容器支持部にて支持した状態で、前記チューブ体の
    流路の封止を解除した後、チューブ体を吸引手段の吸引
    ノズルと気密的に連結し、この吸引手段の作動により前
    記容器本体内の写真処理剤を吸引して取り出すように使
    用され、 写真処理剤が取り出されて空になったときには、前記容
    器本体はチューブ体を挟むように平坦になる写真処理剤
    収納用容器。
  12. 【請求項12】内部にハロゲン化銀写真感光材料を処理
    する処理液を構成するパーツ剤が充填された請求項11の
    写真処理剤収納用容器。
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