JP2670869B2 - 混成ブテンからポリ―n―ブテンを製造するための改良されたA▲l▼C▲l▼▲下3▼触媒法 - Google Patents

混成ブテンからポリ―n―ブテンを製造するための改良されたA▲l▼C▲l▼▲下3▼触媒法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ブテンの重合法に関する。特に、本発明
は、塩化アルミニウム−塩化水素助触媒系を使用して混
成C4供給原料流れからポリ−n−ブテンを製造する方法
に関する。
発明の背景 混成C4炭化水素供給原料流れからイソブチレン重合体
を製造することは、斯界において一般に知られている。
また、かかる方法において重合触媒としてAlCl3を使用
することも知られており、そして従来技術ではイソブチ
レン重合において様様な条件下に使用するための多数の
助触媒又は触媒促進剤例えば塩化水素を開示している。
代表的な開示の例としては、C1〜C5石油ガス供給原料
からポリイソブチレンを製造するに当り10〜20%AlCl3
触媒と共にAlCl3に対して0.08〜0.12%のHClを触媒促進
剤として使用することを示す米国特許第2,957,930号が
挙げられる。この文献は、それに対応して少量の水蒸気
又はクロロホルム(これはAlCl3と反応してHClを離脱す
ることができる)も用いることができることを言及して
いる。英国特許第1,195,760号(1970年)は、AlCl3、HC
l及びアルキルベンゼンの液状錯体からなる触媒の存在
下での重合によってオレフィン重合体を製造することを
開示している。重合生成物はポリイソブチレン以外の物
質を含み、そしてこの文献には狭い分子量分布を持つ生
成物が開示されている。
米国特許第3,200,169号及び同第3,200,170号は、アン
モニア処理プロセスを使用したプロピレン又はブチレン
供給原料の重合後の反応混合物分離法を取り扱ってい
る。この文献では、AlCl3触媒を収容する反応帯域に加
えられる適当な触媒促進剤としてHClが開示されてい
る。
米国特許第3,997,129号は、C1〜C5液化精油所流れか
らのポリイソブチレンを開示しており、ここでは触媒は
HClガス又はその均等物で促進されたAlCl3の固体粒子で
ある。この方法では、重合の実施前に触媒及び供給原料
を混合するための静止ミキサーが使用されている。
米国特許第3,985,822号は、HClで促進したAlCl3の使
用によってポリ−n−ブテンを製造する方法に関するも
のであるが、その目的は、重合体生成物のイソブチレン
含量を減少させることである。
米国特許第3,119,884号は、イソブチレンの重合に有
用な一連の垂直塔型反応器を開示し、更にAlCl3とHCl又
はHClを発生する物質とを含む触媒を開示している。触
媒系は、酸促進AlCl3触媒と記載されている。かかる系
では、HClとAlCl3との間で反応が生じてH+AlCl4 -を生成
しそしてこれが重合を開始させる種である。この方法に
従えば、触媒及び反応体を導入する1つの方法は、3種
の物質、即ち、AlCl3、HCl及び液状供給原料を同じ導管
によって反応器に入れることである。このことは発熱反
応において導管ラインで始まる重合を必然的にもたら
し、そして反応は反応器の冷却系によって制御されな
い。これらの条件下に形成された生成物はすべて、望ま
しくない低い分子量及び広い分子量分布を有する。
米国特許第3,501,551号は、約200〜750の分子量でn
−ブテン重合体を製造する方法に向けられているが、こ
の方法では、存在する実質上唯一のオレフィンとしてイ
ソブチレン及びn−ブチレンを含有するC3〜5炭化水
素混合物が液相において塩化アルミニウム触媒と反応さ
れてイソブチレン重合体のみを含有する反応混合物を生
成している。イソブチレン重合体は分離され、しかる後
に得られた反応混合物はフリーデルクラフツ触媒で処理
されてn−ブチレン重合体を含有する第二の反応混合物
を生成する。第一の重合帯域における塩化アルミニウム
は、単独で又は塩化アルキル例えば塩化イソプロピルの
如き促進剤と組み合わせて添加されることが記載されて
いる。
米国特許第3,639,661号は、重合触媒として、四フッ
化チタンとイソブチレン中に可溶性の塩素含有フリーデ
ルクラフツ触媒との反応生成物か、又は四塩化チタン若
しくは三塩化ホウ素とその四塩化チタン若しくは三塩化
ホウ素中の塩素原子を一部分置換することのできるフッ
素原子を持つフッ素含有化合物との反応生成物のどちら
かを用いるイソブチレンの重合法に関する。触媒は、触
媒成分を反応媒体中に別々に加えることによってその場
所で作ることができることが記載されている。
米国特許第3,991,129号は、再循環反応液、液化ブテ
ン及びフリーデルクラフツ触媒(これは塩酸ガス又はそ
の水溶液で促進させた塩化アルミニウムであるのが好ま
しいと述べられている)を使用したポリイソブチレンの
製造法に関する。触媒は、重合反応塔への装填前に静止
ミキサーよりも上流側の管路で再循環供給原料及び新鮮
な供給原料と混合される。
米国特許第4,465,887号は約400〜5,000の分子量を有
するブチレン重合体の製造法に関するものであり、ここ
では混成ブテンを含有する供給原料流れが精留されて所
定量のシス−2−ブテンが除去されている。精留工程か
らのオーバーヘッド留分はイソブチレンを含有するが、
これは、イソブチレンを重合させ且つイソブチレン重合
体とn−ブテンを含めた未反応炭化水素とよりなる反応
混合物を形成するために塩化アルミニウム触媒の存在下
に反応される。この反応混合物はイソブチレン重合体を
回収するためにフラッシュ蒸留され、そして未反応炭化
水素混合物は次いで留分中のブチレンを重合させ且つ低
分子量例えば400〜900の分子量を有するブチレン重合体
を含有する第二の反応生成物混合物を生成するために塩
化アルミニウム及び促進剤よりなる触媒系の存在下に反
応される。この特許によれば、第二重合反応器には促進
剤が必須であると記載され、また典型的な促進剤は塩化
イソプロピル、塩化t−ブチル、水及び塩化水素である
と記載されている。この特許の促進剤は、塩化アルミニ
ウム、及び未反応n−ブテンを含有する第一炭化水素反
応混合物とは別個に反応器に加えられている。
米国特許第4,558,170号はAlCl3−HCl触媒系を使用し
て少なくとも約6重量%のイソブチレンを含有する混成
C4炭化水素供給原料流れからのポリイソブチレンの製造
法に関するものであり、ここではHClは重合反応器への
導入前にそこで有機塩化物を形成するために供給原料流
れ中に別個に導入されている。
英国特許第1,449,840号は、ベンゼンを塩化アルミニ
ウムの存在下にポリブテンと接触させることからなるベ
ンゼンのアルキル化法を記載している。ポリブテンそれ
自体は、2〜20重量%のイソブテンを含有する混成C4
給原料を重合させることによって製造されている。ま
た、ポリブテンは、塩化アルミニウムの如きフリーデル
クラフツ触媒を使用する通常の重合法によって製造され
ると述べられている。
ベルギー特許第731,006号はn−ブテン重合体を使用
する芳香族炭化水素のアルキル化法に関し、ここではそ
の重合体はイソブチレンを本質上含まないn−ブテンを
含有する精油所流れから製造され且つ塩化アルミニウム
の存在下に重合されている。
ヨーロッパ特許第115,635号は、イソブチレン供給原
料からポリイソブチレンを製造するための連続法に関
し、ここでは重合間に蒸発される溶剤及び単量体は液化
後に重合帯域に再循環されている。
本発明の概要 本発明は、ポリイソブチレンの製造過程において副生
物として生成する廃C4オレフイン含有流れからのポリ−
n−ブテンの有益な製造を可能にすることによって米国
特許第4,558,170号に開示の方法を更に改良するもので
ある。
本発明は、潤滑油用清浄剤の油溶性炭化水素成分とし
て特に好適なポリ−n−ブテンを生成するという点で上
記の他の文献とは区別されるものと考えられる。本発明
において製造されるポリ−n−ブテンは、清浄剤分子量
範囲即ち約300〜900の数平均分子量()における狭
い分子量分布によって特徴づけられる。本明細書では、
分子量分布は、分子量分布の幅の尺度としてその通常の
意味で使用されそして(重量平均分子量)対
比率と規定される。この狭い分子量分布は、これまで通
常の方法において同じ分子量範囲で製造されるポリイソ
ブチレンよりも比較的低い粘度を有する生成物をもたら
す。本法は、供給原料流れが反応器に入る前に供給原料
流れにHCl助触媒を添加する技術において特に特徴づけ
られる。従来技術で好適であると考えられていたHClを
提供する他の方法、即ち、重合の開始前に反応器それ自
体にHClを加え、水又は他のHCl発生性反応剤を加え又は
HClをAlCl3に加える方法は、本発明において好適ではな
く、そして本発明で達成されるプロセス制御の度合及び
生成物の品質を提供しない。
発明の詳細な記述 本発明に従えば、約10℃〜80℃の温度に維持された攪
拌される反応帯域において約5重量%未満のイソブチレ
ンを含有し且つ少なくとも約12重量%のn−ブテンを含
有するC4炭化水素の供給原料流れ混合物から約300〜約9
00好ましくは約400〜800の範囲内の及び約1.4未満
(好ましくは約1.2〜1.4)の分子量分布を有する低分子
量ポリ−n−ブテンを製造する方法において、(a)Al
Cl3の実質的な不在下に且つ注入したHClをn−ブテンと
実質上完全に反応させるのに十分な条件下に、HClを供
給原料流れ混合物100重量部当り約0.01〜0.6重量部の量
で該供給原料流れ混合物中に注入し、これによって1.0p
pm未満の遊離HClを含有する処理済み供給原料流れ混合
物を生成し、(b)処理済み供給原料流れ混合物及びAl
Cl3触媒を反応帯域に別個の流れとして同時に導入し、
(c)導入した処理済み供給原料流れ混合物及び導入し
た触媒を反応帯域においてポリ−n−ブテンを含有する
重合反応混合物を生成するのに十分な時間の間且つ条件
下に接触させ、(d)反応帯域から重合反応混合物を抜
き出し、そして(e)抜き出した重合反応混合物からポ
リ−n−ブテンを回収することからなる低分子量ポリ−
n−ブテンの製造法が見い出された。ポリ−n−ブテン
は、抜き出した反応混合物を水性アルカリで急冷しそし
てそれからポリ−n−ブテン生成物を分離することによ
って反応混合物から回収することができ、次いでこれか
ら未反応C4炭化水素及び約200のよりも低いポリ−
n−ブテンをストリッピングすることができる。
本発明の方法のための供給原料は、n−ブタン、イソ
ブタン及び約1%未満(好ましくは約0.8重量%未満例
えば約0〜0.8重量%)のブタジエンと一緒に約5%未
満(好ましくは約4.9重量%未満例えば約0.1〜4.9重量
%)のイソブチレン及び少なくとも約12重量%(好まし
くは少なくとも約15重量%例えば約15〜85重量%)の総
n−ブテン(即ち、ブテン−1、シス−及びトランスブ
テン−2)を含む加圧液化C4炭化水素の混合物からな
る。C4供給原料流れはH2及び硫黄汚染物(例えば、メル
カプタン)を実質上含まないのが好ましく、例えばH2
20wppm未満でSは5wppm未満である。このような低い遊
離H2レベルは本発明のポリ−n−ブテン生成物における
飽和度を最少限にし、またこの低いSレベルは、単量
体、重合体及び触媒成分との望ましくない副反応を回避
し、且つ形成される重合体から硫黄汚染物を除去する際
の追加的な費用に頼る必要性及び技術上の困難性を回避
するのに望まれる。更に、C4供給原料流れは、実質上無
水であるのが好ましく、即ち、供給原料流れ中のC4単量
体を基にして約0.05重量%未満の水そしてより好ましく
は約300wppm未満の水を含有する。ポリイソブチレンの
製造(これについては以下で詳細に説明する)で生成し
た廃C4流れ中に典型的に存在する可能性がある水は、本
発明においてAlCl3/HCl予備反応助触媒系を使用して本
発明のポリ−n−ブテン重合体を製造する際の有効な助
触媒にならないことが分かった。どちらかと言えば、こ
のような過剰水は、水とAlCl3との副反応(これは、反
応器における有効な触媒濃度を低下させ且つ重合速度に
おける又は観察される重合体性能特性におけるいかなる
相殺効果も提供しない)のために望まれない。
好ましいC4供給原料流れは、ポリイソブチレンの製造
において副生物として生成する廃C4流れからなり、そし
て重量比で約5%未満のイソブチレン、約10〜70%の飽
和ブタン並びに約15〜85%の1−及び2−ブテンを含有
する。ブテン以外のC4生成物(例えば、飽和C4炭化水
素)は、反応混合物中において希釈剤又は溶剤として機
能しそして本発明の臨界的な面ではない。供給原料中の
イソブチレン含量は、供給原料流れの約5重量%よりも
大きくすべきでない。C4供給原料流れは、約10℃〜90℃
の反応温度で反応器入口において且つ反応混合物それ自
体において液体形態にあるのに十分な圧力下に維持され
る。反応の発熱性にかんがみ反応をこれらの温度に維持
するのに通常の冷却手段(例えば、反応器内に冷却コイ
ルを設けること、反応器の外面を冷却すること、反応帯
域から反応混合物の一部分を抜き出して外部冷却器に送
りそしてそれを反応帯域に再循環させること等)が用い
られる。好ましい反応温度は約15℃〜70℃であり、そし
て20℃〜60℃が最とも好ましい。一般には、比較的高い
温度は比較的低い分子量の重合体をもたらす傾向があ
る。反応圧は、一般には約400〜1,000kPaそしてより典
型的には約500〜800kPaである。
本発明の方法では、処理済み供給原料流れ混合物及び
塩化アルミニウム触媒の導入のための2つの別個の流入
手段を有する管状反応器又は攪拌機付き反応器(好まし
くは連続型攪拌機付き反応器)が使用される。後者即ち
塩化アルミニウム触媒は、(a)重合反応に使用しよう
とする溶剤又は希釈剤(好ましくはn−ブタン、イソブ
タン又は飽和ブタンの混合物の如き飽和炭化水素希釈
剤)中に約0.05〜0.5重量%のAlCl3を懸濁させたスラリ
ーの形態か、又は(b)約50〜100メッシュ(U.S.S.)
の微粉状AlCl3粒子の如き乾燥粉末AlCl3の形態のどちら
かで添加されるのが好ましい。
供給原料流れ流入手段(例えば、導管)には、反応器
入口よりも前方の点においてHCl(好ましくはガス状HC
l)助触媒をC4供給原料流れ中に注入(好ましくは連続
注入)するための装置が備えられる。HCl注入点は、重
合反応帯域よりも前で供給原料流れ中のHClと1−及び
2−ブテンとの実質上完全な反応を可能にするのに十分
なだけ反応器入口よりも前方でC4供給原料流れ中に導入
されるべきである。HClは、1−及び2−ブテンと反応
して得られる処理済み供給原料流れ混合物中で2−クロ
ルブタンを生成すると思われる。また、単量体供給原料
流れのイソブチレン含量との反応から他の有機塩化物主
に塩化t−ブチルも形成される可能性がある。それ故
に、反応器の入口点における処理済み供給原料流れ混合
物中の遊離HClの濃度は、本発明の利益を達成するため
には約1.0ppmよりも大きくすべきである。HClの濃度
は、通常の手段によって例えば“Hall"検出器を備えた
ガスクロマトグラフを使用して供給原料流れを有機塩化
物及び遊離HClについて分析することによって測定する
ことができる。単量体及びHClの混合(それ故に、反
応)速度は、HCl注入点よりも下流側の供給原料流れ導
管においてインライン静止(動)ミキサーを使用するこ
とによって都合よく向上させることができる。HClと単
量体との混合速度を更に向上させるために、HClとC4
給原料流れとの混合物は、少なくとも約10℃から例えば
約10〜100℃の温度に維持されるのが好ましい。
好ましくは、AlCl3触媒は、HCl(これは、好ましく
は、反応器への処理済み供給原料流れ混合物の装填前に
はC4単量体含有流れと混合されない)の注入前又はその
間にはC4供給原料流れと混合されない。さもなければ、
混合物を重合が進行する温度よりも低い温度に維持する
ことの如き極端な手段をとらないと、無制御な発熱重合
が開始される。もちろん、このような望まれない予備重
合の程度は、反応器の反応帯域の外部においての混合物
の滞留時間に依存して変動する。
それ故に、C4単量体及び予備反応HClを含有する処理
済み供給原料流れ混合物は好ましくは反応器に加えられ
(好ましくは連続的に)、そしてAlCl3触媒は別個の流
入口を経て反応混合物中に導入される。
本発明の方法は、バッチ式、半連続式又は連続式(好
ましい)で実施することができる。好ましくは、C4単量
体及び予備反応HClを含有する処理済み供給原料流れ混
合物並びにAlCl3触媒流れは、液状反応混合物において
単量体及びAlCl3触媒の選定比を維持するのに十分な速
度で実質上同時に反応帯域に加えられる。しかしなが
ら、これらの流れを段階式に液状反応混合物に加えるこ
とも可能である。
重合は、冷却した反応器において2つの流入する流れ
を反応器温度で好ましくは約5℃〜80℃に維持して接触
させることによって反応帯域において発熱反応で行われ
る。連続型攪拌機付き反応器について言えば、平均反応
体滞留時間は一般には約10〜45分である。一般には、処
理済み供給原料流れ混合物1重量部当り約0.1〜2.0重量
%の塩化アルミニウム触媒及びこの処理済み供給原料流
れ混合物1重量部当り約0.01〜0.6重量%のHCl助触媒が
使用されるが、好ましい範囲はHCl約0.02〜0.5重量%で
ある。一般には、塩化アルミニウム触媒及びHCl助触媒
は、HCl助触媒1部(HClとして計算して)当り塩化アル
ミニウム触媒約0.5〜5部好ましくは約1〜3部更に好
ましくは約1〜2部の比率で用いられる。
本発明に従って製造されたポリ−n−ブテンは一般に
は重合体鎖当り平均して約1個の二重結合を含有し、そ
して重合体鎖の約10%までが飽和されてよい。
本発明に従って製造されたポリ−n−ブテンは、潤滑
油用添加剤を典型的には清浄剤の形態で作る際に使用す
るのに重要な特性に関して、従来技術によって製造した
ポリ−n−ブテンに優る多数の利益を提供する。
有意義な面は、本発明の方法がこれまで可能であった
よりも正確なポリ−n−ブテン製造の調整を可能にする
ことである。
本発明の方法では、高度の反応器制御性が達成され、
そして通常のブテン含量に対するHCl添加速度の如き流
入する触媒添加速度、反応器温度、滞留時間、供給原料
流れ導入速度等の監視及び調整によって所望の分子量及
び分子量分布の目標規格値を満足させることができる。
これらのパラメーター及び最終生成物の品質は、本発明
の実施において精密な時間間隔で監視することができ
る。かくして、望まれる所定のポリ−n−ブテン分子量
について言えば、プロセスを目標生成物に向けるような
プロセス条件を規定することができる。
また、本発明の方法は、最終的に製造される清浄剤の
品質に持ち越されるポリ−n−ブテン生成物の多数の品
質向上を提供する。
本発明の他の利益は、重合体生成物中のいわゆる“軽
質分の量の有意義な減少である。これらは、約110〜200
の望ましくない範囲にあるポリ−n−ブテンであ
る。本発明の方法は、これらの物質の量を最少限にし、
それに応じて高分子量範囲の所望生成物の収率が増加す
る。本発明の生成物は、一般には、生成物の仕上前の反
応混合物中においてかかる低分子量ポリブテンを約10重
量%未満含有する。揮発分及びn200以下の軽質分のス
トリッピング後、仕上生成物重合体は、好ましくは、25
0よりも小さいを有するポリブテンを約5重量%未
満含有する。受け入れ可能な低分子量ポリブテンの正確
な量は、生成物の粘度及び重合体生成物の意図する最終
用途に依存して変動する。潤滑油用金属清浄剤(これに
ついては後で詳細に説明する)の製造に使用するために
は、本発明によって製造されたポリ−n−ブテン重合体
は、約340〜800の数平均分子量によって且つ約1.1〜1.3
の分子量分布によって特徴づけられる。
AlCl3の不在下にHClを供給原料流れに添加して予備反
応した供給原料流れを作る技術は、仕上生成物中におけ
る塩素化ポリブテンの存在を実質上減少するという追加
的な利益を提供する。反応器に遊離HClを存在させる重
合法は腐食の問題を有するが、本発明は、その問題を予
備反応供給原料流れの使用によって成功下に回避してい
る。
本発明では、供給原料流れ中に注入したHClはn−ブ
テンと急速に反応して2−クロルブタンを生成し、そし
てこれは反応器に入ると助触媒としてAlCl3と共に作用
して重合を開始させ、これに対してAlCl3は2−クロル
ブタンと反応してAlCl4 -及びブチル陽イオンを生成し、
これによって重合を開始させる。これとは対照をなし
て、HClを使用してAlCl3を促進させると、HClとAlCl3
の間の反応によって形成されるH+AlCl4 -種が重合を開始
させる。本発明の触媒種に従った重合は、より効率的で
あり、そしてAlCl3の使用に基づく従来技術の方法では
得ることができないプロセス制御及び生成物品質を提供
する。
ここで本発明の方法の1つの具体例を例示する第1図
を説明すると、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン
及び飽和物(ブタン)を含みそして一般には少なくとも
約6重量%(例えば、約10〜50重量%)のイソブチレン
を含有する液状単量体供給原料4及び重合触媒6が第一
重合反応帯域10に導入され、そこでイソブチレン単量体
が重合されてポリイソブチレン(PIB)及び未反応単量
体を含有するPIB重合体混合物18を生成する。混合物18
は触媒除去帯域20に送られ、そこで重合混合物の残りの
成分から重合触媒22が分離される。得られた液状PIB/単
量体混合物24は、重合体回収帯域30に送られて液状PIB
流れ34と単量体流れ32とに分離される。典型的には、単
量体流れ24は帯域30からガスとして取り出される。流れ
32は、粗廃C4流れを含み且つ1−ブテン、2−ブテン、
未反応イソブチレン及びブタンを含み、また例えば帯域
20での水性か性触媒急冷/水洗工程の使用によって又は
重合帯域10においてPIB重合体の形成での助触媒として
水を使用することから典型的には約50〜600wppm更に典
型的には約200〜500wppmの量で水も含有する。
粗廃単量体流れ32は次いで乾燥帯域40に送られそこで
水が除去され、かくして約0.05重量%未満好ましくは約
500wppm未満の水(例えば10〜100wppm好ましくは約10〜
50wppmの水)を含有するC4単量体供給原料流れ42が生成
される。C4単量体供給原料流れ42は次いで導管42の部分
46においてHCl44と接触されて約1wppmよりも多くない遊
離HClを含有する処理済み供給原料流れ混合物を生成
し、次いでこれは、本発明のポリ−n−ブテン重合体を
形成すべく上記の如く重合させるために別個に装填され
るAlCl3触媒流れ52と一緒に重合反応帯域50に装填され
る。得られたポリ−n−ブテン重合反応混合物54は、帯
域50から抜き出すことができ、そして所望による触媒の
除去工程及び低分子量重合体留分のストリッピング工程
を含めた重合体生成物の回収のために上記の如くして処
理することができる。
帯域10、20及び30において用いられる触媒及び重合条
件並びに触媒分離及び重合体回収の方法はそれぞれ慣用
のものである。PIB重合のための例示的な触媒はAlCl3
HF、BF3、AlBr3及び有機アルミニウム塩化物であり、そ
してこれらは、アルコール(例えば、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、t−ブタノール等)、フェノール及びかかるヒドロ
キシ化合物のC1〜C4アルキルエステルの如き助触媒又は
促進剤並びにこれらの触媒及び助触媒のどれかの予備形
成錯体(例えば、AlCl3−エタノール錯体、HF−エタノ
ール錯体等)と一緒に用いることができる。特に好まし
い触媒は、AlCl3、BF3及び式(R)xAl(Cl)3-x(ここ
でRはC1〜C4アルキルでありそしてxは1又は2であ
る)の有機アルミニウム塩化物である。第一重合反応器
10における温度は一般には約−10〜+10℃である。
帯域40における粗廃C4単量体流れの乾燥は、流れにCa
Cl2、CaSO4、モレキュラシーブ(例えば、米国ユニオン
・カーバイド社のリンデ・デイビジョンからの3A及び13
Xモレキュラシーブ)等の如き該流れ中の有機成分と実
質上非反応性の乾燥剤を接触させることによって達成す
ることができる。乾燥帯域40は、流れ32を通す固体乾燥
剤を収容する1つ以上の容器からなってよく、そして有
益には、本発明の方法の連続実施において新鮮な乾燥剤
の充填を容易にするために平行に配置した一連の別個の
容器からなってよい。
本発明に従って製造されたポリ−n−ブテンは、改良
された潤滑油用清浄剤の製造のための供給原料として特
に有用である。かかる清浄剤としては、アルキルアリー
ルスルホン酸、アルキルフェノール、硫化アルキルフェ
ノール、アルキルサリチレート、アルキルナフテネート
並びに他の油溶性モノ−及びジカルボン酸の金属塩が挙
げられるが、この場合に清浄剤は本発明の方法で製造し
たポリ−n−ブテン重合体に相当する重合体を構成する
少なくとも1つのアルキル基を含有する。通常、これら
の金属含有清浄剤は、潤滑油組成物の総重量を基にして
約0.01〜10重量%例えば0.1〜5重量%の量で潤滑油中
に用いられる。マリンジーゼル潤滑油では、典型的に
は、かかる金属含有清浄剤(“錆止め添加剤”と称され
る場合もある)は約20重量%までの量で用いられる。
好ましい清浄剤は、本発明の重合体でアルキル化され
た芳香族炭化水素から製造される炭化水素スルホン酸の
油溶性金属塩からなる。アルキル置換芳香族炭化水素を
誘導することができる芳香族炭化水素としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ナフタリン、ジフェニル並び
にクロルベンゼン、クロルトルエン及びクロルナフタレ
ンの如きハロゲン誘導体が挙げられる。次いで、アルキ
ル化芳香族化合物は、通常の態様でスルホン化されそし
て金属塩に転化される。所望ならば、本発明のポリブテ
ンから誘導されたアルキル基を含有するこれらのアルキ
ル置換芳香族炭化水素は、スルホン化工程がかかるアル
キル置換芳香族炭化水素の混合物に対して実施されるよ
うに他のアルキル置換芳香族炭化水素と混合させること
ができる。かかる他の通常のアルキル置換芳香族炭化水
素としては、蒸留及び(又は)抽出による石油の分別か
ら得られるものが挙げられる。
アルキル化反応を実施する際の正確な態様は厳密なも
のではなく、任意の慣用アルキル化プロセスを用いるこ
とができる。次の説明では芳香族炭化水素としてベンゼ
ンを使用するアルキル化を例示するけれども、任意の都
合のよい芳香族炭化水素も用いることができることが理
解されよう。
アルキル化は、一般には、フリーデルクラフツ型触媒
の存在下に約−10〜75℃の範囲内の温度例えば5℃で5
〜60分例えば10〜20分の間実施される。好適な触媒とし
ては、例えば、AlCl3、HF、BF3及びAlBr3、ポリ燐酸、H
2SO4及び塩化アルミニウム炭化水素錯体が挙げられる。
塩化アルミニウムが好ましい触媒であるが、これは、5
〜20重量%の新鮮なAlCl3の添加によって強化された新
鮮なAlCl3又は先のアルキル化工程からの廃AlCl3スラッ
ジのどちらかであってもよい。
反応混合物中に少なくとも3:1例えば5:1のベンゼン対
重合体容量比を維持するのが一般に望ましいけれども、
20:1までの比率を用いることもできる。
AlCl3によるアルキル化の間の温度は60℃程の高さの
範囲であってよいけれども、約−5〜30℃の温度を使用
するのが好ましい。重合体対触媒の重量比は、約30:1〜
7:1の範囲内である。加えて、AlCl3の場合には、AlCl3
を基にして15〜40重量%の量でHClの如き活性剤を加え
ることができる。
もしアルキル化に対して液状HF触媒を用いるならば、
0.1:1〜1.0:1のHF対炭化水素反応体容量比及び0〜20℃
の範囲内の温度を使用するのが好ましい。この触媒の濃
度は85〜100重量%HFの範囲にわたってよいが、その含
水量は極めて低く例えばせいぜい1又は2重量%に維持
されそして残部は溶存炭化水素物質である。
アルキル化留分は、アルキル化反応塊から回収され、
そして公知の態様で例えば過剰の濃硫酸、発煙硫酸、Cl
SO3H、三酸化硫黄等との接触によってスルホン化され
る。スルホン化は、約60℃までの温度で実施することが
できる。約100重量%濃度までの酸そして好ましくは例
えば20重量%以上のSO3を含有する発煙硫酸を用いるこ
とができる。高い酸濃度を用いる程、短かい反応時間で
済み、例えば、98重量%酸では約3〜4時間、100重量
%酸では約2時間そして好ましくは発煙硫酸では約0.5
〜1.0時間である。硫酸対炭化水素の容量比は0.8:1〜1.
25:1の範囲内であってよく、そして1:1の比率が好適で
ある。
スルホン化生成物は、米国特許第3,367,865号に記載
される如くして回収することができる。必要ならば、こ
の米国特許を参照されたい。
製造されたスルホン化芳香族物質のアルカリ及びアル
カリ土類金属塩(例えば、Ca、Mg、Ba、Na、K、Li等の
塩)は、米国特許第3,367,865号に記載される如き通常
の技術を使用して公知の態様で製造することができる。
高塩基性アルカリ土類金属スルホン酸塩は、通常、存在
するスルホン酸の完全中和に要求される量よりも過剰の
アルカリ土類金属化合物と共に油溶性アルカリールスル
ホン酸を含む混合物を加熱し、しかる後にその過剰金属
に二酸化炭素を反応させて所望の過塩基性を得ることに
より分散された炭酸塩錯体を形成することによって製造
される。これらのアルカリールスルホン酸を中和してス
ルホン酸塩を得る際に用いることができるアルカリ土類
金属化合物としては、マグネシウム、カルシウム及びバ
リウムの酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩、カ
ルボン酸塩、硫化物、水硫化物、硝酸塩、ホウ酸塩及び
エーテルが挙げられる。これらの例は、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム、酢酸マグネシウム及びホウ酸マ
グネシウムである。先に記載の如く、アルカリ土類金属
化合物は、アルカリールスルホン酸の完全中和に要求さ
れる量よりも過剰で使用される。一般には、その量は約
100〜220%の範囲内であるけれども、完全中和に要求さ
れる金属の化学量論的量の少なくとも125%を使用する
のが好ましい。
塩基性アルカリ土類金属アルカリールスルホン酸塩の
様々な他の製造法が知られており、例えば米国特許第3,
150,088号及び同第3,150,089号では、過塩基化は炭化水
素溶剤−希釈剤油中においてアルコキシド−炭酸塩錯体
をアルカリールスルホン酸塩で加水分解することによっ
て行われている。
好ましいアルカリ土類スルホン酸塩添加剤は約200〜
約400の範囲内の全塩基価を有するカルシウムマグネシ
ウムアルキル芳香族スルホン酸塩であり、そして鉱物性
潤滑油中に分散された添加剤系の総重量を基にしてスル
ホン酸マグネシウム含量は約25〜約32重量%の範囲内で
あり、スルホン酸カルシウム含量は約20〜40重量%の範
囲内である。
中性金属スルホン酸塩は、錆止め添加剤としてしばし
ば使用される。多価金属アルキルサリチル酸塩及びナフ
テン酸塩物質は、高温性能を向上させ且つピストン上の
炭素質物の付着を防止するための潤滑油組成物用の公知
添加剤である(米国特許第2,744,069号)。多価金属ア
ルキルサリチル酸塩及びナフテン酸塩の予備塩基度の増
大は、C8〜C26アルキルサリチレート及びフェナートの
混合物のアルカリ土類金属塩例えばカルシウム塩(米国
特許第2,744,069号)又はフェノールのアルキル化(例
えば、上記の如くして)それに続くフェナート化、カル
ボキシル化及び加水分解によって得られたアルキルサリ
チル酸の多価金属塩(米国特許第3,704,315号)を用い
ることによって達成することができ、そしてこれらの塩
は一般に知られ且つ使用されている技術によって高塩基
性塩に転化させることができる。これらの金属含有錆止
め添加剤の予備塩基度は、通常、約60〜150の間のTBNレ
ベルにあるのが有益である。有用な多価金属サリチル酸
塩及びナフテン酸塩物質としては、アルキル置換サリチ
ル酸若しくはナフテン酸又はこれらのうちのどれか若し
くは両方とアルキル置換フェノールとの混合物から容易
に誘導されるメチレン及び硫黄で架橋された物質が挙げ
られる。塩基性硫化サリチル酸塩及びそれらの製造法
は、米国特許第3,595,791号に示されている。かかる物
質としては、一般式 HOOC−ArR1−Xy(ArR1OH) 〔式中、Arは1〜6個の環を有するアリール基であり、
R1はポリ−n−ブテンアルキル基であり、Xは硫黄(−
S−)又はメチレン(−CH2−)架橋であり、yは0〜
4の数であり、そしてnは0〜4の数である〕を有する
芳香族酸のアルカリ土類金属塩特にマグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム及びバリウム塩が挙げられる。
過塩基性メチレン架橋サリチレート−フェナート塩の
製造は、通常の技術によって、例えば、フェノールのア
ルキル化、それに続くフェノート化、カルボキシル化、
加水分解、アルキレンジハライドの如き結合剤(カップ
リング剤)によるメチレン架橋、それに続く炭酸化と同
時の塩形成によって容易に実施される。本発明では、一
般式 〔式中、R1は先に規定した通りである〕のメチレン架橋
フェノール−サリチル酸の過塩基性カルシウム塩であっ
て、60〜150のTBNを有するものが極めて有用である。
硫化金属フェナートは“フェノールスルフィドの金属
塩”と見なすことができ、かくしてこれは、一般式 〔式中、x=1又は2、n=0、1又は2、R1は先に規
定の如くであり、n及びxはそれぞれ1〜4の整数であ
る〕によって代表される化合物又はかかる化合物の重合
体形態の中性又は塩基性のどちらかの金属塩をさす。金
属塩は、ポリ−n−ブテン置換フェノールスルフィドを
硫化金属フェナートに所望のアルカリ度を付与するのに
十分な量の金属含有物質を反応させることによって製造
される。
製造態様に関係なく、有用な硫化アルキルフェノール
は、硫化アルキルフェノールの重量を基にして一般には
約2〜約14重量%好ましくは約4〜約12重量%の硫黄を
含有する。
硫化アルキルフェノールは、該フェノールを中和しそ
して所望ならばその生成物を斯界に周知の操作によって
所望のアルカリ度まで過塩基化するのに十分な量の酸化
物、水酸化物、錯体等の金属含有物質と反応させること
によって転化させることができる。グリコールエーテル
中に溶解させた金属の溶液を使用する中和法が好まし
い。
中性又は正硫化金属フェナートは、金属対フェノール
核の比率が約1:2であるようなものである。“過塩基
性”又は“塩基性”硫化金属フェナートは、金属対フェ
ノールの比率が化学量論的量よりも大きいような硫化金
属フェナート、例えば、ポリブチル基が約300〜400の数
平均分子量を有する本発明のポリ−n−ブテン重合体か
ら誘導され、しかも相当する正硫化金属フェナート中に
存在する金属よりも100%まで又はそれ以上過剰の金属
含量(この過剰金属は油溶性又は分散性形態(CO2との
反応による如くして)で生成される)を有するような塩
基性硫化金属ポリ−n−ブテニル置換フェナートであ
る。
潤滑油組成物は、典型的には、他の添加剤をそれらの
通常の固有機能を提供するための慣用量で含有するが、
これらの添加剤としては、分散剤(例えば、長鎖ヒドロ
カルビル置換スクシンイミド〔例えば、ポリイソブテニ
ルスクシンイミド〕、長鎖ヒドロカルビルマンニッヒ塩
基分散剤〔例えば、ポリイソブチレン置換フェノール、
ホルムアルデヒド及びアルキレンポリアミンの縮合によ
って製造されるマンニッヒ塩基分散剤〕及び長鎖ヒドロ
カルビル置換アミン〔例えば、ポリイソブチレン置換ア
ルキレンポリアミン〕の如き無灰分散剤並びにこれらの
ホウ素化誘導体)、耐摩耗性添加剤(例えば、亜鉛ジヒ
ドロカルビルジチオホスフェート)、酸化防止剤(例え
ば、ヨーロッパ特許第24,146号に開示される如き銅酸化
防止剤及び補助酸化防止剤)、粘度調整剤(例えば、エ
チレン−プロピレン共重合体、水素化ポリイソプレン−
スチレン共重合体、水素化ポリブタジエン−スチレン共
重合体、水素化ポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレ
ン)三元重合体等)等が挙げられる。
潤滑油組成物は、通常、清浄剤を約0.01〜20重量%典
型的には約0.01〜3重量%の量で含有する。清浄剤は、
鉱油中に約5〜70重量%(例えば約20〜60重量%)の清
浄剤を含有する溶液濃厚物の形態で都合よく包装されそ
して分配されている。
本発明を次の実施例によって更に例示するが、これら
の実施例は本発明の範囲を限定するものと解釈すべきで
ない。
例1〜4 一連の実験において、1.8重量%のイソブテン並びに
所定量の1−ブテン、2−ブテン、n−ブテン及びイソ
ブテンよりなる液化無水供給原料流れを所定量のガス状
無水HClと予備反応のために混合した。分析によって、1
ppm未満のHClが未反応のままであったことが示された。
予備反応した供給原料を、水冷却浴によって選択した温
度に維持された連続型攪拌機付き反応器に液化形態にお
いて56ml/分の速度で導入した。0.4重量%AlCl3のスラ
リーを反応器に連続的に導入し、そして重合体の所望の
分子量を維持するように連続的に調節した。反応生成物
を供給原料の導入速度に相当する速度で連続的に抜き出
し、そして生成物の分子量を連続的に評価した。平均滞
留時間は、25〜35分であった。重合体生成物を回収し、
乾燥N2でストリッピングし(200未満の低分子量留分を
除去するために150℃で)、そして分析した。これによ
って得られたデータを以下の表Iに要約する。
比較例5〜12 一連の実験において例1の操作を反復したが、但し、
HClを全く加えずそして水を選定量でC4供給原料と予備
混合した。これによって得られた結果を以下の表IIに要
約する。
上記の例1〜4及び比較例5〜10から、予備反応HCl/
C4供給原料は、ほぼ同じを持つポリ−n−ブテン得
るために予備混合水助触媒を使用した場合の低い反応器
温度(6〜23℃)と比較して高い重合反応器温度(35〜
44℃浴温度)の使用を可能にしたことが分かる。このよ
り高い反応器温度は、重合反応器の冷却に対して高価な
液体アンモニア又は液体プロパン冷却系とは反対の水冷
系の使用を有益下に可能にする。
更に、上記データによれば、所望の高い反応器温度に
おいて本発明の予備反応HCl/C4供給原料(1.3〜1.8重量
%AlCl3)の場合には予備混合水助触媒(2〜3重量%A
lCl3)と比較してAlCl3触媒効率が驚く程大きいことが
示されている。比較例10では、重合反応器温度を約6℃
に低下させる犠牲において高いAlCl3触媒効率(0.70重
量%)が認められた。例1〜4では、比較例で要求され
る触媒/助触媒比(17.5〜74.5:1)と比較して低い触媒
/助触媒比(4.6〜20.2:1)で所望のポリ−n−ブテン
生成物が形成された。
また、本発明の予備反応HCl助触媒/C4供給原料はある
範囲の反応条件にわたって驚く程調和した高いブテン−
1及びブテン−2転化率(80〜94%ブテン−1転化率及
び58〜83%ブテン−2転化率)をもたらし、これに対し
て水−助触媒重合反応器条件の変動はかかる転化率の大
きな変動性(62〜92%ブテン−1転化率及び35〜65%ブ
タン−2転化率)をもたらした。本発明の予備反応HCl
助触媒は約83%までのブテン−2転化率でポリ−n−ブ
テンを製造できることを示し、これに対して水助触媒の
場合には65%よりも高い転化率が得られなかった。
上記の記載において、本発明の原理、好ましい具体例
及び操作態様を説明した。しかしながら、本発明はここ
に開示した特定の形態に限定されると解釈すべきでな
い。と云うのは、これらは限定よりもむしろ例示するも
のと解釈すべきものであるからである。当業者には本発
明の精神から逸脱することなしに幾多の変更修正をなし
得るであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ポリイソブチレンプロセス装置からの廃C4
れを本発明の改良ポリ−n−ブテン重合体に有益下に転
化させるポリイソブチレン製造法と一体化された本発明
の方法の1つの具体例の概略図であって、主要部を示す
参照数字は次の通りである。 10:重合反応帯域 20:触媒除去帯域 30:重合体回収帯域 40:乾燥帯域 50:重合反応帯域

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】約10℃〜80℃の温度に維持された撹拌され
    る反応帯域において約5重量%未満のイソブチレンを含
    有し且つ少なくとも約12重量%のn−ブテンを含有する
    C4炭化水素の供給原料流れ混合物から約300〜約2,500の
    範囲内のn及び約1.4未満の分子量分布を有する低分
    子量ポリ−n−ブテンを製造する方法において、 (a)三塩化アルミニウム触媒の実質的な不在下に且つ
    注入したHClをn−ブテンと実質上完全に反応させるの
    に十分な条件下に、HClを供給原料流れ混合物100重量部
    当り約0.01〜0.6重量部の量で該供給原料流れ混合物中
    に注入し、これによって1.0ppm未満の遊離HClを含有す
    る処理済み供給原料流れ混合物を生成し、 (b)処理済み供給原料流れ混合物及び三塩化アルミニ
    ウム触媒を反応帯域に別個の流れとして同時に導入し、 (c)導入した処理済み供給原料流れ混合物及び導入し
    た触媒を反応帯域においてポリ−n−ブテンを含有する
    重合反応混合物を生成するのに十分な時間の間且つ条件
    下に接触させ、 (d)反応帯域から重合反応混合物を抜き出し、そして (e)抜き出した重合反応混合物からポリ−n−ブテン
    を回収する、 ことからなる低分子量ポリ−n−ブテンの製造法。
  2. 【請求項2】ポリ−n−ブテン生成物が約1.2〜1.4の分
    子量分布を有する特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】ポリ−n−ブテン生成物が100℃において
    5〜30センチストークスの粘度を有する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】ポリ−n−ブテンが約900〜約2,500のn
    を有する特許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】三塩化アルミニウムがC4炭化水素と混合状
    態で加えられる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】連続式で実施される特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項記載の方法によって
    製造したポリ−n−ブテン重合体。
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