JP2672318B2 - 難燃性光拡散板 - Google Patents

難燃性光拡散板

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JP2672318B2
JP2672318B2 JP63032596A JP3259688A JP2672318B2 JP 2672318 B2 JP2672318 B2 JP 2672318B2 JP 63032596 A JP63032596 A JP 63032596A JP 3259688 A JP3259688 A JP 3259688A JP 2672318 B2 JP2672318 B2 JP 2672318B2
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秀司 吉田
一光 古川
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、光拡散板に関し、特に液晶表示のバツクラ
イト用に適する難燃性の光拡散液に関する。
〈従来技術〉 従来、液晶表示のバツクライト用光拡散板としては、
光拡散剤を配合したアクリル樹脂板が使用されている。
しかしながら、最近かゝる用途に使用される光拡散板の
耐熱性及び難燃性の向上が要請されるに及んで、従来の
アクリル樹脂板ではそれらの要求に応じきれない状況に
ある。即ち、かゝる光拡散板は従来のアクリル系光拡
散板よりも約10℃以上高い温度に耐える耐熱性、UL規
格94V−2に合格する難燃性、約45%以上の全光線透
過率と約55゜以上の半減角及び腐食性の強いハロゲン
を含有しないことを満足しなければならない。
一方、ポリカーボネートは、その優れた耐熱性透明性
及び非腐食性によつて光デイスク基板、照明レンズ等の
光学的用途に使用されているが、光拡散板としては余り
利用されていない。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、アクリル系光拡散板よりも耐熱性に
優れ、UL規格94V−2に合格する難燃性、約45%以上の
全光線透過率及び約55゜以上の半減角を有し、腐食性の
ハロゲンを含有しない光拡散板、特に液晶表示のバツク
ライト用に適する光拡散板を提供することにある。
本発明者は、この問題の解決に取り組み、鋭意研究の
結果、特定量のガラス短繊維と微粉状の炭酸カルシウム
を均一分散したポリカーボネート板が前記の諸要求を全
て満足することを見出して、本発明に到達した。
〈発明の構成〉 本発明はガラス短繊維と微粉状炭酸カルシウムを分散
含有せしめてなるポリカーボネート板よりなり、ポリカ
ーボネート板の厚さをtmm、ガラス短繊維の含有量をx
重量%、微粉状炭酸カルシウムの含有量をy重量%とし
たとき次式(I)及び(II) 1≦t ……(II) を満足せしめてなる難燃性光拡散板に係るものである。
本発明において使用されるポリカーボネートの代表例
は、ビスフエノールAとホスゲン,ジフエニルカーボネ
ートの如きカーボネート先駆体との反応によつて得られ
る重合体であり、ビスフエノールAの一部又は全部が他
の2価フエノール、例えばハイドロキノン,ジヒドロキ
シジフエニル,ビス(ヒドロキシフエニル)アルカン,
ビス(ヒドロキシフエニル)シクロアルカン,ビス(ヒ
ドロキシフエニル)エーテル,ビス(ヒドロキシフエニ
ル)ケトン,ビス(ヒドロキシフエニル)スルフイド,
ビス(ヒドロキシフエニル)スルホン又はこれらの低級
アルキル置換体等で置換されていてもよく、また炭酸エ
ステル残基の一部が、他の二塩基酸、例えばテレフタル
酸,イソフタル酸等の残基で置換されていてもよい。こ
れらのポリカーボネートは透明性を損わない範囲内で、
例えば他のポリカーボネート,ポリエステル,ポリスチ
レン,ポリフエニルエーテル等と混合されていてもよ
い。それらのうちで、屈折率が1.57〜1.60のものが特に
好ましく使用できる。
ガラス短繊維は、直径5〜15μのガラス繊維が長さ10
0μ以下に切断又は粉砕したものであつて、ガラスとし
ては無アルカリガラス、例えばEガラスが好ましく、屈
折率は使用するポリカーボネートの屈折率と0.01〜0.04
異なることが望ましい。かかるガラス短繊維はミルドフ
アイバー又はガラス粉末として市場から容易に入手する
ことができる。
微粉状炭酸カルシウムは、市販品をそのまま使用でき
るが、平均粒径が約4〜6μで、角張つた形状のものが
好ましい。
本発明の難燃性光拡散板は、前記のガラス短繊維と微
粉状炭酸カルシウムを均一に分散した厚さ1mm以上のポ
リカーボネート板であつて、ガラス短繊維の含有量をx
重量%、微粉状炭酸カルシウムの含有量をy重量%、ポ
リカーボネート板の厚さをt mmとしたときに、式(I)
を満足するものである。式(I)を満足しない場合に
は、全光線透過率約45%以上、半減角約55゜以上の性能
を同時に満足することができず、また厚さが1mm未満で
はUL規格94V−2を満足しなくなる。更に、成形板の外
観の点からはガラス短繊維の含有量は12重量%未満が好
ましく、高度の難燃性を要求される場合には、例えば有
機スルホン酸のアルカリ金属塩,イミドアルカリ金属塩
等の非ハロゲン系難燃剤を添加してもよい。
本発明の光拡散板は、前記のガラス短繊維,微粉状炭
酸カルシウム及びポリカーボネートを任意の方法で混合
し、射出成形,押出成形,射出圧縮成形等の方法によつ
て成形し、要すれば適宜切断することによつて製造され
る。製造の際に通常ポリカーボネートに添加される安定
剤,離型剤,紫外吸収剤,染料等を添加してもよい。
〈発明の効果〉 本発明の光拡散板は、アクリル系光拡散板よりも耐熱
性に優れ、UL規格94V−2以上の難燃性、約45%以上の
全光線透過率及び約55゜以上の半減角を有し、腐食性の
ハロゲンを含有しないので各種の光学用途に適し、特に
厚さ2〜3mmの光拡散板は液晶表示のバツクライト用に
好適である。
〈実施例〉 以下に実施例を挙げて本発明を詳記する。
全光線透過率及び半減角は、次の方法によつて測定し
た。
全光線透過率:JIS K−6735に準拠。
半減角:日本電色工業(株)の光沢計VGS−1Dを使用
し、図に示すように試料台に成形板1を載せ、すぐ上か
ら5V−1.25Aのハロゲンランプ(光源2)の光を投射
し、試料面に垂直下方の透過光の強さを受光器3で測定
してこれをAとする。受光器を右図のように円周方向に
移動し透過光の強さがA/2になる角度γ゜を求める。
実施例1〜4 ポリカーボネート(帝人化成(株):パンライトL−
1250屈折率1.58)(表中PCで示す)ガラス短繊維(日東
紡績(株):PFB101屈折率1.55平均直径9μ,平均長50
μ)及び微粉状炭酸カルシウム(シプロ化成(株)シプ
ロンA平均粒径5μ)を表−1に示した配合組成でブレ
ンダーで混合した後、30mmφベント式押出機(ナカタニ
(株):VSK−30)を用いてシリンダー温度280℃にて押
出しペレツト化した。このペレツトを120℃で6時間乾
燥した後射出成形機(住友サイキヤツプS480/150)を用
いてシリンダー温度290℃,金型温度100℃の条件で127m
m×12.7mm×2mm及び127mm×12.7mm×3mmの試験片を成形
し、UL規格94の燃焼試験を行なつた。結果を表−1に示
した。また同じ条件で150mm×150mm×2mm及び150mm×15
0mm×3mmの角板を成形し、全光線透過率及び半減角を測
定した。結果を表−1に示した。
比較例1〜4 ポリカーボネート(帝人化成(株):パンライトL−
1250,屈折率1.58)(表中PCで示す)ガラス短繊維(日
東紡績(株):PFB101,屈折率1.55,平均直径9μ,平均
長50μ)及び微粉状炭酸カルシウム(シプロ化成
(株):シプロンA,平均粒径5μ)を表−2に示した配
合組成で、上記実施例と同様に混合し、ペレット化し、
乾燥し、試験片及び厚さ2mmの角板を成形し、評価し、
結果を表−2に示した。
【図面の簡単な説明】 図は透過光線の半減角の測定法を説明するための図であ
り、図中1は試料,2は光源,3は受光器である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス短繊維と微粉状炭酸カルシウムを分
    散含有せしめてなるポリカーボネート板よりなり、ポリ
    カーボネート板の厚さをtmm、ガラス短繊維の含有量を
    x重量%、微粉状炭酸カルシウムの含有量をy重量%と
    したとき次式(I)及び(II) 1≦t ……(II) を満足せしめてなる難燃性光拡散板。
JP63032596A 1988-02-17 1988-02-17 難燃性光拡散板 Expired - Lifetime JP2672318B2 (ja)

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