JP6610377B2 - 試薬供給ユニット、試薬供給装置、及び分析システム - Google Patents

試薬供給ユニット、試薬供給装置、及び分析システム Download PDF

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Description

本発明は、試薬容器、分析システム用筐体、試薬供給ユニット、試薬供給装置、及び分析システムに関する。
試料に含まれる水銀を定量する方法として、全水銀(金属水銀及び水銀化合物中の水銀。)を2価の水銀イオンとした後、該水銀イオンを還元試薬で還元して金属水銀とし、該金属水銀をガス化して、該ガスの吸光度を測定する方法がある(特許文献1参照。)。また、リンの定量方法として、リン化合物を分解してリン酸イオンを生成させ、該リン酸イオンにモリブデン酸塩を反応させて生成したモリブデン酸錯体に、還元試薬を加えてモリブデン青を生成させ、該モリブデン青の吸光度を測定する方法がある。これらの定量方法は、水銀やリンを定量する自動分析システムに採用されている。
これらの方法において、還元試薬としては、液体の還元試薬がしばしば使用される。例えば水銀の定量においては、一般に塩化第一スズ水溶液が使用され、リンの定量においては、一般にアスコルビン酸水溶液が使用される。液体の還元試薬は、通常、ボトルに収納された状態で分析装置が収容された分析システム用筐体内に配置されている。そして、還元試薬は、ポンプの作用により、ボトルに接続された配管を通じて、対象物の還元が行われる反応槽へと送液される。
特開2013−64715号公報
塩化第一スズやアスコルビン酸等の還元試薬は、酸化されやすい物質である。このため、ボトルに収納された還元試薬は、ボトル内の空気に含まれる酸素により徐々に酸化され、変質する。還元試薬が変質すると、対象物を充分に還元できない。つまり、変質した(酸化した)試薬を用いると、分析装置は対象物を正確に定量することができない。
このような事情から、従来の分析装置においては、水銀、リン等の定量精度を維持するために、空気に触れることにより変質しやすい試薬を所定の頻度で新しい試薬と交換していた。しかし、交換作業は手間がかかった。また、交換された古い試薬は廃棄されるため、環境面から、できるだけ交換頻度を低減し、試薬の総廃棄量を抑制することが望まれた。
本発明は上述の課題を解決するものであり、試薬の変質を抑制し、試薬の交換頻度を低減させることができる試薬容器、分析システム用筐体、試薬供給ユニット、試薬供給装置、及び分析システムを提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]試薬を収納する可撓性のソフトバッグを有し、前記ソフトバッグの内側と外側を連通させる開口部が形成された試薬収納部材と、
前記開口部を開閉可能な蓋部材と、を備え、
前記蓋部材には、前記ソフトバッグの内側と外側を連通させる連通孔が形成されていることを特徴とする試薬容器。
[2][1]の試薬容器であって、
前記試薬が還元試薬である。
[3][1]または[2]の試薬容器であって、
前記開口部が前記試薬収納部材の上端側に形成され、
前記試薬収納部材の下端側に、前記試薬収納部材を自立させる自立構造が形成されている。
[4][1]〜[3]の試薬容器であって、
前記開口部は、前記ソフトバッグに密着された開口部材に形成されており、
前記開口部材に鍔部が設けられている。
[5]扉が設けられ、[1]〜[4]の試薬容器と、前記試薬容器のソフトバッグに収納された試薬を用いて試料の分析を行う分析装置とを収容する分析システム用筐体であって、
前記扉は、前記試薬容器を吊下げる吊下部材を備えることを特徴とする分析システム用筐体。
[6]扉が設けられ、[4]の試薬容器と、前記試薬容器のソフトバッグに収納された試薬を用いて試料の分析を行う分析装置とを収容する分析システム用筐体であって
前記扉は、前記試薬容器を吊下げる吊下部材を備え、
前記吊下部材は、前記試薬容器の開口部材に設けられた前記鍔部と係合する係合部を有することを特徴とする分析システム用筐体。
[7][5]または[6]の分析システム用筐体であって、
前記扉は、前記試薬容器を支持する支持部材が設けられた支持台を備える。
[8][1]〜[4]の試薬容器と、
前記試薬容器の蓋部材に形成された前記連通孔に挿通され、第1の端部が前記試薬容器のソフトバッグに挿入され、第2の端部が試薬供給先に接続される試薬配管と、
を備えることを特徴とする試薬供給装置。
[9][8]の試薬供給ユニットであって、
前記試薬配管が挿通される貫通孔とフランジ部とが設けられ、前記試薬容器の蓋部材に形成された前記連通孔に挿通されるボディと、前記ボディに装着されるOリングと、前記ボディを前記蓋部材に固定する固定部材と、を有する接続部材を備え、
前記貫通孔の開口の少なくとも一端側は、前記貫通孔の内周面と前記試薬配管の外周面との間をシールするシール構造を有し、
前記Oリングは、前記フランジ部の下面と前記蓋部材の上面とに挟まれて圧縮させられることによって、前記連通孔の内周面と前記ボディの外周面との間をシールし、
前記試薬配管は、前記接続部材を介して前記連通孔に挿通されることを特徴とする。
[10][8]または[9]の試薬供給ユニットと、
前記ソフトバッグに収納された試薬を前記試薬配管の第1の端部から第2の端部に向けて移送可能なポンプと、
前記ポンプを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする試薬供給装置。
[11][5]〜[7]の分析システム用筐体と、
前記分析システム用筐体に収容された[10]の試薬供給装置と、
前記分析システム用筐体に収容され、前記試薬供給装置の試薬配管の前記第2の端部が接続される反応槽を有する分析装置と、を備え、
前記試薬供給装置は、所定のタイミングで前記ポンプを駆動させ、所定量の試薬を前記反応槽に供給し、
前記分析装置は、前記試薬供給装置から供給された試薬を用いて試料の分析を行うことを特徴とする分析システム。
本発明に係る試薬容器、分析システム用筐体、試薬供給ユニット、試薬供給装置、及び分析システムは、試薬の変質を抑制し、試薬の交換頻度を低減させることができる。
一実施形態例の分析システムを示す概略構成図である。 一実施形態例の分析システムの具体的な構成例について、該分析システムが有する筐体の扉を開けた状態を示す簡略化した正面図である。 一実施形態例の還元試薬供給ユニットにおける試薬配管の接続状態を示す断面図である。 一実施形態例の試薬容器の斜視図である。 試薬設置場所に、試薬容器及び複数のボトルを配置した状態を示す簡略化した平面図である。 試薬容器ホルダーに配置された試薬容器の斜視図である。 ソフトバッグの形状の変化を説明する説明図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態例の分析システムを示す概略構成図である。図2は、分析システムの具体的な構成例について、分析システムが有する筐体の扉を開けた状態を示す簡略化した正面図である。
分析システム1は、分析装置20と、還元試薬供給装置30と、分析装置20及び還元試薬供給装置30を収容する筐体42とを備えている。分析装置20は、試料に含まれる全水銀(金属水銀及び水銀化合物中の水銀。)を2価の水銀イオンとした後、原子状の金属水銀としこれをガス化し、ガス化した金属水銀を含む気体の吸光度を測定することにより、水銀濃度を求める。還元試薬供給装置30は、本発明の試薬供給装置の一例であり、分析装置20に液状の還元試薬を供給する。本実施形態例において、還元試薬は、2価の水銀イオンを原子状の金属水銀に還元するために使用される。また、試料は、例えば、河川水、工業廃水等である。
分析装置20は、分解槽21と反応槽22と除湿器24と検出器25とを備えている。図1に示すように、分解槽21と反応槽22とは配管26aで接続されている。反応槽22と除湿器24とは配管26bで接続されている。除湿器24と検出器25とは配管26cで接続されている。
また、分析装置20は、反応槽22に接続された配管27、28、29と、配管26a、26d、27、28、29に接続された複数のポンプ及びバルブ(いずれも不図示)と、演算制御部(不図示)とを備えている。配管26dは検出器25から排出される測定後の気体を排出させる。配管27は反応槽22に分解試薬等を導入する。配管28は反応槽22に試料を導入する。配管29は反応槽22内の液体を排出する。複数のポンプとバルブは、演算制御部により制御されて、試料や分解試薬等を計量したり、液体及び気体を移送あるいは排出させたりする。
反応槽22は、略逆円錐状の本体と、本体の開口部(上面)を気密に閉塞する蓋体とからなる。蓋体には、配管26a、26b、27、28、29、33が気密に挿入されている。分解槽21は、その内部に導入された液体を100℃に加熱できるようになっている。除湿器24は、反応槽22から配管26bを通じて導入されるガス化した金属水銀を含む気体を除湿し、検出器25は、除湿後の気体の吸光度を測定する。
分析装置20の演算制御部は、上述の分解槽21、除湿器24、検出器25、ポンプ、バルブ等を制御して試料の測定を行わせ、また、検出器25が測定した吸光度に基づき試料の水銀濃度を演算する。本実施形態例において、分析装置20の演算制御部は、還元試薬供給装置30の制御部を兼ねており、還元試薬供給装置30のポンプ39を制御するとともに分析システム1全体を統合して制御する。
(試薬供給ユニット及び試薬供給装置)
還元試薬供給装置30は、液状の還元試薬を分析装置20の反応槽22に供給する。図1に示すように、還元試薬供給装置30は、還元試薬供給ユニット31と、還元試薬を移送可能なポンプ39とを備えている。還元試薬供給ユニット31は、本発明の試薬供給ユニットの一例であり、還元試薬を収納する試薬容器10と、試薬配管33と、試薬配管33を試薬容器10に接続する接続部材34を備えている。
試薬配管33は、接続部材34を介して後述する試薬容器10の蓋部材14に形成された連通孔14Cに挿通されている。試薬配管33の一端(第1の端部)33aは、試薬容器10のソフトバッグ12内に挿入されており、ソフトバッグ12の底面に到達している。試薬配管33の他端(第2の端部)33bは試薬供給先である分析装置20の反応槽22と着脱自在に接続されている。
試薬配管33は、還元試薬に対する耐薬品性を有し、還元試薬への溶出がなく、かつ、ガス透過性の小さい材質からなることが好ましく、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル)チューブ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、あるいは、熱可塑性エラストマー等からなる軟質チューブ等により構成される。熱可塑性エラストマーからなる軟質チューブの具体例としては、ファーメッド(登録商標)チューブ等が挙げられる。なお、試薬配管33は、複数のチューブや継手等の部材から構成されていてもよい。試薬配管33を複数の部材で構成する場合、部材の材質はそれぞれ異なるものであってもよい。
試薬配管33の内径は、還元試薬の送液速度等に応じて適宜設定される。試薬配管33の外径は、接続部材34のボディ35に形成された貫通孔35Aの内径と略同一である。
図3は、還元試薬供給ユニット31における試薬配管33の接続状態を示す断面図である。図3に示すように、接続部材34は、ボディ35とOリング36と本発明の固定部材の一例であるナット37と袋ナット38とを備えている。
ボディ35の内側には、試薬配管33が挿通される貫通孔35Aが形成されている。ボディ35の外周面には、ボディ35の全周にわたってフランジ部35Bが延在して設けられている。フランジ部35Bの下方には、ナット37の雌ねじ(不図示)と螺合可能な雄ねじ(不図示)が形成されている。
ボディ35、ナット37、袋ナット38の材質としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が挙げられる。Oリング36の材質としては、例えば、NBR(ニトリルゴム)、FKM(ふっ素ゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、シリコーンゴム等が挙げられる。
ボディ35は、フランジ部35Bの下面と接してOリング36が装着され、蓋部材14の連通孔14Cに挿通されている。そして、蓋部材14の内側から、ボディ35の雄ねじにナット37の雌ねじが螺合されることにより、ボディ35は蓋部材14に固定される。ナット37を締め付けると、Oリング36は、フランジ部35Bの下面と蓋部材14の上面とに挟まれて圧縮される。これにより、連通孔14Cの内周面とボディ35の外周面との間がシールされる。
貫通孔35Aには、試薬配管33が挿通されている。ボディ35の貫通孔35Aの上端側の開口近傍には、袋ナット38に形成された雌ねじ(不図示)と螺合可能な雄ねじ(不図示)が形成されている。袋ナット38をボディ35に締め付けることにより、貫通孔35Aの開口近傍が縮径する。これにより、貫通孔35Aの内周面と試薬配管33の外周面とが密着し、本発明のシール構造が構成され、貫通孔35Aの内周面と試薬配管33の外周面との間がシールされる。
ポンプ39は、試薬配管33の途中に設けられ、ソフトバッグ12に収納された還元試薬を、一端33aから他端33bに向けて移送する。本実施形態例では、ポンプ39は分析装置20の演算制御部により制御され、所定のタイミングで駆動する。そして、ポンプ39が駆動することにより、還元試薬供給装置30は、所定量の還元試薬を反応槽22に供給する。
ポンプ39としては、所定の送液速度で送液できる定量送液ポンプが好ましく、ペリスタルティックポンプ、シリンジポンプ等が使用できる。ペリスタルティックポンプは、試薬配管33をローラーでしごくことで送液できるものであって、ペリスタポンプ(登録商標)、チューブポンプ、ローラーポンプとも呼ばれる。ポンプ39は、ソフトバッグ12に収納された還元試薬を反応槽22に移送することができるものであればよいが、送液方向を正逆方向に切り換え可能なポンプであってもよい。
(試薬容器)
次に、試薬容器10について説明する。図4に示すように、試薬容器10は、試薬収納部材11と蓋部材14とを備えている。試薬収納部材11は、ソフトバッグ12と、ソフトバッグ12の上端部に設けられた本発明の開口部材の一例である蓋取付部13を備えている。蓋取付部13には、鍔部15が設けられている。ソフトバッグ12の内部には還元試薬が収納される。還元試薬の種類は、還元対象に応じて選択される。本実施形態例において、還元試薬は塩化第一スズ水溶液である。
ソフトバッグ12は、可撓性を有する柔軟な樹脂フィルムが袋状に形成された、いわゆるスタンディングパウチである。ソフトバッグ12は、樹脂フィルムからなる表面シートと裏面シートと底面シートにより形成されている。表面シートと裏面シートとは、略同一形状をなしている。試薬収納部材11の上端側の幅方向中央部では、蓋取付部13がソフトバッグ12の表面シートと裏面シートに挟まれた状態で密着されている。また、表面シートと裏面シートの上端側における蓋取付部13を挟んだ部位の両側は互いに接合されている。
ソフトバッグ12における表面シートと裏面シートの左右両端は、互いに接合されている。ソフトバッグ12の下端側では、表面シートと裏面シートとの間に底面シートが折り畳まれて重ね合わされている。ソフトバッグ12の下端側の左右両端側では、表面シート、裏面シート、及び底面シートが重ね合わされて接合されている。ソフトバッグ12の下端側の幅方向中央位置では、底面シートの表面シート側が表面シートと接合され、底面シートの裏面シート側が裏面シートと接合されている。こうして、試薬容器10におけるソフトバッグ12の下端側には、ソフトバッグ12を自立させる自立構造が形成されている。すなわち、ソフトバッグ12は、還元試薬が収納されているときには、折り畳まれた底面シートが開いて自立できる。
また、上記のように、表面シート、裏面シート、底面シートが接合され、さらに表面シート及び裏面シートに蓋取付部13が密着(接合)されることで、ソフトバッグ12は外周全体にわたって封じられている。
なお、ソフトバッグ12は、自立構造が形成されておらず、自立しないものであってもよい。この場合のソフトバッグは、2枚の樹脂フィルムを重ね、その周縁部を接合することにより袋状に形成されたものでも、筒状フィルムの両方の開口端部を接合することにより袋状に形成されたものでもよい。
ソフトバッグ12を構成する樹脂フィルムの材質としては、還元試薬に対する耐薬品性を有し、還元試薬への溶出がなく、かつ、ガス透過性の小さい材質が好ましい。また、ソフトバッグ12内の還元試薬を目視確認できることから、透明性を有していることが好ましい。これらの点から、樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。
樹脂フィルムは、これらの材質からなる単層フィルムでも、多層フィルムでもよい。また、各層は、上述のポリオレフィンの混合物で形成されていてもよい。
樹脂フィルムの厚みは、還元試薬の減少に追従してソフトバッグ12がしぼみやすい点、強度の点等から、50〜300μmが好ましい。
蓋取付部13は、ソフトバッグ12に密着された密着部13Aと、筒状の頭部13Bと、鍔部15とを備えている。
密着部13Aは、例えば上述のソフトバッグ12の製造過程において、所定の位置(試薬収納部材11の上端側の幅方向中央部)に配置して表面シート及び裏面シートとそれぞれ接合させることで、ソフトバッグ12に密着させることができる。接合の方法としては、熱板溶着、超音波溶着、レーザ溶着等の熱溶着が挙げられるが、特に制限はない。
頭部13Bには、ソフトバッグ12の内側と外側とを連通させる開口部13aが形成されている。開口部13aの近傍には、第1スクリュー部13Cが形成されている。
鍔部15は、第1スクリュー部13Cの下端部よりも下方に、頭部13Bの全周にわたって延在して設けられている。
蓋部材14の内側面には、蓋取付部13に形成された第1スクリュー部13Cに螺合可能とされた第2スクリュー部14Aが形成されている。第1スクリュー部13Cと第2スクリュー部14Aとを螺合させることにより、蓋部材14は蓋取付部13に対して着脱可能に取り付けられる。すなわち、蓋部材14は開口部13aを開閉可能としている。
蓋部材14の上面には、ソフトバッグ12の内側と外側を連通させる連通孔14Cが形成されている。上述のとおり、連通孔14Cには接続部材34を介して試薬配管33が挿通される。したがって、試薬容器10は、蓋部材14を蓋取付部13に取り付けた状態で、試薬配管33を介してソフトバッグ12内の還元試薬を外部(反応槽22)に送出させることができる。また、連通孔14Cに接続部材34を介して試薬配管33が挿通された蓋部材14がソフトバッグ12に取り付けられているとき、ソフトバッグ12は試薬配管33の一端33aでのみ外部と連通する。このため、ソフトバッグ12内への空気の流入は阻止され、還元試薬の酸化が抑制される。
(分析システム用筐体)
次に、筐体42について説明する。筐体42は、本発明の分析システム用筐体の一例であり、分析装置20、還元試薬供給装置30、その他分析システム1の備える他の機器や部材等を収容する。図2に示すように、筐体42は、前側開口部44(空間部42a)を閉塞する扉46を備えている。空間部42a及び扉46の内側には、分析装置20、ポンプ39、その他の機器や部材等が適宜収容されている。
扉46の内側には試薬設置場所50が設けられている。試薬設置場所50には、試薬容器ホルダー51及びボトルホルダー52が水平方向に並べて配設されている。試薬容器ホルダー51に試薬容器10が配置され、ボトルホルダー52に他の試薬(分解試薬等)が入れられた複数の円筒形のボトル32a,32b,32cが水平方向に並べて配置されている。
図5は、試薬設置場所50に、試薬容器10及びボトル32a,32b,32cが並べて配置された状態を示す平面図である。図6は、試薬容器ホルダー51に配置された試薬容器10(還元試薬供給ユニット31)の斜視図である。図2、図5及び図6に示すように、試薬容器ホルダー51は、略水平状に配置された支持台61と、本発明の吊下部材の一例であるブラケット63を備えている。
支持台61は、図2に示すように、扉46の内側(内面)に取り付けられている。支持台61の上面は、ソフトバッグ12に試薬が充填されて底面シートが開いたときの試薬容器10の下端面よりも大きい。
支持台61の外周端には、本発明の支持部材の一例である複数の支持板62が立設されている。支持板62は、扉46の内側正面から見て支持台61の左右端辺及び手前端辺にそれぞれ立設されている。支持台61と支持板62とは、板金加工により一体成形されている。
ブラケット63は、支持台61の上方に配置され、扉46に取り付けられている。ブラケット63は、第1板63Aと第2板63Bとが板金加工により一体成形された、断面がL字状の部材である。図5及び図6に示すように、第1板63Aは、L字の外角側の板面が扉46の内面に当接するようにして固定されている。これにより、第2板63Bは略水平に配置される。第2板63Bの扉46とは反対側の辺には、本発明の係合部の一例である切欠き部63Cが形成されている。切欠き部63Cの幅は、試薬容器10の頭部13Bの外径と略同一か頭部13Bの外径よりも長く、試薬容器10の蓋取付部13に設けられた鍔部15の外径よりも短い。このため、ブラケット63は、切欠き部63Cに鍔部15を係合させる(鍔部15を切欠き部63Cに架ける)ことにより、試薬容器10を吊下げている。
支持台61の外周端に立設された支持板62は、ブラケット63に吊下げられた試薬容器10の下端辺よりも上方まで延在している。このため、支持板62は、ブラケット63に吊下げられた試薬容器10が揺れて鍔部15が切欠き部63Cから外れることを抑制する。また、鍔部15が切欠き部63Cから外れた場合であっても、試薬容器10は支持台61と支持板62により支持されるため、落下しないようになっている。
還元試薬が分析装置20に供給されて試薬容器10のソフトバッグ12から還元試薬が減少したときには、還元試薬を含む試薬容器10の全体が軽量化する。このため、ブラケット63に試薬容器10を吊下げる力が低下するが、上記と同様に試薬容器10は支持板62に支持されるため、鍔部15が切欠き部63Cから外れることが抑制される。
また、ソフトバッグ12内の還元試薬が減少すると、その減少に伴い、ソフトバッグ12は変形して高さ方向に伸びる。このため、支持台61から第2板63Bまでの距離は、ソフトバッグ12が高さ方向に伸びたときの試薬容器10の下端面から鍔部15までの長さよりも長くされていることが好ましい。
還元試薬の減少に伴うソフトバッグ12の変形について図7を用いて説明する。図7(a)〜(c)は、ソフトバッグ12の形状の変化を正面から見た説明図である。
還元試薬が最も充填されたとき、ソフトバッグ12の底面シートは開いており、ソフトバッグ12の下端面は奥行方向に拡幅されている。図7(a)に示すように、ソフトバッグ12を正面視した形状は、上端辺に対して下端辺が短い。
ここから還元試薬が減少すると、ソフトバッグ12の表面シートと裏面シートとの間が狭まり、底面シートが折り畳まれてソフトバッグ12の下端面の奥行方向の拡幅は減少する。図7(b)に示すように、ソフトバッグ12を正面視した形状は、図7(a)と比較して、上端辺に変動はないが下端辺が長い。また、ソフトバッグ12の全体の高さも高い。
ここからさらに還元試薬が減少し、還元試薬がなくなるか残りがわずかになると、ソフトバッグ12の底面シートが完全に折り返される。図7(c)に示すように、ソフトバッグ12を正面視した形状は、図7(b)と比較して、上端辺に変動がなく、下端辺が長い。このとき、ソフトバッグ12の全体の高さは図7(b)よりも高い。つまり、ソフトバッグ12は、還元試薬が十分に充填されているときよりも高さ方向に伸びている。
支持台61と第2板63Bとの間の距離が、ソフトバッグ12が高さ方向に伸びたときの試薬容器10の下端面から鍔部15までの長さよりも長くされていれば、還元試薬が減少しても、試薬容器10は支持台61と離間して吊下げられる。このため、試薬容器10の下端面が支持台61に接触して、試薬容器10が下から押し上げられることによって、鍔部15が切欠き部63Cから外れることがない。また、ソフトバッグ12がひしゃげることがないため、試薬配管33がソフトバッグ12内で大きく歪められたり、折れ曲がったりすることがない。したがって、試薬配管33の一端33aが還元試薬の液面から飛び出したり、還元試薬供給装置30のポンプ39での吸引が阻害されたりすることがないため、ソフトバッグ12内の還元試薬を最後まで使い切ることができる。
試薬容器ホルダー51と並べて配設されたボトルホルダー52は、背面板52Aと底面板52Bと複数枚の正面板52Cとを備えている。背面板52A、底面板52B、正面板52Cは、いずれも長方形の平らな板状であり、板金加工により一体成形されている。背面板52Aは、底面板52Bの長辺の一端側に立設されている。複数枚の正面板52Cは、底面板52Bの長辺の他端側に背面板52Aと対向して、所定間隔離間して立設されている。ボトルホルダー52は、底面板52Bが略水平となるように、背面板52A側が扉46の内側に取り付けられることにより、ボトルを配置するためのドアポケットとなる。
なお、ボトルホルダー52は、背面板52Aを備えなくてもよい。この場合、扉46の内面が背面板52Aの代わりとなる。
また、図2及び図5では、図示の便宜上、ボトルの数を3つとして説明したが、本実施形態例においては、試薬容器10に収納された還元試薬のほかに5種類の試薬を使用するため、5つのボトルを配置する。
ボトルホルダー52は、複数の円筒形のボトルを配置する場合に特に好適なものである。図5に示すように、ボトルホルダー52に円筒形のボトル32a、32b、32cを配置すると、各ボトル32a、32b、32cは、その周壁の一部が、隣り合う正面板52Cの間から前方に突出するように、背面板52Aと正面板52Cとの間に位置している。このため安定に保持される。また、複数の正面板52Cの間隔は、隣り合うボトル32a、32b、32cの周壁同士が接触するように設定されているため、複数のボトル32a、32b、32cが一層安定に保持されるようになっている。
なお、ボトルホルダー52によれば、隣り合う正面板52Cの間から、各ボトル32a、32b、32cの下端部までを見ることができるため、各ボトル32a、32b、32cを透明または半透明にすることにより、扉46を開けて各ボトル32a、32b、32cを見るだけで試薬の残量を確認することができる。
次に、図1の分析システム1を用いて全水銀の濃度を測定する方法の一例を説明する。
(水銀濃度の測定方法)
まず、分析装置20は、河川水、工業廃水等の試料を配管28により反応槽22に導入し、一定量を計量する。また、分析装置20は、試料に含まれる全水銀を2価の水銀イオンとするために使用される分解試薬を、各々所定量、配管27により反応槽22に導入し、試料と分解試薬との混合液を調製する。本実施形態例において、分解試薬は、硫酸、硝酸、過マンガン酸カリウム水溶液及びペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液である。なお、ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液に代え、ペルオキソ二硫酸カリウム水溶液を用いてもよい。
次いで、分析装置20は、反応槽22内の混合液のほぼ全量を配管26aにより分解槽21に導入する。分解槽21に導入された混合液は、硫酸及び硝酸が存在する酸性条件下で、例えば100℃で20〜30分間加熱され、混合液(試料)中の全水銀は、過マンガン酸カリウム水溶液及びペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液(またはペルオキソ二硫酸カリウム水溶液)の作用により、2価の水銀イオンに酸化される。
そして、分析装置20は、分解槽21で生成した2価の水銀イオンを含む混合液を配管26aにより反応槽22に導入する。反応槽22に導入された混合液には、通常、未反応の過マンガン酸カリウムが含まれる。そのため、分析装置20は、配管27を通じて反応槽22内の混合液に塩酸ヒドロキシルアミン水溶液を添加し、過マンガン酸カリウムを還元する。
次いで、分析装置20の演算制御部(還元試薬供給装置30の制御部)は、ポンプ39を駆動させる。これにより、ソフトバッグ12に充填された還元試薬(塩化第一スズ水溶液)は、試薬配管33の一端33a側から他端33b側へと移送され、所定量が試薬配管33を通じて反応槽22へ供給される。反応槽22に供給された還元試薬は、混合液中の2価の水銀イオンと反応する。これにより2価の水銀イオンが還元され、原子状の金属水銀が生成する。
次いで、分析装置20は、配管26a及び26dの端部(いずれも反応槽22側とは反対側)のみが大気開放されるように各配管に接続されたバルブ(不図示)を制御した後、配管26dに接続されたポンプ(不図示)を駆動させ、反応槽22から配管26dの方向に気体を吸引する。これにより、蓋体により上面が気密に閉塞された反応槽22には、配管26aを通じて空気が吸引される。そして、吸引された空気により、反応槽22内の金属水銀を含む液体はバブリングされ、金属水銀がガス化する。ガス化した金属水銀を含む気体は、配管26bを通じて除湿器24に導入され、除湿される。除湿後の気体は、配管26cを通じて検出器25へ導入される。
そして、検出器25は、金属水銀の吸収波長(例えば、253.7nm)の吸光度を測定する。分析装置20の演算制御部は、検出器25が測定した吸光度に基づき試料の水銀濃度を演算する。
検出器25による測定が終了した後、反応槽22内に残存した液は、配管29を通じて廃棄される。
分析システム1は、このような水銀濃度の測定を繰り返し行う。水銀濃度の測定を繰り返し行うことにより、ソフトバッグ12内の還元試薬の量が減り、新たに還元試薬を充填(補充)する必要が生じた場合には、以下に示す還元試薬の充填工程によりソフトバッグ12に還元試薬を充填する。
(還元試薬の充填工程)
まず、図6に示すようにブラケット63に吊下げられた試薬容器10に設けられた蓋取付部13から、作業者が蓋部材14を取り外す。蓋部材14が取り外されたとき、ブラケット63には、試薬容器10の試薬収納部材11が開口部13aを開口した状態で吊下げられている。作業者は、蓋部材14を取り外すにあたり、試薬配管33を蓋部材14に接続したままソフトバッグ12から引き抜く。その後、作業者は、開口部13aからソフトバッグ12内に還元試薬を補充する。
作業者は、ソフトバッグ内12に還元試薬を充填した後、開口部13aからソフトバッグ12内に試薬配管33の一端33aを挿入する。次いで、蓋部材14を蓋取付部13に取り付けて、ソフトバッグ12内を気密状態とする。ここで、試薬配管33は接続部材34により固定されているため、蓋部材14に対する試薬配管33の長さ方向の相対位置は変わらない。したがって、特に調整することなく、蓋部材14を蓋取付部13に取り付けるだけで、試薬配管33の一端33aがソフトバッグ12の底部に配置される。
また、還元試薬を充填するときには、ソフトバッグ12内に空気が残留しないようにすることが求められる。このため、作業者は、ソフトバッグ12に還元試薬を充填する際に、開口部13aの高さ位置まで還元試薬を充填する。あるいは、開口部13aの位置よりもやや低い位置まで充填し、その後、エア抜き工程を行ってもよい。以下、エア抜き工程について説明する。
(エア抜き工程)
エア抜き工程では、ソフトバッグ12に滞留する空気を排出する作業が行われる。ソフトバッグ12内では、上方に空気が滞留している。また、ソフトバッグ12は、柔軟な樹脂フィルムで形成されている。このため、作業者がソフトバッグ12を両手で挟み込む等して、ソフトバッグ12を圧迫することにより、開口部13aから空気を排出させる。つまり、作業者がソフトバッグ12を圧迫しつつ蓋取付部13に蓋部材14を取り付けることで、ソフトバッグ12内に空気を残留させないようにすることができる。エア抜き工程を行うことで、還元試薬が空気中の酸素により酸化し、変質することを抑制でき、還元試薬の交換頻度を低減できる。
エア抜き工程を行うにあたり、ソフトバッグ12(試薬収納部材11)がブラケット63に吊下げられているため、作業者は、ソフトバッグ12を支持することなく、容易に作業を行うことができる。
また、何らかの理由によって使用中のソフトバッグ12内に空気が入ってしまった場合も同様のエア抜き操作を行うことで、ソフトバッグ12内の空気を容易に排出することができる。
以上説明した分析システム1における試薬容器10は、可撓性を有する柔軟な樹脂フィルムによって袋状に形成されたソフトバッグ12に還元試薬を収納するようにされている。このため、使用時に還元試薬がソフトバッグ12から試薬配管33を介して排出されるのに伴って、ソフトバッグ12がしぼみ、ソフトバッグ12内へ空気が流入しにくい。したがって、還元試薬の使用に伴ってその量が減少しても、ソフトバッグ12内の還元試薬は空気とほとんど触れず、還元試薬が空気中の酸素により酸化し、変質することが抑制される。よって、還元試薬の交換頻度を低減できる。
また、ソフトバッグ12には、蓋取付部13が密着され、蓋取付部13にはソフトバッグ12の内側と外側とを連通させる開口部13aが形成されている。また、蓋取付部13には、蓋部材14が着脱可能に取り付けられており、蓋部材14を着脱することで、蓋取付部13の開口部13aが開閉する。このため、ソフトバッグ12内の還元試薬の残量が少なくなった場合に、容易に還元試薬を補充することができるとともに、還元試薬を補充した後は、ソフトバッグ12内を気密状態にできる。また、蓋部材14を取り外し、ソフトバッグ12を圧迫することで、容易にソフトバッグ12内に空気が残留しないようにすることができる。
また、蓋部材14の連通孔14Cには、接続部材34を介して試薬配管33が挿通されており、連通孔14Cの内周面と接続部材34のボディ35の外周面との間はシールされている。また、ボディ35の貫通孔35Aの内周面と試薬配管33の外周面との間もシールされている。したがって、蓋部材14がソフトバッグ12に取り付けられているとき、ソフトバッグ12は試薬配管33の一端33aでのみ外部と連通する。このため、ソフトバッグ12内への空気の流入は阻止され、還元試薬の酸化が抑制される。
また、試薬収納部材11の蓋取付部13には、鍔部15が設けられている。このため、ブラケット63に試薬容器10を確実に吊下げることができる。また、試薬容器10から蓋部材14を取り外しても、試薬収納部材11(ソフトバッグ12)を吊下げることができるため、エア抜き工程を容易に行うことができる。
〔その他の態様〕
以上の例では、水銀の定量分析において、液状の還元試薬として塩化第一スズ水溶液を例示し、該塩化第一スズ水溶液により2価の水銀イオンを金属水銀に還元する態様を示した。しかしながら、本発明において使用される液状の還元試薬は、塩化第一スズ水溶液には限定されず、例えば、リンの定量において使用されるアスコルビン酸水溶液等も挙げられる。
リンの定量方法としては、試料に含まれるリン化合物を分解してリン酸イオンを生成させ、該リン酸イオンにモリブデン酸塩を反応させて生成したモリブデン酸錯体に、還元試薬としてアスコルビン酸水溶液を加えてモリブデン青を生成させ、該モリブデン青の吸光度を測定する方法が挙げられる。
試薬は、還元試薬ではなく、空気に触れることにより変質しやすい(例えば、空気中の二酸化炭素や水分と反応しやすい)他の試薬でもよく、例えば、アルカリ性溶液が挙げられる。
上記の例では、ソフトバッグ12の内側と外側を連通させる開口部を蓋取付部13に形成しているが、開口部を他の態様としてもよく、例えば、ソフトバッグ12に直接開口部を形成してもよい。この場合、ソフトバッグの開口部の形状を保持する形状保持部材を開口部に取り付けることが好ましい。
また、蓋部材14は、第1スクリュー部13Cと第2スクリュー部14Aとを螺合させることによって蓋取付部13に対して着脱可能とされているが、他の態様で着脱可能とされていてもよい。例えば蓋取付部13及び蓋部材14に、互いに嵌合可能な第1嵌合部材及び第2嵌合部材を設けて、これらを嵌合させ、あるいは嵌合を解除することで着脱可能としてもよい。
また、鍔部15は設けなくてもよい。この場合、試薬容器10をブラケット63に吊下げるときには、蓋取付部13に取り付けられた蓋部材14の下端部をブラケット63の切欠き部63Cに架ければよい。また、鍔部15は、蓋取付部13の頭部13Bに設けられることが好ましいが、蓋部材14に設けられていてもよい。鍔部15は、頭部13Bの全周にわたって延在して設けられている必要はなく、切欠き部63Cに係合させることができる形状であればよい。
また、鍔部15に代えて、ブラケット63を挟み込む挟持部などを設けてもよい。あるいは、ブラケット63に、鍔部15を挟み込む挟持部などを設けてもよい。
上記の例では、切欠き部63Cが形成されたブラケット63を吊下部材としているが、他の吊下部材であってもよい。例えば、切欠き部63Cに代えて、第2板63Bを貫通し、開口形状を変形可能とした貫通孔が形成されたブラケットとしてもよい。貫通孔の開口形状は、試薬容器10における蓋部材14または鍔部15が通過可能な形状と通過不能な形状に変動する形状などとすればよい。
また、ブラケット63は、第2板63Bに加えて、第2板63Bから試薬容器10の鍔部15の厚み程度の幅をおいて第2板63Bに対して平行に配置された第3板を設け、第2板63Bと第3板とが鍔部15と係合するようにしてもよい。また、ブラケット63に代えて、フックなどを用い、蓋取付部13あるいは蓋部材14にフックに吊り下げる鉤部材を設けてもよい。また、蓋取付部13を上方から挟み込んで挟持する挟持部材で吊下げるようにしてもよい。挟持部材で吊下げる場合、蓋取付部13を設けることなく、ソフトバッグ12の上端縁などを直接挟持するようにしてもよい。
以上の例では、支持台61には、左右手前に3つの支持板62が立設されているが、その他の数であってもよい。支持板62に代えて、ブロック体などとしてもよい。
また、支持台61を設けなくてもよい。
また、試薬容器ホルダー51とボトルホルダー52とは個別に形成されているが、試薬容器ホルダー51とボトルホルダー52とを一体的に形成してもよい。
以上の例の還元試薬充填工程及びエア抜き工程は、その一部を自動化してもよいし、全部を自動化してもよい。
1:分析システム
10:試薬容器
11:試薬収納部材
12:ソフトバッグ
13:蓋取付部(開口部材)
13a:開口部
14:蓋部材
14C:連通孔
15:鍔部
20:分析装置
30:還元試薬供給装置(試薬供給装置)
31:還元試薬供給ユニット(試薬供給ユニット)
33:試薬配管
33a:一端(第1の端部)
33b:他端(第2の端部)
34:接続部材
35:ボディ
35A:貫通孔
35B:フランジ部
36:Oリング
37:ナット(固定部材)
38:袋ナット
39:ポンプ
42:筐体(分析システム用筐体)
46:扉
50:試薬設置場所
51:試薬容器ホルダー
61:支持台
62:支持板(支持部材)
63:ブラケット(吊下部材)
63C:切欠き部

Claims (8)

  1. 試薬容器と、試薬配管と、接続部材を備え、
    前記試薬容器は、試薬を収納する可撓性のソフトバッグを有し、前記ソフトバッグの内側と外側を連通させる開口部が形成された試薬収納部材と、前記開口部を開閉可能な蓋部材と、を備え、前記蓋部材には、前記ソフトバッグの内側と外側を連通させる連通孔が形成されており、
    前記試薬配管は、前記試薬容器の前記蓋部材に形成された前記連通孔に挿通され、第1の端部が前記試薬容器の前記ソフトバッグに挿入され、第2の端部が試薬供給先に接続されており、
    前記接続部材は、前記試薬配管が挿通される貫通孔とフランジ部とが設けられ、前記試薬容器の前記蓋部材に形成された前記連通孔に挿通されるボディと、前記ボディに装着されるOリングと、前記ボディを前記蓋部材に固定する固定部材と、を有
    前記貫通孔の開口の少なくとも一端側は、前記貫通孔の内周面と前記試薬配管の外周面との間をシールするシール構造を有し、
    前記Oリングは、前記フランジ部の下面と前記蓋部材の上面とに挟まれて圧縮させられることによって、前記連通孔の内周面と前記ボディの外周面との間をシールし、
    前記試薬配管は、前記接続部材を介して前記連通孔に挿通されることを特徴とする試薬供給ユニット。
  2. 前記ソフトバッグに収納される試薬が還元試薬である請求項1に記載の試薬供給ユニット
  3. 前記試薬容器における前記開口部が前記試薬収納部材の上端側に形成され、
    前記試薬収納部材の下端側に、前記試薬収納部材を自立させる自立構造が形成されている請求項1または2に記載の試薬供給ユニット
  4. 前記試薬容器における前記開口部は、前記ソフトバッグに密着された開口部材に形成されており、
    前記開口部材に鍔部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の試薬供給ユニット
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の試薬供給ユニットと、
    前記ソフトバッグに収納された試薬を前記試薬配管の第1の端部から第2の端部に向けて移送可能なポンプと、
    前記ポンプを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする試薬供給装置。
  6. 分析システム用筐体と、
    前記分析システム用筐体に収容された請求項5に記載の試薬供給装置と、
    前記分析システム用筐体に収容され、前記試薬供給装置の前記試薬配管の前記第2の端部が接続される反応槽を有する分析装置と、を備え、
    前記分析システム用筐体には、前記試薬供給装置の試薬供給ユニットにおける前記試薬容器を吊下げる吊下部材を有する扉が設けられており、
    前記試薬供給装置は、所定のタイミングで前記ポンプを駆動させ、所定量の試薬を前記反応槽に供給し、
    前記分析装置は、前記試薬供給装置から供給された試薬を用いて試料の分析を行うことを特徴とする分析システム。
  7. 前記試薬供給ユニットの前記試薬容器における前記開口部は、前記ソフトバッグに密着された開口部材に形成されており、前記開口部材には鍔部が設けられており、
    前記分析システム用筐体における前記吊下部材は、前記開口部材に設けられた前記鍔部と係合する係合部を有する請求項6に記載の分析システム。
  8. 前記扉は、前記試薬容器を支持する支持部材が設けられた支持台を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の分析システム。
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