JP2669742B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は生体内あるいは機械構
造内等に視覚部、照明部を侵入させて観察を行なうため
の内視鏡装置に関する。 【0002】 【従来技術】従来の内視鏡装置は、図4に示すように、
被写体11を光伝送路50で導いた光によって照明す
る。光伝送路50は、オプティカルファイバーを100
00本程度束ねたものである。光伝送路50の基部は、
光源制御部51に取付けられている。光源制御部51内
には、光源52と、絞り装置53が配設されている。絞
り装置53は、光伝送路50に入力する光の量を調節す
るためのもので、手動による調節が可能である。光源5
2としては、ハロゲンやキセノンの光源が用いられる。 【0003】被写体11からの光は、対物レンズ54を
介してイメージファイバー55に入光する。イメージフ
ァイバー55は、直径約10〜50μm/φのオプティ
カルファイバーを12000〜35000本程度束ねた
ものである。イメージファイバ55は、イメージ光を外
部の接眼レンズ56に導く。 【0004】ここでユーザは、接眼レンズ56を通して
被写体11を観察し、その照明の状態を調節するのに、
手動によって絞り装置53を制御する。手動による絞り
は、例えば、手動ダイアルを操作することによってなさ
れる。 【0005】一方、被写体11を観察するのに、ビデオ
カメラ57によって行なう場合もある。この場合の光量
の調整は、ビデオカメラ57の光学系の絞り機構57A
が調節されるのが一般的である。これは、オプティカル
ファイバーの光量のロスとビデオカメラの感度不足を補
うため、光源からは、常に強い光を放出しておく必要が
あるからである。上記した内視鏡装置は、生体の消化器
管、体腔、内燃機関のシリンダー内、水道管、原子炉内
などの観察のために利用される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の内視鏡
装置によると、被写体からの光を一旦、対象物の外部に
導き肉眼で観察したり、ビデオカメラで撮像している。 【0007】従って、往路と帰路の光路が必要である。
このため光量のロスが多いという性質があり、強力な光
源を必要とし、強い光に伴う熱的影響が観察対象に悪影
響を与えるという問題がある。 【0008】また、オプティカルファイバーは材料の性
質上、短波長領域光(青い光)が減衰しやすい。このた
め光源から照射される光が被写体に届くとき、実際に光
源そのものが放射する光より赤味を帯びた光となる。更
にその被写体からの反射光をオプティカルファイバーで
観測者の目まで導くのでより赤味を帯びた映像が観測者
にとらえられることになり、現実に色調とは異なったも
のとして観測される。 【0009】更に、観察対象物の狭い空間内に挿入して
使用するものであるから、本質的にオプティカルファイ
バーの本数を増加するには限度があり、ビデオカメラを
用いる場合解像度が低いという問題がある。また、光源
52からの光量を調節するには、いづれにしても手動に
よらなければならず観察作業に時間のロスが大きいとい
う問題がある。 【0010】そこでこの発明は、上記の事情に鑑みてな
されたもので、(a)被写体からの光の集光率が高く比
較的光源のパワーが小さくてすみ、(b)解像度を損な
わずに観察対象物に挿入するケーブルの径も小さくで
き、(c)被写体に照射する光の成分を損わずに色調が
正であり、(d)撮像素子の出力が安定した適正な出
力となる内視鏡装置を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】そこでこの発明の内視鏡
装置は、光源からの光を光伝送路により導いて被写体を
照明する内視鏡装置において、前記光源と前記被写体と
の間に設けられ入力された光を標準照明光のスペクトル
に近づけて出力する第1の光補正フィルタと、前記被写
体からの光を結像する対物レンズと、この対物レンズか
らの光を映像信号に変換する撮像素子と、前記被写体と
前記撮像素子との間に配置され、前記標準照明光のスペ
クトルに対して前記撮像素子の色信号のバランスを適正
にする第2の光補正フィルタとを備えることを特徴とす
る。 【0012】 【作用】上記の構成により、前記光源からの光は第1の
光補正フィルタによって標準照明光のスペクトルに近づ
けられ被写体に照射される。被写体からの光は、前記被
写体と前記撮像素子との間に配置され、前記標準照明光
のスペクトルに対して前記撮像素子の色信号のバランス
を適正にする第2の光補正フィルタにより撮像素子の色
信号のバランスを適正にする光に変えられ、この光を撮
像素子は映像信号に変換する。 【0013】 【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して説明
する。 【0014】図1は、この発明の一実施例であり、被写
体11は、光伝送路12からの光によって照明される。
被写体11からの反射光は、対物レンズ13、撮像素子
側にある第2の光補正フィルタ17を介して、これに近
接した撮像素子14の感光面に結像される。ここで撮像
素子14は後述する補色フィルタを有するものである。
光補正フィルタ17はここでは5500Kの照明光に対
して、撮像素子14の出力が標準となるような特性を有
するもので、例えばリン酸ガラス系シアンフィルタで構
成される。この撮像素子14から読みだされた撮像信号
は、信号伝送ライン16を介して対象物の外部に導か
れ、観察制御部20内の信号処理回路22に供給され
る。またこの観察制御部20内には、ドライブ回路21
が設けられており、このドライブ回路21からのドライ
ブ信号は、ドライブライン15を介して、前記撮像素子
14に供給されている。 【0015】一方、前記光伝送路12の基部も観察制御
部20内に導かれ、その端部は、第1の光補正フィルタ
36を介して自動絞り装置33に対向している。この自
動絞り装置33は、例えば、ラック29,30と、各ラ
ックを駆動するピニオン27,28を有し、ラック2
9,30が形成する隙間にキセノン光源31が対向させ
られている。図5にキセノン光源の発光スペクトルを示
す。(東京電気大学出版会発行 色彩科学ハンドブック
第238頁参照)。第1の光補正フィルタ36は、キセ
ノン光源31の発光スペクトル中に含まれるケルン状成
分を補正し、ほぼ5500Kの黒体放射スペクトルに近
くする働きをもつ。32は、光源の光を前記隙間を通し
て光伝送路の端部に集光させる反射鏡である。 【0016】上記の自動絞り装置33の隙間は、モータ
26の回転によって拡大縮小が自在である。更にこのモ
ータ26は、前記信号処理回路22で得られる輝度信号
を積分回路24で積分した出力に応答する。つまり積分
回路24の出力は、モータドライブ回路25に供給さ
れ、このモータドライブ回路25は、積分出力の値に対
応したドライブバルスを発生し、その数に応じた回転角
にモータ26の軸が回転することになる。この場合、積
分出力の値と、モータ26の回転角(絞り量)との間に
は、一定の関連づけが成されており、積分値が基準値を
越えた場合は、絞り開口を小さくし、積分値が基準値を
下回る場合は、絞り開口を大きくする制御がおこなわれ
る。さらに積分回路24には、観察対象物によっては、
前記基準値が小さくてもよいもの、あるいはその逆のも
のがあるので、基準値の可変手段24Aが接続されてい
る。 【0017】上記したようにこの内視鏡装置によると、
第2の補正フィルタ17を用いて5500Kの照明下に
於いて、撮像素子出力が標準状態にされているため、太
陽光ないし蛍光灯照明の下では適正な色再現が得られ
る。また第1の補正フィルタ36は高輝度が得られるキ
セノン光源の発光スペクトルを5500Kに近付けてい
るため、暗い洞内の被写体を撮像する際にもキセノン光
源の発光スペクトル中に含まれているケルン状のピーク
を持った光成分による色再現の不良を著しく改善し、色
再現性を良好に保っている。また、被写体11に照射す
る光量を、撮像するのに最適な量となるように自動的に
調節することができる。しかも撮像素子14を被写体の
近くまで接近させる構造であるから、光伝送路は往路だ
けでよく、光量のロスは、従来に比べて格段と少ない。
これは、伝送路が長くなればなるほどその効果が顕著と
なる。勿論、オプティカルファイバー長を変えると、オ
プティカルファイバーの分光透過特性は変わるので、第
1、または第2若しくは両方の光補正フィルタの特性を
オプティカルファイバー長変化に応じて、撮像素子出力
が色信号に対して所望の割合いとなるように適宜調整し
たものを用いればよい。そして帰路に於いては、従来の
ようなオプティカルファイバーは無く、信号伝送ライン
のみである。よって、対象物に挿入するケーブルの径
は、従来に比べて小さくできる。さらに出力端子23か
らのビデオ信号は、輝度レベルが所定のレベルに自動的
に調整されたものであるから、ユーザが手動操作する必
要も無く、観察作業の能率向上が得られる。ビデオ信号
は、モニタテレビジョン受像機によって再生される。こ
の発明は、上記の実施例に限らず、種々の実施例が可能
である。 【0018】図2は、絞り装置としてエレクトロクロミ
ック素子35を利用したもので、積分出力を増幅する増
幅器34によって制御される。エレクトロクロミック素
子については、たとえば、特開昭56−4679号に開
示されている。その他の部分は、図1の実施例と同じで
あるから同一符号を付して説明は省略する。図3は、撮
像素子14から出力された撮像信号を処理するための回
路の例を示している。撮像素子14は、例えば図3
(A)に示すような色フィルタ配列を有する。このフィ
ルタにおいて、W、Ye、Cyは次の色の透過を意味す
る。 W…全色(白) Ye…黄色 Cy…シアン 【0019】撮像素子14の撮像出力は、n番目の走査
線でW+W、Ye+Cy、W+W、…となり、(n+
n)番目の走査線で、W+Cy、W+Ye、W+Cy、
…となる。 【0020】このように得られた信号は、信号処理回路
22内の増幅器221で増幅され、クランプ回路222
に供給されて映像の黒レベル部分がある直流電圧に固定
される。次に水平ならびに垂直の帰線期間部分に含まれ
る駆動パルスの飛込みなどによるノイズを除去し、幅が
広く安定な黒信号基準を作るために、プリブランキング
処理回路223で、プリブランキング処理される。この
ように得られた撮像信号は、帯域フィルタ224によっ
て、変調色信号を分離される。この変調色信号は、一水
平ライン遅延回路227、加算器228、減算器229
からなるクシ形フィルタに供給され、赤と青の変調色信
号に分離される。この赤と青の変調色信号は、マトリッ
クスエンコーダ回路231に供給されクロマ信号に変換
される。更に撮像信号は、低域フィルタ225によって
約1MHzに帯域制限され、色差信号生成用の信号とし
てマトリックスエンコーダ回路231に供給される。従
ってマトリックスエンコーダ回路231からは、色差信
号が得られこれは加算器232に供給される。加算器2
32には、低域フィルタ226を通った輝度信号が供給
されている。また加算器232では、複合同期信号も加
えられる。従って、加算器232からは、ビデオ信号が
得られ、これは増幅器234で増幅されて出力端子23
に出力される。この撮像方式は、例えば、1983年テ
レビジョン学会全国大会予稿集4−3(99〜100
頁)「周波数インターリーブ方式CCD単板カラーカメ
の試作」に記載されている。積分回路24には、低域
フィルタ226の出力が供給される。また第1、第2の
光補正フィルタは、光源から撮像素子までの間ならどこ
でも配置してよく、例えば第1の光補正フィルタ36を
オプティカルファイバー12の撮像素子側に配設しても
よい。また、第1の光補正フィルタ36をオプティカル
ファイバー12の一部として一体に製作してもよい。同
様に第2の光補正フィルタ17を撮像素子上に接着する
などして一体にしてもよく、対物レンズと被写体の間に
配置してもよい。またここでは、光源とキセノンランプ
を例に説明してきたが、ハロゲンランプを用いてもよ
く、その際、光補正フィルタは3000Kを5500K
に変換する色温度補正フィルタにすればよい。また撮像
素子の標準照明光は5500Kに限ることはない。 【0021】 【発明効果】以上説明したように、この発明によると
(a)被写体からの光の集光率が高く比較的光源のパワ
ーが小さくてすみ、(b)解像度を損なわずに観察対象
物に挿入するケーブルの径も小さくできるもビデオカメ
ラの解像度がよく、(c)かつ光源の光量の調節も自動
的に得られ作業効率を向上し得る上に、(d)色再現性
をも良好に保つことができる内視鏡装置を提供すること
ができる。 【0022】また撮像素子を作る技術も進歩しているこ
とから、画素数が多く(20万程度)解像度の高い画像
を得られる。そして色フィルタを備えさせることで、通
常のハロゲンあるいはキセノン光源でカラー画像を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例を示す構成説明図。 【図2】この発明の他の実施例を示す構成説明図。 【図3】カラー撮像方式の例を説明するのに示したフィ
ルタ及び信号処理回路の図。 【図4】従来の内視鏡装置を示す構成説明図。 【図5】キセノン光源の発光スペクトル図。 【符号の説明】 11…被写体、12…光伝送路、13…対物レンズ、1
4…撮像素子、15…信号伝送ライン、20…撮像制御
部、22…信号処理回路、24…積分回路、25…モー
タドライブ回路、26…モータ、31…光源、33…絞
り装置。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.光源からの光を光伝送路により導いて被写体を照明
    する内視鏡装置において、 前記光源と前記被写体との間に設けられ入力された光を
    標準照明光のスペクトルに近づけて出力する第1の光補
    正フィルタと、 前記被写体からの光を結像する対物レンズと、 この対物レンズからの光を映像信号に変換する撮像素子
    と、 前記被写体と前記撮像素子との間に配置され、前記標準
    照明光のスペクトルに対して前記撮像素子の色信号のバ
    ランスを適正にする第2の光補正フィルタとを備えるこ
    とを特徴とする 内視鏡装置。 2.前記第1の光補正フィルタは前記光源からの光の色
    温度を略5500Kまたは略3000Kに制限すること
    を特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。 3.前記第1の光補正フィルタは前記光源と前記光伝送
    路との間に介在することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の内視鏡装置。 4.前記第2の光補正フィルタは前記対物レンズと前記
    撮像素子との間に介在することを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれか1つに記載の内視鏡装置。
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