JP2671525B2 - 接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、短時間で強固な接合が可能な高周波誘導加
熱接着剤に関するものである。
熱接着剤に関するものである。
本発明に係る接着剤の主な用途は、自動車工業または
家庭用電気製品工業等において使用されるプラスチック
ス、金属、セラミクス等の接合であり、特にガラス繊維
またはカーボンフアイバー等で強化されたSMC(シート
モールディングコンパウンド)等の強化プラスチックの
接合に好適である。
家庭用電気製品工業等において使用されるプラスチック
ス、金属、セラミクス等の接合であり、特にガラス繊維
またはカーボンフアイバー等で強化されたSMC(シート
モールディングコンパウンド)等の強化プラスチックの
接合に好適である。
従来、例えば米国特許3709775号公報に記載のよう
に、プラスチックス等の絶縁体の接合方法として、接合
部位に発熱体となる磁性体粉末を含む熱可塑性樹脂を接
合媒体として挿入し、数MHz〜数GHzの高周波磁場を印加
することにより発熱体を発熱させ、被接合体を加熱接合
する高周波誘導加熱接合法が知られている。また、接合
媒体として前記熱可塑性樹脂に代えて、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂を使用した高周波誘導加熱接合法も本発
明者らにより提案されている(特開昭62−205151号公
報)。
に、プラスチックス等の絶縁体の接合方法として、接合
部位に発熱体となる磁性体粉末を含む熱可塑性樹脂を接
合媒体として挿入し、数MHz〜数GHzの高周波磁場を印加
することにより発熱体を発熱させ、被接合体を加熱接合
する高周波誘導加熱接合法が知られている。また、接合
媒体として前記熱可塑性樹脂に代えて、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂を使用した高周波誘導加熱接合法も本発
明者らにより提案されている(特開昭62−205151号公
報)。
エポキシ樹脂系の接着剤は、強力な接着力と優秀な接
着耐久性を具備しているために、構造用接着剤として広
く使用されている。かかるエポキシ系接着剤による接合
に関して、自動車工業等のライン生産を行なっている業
界からは、接合時間の短縮化が求められており、その要
求に応えるため高周波誘導加熱接合法の採用が検討され
ている。
着耐久性を具備しているために、構造用接着剤として広
く使用されている。かかるエポキシ系接着剤による接合
に関して、自動車工業等のライン生産を行なっている業
界からは、接合時間の短縮化が求められており、その要
求に応えるため高周波誘導加熱接合法の採用が検討され
ている。
しかしながら、高周波誘導加熱法は、通常被接合体を
加熱することなく接着剤のみを加熱するので、被接合体
が熱膨張率の大きい鋼板やSMC(シートモールディング
コンパウンド)等である場合、接着界面において大きな
応力が発生し易く従来のエポキシ系接着剤では、該応力
が残留し接着耐久性の点で問題があった。
加熱することなく接着剤のみを加熱するので、被接合体
が熱膨張率の大きい鋼板やSMC(シートモールディング
コンパウンド)等である場合、接着界面において大きな
応力が発生し易く従来のエポキシ系接着剤では、該応力
が残留し接着耐久性の点で問題があった。
(ロ)発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、短時間で強固な接合が可能で、かつ接
着耐久性に優れた接着剤を得るべく鋭意検討した結果、
エポキシ樹脂を主体とする接着剤で、接着剤硬化物の引
張り弾性率が3.0〜60kg f/mm2である接着剤が、応力緩
和と耐熱性を兼ね備えていることを見出し、本発明を完
成するに至った。
着耐久性に優れた接着剤を得るべく鋭意検討した結果、
エポキシ樹脂を主体とする接着剤で、接着剤硬化物の引
張り弾性率が3.0〜60kg f/mm2である接着剤が、応力緩
和と耐熱性を兼ね備えていることを見出し、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は、エポキシ当量が170〜2,000であ
るビスフェノールA型またはビスフェノールF型のエポ
キシ樹脂100重量部あたり、下記化合物(A)、(B)
または(C)(以下これらを併用エポキシ化合物と総称
する)が10〜70重量部添加された液状エポキシ樹脂(以
下主剤という)と、ポリアミノアミドとからなる二液型
熱硬化性樹脂に、磁性体粉末が分散された硬化物の引張
り弾性率が3.0〜60kg f/mm2である高周波誘導加熱接着
剤である。
るビスフェノールA型またはビスフェノールF型のエポ
キシ樹脂100重量部あたり、下記化合物(A)、(B)
または(C)(以下これらを併用エポキシ化合物と総称
する)が10〜70重量部添加された液状エポキシ樹脂(以
下主剤という)と、ポリアミノアミドとからなる二液型
熱硬化性樹脂に、磁性体粉末が分散された硬化物の引張
り弾性率が3.0〜60kg f/mm2である高周波誘導加熱接着
剤である。
(A):CTBN変成ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (B):ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテ
ル (C):分子量が300以上である高級脂肪族ジカルボン
酸のジグリシジルエステル 以下、本発明について更に詳しく説明する。
ル (C):分子量が300以上である高級脂肪族ジカルボン
酸のジグリシジルエステル 以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の高周波誘導加熱接着剤を構成する主剤は、前
述のとおり、エポキシ当量が170〜2,000であるビスフェ
ノールA型またはビスフェノールF型のエポキシ樹脂と
併用エポキシ化合物とからなり、全体として常温で液体
の組成物である。主剤における上記エポキシ樹脂と併用
エポキシ化合物との割合は、上記エポキシ樹脂100重量
部あたり、併用エポキシ化合物10〜70重量部であり、好
ましくはエポキシ樹脂100重量部あたり、併用エポキシ
化合物20〜50重量部である。
述のとおり、エポキシ当量が170〜2,000であるビスフェ
ノールA型またはビスフェノールF型のエポキシ樹脂と
併用エポキシ化合物とからなり、全体として常温で液体
の組成物である。主剤における上記エポキシ樹脂と併用
エポキシ化合物との割合は、上記エポキシ樹脂100重量
部あたり、併用エポキシ化合物10〜70重量部であり、好
ましくはエポキシ樹脂100重量部あたり、併用エポキシ
化合物20〜50重量部である。
本発明における併用エポキシ化合物の具体例は、例え
ば以下に示すとおりである。
ば以下に示すとおりである。
化合物(A):CTBN変性ビスフェノールA型エポキシ樹
脂。
脂。
本発明で使用できるCTBN変性ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂は、カルボキシル基を有し分子量が3,000〜4,0
00で液状のブタジェン−アクリロニトリルゴム(本明細
書においてはCTBNと略記する)とビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂とをエステル化した物であり、トリフェニル
ホスフィン等のエステル化触媒により、120〜170℃で2
〜3時間反応させることにより得られる。使用するCTBN
の好ましいアクリロニトリル配合量は、反応させるエポ
キシ樹脂との相溶性の点で15〜30wt%である。また、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂とCTBNとの好ましい反応
比は、該エポキシ樹脂100重量部に対してCTBN20〜70重
量部である。
キシ樹脂は、カルボキシル基を有し分子量が3,000〜4,0
00で液状のブタジェン−アクリロニトリルゴム(本明細
書においてはCTBNと略記する)とビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂とをエステル化した物であり、トリフェニル
ホスフィン等のエステル化触媒により、120〜170℃で2
〜3時間反応させることにより得られる。使用するCTBN
の好ましいアクリロニトリル配合量は、反応させるエポ
キシ樹脂との相溶性の点で15〜30wt%である。また、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂とCTBNとの好ましい反応
比は、該エポキシ樹脂100重量部に対してCTBN20〜70重
量部である。
化合物(B):ポリアルキレングリコールのジグリシジ
ルエーテル。
ルエーテル。
具体例としては、ダウケミカル社製商品名DER−732
(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル)等
があり、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
およびポリブチレングリコールジグリシジルエーテル等
も使用できる。
(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル)等
があり、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
およびポリブチレングリコールジグリシジルエーテル等
も使用できる。
化合物(C):分子量が300以上である高級脂肪族ジカ
ルボン酸のジグリシジルエステル。
ルボン酸のジグリシジルエステル。
ダイマー酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。
上記化合物(A)〜(C)は、単独でまたは2種以上
併用して使用することができる。
併用して使用することができる。
本発明の接着剤は、接着後の残留応力を速やかに緩和
できるように、後記する磁性体粉末を含んだ状態の硬化
物の引張り弾性率が、他の用途に用いられるエポキシ樹
脂系接着剤の場合より低いことが望まれ、3.0〜60kg f/
mm2であることが必要である。
できるように、後記する磁性体粉末を含んだ状態の硬化
物の引張り弾性率が、他の用途に用いられるエポキシ樹
脂系接着剤の場合より低いことが望まれ、3.0〜60kg f/
mm2であることが必要である。
硬化物の引張り弾性率を上記範囲に設定する目的で、
必要に応じて、エポキシ化大豆油、ジオクチルフタレー
トまたはポリプロピレングリコール等の可塑剤を接着剤
に添加しても良い。また、前記併用エポキシ化合物は、
硬化物の引張り弾性率を低下させる方法で作用する。
必要に応じて、エポキシ化大豆油、ジオクチルフタレー
トまたはポリプロピレングリコール等の可塑剤を接着剤
に添加しても良い。また、前記併用エポキシ化合物は、
硬化物の引張り弾性率を低下させる方法で作用する。
前記主剤において、併用エポキシ化合物の量が、エポ
キシ樹脂100重量部あたり、10重量未満であると、硬化
物の引張り弾性率を上記範囲に設定するため、前記のよ
うな可塑剤を過剰に使用しなければならず、その結果接
着強度が損われ、一方70重量部を越えると、相対的にエ
ポキシ樹脂の比率が低下しエポキシ樹脂に固有の強固な
接着力が発現しない。
キシ樹脂100重量部あたり、10重量未満であると、硬化
物の引張り弾性率を上記範囲に設定するため、前記のよ
うな可塑剤を過剰に使用しなければならず、その結果接
着強度が損われ、一方70重量部を越えると、相対的にエ
ポキシ樹脂の比率が低下しエポキシ樹脂に固有の強固な
接着力が発現しない。
次に上記主剤の硬化剤として作用するポリアミノアミ
ドについて説明する。
ドについて説明する。
本発明におけるポリアミノアミドとしては、リノール
酸またはリノレイン酸等の不飽和二重結合を含む脂肪酸
を、ケイ酸アルミナなどの触媒の存在下に加熱して重合
させて得られる二量体化脂肪酸、三量体化脂肪酸および
四量体化脂肪酸等からなる混合物と、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミ
ン等のポリエチレンポリアミとを縮合させて得られるポ
リアミノアミドがあり、好ましくはアミン価が200〜450
mgKOH/gのポリアミノアミドである。
酸またはリノレイン酸等の不飽和二重結合を含む脂肪酸
を、ケイ酸アルミナなどの触媒の存在下に加熱して重合
させて得られる二量体化脂肪酸、三量体化脂肪酸および
四量体化脂肪酸等からなる混合物と、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミ
ン等のポリエチレンポリアミとを縮合させて得られるポ
リアミノアミドがあり、好ましくはアミン価が200〜450
mgKOH/gのポリアミノアミドである。
ポリアミノアミドの使用量は、前記主剤100重量部あ
たり、60〜90重量部が好ましく、さらに好ましくは70〜
80重量部である。ポリアミノアミドの量が60重量部未満
であると、接着後の残留応力が大きくなり、一方90重量
部を越えると、接着剤の耐熱・耐水性が低下する。
たり、60〜90重量部が好ましく、さらに好ましくは70〜
80重量部である。ポリアミノアミドの量が60重量部未満
であると、接着後の残留応力が大きくなり、一方90重量
部を越えると、接着剤の耐熱・耐水性が低下する。
ポリアミノアミド以外のアミン系硬化剤、酸および酸
無水物系硬化剤を使用すると、接着剤樹脂の体積収縮率
すなわち硬化後に接着剤自体の体積が硬化前に比べ収縮
する比率が大きく、その結果接着後に大きな応力が発生
し、目的とする接着耐久性が得られない。
無水物系硬化剤を使用すると、接着剤樹脂の体積収縮率
すなわち硬化後に接着剤自体の体積が硬化前に比べ収縮
する比率が大きく、その結果接着後に大きな応力が発生
し、目的とする接着耐久性が得られない。
SMC等をライン上で接合する場合、通常接着が1分以
内に完結するような接着速度が要求されるが、その場
合、本発明の接着剤においては、硬化剤のポリアミノア
ミドにカテコール、ピロガロールおよびポリビニルフェ
ノール等のフェノール系硬化促進剤を添加することが好
ましく、添加量は、ポリアミノアミド100重量部あたり
硬化促進剤1.0〜20重量部が適当である。
内に完結するような接着速度が要求されるが、その場
合、本発明の接着剤においては、硬化剤のポリアミノア
ミドにカテコール、ピロガロールおよびポリビニルフェ
ノール等のフェノール系硬化促進剤を添加することが好
ましく、添加量は、ポリアミノアミド100重量部あたり
硬化促進剤1.0〜20重量部が適当である。
上記主剤および硬化剤のポリアミノアミドに、高周波
誘導に感応する磁性体粉末を加えて、本発明の接着剤が
得られる。
誘導に感応する磁性体粉末を加えて、本発明の接着剤が
得られる。
磁性体粉末としては、高周波磁場内において磁気ヒス
テリシス損あるいは渦電流損により発熱する物質、具体
的には鉄、ニッケル、酸化鉄、フェライト等からなる粒
子径が1ミクロン以下の微細な粉末が好ましく、さら
に、100KHz〜1MHzの高周波磁場中において、効率的に発
熱する点で、粒状のγ−Fe2O3が最も好ましい。
テリシス損あるいは渦電流損により発熱する物質、具体
的には鉄、ニッケル、酸化鉄、フェライト等からなる粒
子径が1ミクロン以下の微細な粉末が好ましく、さら
に、100KHz〜1MHzの高周波磁場中において、効率的に発
熱する点で、粒状のγ−Fe2O3が最も好ましい。
上記磁性体粉末は、主剤およびポリアミノアミドの両
方に加えることが好ましく、その添加量は両者への添加
分の合計量で、主剤およびポリアミノアミドにおける有
機成分の合計量100重量部あたり、30〜150重量部が好ま
しく、さらに好ましくは50〜100重量部である。
方に加えることが好ましく、その添加量は両者への添加
分の合計量で、主剤およびポリアミノアミドにおける有
機成分の合計量100重量部あたり、30〜150重量部が好ま
しく、さらに好ましくは50〜100重量部である。
本発明の接着剤には、上記成分の他に所望により、超
微粒子状無水シリカやシランカップリング剤等を添加し
ても良い。SMCを被着材とする場合、シランカップリン
グ剤は接着力向上のために使用でき、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等は主剤に添加して、また
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等はポリアミノ
アミドに添加して用いられる。
微粒子状無水シリカやシランカップリング剤等を添加し
ても良い。SMCを被着材とする場合、シランカップリン
グ剤は接着力向上のために使用でき、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等は主剤に添加して、また
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等はポリアミノ
アミドに添加して用いられる。
接着剤の調整方法としては、主剤および硬化剤それぞ
れ別個に、磁性体粉末を均一に分散させ、かつ、加熱接
着時に発泡が生じないように空気を巻き込まないよう練
合するために、主剤および硬化剤を、それぞれ40〜60℃
に加温し、3〜20torrの真空下で大きな剪断力を加えな
がら20分〜60分かけて練合するのが好ましく、好適な混
合練り機としては、真空らいかい機、プラネタリーミキ
サー等が挙げられる。
れ別個に、磁性体粉末を均一に分散させ、かつ、加熱接
着時に発泡が生じないように空気を巻き込まないよう練
合するために、主剤および硬化剤を、それぞれ40〜60℃
に加温し、3〜20torrの真空下で大きな剪断力を加えな
がら20分〜60分かけて練合するのが好ましく、好適な混
合練り機としては、真空らいかい機、プラネタリーミキ
サー等が挙げられる。
次に接着方法について説明する。
本発明の接着剤は、高周波誘導加熱により発熱昇温
し、硬化接着が行われるものである。本発明において使
用する高周波発振機の周波数は、10KHz〜10MHzが適当で
あり、加熱効率および温度分布の均一性の点で、より好
ましくは、100KHz〜1MHzである。100KHz以下では、加熱
効率が低く、また1MHz以上では、接着の面方向の温度を
均一に加熱するのが困難である。
し、硬化接着が行われるものである。本発明において使
用する高周波発振機の周波数は、10KHz〜10MHzが適当で
あり、加熱効率および温度分布の均一性の点で、より好
ましくは、100KHz〜1MHzである。100KHz以下では、加熱
効率が低く、また1MHz以上では、接着の面方向の温度を
均一に加熱するのが困難である。
高周波発振機に接続する加熱コイルの形状は、一般的
な高周波誘導加熱で使用されるシングルターンコイル、
マルチターンコイル、ヘヤピンコイル、パンケーキコイ
ル等が使用できるが、ヘヤピンコイルにより接着面を挟
む形で加熱するのが最も効率的である。また、被着材の
形状により接着面に対して、コイルを両側に配置できな
い場合には、加熱効率は劣るが、ヘヤピンコイル、パン
ケーキコイルを片側に配置して加熱接着できる。
な高周波誘導加熱で使用されるシングルターンコイル、
マルチターンコイル、ヘヤピンコイル、パンケーキコイ
ル等が使用できるが、ヘヤピンコイルにより接着面を挟
む形で加熱するのが最も効率的である。また、被着材の
形状により接着面に対して、コイルを両側に配置できな
い場合には、加熱効率は劣るが、ヘヤピンコイル、パン
ケーキコイルを片側に配置して加熱接着できる。
実施例1 次の組成の接着剤を調製した。
(主剤) ・エピコート828 60重量部 (エポキシ当量:190、油化シェルエポキシ社製、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂) ・CTBN変性ビスフェノールA型 エポキシ樹脂 30重量部 (注1) ・DER−732 5重量部 (エポキシ当量:315、ダウケミカル社製) ・カポックスS−6 5重量部 (花王社製、エポキシ化大豆油) ・WAT−103 70重量部 (戸田工業社製、粒状のγ−Fe2O3) ・アエロジル#200 1重量部 (日本アエロジル社製、超微粒子状無水シリカ) (注1) エピコート828:100重量部およびCTBN1,300×13(宇部
興産社製):50重量部を用い、これらにトリフェニルホ
スフィン:0.3重量部を混合し、150℃で3時間反応させ
て得た。
ェノールA型エポキシ樹脂) ・CTBN変性ビスフェノールA型 エポキシ樹脂 30重量部 (注1) ・DER−732 5重量部 (エポキシ当量:315、ダウケミカル社製) ・カポックスS−6 5重量部 (花王社製、エポキシ化大豆油) ・WAT−103 70重量部 (戸田工業社製、粒状のγ−Fe2O3) ・アエロジル#200 1重量部 (日本アエロジル社製、超微粒子状無水シリカ) (注1) エピコート828:100重量部およびCTBN1,300×13(宇部
興産社製):50重量部を用い、これらにトリフェニルホ
スフィン:0.3重量部を混合し、150℃で3時間反応させ
て得た。
(硬化剤) ・バーサミド125 97重量部 (ヘンケル白水社製、ポリアミノアミド、アミン価350m
gKOH/g) ・NUC A−1,100 3重量部 (日本ユニカー社製、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン) ・マルカリンカーM 5重量部 (丸善石油社製:ポリビニルフェノール) ・WAT−103 70重量部 (戸田工業社製、粒状のγ−Fe2O3) ・アエロジル#200 2重量部 (日本アエロジル社製、超微粒子状無水シリカ) 上記組成を主剤、硬化剤別々に混合し、50℃、10torr
下でプラネタリーミキサー(井上製作所製、PLM−V−5
V型)により練合し、二液のエポキシ樹脂系接着剤を得
た。この接着剤の主剤と硬化剤を重量比で17.1対13.5
(樹脂分比で10対8)の割合で計量し、スパーテルで十
分に混合した。
gKOH/g) ・NUC A−1,100 3重量部 (日本ユニカー社製、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン) ・マルカリンカーM 5重量部 (丸善石油社製:ポリビニルフェノール) ・WAT−103 70重量部 (戸田工業社製、粒状のγ−Fe2O3) ・アエロジル#200 2重量部 (日本アエロジル社製、超微粒子状無水シリカ) 上記組成を主剤、硬化剤別々に混合し、50℃、10torr
下でプラネタリーミキサー(井上製作所製、PLM−V−5
V型)により練合し、二液のエポキシ樹脂系接着剤を得
た。この接着剤の主剤と硬化剤を重量比で17.1対13.5
(樹脂分比で10対8)の割合で計量し、スパーテルで十
分に混合した。
この二液混合後の接着剤の150℃におけるゲルタイム
(150℃の熱板上に少量の接着剤を載せ、スパーテルで
攪拌しながら観察したとき、接着剤の曳糸性が無くなる
までの時間で評価)を測定したところ22秒であった。ま
た、この接着剤を150℃のオーブン中で20分放置して得
られた硬化物の体積収縮率は1.7%、引張り弾性率は、2
4.4(kg f/mm2)であった。さらに、この接着剤の25℃
室温下に放置した場合の可使時間(ペースト状を保ち、
被着材に塗布ができる限界の時間)を測定したところ、
約90分であった。
(150℃の熱板上に少量の接着剤を載せ、スパーテルで
攪拌しながら観察したとき、接着剤の曳糸性が無くなる
までの時間で評価)を測定したところ22秒であった。ま
た、この接着剤を150℃のオーブン中で20分放置して得
られた硬化物の体積収縮率は1.7%、引張り弾性率は、2
4.4(kg f/mm2)であった。さらに、この接着剤の25℃
室温下に放置した場合の可使時間(ペースト状を保ち、
被着材に塗布ができる限界の時間)を測定したところ、
約90分であった。
次に、この接着剤を使用し、厚さ3mmのSMC(武田薬品
工業社製、グレードB−12)テストピースをJIS−K−6
850に従って接着し、引張剪断強度測定試験片を作成し
た。接着は、幅15mmの銅角パイプによるヘヤピン型コイ
ルを使用し、高周波入力3.5KVA、周波数400KHz、発振時
間40秒の条件で加熱接着した。かくして得られた5個の
接着テストピースの引張剪断強度を測定したところ、そ
の平均値は66(kg/cm2)であった。また、同様に作成し
たテストピースの−30℃〜80℃冷熱10サイクル後の引張
剪断強度は63(kg/cm2)、80℃熱間における引張剪断強
度は43(kg/cm2)であった。
工業社製、グレードB−12)テストピースをJIS−K−6
850に従って接着し、引張剪断強度測定試験片を作成し
た。接着は、幅15mmの銅角パイプによるヘヤピン型コイ
ルを使用し、高周波入力3.5KVA、周波数400KHz、発振時
間40秒の条件で加熱接着した。かくして得られた5個の
接着テストピースの引張剪断強度を測定したところ、そ
の平均値は66(kg/cm2)であった。また、同様に作成し
たテストピースの−30℃〜80℃冷熱10サイクル後の引張
剪断強度は63(kg/cm2)、80℃熱間における引張剪断強
度は43(kg/cm2)であった。
実施例2 (主剤) エピコート828 70重量部 ST−2PG(注2) 20重量部 ジオクチルフタレート 5重量部 フェニルグリシジルエーテル 5重量部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 1重量部 (硬化剤) バーサミド140(注3) 97重量部 A−1100 3重量部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 2重量部 マルカリンカーM 10重量部 (注2)長鎖ジカルボン酸ジグリシジルエステル、エポ
キシ当量320、岡村製油社製。
キシ当量320、岡村製油社製。
(注3)アミン価380mgKOH/g、ヘンケル白水社製。
上記組成の主剤および硬化剤を、実施例1と同様な方
法で調製し、次いでそれらを樹脂分重量比で10対8の割
合で混合し接着剤を得た。
法で調製し、次いでそれらを樹脂分重量比で10対8の割
合で混合し接着剤を得た。
実施例3 (主剤) エピコート828 70重量部 CTBN化828 10重量部 DER−732 20重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3重量部 カポックスS−6 5重量部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 1重量部 (硬化剤) バーサミド140 80重量部 アミノ基含有ブタジエン−アクリロニトリルゴム20重量
部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 2重量部 ピロガロール 5重量部 実施例1〜2と同様にして、上記組成の主剤および硬
化物からなる接着剤を調製した。
部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 2重量部 ピロガロール 5重量部 実施例1〜2と同様にして、上記組成の主剤および硬
化物からなる接着剤を調製した。
比較例1 (主剤) エピコート828 90重量部 DER−732 5重量部 カポックスS−6 5重量部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 1重量部 (硬化剤) バーサミド125 97重量部 A−1100 3重量部 WAT−103 70重量部 アエロジル#200 2重量部 ピロガロール 5重量部 前記各実施例と同様な方法によって、上記組成の主剤
および硬化剤からなる接着剤を調製した。本比較例の接
着剤は、併用エポキシ化合物であるDER−732の主剤にお
ける割合がエピコート828;100重量部あたり5.6重量部
で、本発明の範囲を下回るものである。
および硬化剤からなる接着剤を調製した。本比較例の接
着剤は、併用エポキシ化合物であるDER−732の主剤にお
ける割合がエピコート828;100重量部あたり5.6重量部
で、本発明の範囲を下回るものである。
実施例2〜3および比較例1の接着剤についても、実
施例1と同様な物性を評価し、その結果を実施例1の結
果と合せて表−1に示した。
施例1と同様な物性を評価し、その結果を実施例1の結
果と合せて表−1に示した。
(ハ)発明の効果 本発明の接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤に固有な強
力な接着強度を有すると共に、硬化手段として高周波誘
導加熱が適用されるため短時間接着が可能であり、さら
に加えて接着剤の構成を特徴あるものとしたことによ
り、接着後の残留応力が小さく、冷熱サイクル試験結果
から明らかなように接着耐久性に優れている。
力な接着強度を有すると共に、硬化手段として高周波誘
導加熱が適用されるため短時間接着が可能であり、さら
に加えて接着剤の構成を特徴あるものとしたことによ
り、接着後の残留応力が小さく、冷熱サイクル試験結果
から明らかなように接着耐久性に優れている。
従って、短時間の接着が求められる自動車工業等のラ
イン上で、SMCや鋼板等を接合する場合に、極めて有効
に用いられる。
イン上で、SMCや鋼板等を接合する場合に、極めて有効
に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H05B 6/02 H05B 6/02 Z
Claims (1)
- 【請求項1】エポキシ当量が170〜2,000であるビスフェ
ノールA型またはビスフェノールF型のエポキシ樹脂10
0重量部あたり、下記化合物(A)、(B)または
(C)が10〜70重量部添加された液状エポキシ樹脂と、
ポリアミノアミドとからなる二液型熱硬化性樹脂に、磁
性体粉末が分散された硬化物の引張り弾性率が3.0〜60k
g f/mm2である高周波誘導加熱接着剤。 (A):CTBN変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (B):ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテ
ル (C):分子量が300以上である高級脂肪族ジカルボン
酸のジグリシジルエステル
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27519089A JP2671525B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | 接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27519089A JP2671525B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | 接着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03137179A JPH03137179A (ja) | 1991-06-11 |
JP2671525B2 true JP2671525B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=17551939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27519089A Expired - Fee Related JP2671525B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | 接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2671525B2 (ja) |
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EP1634921A1 (de) * | 2004-09-10 | 2006-03-15 | hanse chemie GmbH | Polymere Harzzusammensetzung |
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JPWO2017038620A1 (ja) * | 2015-08-31 | 2018-06-14 | 日本ゼオン株式会社 | 樹脂組成物 |
KR102627557B1 (ko) * | 2017-08-15 | 2024-01-24 | 디디피 스페셜티 일렉트로닉 머티리얼즈 유에스, 엘엘씨 | 이액형 상온 경화성 에폭시 접착제 |
EP3704199A1 (en) | 2017-11-02 | 2020-09-09 | Zephyros, Inc. | Induction activated adhesives and sealants |
JPWO2022004606A1 (ja) * | 2020-06-30 | 2022-01-06 | ||
WO2022004605A1 (ja) * | 2020-06-30 | 2022-01-06 | リンテック株式会社 | 高周波誘電加熱接着シート、接合方法及び接合体 |
-
1989
- 1989-10-23 JP JP27519089A patent/JP2671525B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH03137179A (ja) | 1991-06-11 |
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