JP2669789B2 - 管内部品 - Google Patents

管内部品

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えばカラー受像管に
用いられるシャドウマスク、フレーム、インナーシール
ド、バイメタル等の管内部品を成形性良く製造可能な管
内部品に関する。 【0002】 【従来の技術】カラー受像管のシャドウマスク、フレー
ム、インナーシールド、バイメタル、電子銃等の所謂管
内部品は、従来よりエッチング性、及び成形性が良く、
また電子ビームの反射軽減に寄与する酸化膜をその表面
に形成しやすい、リムド鋼やAlキルド鋼等を素材とし
て形成されている。しかしながら、近年各種のニューメ
ディアに対応するべく、カラー受像管の高品質化、つま
り表示画像の所謂見易さや極細かさが要求され、上述し
たリムド鋼やAlキルド鋼にて構成されるシャドウマス
ク、フレーム、インナーシールド、バイメタル等を用い
るには不具合が生じてきた。 【0003】即ち、カラー受像管の動作時には、上記各
部材の温度が30〜100℃に上昇し、例えばその熱膨
張によるシャドウマスクの成形形状に歪みに起因した、
所謂ドーミングが生じる。この結果、シャドウマスクと
蛍光面との間の相対的位置関係にずれが生じ、ピュリテ
ィードリフト(PD)と称される色ずれが発生する。特
に高品位カラー受像管では、前記シャドウマスクの開孔
径及びその開孔ピッチが非常に小さいので、その相対的
ずれ量の割合いが大きくなり、上述したリムド鋼やAl
キルド鋼を素材とする管内部品では実用に耐えなくな
る。 【0004】そこで従来、この種の管内部品を形成する
素材として、熱膨張係数の小さいNi−Fe合金、例え
ばアンバー(36Ni−Fe)を用いることが、例えば
特公昭42−25446号、特開昭50−58977
号、特開昭50−68650号等により提唱されてい
る。ところが、この種のNi−Fe合金は熱伝導性が悪
く、蓄熱し易いことのみならず、通常のシャドウマスク
球面から電子銃側への凹み、所謂スプリングバックを生
じやすい。 【0005】即ち、上記スプリングバックは、その素材
の0.2%耐力値との間で、例えば図1に示すような相
関関係を有している。そしてこの0.2%耐力値が低い
程、スプリングバックが小さくなり、その成形性が良く
なる。逆に上記0.02%耐力が20kg/mm2 以上
になると、その成形が著しく困難となる。 【0006】そこで従来、上記素材の0.2%耐力を下
げるべく、1000℃以上で真空焼鈍したり、或いは1
00〜200℃の範囲で管内部品を成形加工することが
試みられている。しかし、いずれの場合も前記リムド鋼
やAl鋼等が持つエッチング性や成形性には至っていな
いのが実状である。 【0007】一方、上記成形加工が終了した後の素材
(管内部品)についてみれば、その取扱いによって変形
したり、或いはスピーカ等によるハウリングの発生が生
じないことが望まれる。従って上記成形後の素材の0.
2%耐力やその弾性率が十分に高いことが望まれる。換
言すれば、成形処理前には柔らかく、成形処理後には硬
くなる管内部品であることが望ましい。 【0008】 【課題を解決するための手段及び作用】本願第一の発明
は、25〜45wt%のNiと、総量で0.3〜10w
t%のCr及びMnの少なくとも一種と、総量で2.5
wt%のTi,Nb,Al,Mo,V,Zr及びTaの
中から選ばれる少なくとも一種の析出硬化成分と、残部
Fe及び不可避不純物からなる合金からなる管内部品で
ある。 【0009】 【課題を解決するための手段及び作用】本願第一の発明
は、Feを主成分とし、総量で0.3〜10wt%のC
r及びMnの少なくとも一種と、25〜45wt%のN
iと、Ti,Nb,Al,Mo,V,Zr,Taの中か
ら選ばれた少なくとも一種の元素からなる総量で2.5
w%以下の析出硬化成分と、不可避不純物を含有した合
金からなることを特徴とする管内部品である。 【0010】本願第二の発明は、析出硬化成分であるT
iは0.05〜2.0wt%添加されたものである本願
第一の発明の管内部品である。 【0011】本願第三の発明は、析出硬化成分であるN
bは0.05〜2.0wt%添加されたものである本願
第一の発明の管内部品である。 【0012】本願第四の発明は、析出硬化成分であるA
lは0.05〜1.5wt%添加されたものである本願
第一の発明の管内部品である。 【0013】本願第五の発明は、析出硬化成分であるT
aは0.005〜2.5wt%添加されたものである本
願第一の発明の管内部品である。 【0014】本願第六の発明は、析出硬化成分であるM
oは0.005〜2.5wt%添加されれたものである
本願第一の発明の管内部品である。 【0015】本願第七の発明は、析出硬化成分であるV
は0.005〜2.5wt%添加されれたものである本
願第一の発明の管内部品である。 【0016】本願第八の発明は、析出硬化成分であるZ
rは0.1〜2.0wt%添加されたれたものである本
願第一の発明の管内部品である。 【0017】そして上記析出硬化成分元素の添加によっ
て、その焼鈍処理による成形加工を容易ならしめ、且つ
その後の時効処理(黒化処理を兼ねた)によって上記析
出硬化成分を析出させて成形加工された管内部品を硬く
するようにしたものである。 【0018】ここで、上記Niの組成量を25〜45w
t%としたのは、その熱膨張係数を90×10-7/℃以
下にする為であり、Niの添加量が上記範囲を外れる
と、本発明が目的とする熱膨張率の低い管内部品が得ら
れなくなる。更にNiの添加量が45wt%を越える
と、その0.2%耐力の増加が生じ、その成形性が大幅
に劣化する。同時にその耐酸化性の向上によって、通常
その表面に施される黒化膜の生成が著しく困難となる。 【0019】またエッチング性に関しても、Ni量が多
くなると微細エッチングが困難となり、そのエッチング
孔の内壁が所謂ガサ穴となったり、エッチング液中への
Niの多量の溶け込みによって、そのエッチング速度の
低下を招く等の問題が生じる。 【0020】またCrまたはMnは、一般的にはFe−
Ni合金の熱膨張係数を上昇させるが、その反面上記
0.2%耐力を減少させ、その成形性の向上に大きく寄
与する。つまり管内部品用素材にエッチングし、多数の
穴を開けたフラットマスクを得た後の管内部品の焼鈍工
程において上記Crが重要な役割を果たす。 【0021】即ち一般に、36Ni−Fe合金にCrま
たはMnを添加し、再結晶温度以上で焼鈍しない場合、
その結晶粒が微細であるので室温での0.2%耐力の増
大を招き、例えばシャドウマスクとしての曲率を保つこ
とが困難となる。この為、上記CrまたはMnの添加に
よって、その素材の高強度化が図られるだけである。し
かし本発明の如くCrまたはMnを添加した36Ni−
Fe合金に特定の焼鈍処理を施した場合、その0.2%
耐力の減少量は、CrまたはMnが無添加の36Ni−
Fe合金に比較して著しく多くなる。つまり素材に含ま
れるCrまたはMnは、その焼鈍工程において素材の
0.2%耐力を大きく減少させる上で重要な作用を呈す
る。 【0022】ところで、CrまたはMnの添加量が0.
3wt%未満であると、CrまたはMnの無添加の36
Ni−Fe合金と同様に焼鈍温度を1200℃と高くし
ても、その0.2%耐力が24kg/mm2 以下になる
ことはない。またその添加量が10wt%を越えた場
合、熱膨張係数が90×10-7/℃以上となり、色ずれ
の原因となるので高精細度カラー受像管への採用には不
適当である。またCrまたはMnの添加量が10wt%
を越えた場合、その表面にCr2 3 (Mn3 4 )の
保護膜が形成され易く、表面黒化速度の低下を招く等、
黒化処理に不都合を生じる。尚、CrまたはMnの添加
量は低膨張性、エッチング性、および廃液中の低クロム
化を考慮した場合、1〜4wt%とすることが望まし
い。更に、上記CrとMnとを複合添加しても、これら
の特性が劣化することはない。 【0023】図2(a)は本発明に係る管内部品用素材
である、Mnを添加した36Ni−Fe合金からなる管
内部品の、上記Mnの添加量に対する熱膨張係数の変化
を特性Aとして示すもので、特性Bはその0.2%耐力
の変化である。また図2(b)は、Crを添加した36
Ni−Fe合金における上記Crの添加量に対する熱膨
張係数の変化を特性Cとして示すもので、特性Dはその
0.2%耐力の変化である。但し、これらの特性は90
0℃で1時間の焼鈍処理を行った管内部品についての特
定結果である。これらの図に示されるように、5wt%
までのCrまたはMnの添加によって、その0.2%耐
力が大幅に低下し、この結果その成形性が向上すること
がわかる。 【0024】 【0025】次に析出硬化成分元素の添加による管内部
品の特性について説明する。 【0026】析出硬化成分元素の添加量の上限を2.5
wt%としたのは、それ以上の量を添加した場合、黒化
処理等の時効処理において管内部品の変形を招来した
り、その溶体化を兼ねた焼鈍処理において管内部品が不
本意に硬くなることを防止する為である。 【0027】具体的には、析出硬化成分元素であるTi
は、時効処理によって析出し、合金の強度を向上させる
が、その添加量が0.05wt%未満では十分な硬化作
用を呈しない。つまり合金の強度が十分に高くならな
い。また添加量が2.0wt%を越えると成形性が悪く
なる。従って、望ましくは0.2〜1.0wt%の範囲
で上記Tiを添加することが望ましい。 【0028】また析出硬化成分元素であるAlは、上記
Tiと同様に時効処理によって析出し、合金の強度を向
上させるに有用な元素である。しかしその添加量が0.
05wt%未満では十分な硬化作用を呈しない、つまり
合金の強度が十分に高くならない。また添加量が1.5
wt%を越えると成形性が悪くなる。 【0029】また析出硬化成分元素であるZrは、上記
TiおよびAlとの複合添加によってその強度向上に大
きく寄与する。尚、単独の添加によっても、合金の強度
を向上させるに有用であることは言うまでもない。しか
しその添加量が0.05wt%未満では十分な硬化作用
が得られず、またその添加量が2.0wt%を越える
と、その成形性を著しく悪くする。 【0030】またNbを添加する場合には、Zrと同様
な理由により、その添加量を0.05〜2.0wt%と
することが望ましい。更にMoおよびVも上記各元素と
同様な効果を奏するが、その添加量をTi,Al,Z
r,Nbに比較して多くする必要がある。またその添加
量を0.05wt%未満とすると十分な強度が得られ
ず、2.5wt%を越えると成形性が悪くなる。 【0031】そしてTaについては、上述したMoとほ
ぼ同様な特性を示すので、その添加量を0.05〜2.
5wt%とすれば、その強度向上を望むことが可能とな
る。 【0032】さてこのような成分からなる管内部品は次
のようにして製造される。 【0033】この製造方法をシャドウマスクの製作を例
に説明すると、先ず、真空または不活性ガス雰囲気中で
上述した組成からなる合金を、溶解し、そのインゴット
を製作する。次にこのインゴットを繰返し熱延した後、
酸洗して冷延処理を施す。その後の最終圧延における圧
延率は、次の工程であるエッチング処理における液組
成、液温度に依存して変更することができるが、通常4
0%以上とすることが望ましい。 【0034】しかる後、焼鈍温度、焼鈍時間の調整によ
って結晶粒径を制御し、最終圧延によって管内部品の形
状保持を行う。この場合、管内部品の素材の結晶粒度を
JIS−G0551に規定されるところの8〜12に設
定することが好ましい。また最終の調整圧延は、結晶の
集合組織を崩さないように、30%以下の圧延率で行う
ことが望ましい。更にエッチングに望ましい結晶面は通
常(100)であることから、この結晶面を主面として
管内部品を製作するようにすれば良い。 【0035】しかる後、エッチング工程を経て多数の孔
を開けたフラットマスクを作成し、前述した析出硬化成
分をそのマトリックス中に固溶させるべく、溶体化処理
を兼ねた焼鈍を行う。この焼鈍は700〜1300℃の
温度で、且つ不活性ガス中で行う。但し、CrまたはM
nの添加量が3〜8wt%のときは、焼鈍温度を700
〜900℃にすることが望ましい。またその添加量が3
wt%以下、または6〜10wt%の時には、900℃
以上に設定することが望ましい。 【0036】この焼鈍処理時に重要なことは、冷却速度
を可能な限り速くすることであり、溶体化処理にとって
不可決なことである。ちなみに冷却速度が遅いと、析出
硬化成分の不本意な析出が始まり、フラットマスクの
0.2%耐力が増大する。従って、その後の成形加工が
困難となる。またこの冷却は、室温以下に冷却された不
活性ガスを焼鈍炉内に充満させる等して行われる。 【0037】このようにして焼鈍処理した後、その素材
(フラットマスク)をプレス成形し、所定の曲面を有す
るシャドウマスクとする。そしてこのシャドウマスク
を、例えばトリクロロエチレンの蒸気で洗浄した後、以
下に示すように黒化処理を兼ねた時効処理を施す。 【0038】この時効処理ではシャドウマスクの黒化を
兼ねることから、そのガス雰囲気として、例えば空気、
水蒸気、炭酸ガスが用いられる。この際、時効処理温度
を500℃未満とすることは、黒化処理が遅くなり、時
効析出も遅くなることから不適当である。また時効処理
温度を800℃以上にすると、添加した析出硬化成分が
合金組織のマトリックス内に固溶していまい、成形後の
管内部品が硬くならないので不適当である。尚、この時
効処理温度とその処理時間は、合金中に添加した析出硬
化成分元素の種類に応じて適宜定められることは勿論の
ことである。 【0039】この場合、黒化膜としては主としてCrx
Niy Fe3-x-y 4 (0<x,y<3)、またはMn
x Niy 3-x-y4 が生成し、その密着性が保たれ
る。また析出硬化成分元素は、主として黒化膜と金属と
の界面に濃縮するが、その添加量が上述したように少な
いこと、および同時に添加されたCrまたはNnによる
効果とが相俟って、上述した密着性に悪影響を及ぼすこ
とがない。 【0040】かくして本発明によれば、所定のNi−F
e系合金にCrを添加して、その0.2%耐力を低減
し、且つその成形性を改善することができる。しかも従
来の32Ni−5Co−Fe合金のように、高温で真空
焼鈍する必要がなくなり、温間プレスする等の手間がな
くなる。そして1200℃以下の焼鈍によって、十分に
その成形加工が可能となる。更には、その形成後の黒化
処理を兼ねた時効処理によってその形成部品を十分に硬
くすることができ、取扱いの容易化を図り得る。またそ
の強度を十分に高くすることができるので、ハウリング
防止にも効果的である等の効果が奏せられる。 【0041】 【0042】 【実施例】次に本発明の実施例をシャドウマスクの製作
を例に挙げて説明する。 【0043】実施例1 先ず、36%NiとFeを主成分とし、Crを2wt
%、その他附随的成分を含む合金に、析出硬化成分の元
素としてTiを添加した合金のインゴットを真空溶解に
より製作準備し、このインゴットを熱間加工して厚さ1
0mmの板材とした。この板材を繰返し焼鈍・冷間加工
して厚み0.2mmのコイルを製作した。ここでは最終
圧延率を80%、調整圧延率を10%として行い、上記
コイルの結晶粒度を、JIS−G0551で規定される
10の粒度とした。このようにして製作された管内部品
用素材を用いて、次のようにしてシャドウマスクを製作
した。先ず、素材の両表面にフォトレジストを塗布し、
これを乾燥させた後、スロット或いはドット形状の基準
パターンを形成したフィルムをその両面に密着させて、
前記フォトレジストを露光・現像した。この現像によっ
て未露光部分のフォトレジストが溶解除去される。しか
る後、残されたフォトレジストをバーニングして硬化さ
せた後、塩化第二鉄溶液でエッチング処理し、その後そ
の残存レジストを熱アルカリによって除去してシャドウ
マスクの原板となるフラットマスクを作製した。 【0044】その後、このフラットマスクを箱形の真空
加熱炉に入れ、10-4torr、1000℃の雰囲気で
焼鈍し、歪取りとその加工性の改善を行った。この焼鈍
後のフラットマスクをレベラーに通して板歪を除去し、
同時に成形工程におけるストレッチャーストレインを減
少させた。尚、この真空焼鈍は、フラットマスク中の溶
存C量の減少と、その結晶粒度の低減を目的として行っ
た。これによって、その後のプレス成形の容易化を図っ
た。 【0045】次に上記フラットマスクをプレス成形し、
所定の曲面を有するシャドウマスクを得た。この際、
0.2%耐力が小さく、その成形性が極めて良好で、ス
プリングバックが生じないことが確認された。同時にシ
ャドウマスクの幅方向および長手方向の特性が均一であ
り、特性の所謂バラツキに起因する成形性不良の発生が
ないことが確認された。 【0046】その後、上記シャドウマスクをトリクロロ
エチレンの蒸気で洗浄し、700℃に保持された連続黒
化炉で20分間加熱して密着性の良い黒化膜を、厚み
1.5mm成長させてシャドウマスクを完成させた。こ
の際、析出硬化が生じ、その硬さがビッカース硬度で1
03Hvから150Hvに向上した。 【0047】実施例2〜8 実施例1における合金の成分と共に表1で示すような組
成成分の合金を用い、実施例1と同様な手法でシャドウ
マスクをそれぞれ製作した。 【0048】 【表1】尚、この表では、黒化処理を兼ねた時効処理前後の素材
の硬さと、機械的強度の向上の度合いが併記されてい
る。 【0049】これらの各実施例でも、先の実施例と同様
な効果が得られることが確認された。 【0050】このようにして得られた各実施例のシャド
ウマスクを組込んだカラー受像管について、その四隅の
PD値について調べたところ、従来のリムド鋼やAlキ
ルド鋼を素材とするシャドウマスクを組込んだカラー受
像管のPD値に比較して、1/2に減少していることが
認められた。またアンバー系の素材で形成されたシャド
ウマスクを用いた場合のようなハウリングの発生もない
ことが確認された。 【0051】ちなみに参考として示した比較例1〜3に
おいては、その硬さがビッカース硬度で120以上にな
ると0.2%耐力が約24kg/mm2 となり、プレス
成形が困難となった。その熱膨張係数も大きくなり、不
具合が生じた。 【0052】尚、ここではシャドウマスクの形成を例に
説明したが、インナーシールドやフレーム、バイメタル
等を同様に製作してカラー受像管を得ることも可能であ
る。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々
変形して実施することができる。 【0053】 【発明の効果】上述したように、本発明によれば熱膨張
率が低く、良好な成形性を有し、しかも成形処理後には
良好なハウリング防止効果と変形防止効果を呈する管内
部品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 0.2%耐力とスプリングバックとの関係を
示す図。 【図2】 (a)はMnを添加した36Ni−Fe合金
におけるMnの添加量に対する0.2%耐力とスプリン
グバックとの関係を示す図。(b)はCrを添加した3
6Ni−Fe合金におけるCrの添加量に対する0.2
%耐力とスプリングバックとの関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大竹 康久 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株 式会社東芝 深谷ブラウン管工場内 (56)参考文献 特開 昭59−59861(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.25〜45wt%のNiと、総量で0.3〜10w
    t%のCr及びMnの少なくとも一種と、総量で2.5
    wt%のTi,Nb,Al,Mo,V,Zr及びTaの
    中から選ばれる少なくとも一種の析出硬化成分と、残部
    Fe及び不可避不純物からなる合金からなることを特徴
    とする管内部品。
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