JPH06122804A - 難燃性メタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性メタクリル系樹脂組成物

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JPH06122804A
JPH06122804A JP27450192A JP27450192A JPH06122804A JP H06122804 A JPH06122804 A JP H06122804A JP 27450192 A JP27450192 A JP 27450192A JP 27450192 A JP27450192 A JP 27450192A JP H06122804 A JPH06122804 A JP H06122804A
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JP
Japan
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methacrylic resin
resin composition
flame
resin
retardant
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JP27450192A
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English (en)
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Kiyomi Hirakawa
貴代美 平川
Yoshiichi Tsuruta
▲よし▼一 鶴田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタクリル系樹脂、リン系難燃剤、ベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤からなる難燃性メタクリル系樹脂
組成物 【効果】 本発明によれば、難燃性、耐候性および熱安
定性に優れたメタクリル系樹脂組成物を得ることができ
る。つまり、成形時における長期滞留に耐えうる熱安定
性を有するため、難燃性メタクリル系樹脂の長期間の射
出成形はもとより、押出成形が可能である。本発明の樹
脂組成物は、各種成形体としてとりわけ押出板として一
般照明器具、非常灯、誘導灯、あるいは表示灯等のカバ
ー、表示板、あるいは透光性カバーに、また、看板、標
識、映像機器のスクリーン等に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、耐候性および
熱安定性に優れたメタクリル系樹脂組成物に関する。本
発明の樹脂組成物は各種成形体として、とりわけ押出板
として一般照明器具、非常灯、誘導灯、あるいは表示灯
等のカバー、表示板、あるいは透光性カバーに、また、
看板、標識、映像機器のスクリーン等に使用できる。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は優れた透明性、耐候
性、機械的強度を有し、今日広く使用されている。さら
に、例えば照明カバーや看板等の用途分野では、透明性
が必要とされる用途には持ちろんのこと、内蔵された蛍
光灯の透けを防止したり、面板の輝度を制御するため
に、本来透明であるメタクリル樹脂に、これとは屈折率
の異なる無機物、あるいは有機物の微粒子を添加するこ
とによって、光拡散性を付与し、半透明ないし不透明に
変換した上で使用されることも多い。しかしながら、メ
タクリル樹脂は比較的燃え易い樹脂としても知られてお
り、難燃性が要求される用途には適用が困難という問題
があった。
【0003】一方、メタクリル樹脂の難燃化に関しても
これまで多くの提案がなされており、メタクリル樹脂本
来の特徴である耐候性、透明性、機械的強度を余り損な
う事なくメタクリル樹脂を難燃化する方法として、ハロ
ゲン元素とリン元素を分子内に含有する有機化合物をブ
レンドする技術が最も多く提案されている。例えば、特
公昭56−26264号公報にはメタクリル酸メチルを
主生成とする重合体と含ハロゲンポリホスホン酸エステ
ル、オルトリン酸トリエステル、および含ハロゲン亜リ
ン酸トリエステルからなる組成物が、また特開昭59−
206454号公報にはメタクリル樹脂と含ハロゲンポ
リホスホネート、および含ハロゲンポリホスフェートか
らなる組成物が、特開昭61−115950号公報には
メタクリル樹脂と含塩素リン酸エステル、およびテトラ
ブロモビスフェノールAからなる組成物が、そして特開
平3−106630号公報にはメタクリル樹脂とトリス
(トリブロモ)ネオペンチルホスフェートからなる押出
板が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】難燃剤を含有するメタ
クリル樹脂の成形は、メタクリル樹脂の成形温度が比較
的高温であるため、難燃剤の熱劣化、および熱分解を伴
う恐れがあることから、難燃剤の選定、および成形方
法、特に押出成形は非常に難しいという問題点を有して
いた。そのため、難燃剤の熱劣化、および熱分解を伴う
恐れの極めて少ないキャスト重合法による板成形法がほ
とんどであるが、板寸法制御が難しい上、コストが高い
等の問題点を有しており、その改善が必要とされてい
た。
【0005】かかる状況下において、成形温度において
熱劣化、および熱分解の極めて少ない難燃剤を用いるこ
とによって、難燃性、耐候性、押出または射出成形にお
ける熱安定性に優れたメタクリル樹脂組成物が強く望ま
れていた。そこで、本発明者等は、難燃化され、かつ押
出または射出成形時に熱安定性に優れたメタクリル系樹
脂組成物について鋭意検討した結果、メタクリル系樹脂
にリン系難燃剤、およびベンゾフェノン系の紫外線吸収
剤を配合することによって、従来のキャスト重合法によ
る難燃性メタクリル樹脂組成物に比べて、難燃性が低下
する事無く、耐候性、押出または射出成形時の長期量産
運転に耐え得るような優れた熱安定性を有し、外観の優
れた成形品が安定して得られる事を見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はメタクリ
ル系樹脂、リン系難燃剤、およびベンゾフェノン系の紫
外線吸収剤からなる難燃性メタクリル系樹脂組成物に関
するものである。本発明におけるメタクリル系樹脂とし
ては、以下に挙げたもののいずれか、あるいはこれらを
2種以上混合して用いることができる。即ち、(A)メ
チルメタクリレート単位80〜99重量%と炭素数1〜
8であるアルキルアクリレート単位1〜20重量%から
なる樹脂、(B)メチルメタクリレート単位30〜99
重量%とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
マレイミド、N−置換マレイミド、スチレン、α−メチ
ルスチレンから選ばれる少なくとも一種の単量体単位1
〜70重量%からなる樹脂、(C)分子中に下式で示さ
れる六員環酸無水物単位および/または六員環イミド単
位を含む樹脂、である。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】(A)のメチルメタクリレート単位とアル
キルアクリレート単位からなる樹脂は優れた耐候性と透
明性を有しており、公知のラジカル重合法、すなわち懸
濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等によって製造する
事ができる。炭素数が1〜8であるアルキルアクリレー
トとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、1−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等が挙げられ、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−ブチルアクリレートが好ましく用いら
れる。メチルメタクリレート単位の比率が80重量%未
満の場合は、組成物の耐熱変形性の低下が大きく、99
重量%を超える場合は、耐熱分解性に劣るのでいずれも
好ましくない。(A)の樹脂のクロロホルム中、25℃
で測定した還元粘度(ηsp/c)は30〜120ml
/gの範囲が好ましく、35〜110ml/gの範囲が
特に好ましい。還元粘度が30ml/g未満の場合、組
成物の機械強度に劣り、120ml/gを超える場合
は、流動性や加工性に劣るのでいずれも好ましくない。
【0010】(B)に挙げた樹脂のうち、メチルメタク
リレート単位とスチレン、および又はα−メチルスチレ
ン単位からなる樹脂は、(A)の樹脂に比べて吸湿性が
低く、良好な成形加工性を有している。また、メチルメ
タクリレート単位とアクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、α−メチ
ルスチレンから選ばれる単量体単位からなる樹脂は、耐
熱性の高いメタクリル系の樹脂であり、やはり公知のラ
ジカル重合法、すなわち懸濁重合法、溶液重合法、塊状
重合法等によって製造する事ができる。メチルメタクリ
レート単位の比率が30重量%未満の場合は、組成物の
耐候性が悪く、99重量%を超える場合は、耐熱分解性
に劣るのでいずれも好ましくない。クロロホルム中、2
5℃で測定した還元粘度(ηsp/c)の好ましい範囲
が30〜120ml/gであることは、(A)の樹脂と
同様である。
【0011】(C)に挙げた分子中に六員環酸無水物単
位および/または六員環イミド単位を含む樹脂は、かな
り耐熱性の高いことが特長である。製造法としては、ま
ずアクリル酸、メタクリル酸、t−ブチルアクリレー
ト、あるいはt−ブチルメタクリレートの単独重合体、
共重合体、あるいはこれらの少なくとも一種と他の共重
合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体を公知の
ラジカル重合法、すなわち懸濁重合法、溶液重合法、塊
状重合法等によって製造し、しかるのちこの重合体を減
圧下に加熱して閉環反応させ、六員環酸無水物単位を生
成したら、さらにはアンモニアや一級アミンと反応させ
て六員環イミド単位を生成することによって実施でき
る。(A)、(B)の樹脂と同様、クロロホルム中、2
5℃で測定した還元粘度(ηsp/c)の好ましい範囲
は30〜120ml/gである。
【0012】本発明において用いられるリン系難燃剤と
しては、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン
酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホ
スホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、
縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン
酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲ
ン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステ
ル等から選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物を挙
げることができる。具体的な例としては、トリフェニル
ホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、フェニル
ホスホン酸、トリス(β−クロロエチル)ホスフェー
ト、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス
(トリプロモネオペンチル)ホスフェート、あるいは下
記の構造式で表される化合物等が挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】本発明のメタクリル樹脂組成物を押出板と
して用いる場合は、組成物を押出機中で溶融してダイか
ら押出すというプロセスとなるので、添加する難燃剤自
体の耐熱分解性が良好なことが必須である。即ち、熱分
解しやすい難燃剤を用いると、押出機中での滞留、加熱
時に熱分解や熱着色を起こし、押出板が着色したり、板
表面に気泡やブツが発生したり、さらには分解ガスによ
って製造現場の環境が著しく悪化するといった問題が生
じる。従って、難燃剤はメタクリル樹脂押出板を成形す
る通常の温度、即ち、約230〜280℃において熱分
解をほとんど起こさないものが好ましく用いられる。こ
の観点からは、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、
芳香族縮合リン酸エステル等が好ましく、トリス(トリ
ブロモネオぺンチル)ホスフェートが特に好ましい。
【0017】リン系難燃剤の添加量はメタクリル樹脂1
00重量部に対して、1〜20重量部の範囲であること
が好ましく、さらに好ましくは1〜10重量部である。
添加量が1重量部未満の場合は、組成物または押出板の
難燃性が低く、逆に20重量部を超える場合は、耐熱安
定性、耐候性、耐光性、および機械的強度の低下が大き
くなる傾向となってしまい、実用的でない。
【0018】本発明における紫外線吸収剤としては、ベ
ンゾフェノン系が挙げられる。例えば、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾヘェノン、2,2′−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−
4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン等のベ
ンゾフェノン類を例示することができ、特に好ましいの
は、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンで
ある。ここにおけるベンゾフェノン系の紫外線吸収剤
は、他の紫外線吸収剤、例えばベンゾトリアゾール系と
比較して、押出または射出成形時の組成物の熱安定性向
上に非常に効果的である。他の紫外線吸収剤中には、メ
タクリル系樹脂の加工温度において難燃剤同様、熱分解
や熱着色を起こし、成形品の外観を悪化させるものがあ
るが、本発明におけるベンゾフェノン系の紫外線吸収剤
は、難燃剤を含有するメタクリル系樹脂に対して、成形
時の長期滞留などに十分耐うる効果を施し、得られる成
形品の外観を損なわない。
【0019】また、成形時に揮散して失われる事も少な
い上、組成物あるいは成形品に優れた耐候性を付与でき
る。メタクリル系樹脂100重量部当たりの紫外線吸収
剤の添加量は、0.05〜5重量部の範囲が好ましく、
0.1〜3重量部の範囲がさらに好ましい。添加量が
0.05重量部未満では、耐候性改良効果が不十分であ
り、一方5重量部を超えると組成物あるいは成形品の透
明性、または色調が低下し、さらに紫外線吸収剤は高価
なのでコスト上も不利となり好ましくない。
【0020】また、これらの紫外線吸収剤と共に、必要
に応じて本発明の目的を逸脱しない範囲内で、酸化防止
剤としてビンダードフェノール系やトリフェニルホスフ
ェート等の含リン化合物を使用することも可能である。
また、本発明のメタクリル系樹脂組成物には、必要に応
じて本発明の目的を逸脱しない範囲内で、光拡散性を付
与し、半透明または不透明にして使用することも可能で
ある。
【0021】本発明のメタクリル系樹脂光拡散性を付与
するための光拡散剤として、三酸化アンチモン、五酸化
アンチモン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭
酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ
酸亜鉛、石英、結晶性シリカ、無定形シリカ、ガラスビ
ーズ、弗化リチウム、弗化カルシウム、タルク、ハイド
ロタルサイト、ワラストナイト、カオリン等の無機物、
およびアルキルメタクリレート/芳香族ビニル/アルキ
ルアクリレートからなる粒子径30〜300μmの架橋
ポリマーや粒状ポリアルキルシルセスキオキサン系樹脂
等の有機物が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種
類以上を併用して用いることができる。特に無機物の場
合にメタクリル系樹脂への分散性を改良するために、脂
肪酸やシラン処理剤等を用いて粒子表面をコーティング
することもしばしば行われる。また、本発明の組成物を
押出板として使用する場合には、光拡散剤についても、
先にリン系難燃剤について述べたように、メタクリル樹
脂押出板を形成する通常の温度、即ち、約230〜28
0℃において熱分解をほとんど起こさないものが好まし
く用いられる。
【0022】また、光拡散剤として先に挙げたものの中
には、それ単独で、あるいは適当な難燃剤との併用で難
燃効果を発揮しうるものがあるので、このことを利用し
て樹脂組成物あるいは押出板の難燃性を維持しつつ難燃
剤の配合量を低減することも可能である。このような光
拡散剤としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
【0023】光拡散剤の種類や配合量の選定は、光拡散
効果、光線透過率、「透け」の有無といった組成物また
は押出板の光学特性だけでなく、その難燃性に対しても
極めて重大な影響を及ぼすことに注意しなければならな
い。例えば、価格面や取扱い易さからは硫酸バリウムが
好ましく、樹脂中の分散性も比較的良好であるが、多量
に添加しないと優れた隠蔽力を発揮しないうえ、組成物
または押出板に対して難燃性を低下させるという問題点
があった。一方、酸化チタンは少量の添加で優れた隠蔽
力を発揮するが、均一分散させることが難しく、「透
け」が生じやすいという問題がある。
【0024】本発明者らは、このような各光拡散剤の特
長を生かしながら、組成物または押出板の難燃性を損な
うことなく、優れた光拡散性能を付与するために、光拡
散剤の組み合わせや添加量の制御が重要であることに想
到した。例えば、硫酸バリウムを用いる場合、その添加
量は、メタクリル系樹脂100重量部に対して0.1〜
5重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜3
重量部である。添加量が0.1重量部未満では、光の散
乱性能が低く押出板に「透け」がみられ、逆に5重量部
を超えると、組成物または押出板の難燃性能が著しく低
下するので、難燃剤添加量を多くせざるを得ず、耐熱性
や耐候性が低下するのでいずれも好ましくない。特に、
遊離誘導灯の表示板の場合は、全光線透過率が30〜3
6%であることが要求されるが、この透過率を実現させ
るために硫酸バリウムを単独使用して添加量を多くする
と、難燃性能を低下させてしまう。そこで、少量の添加
で光線透過率を制御できる酸化チタンとの併用が効果的
である。ここで酸化チタンの添加量は、メタクリル系樹
脂100重量部に対して0.01〜0.2重量部の範囲
が好ましく、より好ましくは0.05〜0.18重量部
である。酸化チタンの添加量が0.01重量部より少な
いと、樹脂中に均一分散させるのが難しい上に光の散乱
性能が不足し、一方、0.2重量部を超えるとコスト面
で不利となるので好ましくない。
【0025】本発明のメタクリル系樹脂組成物には、発
明の効果を損なわない範囲で、有機系、無機系の染料や
顔料、離型剤、滑剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤、あ
るいは表面に凹凸を付与するために粒子状内部マット化
剤等を配合することが可能である。本発明の樹脂組成物
はペレットを射出成形して、あるいは押出成形によって
製造した押出板を真空成形等の方法で二次加工して実用
に供せられる。
【0026】ペレットを製造する方法として、メタクリ
ル系樹脂、リン系難燃剤、紫外線吸収剤、および必要に
応じて光拡散剤をドラムブレンダーあるいはヘンシェル
ミキサー等で十分撹拌混合した後、押出機によって溶融
混練する方法が一般的である。また、押出板を製造する
方法としてメタクリル系樹脂、リン系難燃剤、紫外線吸
収剤、および必要に応じて光拡散剤をドラムブレンダー
あるいはヘンシェルミキサー等で十分撹拌混合した後、
直接Tダイ付の押出機で板状に押出し、連続してロール
により所望の板厚、幅、表面状を有する押出板とする方
法、一度組成物をペレットにした後同様の方法で押出板
とする方法、添加剤の割合を高くした配合物を押出して
濃縮ペレットとし、しかるのちこの濃縮ペレットをメタ
クリル系樹脂で所望の添加剤濃度になるように希釈して
再度押出して押出板とする方法などいずれを用いても良
い。
【0027】本発明の樹脂組成物を押出板として用いる
場合、その厚みは0.5〜5mmが好ましく、1〜3m
mがさらに好ましい。板厚が0.5mm未満の場合は、
板の剛性が不足するなど機械的強度上の問題が生じるの
で好ましくない。また、樹脂組成物を押出板として用い
る場合、光拡散効果をさらに向上させるために、板の表
面にエンボス加工やプリズム加工等の凹凸を付与するこ
ともできる。
【0028】本発明の押出板は、本発明の樹脂組成物か
ら構成される単層の押出板のほか、10〜500μmの
厚さのメタクリル樹脂フィルムを本発明の樹脂組成物か
ら製造された押出板の片面、あるいは両面にラミネート
して得られる積層板、および共押出によって製造された
本発明の樹脂組成物からなる押出板の片面、あるいは両
面に1〜100μmの厚さのメタクリル樹脂からなる層
を有する積層板を含有する。
【0029】本発明の樹脂組成物は、メタクリル樹脂本
来の有する耐候性、透明性を損なう事無く難燃化されて
いる上に、成形加工時の熱安定性に優れているため、各
種成形体として、とりわけ押出板として一般照明器具、
非常灯、誘導灯、あるいは表示灯等のカバー、表示板、
あるいは透光性カバーに、また、看板、標識、映像機器
のスクリーン等に使用できる。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではな
い。なお、実施例、比較例における測定は次に記載する
方法、もしくは測定機器を用いて行った。 (1)全光線透過率 押出板から50×50mmの試験片を切り出し、JIS
K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に
規定された試験方法に準じて測定する。 (2)耐燃性 1.透明タイプ 押出板から長さ127mm、幅12.7mmの試験片を
切り出し、UL94HB及び、UL94V−2に規定さ
れた耐炎性試験規格に準じて耐燃性を評価する。本実施
例及び、比較例の評価の板厚は、3mm未満のものを使
用する。
【0031】2.光拡散性タイプ 押出板から長さ124mm、幅12.5mmの試験片を
切り出し、JIL5502「誘導灯器具技術基準」の附
属書7に規定された試験方法Cに準じて耐燃性を評価す
る。燃焼速度が38mm/分以下の場合、合格と判定す
る。 (3)耐候性試験 試験片を水銀灯照射試験(高速耐光性試験)機中、75
℃で3週間暴露した後の外観の変化を目視により評価す
る。 (4)耐熱安定性試験 組成物をメルトインデクサー内において、300℃で1
〜3時間滞留させ、組成物の流動性を評価する。さら
に、特に断らない限り、以下の%と部はそれぞれ重量%
と重量部を示すものとする。
【0032】
【実施例1】 〔メタクリル系樹脂の調製〕メタクリル酸メチル/アク
リル酸メチル/過酸化ラウロイル/n−オクチルメルカ
プタン=95/5/0.2/0.2(重量比)の単体混
合物を懸濁重合し、得られたポリマー粒子を十分水洗し
た後、乾燥してメタクリル樹脂(A)を得た。得られた
メタクリル樹脂(A)をクロロホルム中、25℃で測定
した還元粘度(ηsp/c)は、71ml/gであっ
た。 〔メタクリル系樹脂組成物の調製〕三井三池化工機
(株)製のヘンシェルミキサー(FM10B型)を用い
て、メタクリル系樹脂(A)100重量部、トリス(ト
リブロモネオペンチル)ホスフェートおよび紫外線吸収
剤として2−ヒドロキシ−4−オクトキシ−ベンゾフェ
ノンを表1の比率で配合し、90秒間撹拌混合した。こ
の混合物をナカタニ機械(株)製の2軸押出機(AS9
0型)によって溶融混練し、ペレットを作製した。 〔押出板の作製と評価〕得られたペレットをTダイを取
り付けた2軸押出機を用い、温度240℃で押出し、金
属ロールで冷却して幅20cm、厚さ1.5mmの押出
板を製造した。こうして製造された板の評価結果を表1
に示す。
【0033】
【実施例2】メタクリル系樹脂組成物の調製時にトリス
(トリブロモネトンチル)ホスフェートの配合量を15
重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして押出板
を製造し、耐燃性についてはUL94V−2試験法によ
り評価を行った。結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1】メタクリル樹脂(A)のみを用いて実施例
1と同様にして評価を行った。結果を表2に示した。
【0035】
【比較例2】メタクリル系樹脂組成物の調製時にトリス
(トリブロモネオンチル)ホスフェートを10重量部配
合した以外は比較例1と同様にして行った。結果を表2
に示した。
【0036】
【比較例3】メタクリル系樹脂組成物の調製時に、紫外
線吸収剤を2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールに変更した以外は、実施例1と
同様にして行った。結果を表2に示した。
【0037】
【実施例3】メタクリル系樹脂(A)に硫酸バリウム、
酸化チタンを表1に示した比率で光拡散性組成物を調製
し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に
示した。
【0038】
【比較例4】光拡散性メタクリル系樹脂組成物の調製時
に、紫外線吸収剤を2−(5−メチル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾールに変更した以外は、実施
例3同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
【0039】
【実施例4】光拡散性メタクリル系樹脂組成物の調製時
に、酸化チタンの添加量を表1に示すように変更し、押
出板の板厚を2.0mmにした以外は実施例3同様にし
て評価を行った。結果を表1に示した。
【0040】
【比較例5】光拡散性メタクリル系樹脂組成物の調製時
に、酸化チタンの添加量を表2に示すように変更し、押
出板の板厚を2.0mmにした以外は実施例3と同様に
して評価を行った。結果を表2に示した。
【0041】
【実施例5】光拡散性メタクリル系樹脂組成物の調製時
に、2−ヒドロキシ−4−オクトキシーベンゾフェノン
の添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例4
と同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
【0042】
【実施例6】光拡散性メタクリル系樹脂組成物の調製時
に、2−ヒドロキシ−4−オクトキシーベンゾフェノン
の添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例4
と同様にして評価を行った。結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、難燃性、耐候性および
熱安定性に優れたメタクリル系樹脂組成物を得ることが
できる。つまり、成形時における長期滞留に耐えうる熱
安定性を有するため、難燃性メタクリル系樹脂の長期間
の射出成形はもとより押出成形が可能である。本発明の
樹脂組成物は、各種成形体としてとりわけ押出板として
一般照明器具、非常灯、誘導灯、あるいは表示灯等のカ
バー、表示板、あるいは透光性カバーに、また、看板、
表示、映像機器のスクリーン等に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル系樹脂、リン系難燃剤、ベン
    ゾフェノン系紫外線吸収剤からなる難燃性メタクリル系
    樹脂組成物
JP27450192A 1992-10-13 1992-10-13 難燃性メタクリル系樹脂組成物 Pending JPH06122804A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171244A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Arkema 耐火性に優れたメタアクリルポリマー材料
WO2022097135A1 (en) * 2020-11-05 2022-05-12 Bromine Compounds Ltd. Flame-retarded poly(methyl methacrylate)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171244A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Arkema 耐火性に優れたメタアクリルポリマー材料
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Effective date: 20021112