JP2670173B2 - 導波管方向性結合器 - Google Patents

導波管方向性結合器

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JP2670173B2
JP2670173B2 JP2121926A JP12192690A JP2670173B2 JP 2670173 B2 JP2670173 B2 JP 2670173B2 JP 2121926 A JP2121926 A JP 2121926A JP 12192690 A JP12192690 A JP 12192690A JP 2670173 B2 JP2670173 B2 JP 2670173B2
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正和 黒野
敏夫 槇
秀男 石井
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、マイクロ波及びミリ波帯の広い周波数帯域
において、各周波数帯域別毎に垂直偏波又は水平偏波別
のいずれか一方又は双方の偏波を分波する群分波器に用
いて好適な導波管方向性結合器に関するものである。
[従来の技術] 第4図乃至第6図は、従来の群分波器で用いている1
つの導波管方向性結合器を示したものである。該導波管
方向性結合器は、基準姿態波及び高次姿態波が伝送可能
な正方形導波管よりなる主導波管1を有し、該導波管1
の上下には矩形導波管よりなる垂直偏波用の1対の副導
波管2A,2Bが並設され、該主導波管1と副導波管2A,2Bと
はその長手方向に所定間隔で設けられた結合導波管3A,3
Bによる結合孔で結合されている。同様に、主導波管1
の左右には矩形導波管よりなる水平偏波用の1対の副導
波管4A,4Bが並設され、該主導波管1と副導波管4A,4Bと
はその長手方向に所定間隔で設けられた結合導波管5A,5
Bによる結合孔で結合されている。各副導波管2A,2B,4A,
4Bの各一端側にはそれぞれ無反射終端器6A,6B,7A,7Bで
接続されている。これらの部分で、導波管方向性結合器
8が構成されている。
垂直偏波用副導波管2A,2Bの他端は、接続導波管9A,9B
を介してハイブリッド回路であるマジックT10の相対向
するポートに接続されている。マジックT10の残りの2
つのポートのうち基準姿態波が出力されるポートは出力
ポート11となっており、高次姿態波が出力されるポート
12には無反射終端器13が接続されている。
このような導波管方向性結合器においては、主導波管
1の入力端を第1のポートIと呼び、基準姿態波出力ポ
ート11を第2のポートIIと呼び、主導波管1の出力端を
第3のポートIIIと呼び、高次姿態波出力ポート12を第
4のポートIVと呼ぶことにする。
図示しないが水平偏波用の副導波管4A,4Bの他端に
も、接続導波管を介してマジックTが接続されている。
次に、このような導波管方向性結合器における垂直偏
波の分波動作について第6図及び第7図を参照して説明
する。
入力ポートである第1のポートIから主導波管1に入
射した正方形導波管の基準姿態波TE10は、主導波管1の
上下に対として複数個取付けられた結合導波管3A,3Bに
より結合されて副導波管2A,2Bに至り、接続導波管9A,9B
及びマジックT10を経て出力ポート11である第2のポー
トIIから分波出力される。
このような導波管方向性結合器を群分波器に用いた場
合においては、広い周波数帯域の波を通過させる必要が
あるため、主導波管1には基準姿態波TE10以外の高姿態
波TE11,TM11,TE20等が伝送可能である。このため、アン
テナ及び該アンテナと群分波器を接続する導波管系にお
いてこれら高次姿態波が発生し、さらに群分波器におい
て高次姿態波が基準姿態波に結合すると、通信回線にお
いて遅延時間特性にエコーリップルが発生し、また、交
差偏波の結合特性も強くなるので、回線品質劣化の原因
となる問題点があった。但し、高次姿態波のうちTM姿態
波は、製造容易なTMモードフィルタにより除去すること
が可能であり、またTE20姿態波はこの群分波器において
は結合し難い構造となっているので、問題はTE11姿態波
の結合である。
次に、このような導波管方向性結合器におけるTE11姿
態波の結合動作について説明する。
今、アンテナ側の第1のポートIより振幅1のTE11姿
態波が入射し、上部の副導波管2Aの出力端に振幅Caの波
が、また下部の副導波管2Bの出力端に振幅Cbの波が伝送
されたとすれば、該振幅Ca,Cbはそれぞれ逆位相であ
り、また、各副導波管2A,2Bの出力端よりマジックT10ま
での位相角をθa,θbとすれば、基準姿態波出力ポート
11である第2のポートII及び高次姿態波出力ポート12で
ある第4のポートIVには、それぞれ次の波S21,S41が伝
送される。なお、S21は第1のポートIから第2のポー
トIIに出力される出力波、S41は第1のポートIから第
4のポートIVに出力される出力波で、 Δθ=θa−θb,Δθ≪1とすれば、 (1)式は方向性結合器本体8におけるTE11姿態波の
結合度を示す。該(1)式の右辺の は、該方向性結合器本体8の構造により決まる値であ
り、従来の6GHz帯の方向性結合器8においては、この値
は約−7dBである。一方、(1)式の右辺の{ }内
の実数成分は上下の結合導波管3A,3Bの結合度の差によ
り発生するもので、また、この結合度は結合導波管3A,3
Bの高さbに比例するので、上下の結合導波管3A,3Bの高
さの差をΔbとすれば、 はほぼΔb/2bにより求められる。いま、b=2mmとし、
Δb=0.04mmとすれば、これによるTE11姿態波の結合度
は−40dBとなる。一方、(1)式の右辺の{ }内の
虚数成分は上下の副導波管2A,2Bを含む接続導波管9A,9B
の位相角の差Δθにより発生するもので、いま、上下の
接続導波管9A,9Bの横幅をa,その差をΔa,長さをLとす
れば、Δθは次式より求められる。
但し、λg=導波管管内波長 いま、周波数を6000MHz,L=600mm,a=40mm及びΔa=
±0.04mmの場合、最悪の位相差Δθは(3)式より0.07
53radとなり、これにより生ずるTE11姿態波の結合度は
−28.5dBとなる。従って、このような群分波器のTE11
姿態波の結合度は(1)式に,及びを代入してベ
クトル計算すれば−35.2dBとなる。
[発明が解決しようとする課題] 従来の群分波器のTE11姿態波の結合度の測定値も最悪
−35dB程度なので、これ以上のTE11姿態波の結合度を減
少させるには、各部寸法公差をより厳しくおさえなけれ
ばならず、これは経済的に不可能に近い問題点があっ
た。
本発明の目的は、各部寸法は現状のままでも着目する
高次姿態波の結合度を減少させることができる導波管方
向性結合器を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明の構成を説明する
と、本発明は基準姿態波及び高次姿態波が伝送可能な主
導波管の相対向する面に1対の副導波管が並設され、前
記主導波管と前記副導波管とは結合部でそれぞれ結合さ
れ、前記各副導波管の端部はそれぞれ接続導波管で共通
のハイブリッド回路に接続されて所要の結合波が取り出
され、不要波が吸収されるようになっている導波管方向
性結合器において、前記1対の副導波管の端部と前記ハ
イブリッド回路とを接続する前記各接続導波管の一方又
は双方には調整用の移相器と減衰器の双方又は前記移相
器か前記減衰器のいずれか一方が設けられていることを
特徴とする。
[作用] このように各接続導波管の一方又は双方に調整用の移
相器と減衰器の双方又は移相器か減衰器のいずれか一方
を設け、着目する高次姿態波の振幅及び位相角が対相互
間隔で等しくなるように調整すること、該着目する高次
姿態波の結合度を減少させることができる。特に、本発
明によれば、各部の寸法が現状のままでも着目する高次
姿態波の結合度を減少させることができる。従って、本
発明によれば、着目する高次姿態波の結合度の小さい導
波管方向性結合器を容易に実現することができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。なお、前述した第4図乃至第7図と対応する部分に
は、同一符号を付けて示している。
第1図は、本発明に係る導波管方向性結合器の一実施
例を示したものである。本実施例の導波管方向性結合器
は、1対の副導波管2A,2Bの端部とハイブリッド回路で
あるマジックT10とを接続する上下の接続導波管9A,9Bの
双方に、調整用の移相器14A,14Bと減衰器15A,15Bとをそ
れぞれ設け、対相互間でTE11姿態波の振幅Ca,CbがCa=C
b、位相角θa,bθがθa=θbになるように調整する。
このようにすると、着目する高次姿態波であるTE11姿
態波の結合量を0にすることができる。
実際には、θaとbθの差は比較的小さいので、調整
用の移相器14A,14Bの具体例としては、第2図(A)
(B)に示すように接続導波管9A,9Bの管壁より金属又
は誘電体のビス16を挿入する構造のものを用いることに
より、θa=θbとなるように調整することができる。
また、VSWR特性をよくするため2本のビス16を図示のよ
うに1/4管内波長(λg)離して設けてもよい。一方、C
aとCbの差も実際には比較的小さいので、調整用の減衰
器15A,15Bの具体例としては、第2図(A)(B)のよ
うな構成でビス16をマイクロ波抵抗体で構成したもの、
或いは第3図(A)(B)に示すように接続導波管9A,9
B内に、マイカ等のマイクロ波絶縁体上にニッケルクロ
ーム等を蒸着した抵抗素子17を支持体18により挿入して
構成したものを用いることにより、Ca=Cbとなるように
調整することができる。
上記実施例では、垂直偏波の分波について説明した
が、水平偏波の分波におけるTE11姿態波の結合度を最小
にすることも前述したと同様にして行うことができる。
本発明によれば、このように着目する高次姿態波につ
いてCa=Cb及びθa=θbとなるように接続導波管のと
ころで調整することにより、着目する高次姿態波の結合
度を最も少い状態にすることができる。
上記実施例では、接続導波管9A,9Bの双方に、調整用
の移相器と減衰器とをそれぞれ設けた例について説明し
たが、本発明ではこれに限定されるものではなく、接続
導波管9A,9Bのいずれか一方のみに、調整用の移相器と
減衰器を設けてもよく、或いは接続導波管の一方または
双方に、調整用の移相器か減衰器のいずれか一方を設け
ても、Ca=Cb及びθa=θbとなるような調整が可能で
ある。
また、上記実施例では、主導波管及び副導波管がいず
れも方形導波管の場合について示したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、これらの導波管は円形導波
管であってもよい。
[発明の効果] 以上説明したように本発明に係る導波管方向性結合器
では、対となった接続導波管のところで着目する高次姿
態波の振幅が等しく、且つ位相角が等しくなるように調
整するので、該着目する高次姿態波の結合度を小さくす
ることができる。特に、本発明によれば、各部の寸法が
現状のままでも着目する高次姿態波の結合度を小さくす
ることができる利点がある。また、本発明によれば、一
方の偏波について着目する高次姿態波の係合を最小にす
ることにより、他方の偏波入力により発生した着目する
高次姿態波を介して基準姿態波出力ポートに結合される
交差偏波の結合度も小さくなり、遅延時間特性のエコー
リップも小さくできるので、通信回線の品質を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る導波管方向性結合器の一実施例の
概略構成図、第2図(A)(B)は本実施例で用いる移
相器の一例を示す縦断面図及び横断面図、第3図(A)
(B)は本実施例で用いる減衰器の一例を示す縦断面図
及び横断面図、第4図及び第5図は従来の導波管方向性
結合器の正面図及び側面図、第6図は従来の導波管方向
性結合器の斜視図、第7図は第6図の動作を示す説明図
である。 1……主導波管、2A,2B,4A,4B……副導波管、3A,3B,5A,
5b……結合導波管、8……導波管方向性結合器本体、9
A,9B……接続導波管、10 マジックT(ハイブリッド回
路)、11……基準姿態波出力ポート、12……高次姿態波
出力ポート、13……無反射終端器、14A,14B……移相
器、15A,15B……減衰器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 秀男 東京都調布市柴崎2丁目1番地3 島田 理化工業株式会社内 (72)発明者 馬場 覚志 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−136105(JP,A) 実開 昭52−46648(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準姿態波及び高次姿態波が伝送可能な主
    導波管の相対向する面に1対の副導波管が並設され、前
    記主導波管と前記各副導波管とは結合部でそれぞれ結合
    され、前記各副導波管の端部はそれぞれ接続導波管で共
    通のハイブリッド回路に接続されて所要の結合波が取り
    出され、不要波が吸収されるようになっている導波管方
    向性結合器において、前記1対の副導波管の端部と前記
    ハイブリッド回路とを接続する前記各接続導波管の一方
    又は双方には調整用の移相器と減衰器の双方又は前記移
    相器か前記減衰器のいずれか一方が設けられていること
    を特徴とする導波管方向性結合器。
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