JP2670377B2 - 多心光ファイバの同径接続方法 - Google Patents

多心光ファイバの同径接続方法

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JP2670377B2 JP2074048A JP7404890A JP2670377B2 JP 2670377 B2 JP2670377 B2 JP 2670377B2 JP 2074048 A JP2074048 A JP 2074048A JP 7404890 A JP7404890 A JP 7404890A JP 2670377 B2 JP2670377 B2 JP 2670377B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複数の光ファイバ心線を撚合せてなる多心
光ファイバを金属パイプ内に収納してなる金属管入光フ
ァイバケーブルを安定して効率よく同径接続するための
新規な接続方法に関するものである。
[従来の技術] 光ファイバケーブルは、光ファイバが電磁的影響を受
けないという特性を十分に生かすために、その構成部材
に金属を使用しない所謂ノンメタリック構造とする場合
が多い。しかし、光ファイバを使用した情報通信網の発
達及びその普及に伴い、その適用条件に応じ金属を併せ
使用する例も多くなってきている。
一例として、長尺光ケーブルを海峡や湾口などに例え
ば光複合海底ケーブルとして布設する計画が各方面で進
められており、このような長尺布設の場合、ノンメタリ
ック構造では機械的強度や耐候、耐食性に問題があるた
め、第1図にその断面を例示したように、例えばステン
レス鋼よりなる高抗張力金属パイプ4内に、光ファイバ
心線1,1を撚合せこれを一括被覆2により被覆してなる
多心光ファイバユニット3を収納し、当該金属パイプ4
に張力を分担させる一方内部の光ファイバを保護する構
造の金属管入光ファイバケーブル5の如き構成よりなる
光ファイバケーブルが提案され実用化されるようになっ
た。
この種の金属管入光ファイバケーブル5における具体
的寸法例としては、光ファイバユニット3の外径が約0.
9mm、その外周の金属パイプ4は前述のように耐食性を
考慮してステンレス鋼パイプを使用し、外傷あるいは水
圧による影響を考慮して、外径1.8mm、肉厚0.2mm程度と
してなるのが通常である。
このような金属管入光ファイバケーブルを、長距離の
布設区間全長(50〜100kmに達することもある)に亘り
1本物に製造することは困難であり、所定長の光ファイ
バケーブルを略々同径となるように接続しながら長尺化
を図る必要がある。
第9および10図は、上記金属管入光ファイバケーブル
5,5の従来の同径接続状況を示す説明図である。
接続端部において金属パイプ4を切断除去し、光ファ
イバユニット3を約60cm程度(サイズによりこの長さは
異る)露出させ、ついで、各光ファイバ心線1,1を第9
図に示すように個別に分離させ、心線1,1の接続位置が
同じ場所に来ないように、各光ファイバ心線1,1の長さ
を長さlだけ寸法を変えて切断し、接続する相手方の心
線1,1は切断長さlに対応したlだけ残すようにし、相
互の心線1,1を互いに突き合せ接続する。その際に接続
部6,6が第10図に示すように段違い配置となるようにし
て、この接続部6,6をも含め、露出されている接続部の
心線1,1を撚合せる。その上に予め一方の光ファイバケ
ーブル5に嵌合させておいたステンレス鋼製のサヤ管9
を引戻してきて、両方の金属パイプ4,4間に橋絡させる
ようにして露出心線1,1の全周を覆い、サヤ管9の両端
を溶接をもって金属パイプ4に接続固定することにより
接続を完了させる。
[発明が解決しようとする課題] 上記接続において、光ファイバ心線1,1の長さを精度
よく切断できれば、問題はないが、例示した7本撚の心
線のそれぞれを長さにバラツキを生じないように具合よ
く切断することは難しく、片側で約60cm、両側で1.2mの
露出心線1,1を切断した場合、通常その長さにおいて±2
mm程度のバラツキを生ずる。
この誤差により、接続後撚合せた際に、第10図1aのよ
うに外周に突き出し変形した部分が生じ易い。この突き
出し変形部1aが大き過ぎれば、サヤ管9を引戻し挿通さ
せることができず、改めて接続作業をやり直す必要があ
る。
また、無理にサヤ管9を挿通させた場合には、心線に
マイクロベンディングを生じさせることになり、伝送損
失を著しく悪化させる原因となる。
本発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を
解消し、接続部での心線の切断時の誤差を極度に小さく
することができ、接続後に突き出し変形部を生じさせる
おそれを解消することにより安定して効率よく金属管入
多心光ファイバケーブルの同径接続を行ない得る新規な
同径接続方法を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、金属管入光ファイバケーブルを接続するに
当り、光ファイバユニットの外周の金属パイプを所定長
除去して光ファイバユニットを必要長露出させ、その端
部に当該光ファイバを一括把持するスリーブを取付け、
その状態で当該スリーブおよび光ファイバユニットを一
括切断し、その後残存スリーブを除去し、精密測長器を
用いて光ファイバユニットの各光ファイバ心線に精確な
長さを有する段差長を各別に形成するように切断し、上
記光ファイバユニットに対応する相手側光ファイバユニ
ットを上記同様に切断し、その各光ファイバ心線を上記
によって形成した段差長に適合する長さとなるように精
密測長器により対応する心線長さを精確に切断し、段違
いの各心線接続部を形成したのちこれを適宜撚合せ、接
続部の外周を両方の金属パイプに橋絡するサヤ管によっ
て被覆固定するものであり、さらにその際に、各心線の
接続を完了した後接続部に長手方向への張力を与えて複
数の心線の長さを取揃え、その上に素巻きを行なって後
低ヤング率樹脂により一括被覆し、以後サヤ管の被覆固
定を行なうようにしたものである。
[作用] 本発明においては心線の切断に当り、端部スリーブと
共に一括切断することにより切断精度を格段に向上させ
ることができ、しかも各心線を段差切断する場合には、
顕微鏡付きの精密測長器を用いて切断しているため、切
断精度をさらに一層向上させ得ることになり、接続後に
突き出し変形部を生ずるような切断誤差を生じさせるお
それはない。
しかして、より一層接続部の形状を整えるために、接
続部に長手方向への張力を与えて複数の心線の長さを取
揃え、その上に素巻きを行なった後低ヤング率樹脂によ
り一括被覆して安定させれば、接続個所が多くなって
も、伝送損失に及ぼす影響を最少限に止めることができ
る。
[実施例] 以下に、本発明について実施例図面を参照し順次説明
する。
第2図に示すように、接続部における金属パイプ4を
所定長すなわち上記7本撚のユニット3であれば約60cm
程度切断除去し、光ファイバユニット3を露出させた
ら、本発明においては光ファイバユニット4の切断端部
に図に示すようにスリーブ10を一体的に着合させる。そ
の状態で、スリーブ10の上からダイヤモンドブレード11
をもって光ファイバユニット3を共に切断する。
第3図の一点鎖線円内に示すものは、そのようにして
切断した切断端部の様子を示す説明見取図である。
このようにスリーブ10を着合し、ユニット3をスリー
ブ10と一緒に切断することにより、光ファイバユニット
3の7本の各心線1,1は全てが一定長に、誤差において
0.1mm以下となるような高精度に切断される。
上記高精度に切断をしたら、残存スリーブ10を除去
し、各心線1,1をバラバラにする。
つぎには、第4図におけるように顕微鏡20を有する精
密測長器21を用い、7本の心線1,1のそれぞれに第5図
に示すように順次長さlだけの段差を有するように切断
刃22をもって切断する。このような接続位置を順に長さ
lだけずらすのは、裸光ファイバを突合せ接続した後再
被覆を行ない、この再被覆の際に被覆部の外径が心線の
被覆外径より通常10%程度大きくなるためである。すな
わち、例えば光ファイバ心線の外径が250μmの心線の
場合の接続部の外径は280μmとなるのである。このよ
うに外径の増大する接続部が一個所に集中すれば、その
部分が全体的に膨大してしまうため、それを避けるよう
に上記長さlの段差を有するようにずらして切断し、接
続部の外径が最小となるようにするものである。
長さlの段差切断は、接続する相手側の光ファイバ心
線についても行なうが、この際は、同じく上記精密測長
器21を用い、相手側が切断された長さ分だけ逆に残すよ
うに顕微鏡20を用いて位置決めしつつ高精度に切断す
る。
上記のようにして光ファイバ1,1の接続相手1本ごと
に精密に計測しつつ切断するが、この場合の測長器21の
リニアスケールは0.1mmの精度があれば十分である。
上記のように高精度に切断すれば、接続後の各心線1,
1の長さがどれも等しくなり、従来例に見られたような
突出し変形部の発生するおそれはないから、これを撚合
せて先の従来例に説明したと同様一方のケーブル側に嵌
合しておいたサヤ管9を引戻し被覆して、端部を両側の
ケーブルの金属パイプ4,4に溶接固定すればよい。
しかし、如何に長さに誤差がなくなるといっても、7
本の心線1,1全体では、技術者の技能の差から±0.5mm程
度のバラツキが生ずることは止むを得ない。
このバラツキを修正し、接続部全体の特性をさらに安
定させるには、第6図に示すように接続部6,6を形成後
適当に撚合せておいて、接続部全体に長手方向の張力P
を負荷するのである。この張力により各心線1,1の長さ
が十分に揃うようになるから、その状態で外周を素巻き
糸7により素巻きしてやる。この素巻きの方向は心線の
撚合せ方向とは反対とし、ピッチとして実施例では150
〜200mm程度とし、途中に不連続ピッチ部(すなわち
節)を設けるようにするのがよい。素巻き糸の材質とし
ては、アラミッド繊維(商品名;ケブラー)が高い強度
を有し適当である。
上記素巻きをしたら、さらにその上から光硬化型樹脂
で接続部を第8図に示すように一括被覆8するのであ
る。この場合の一括被覆材はヤング率が0.1kg/mm2程度
の低ヤング率材料を選択使用することが好ましい。この
ように低ヤング率材料で被覆すれば、上記張力Pを解放
した後に光ファイバ心線1,1に適度の弾性戻りを生じさ
せることができ、光ファイバに無理な応力が負荷された
まま残留するおそれはない。
第8図は、第7図に示した張力解放後の接続部におけ
るA−A断面図である。低ヤング率被覆8を使用したこ
とにより光ファイバ心線1,1のたるみが均一に分布する
ようになるため、そのたるみに応じ光ファイバ心線1,1
の接続部中心よりの離間距離に差異が生じていることが
わかる。このたるみの均一性により、各光ファイバ心線
1,1の応力も均分され、応力集中個所の発生それによる
伝送損失増大個所の発生は解消される。
このような素巻きと低ヤング率樹脂による一括被覆を
すれば接続部の特性は一段と安定化し、長尺化のために
接続個所が多くなっても、高い伝送特性を維持させるこ
とが可能となる。
以下、上記接続後にその外周にサヤ管を設けることは
いうまでもない。
なお、本発明に係る技術は金属管入りでない通常の多
心光ファイバの同径接続にも適用可能なものである。
[発明の効果] 以上の通り、本発明に係る同径接続方法によれば、つ
ぎのような優れた効果を発揮することができる。
(1) 複数本の光ファイバ心線の接続部の長さを高精
度に揃えることができ、従来みられた切断誤差から生じ
た突出し変形部の発生のない安定した接続が可能とな
り、接続部外径を最小にすることができる。
(2) 光ファイバユニットの接続部の外径が長手方向
に均一であるため、局部的な曲りが発生せず、その意味
でも伝送特性を劣化させるおそれがなく、光ファイバの
信頼性を大巾に向上させることができる。
(3) 長手方向に均一であるために、金属管入光ファ
イバケーブルの接続部の曲げ、引張り等の機械的特性に
優れているという特徴を保持し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は金属管入多心光ファイバケーブルの具体例を示
す断面図、第2図は本発明に係る光ファイバユニットの
端部切断状況を示す説明図、第3図はその切断直後の端
面を示す見取図、第4図は光ファイバ心線の計測切断状
況を示す説明図、第5図は複数の心線を長さlの段差を
有するように切断した様子を示す説明図、第6図は本発
明に係る接続方法を適用して張力負荷している様子を示
す説明図、第7図は張力解放後の接続部の様子を示す見
取図、第8図は第7図のA−A断面図、第9および10図
は従来の接続工程の説明図である。 1:光ファイバ心線、 3:光ファイバユニット、 4:金属パイプ、 5:金属管入光ファイバケーブル、 6:心線接続部、 7:素巻き糸、 8:接続部一括被覆、 10:スリーブ、 11:ダイヤモンドブレード、 20:顕微鏡、 21:測長器、 22:切断刃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺岡 達夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社電線研究所内 (72)発明者 平本 嘉之 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社電線研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の光ファイバ心線を撚合せてなる多心
    光ファイバユニットを金属パイプ内に収納してなる金属
    管入光ファイバケーブルを接続する方法であって、光フ
    ァイバユニットの外周の金属パイプを所定長除去して光
    ファイバユニットを必要長露出させ、その端部に当該光
    ファイバを一括把持するスリーブを取付け、その状態で
    当該スリーブおよび光ファイバユニットを一括切断し、
    その後残存スリーブを除去し、精密測長器を用いて光フ
    ァイバユニットの各光ファイバ心線に精確な長さを有す
    る段差長を各別に形成するように切断し、上記光ファイ
    バユニットに対応する相手側光ファイバユニットを上記
    同様に切断し、その各光ファイバ心線を上記によって形
    成した段差長に適合する長さとなるように精密測長器に
    より対応する心線長さを精確に切断し、段違いの各心線
    接続部を形成したのちこれを適宜撚合せ、接続部の外周
    を両方の金属パイプに橋絡するサヤ管によって被覆固定
    する多心光ファイバの同径接続方法。
  2. 【請求項2】各光ファイバ心線を段違いに接続し、これ
    を適宜撚合せた後、当該接続部に長手方向への張力を与
    えて複数の心線の長さを取揃え、その上に素巻きを行な
    った後低ヤング率樹脂により一括被覆し、以後サヤ管の
    被覆固定を行なう請求項1記載の多心光ファイバの同径
    接続方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5950404A (ja) * 1982-09-16 1984-03-23 Furukawa Electric Co Ltd:The 自己支持型光ケ−ブルの端末構造

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