JP2669310B2 - 半導体集積回路装置およびその実装方法 - Google Patents

半導体集積回路装置およびその実装方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路装置の
誘電体基板への実装方法に関し、特にシールリングによ
りLSIチップを気密封止する半導体集積回路装置およ
びその実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の半導体集積回路装置の誘
電体基板への実装方法は、LSIチップの電極にワイヤ
を用いず、電気的に導通な球状の電極、すなわちバンプ
電極を用いてフリップチップ実装されている。
【0003】図3は従来の半導体集積回路装置を示す断
面図である。図3において、LSIチップ1は半田によ
り形成されたバンプ電極5を介して誘電体基板、すなわ
ちセラミック基板4と電気的に接続されている。また、
LSIチップ1の周囲はキャップ11により覆われ、気
密封止されている。キャップ11は導電性接着剤12に
よりセラミック基板4に固定されている。
【0004】図3に示す半導体集積回路装置は、バンプ
電極5だけが主要な放熱経路なため、LSIチップ1の
熱上昇が大きく、チップが破壊されるという問題があ
る。
【0005】上述した問題を解決するため、例えば、1
991年2月14日公開の特開平3−34445号公報
(文献1)に示されるように、LSIチップの裏面をキ
ャップに接着させ、キャップ側面に開講部を設ける構造
が知られている。
【0006】図4は文献1第2図記載の半導体集積回路
装置を示す断面図である。図4において、LSIチップ
1の裏面が導電性接着剤12によりキャップ11に直接
接着されており、またキャップ11の側面には開口部1
3が形成されている。さらにLSIチップ1の表面に造
り込まれた素子領域を気密封止するためにモジュ−ルケ
ース14によりキャップ11およびセラミック基板4が
覆われている。このような構造を採用することにより、
バンプ電極5、およびキャップ1による放熱経路が形成
され、LSIチップ1の熱上昇を防止することができ
る。
【0007】しかしながら、この文献1記載の半導体集
積回路装置はキャップ11に開口部13が形成されてい
るため、大型のモジュールケース14による気密封止が
必要となり、装置の大型化、および高価格化という問題
がある。
【0008】さらに、上述した問題を解決するために、
例えば、1992年12月9日公開の特開平4−355
937号公報(文献2)に示されるように、あらかじ
め、キャップにLSIチップを接着後、キャップ封止と
LSIチップのバンプ電極接続を同時におこなうという
半導体集積回路装置が知られている。
【0009】図5は文献2記載の半導体集積回路装置を
示す断面図である。図5において、LSIチップ1は導
電性のバンプ電極5を介してセラミック基板4に接続さ
れ、キャップ11がLSIチップ1の裏面に直接導電性
接着剤12により接着されている。また、キャップ11
は導電性接着剤12によりセラミック基板4に接続され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この従来の文献2記載
の半導体集積回路装置は、半導体集積回路装置の基板4
への実装とキャップ11による気密封止を同時に行うこ
とができるため、キャップ封止行程が省略できる。しか
しながら、キャップ11にLSIチップ1を接着する行
程が新たに必要となるため、全体の行程は決して少なく
ならないという課題がある。また、上述した3つの従来
技術の半導体集積回路装置はキャップを必要とするた
め、組立後の重量がかさむという課題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上述し
た欠点を除去し、ケースの簡略化およびLSIチップの
熱上昇を防止する半導体集積回路装置およびその実装方
法を提供することにある。上記目的を達成するために本
発明の半導体集積回路装置およびその実装方法では、パ
ッド電極の周囲のシールリングと接着する領域と、セラ
ミック基板のパターンとをシールリングを介して接続さ
せることにより気密封止を行うとともに、バンプ電極を
介して電気的接続を得るという構造および実装方法を採
用することにより上記目的を達成している。
【0012】
【実施例】次に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。
【0013】図1は本発明の一実施例を示す半導体集積
回路装置の断面図である。図1a図において、LSIチ
ップ1はシールリング2を介してセラミック基板4のパ
ターン10に接続され、LSIチップ1およびシールリ
ング2によりLSIチップ1上に設けられた素子領域
7、およびパッド電極3を気密封止している。シールリ
ング2はコバールもしくは銅タングステンにより形成さ
れている。また、LSIチップ1はパッド電極3上に形
成されたバンプ電極5を介してセラミック基板4と電気
的に接続されている。
【0014】図1b図は、図1a図におけるX−X’面
における横断面から見たLSIチップの上面図である。
LSIチップ1の周辺端部にシールリング2がパッド電
極3を取り囲むようにして接続されている。
【0015】LSIチップ1がシリコン組成の場合は線
膨張係数が3.6ppm/℃であり、セラミック基板4
の線膨張係数が7.1ppm/℃である。また、シール
リングの組成であるコバールあるいは銅タングステンの
線膨張係数は6ppm/℃であるため、膨張係数が近
く、接着の際の熱による歪等が生じず、信頼性の高い接
合を得ることができる。また、LSIチップがGaAs
組成の場合は線膨張係数が7ppm/℃であるため、さ
らに良好の接合を得ることができる。
【0016】図2は図1に示した半導体集積回路装置の
実装方法を説明する断面図である。図2において、まず
行程(a)によりシールリング2をLSIチップ1にA
uSi8で接着した後、行程(b)によりLSIチップ
1のパッド電極3にバンブ電極5を半田により形成す
る。次に行程(c)によりLSIチップ1をセラミック
基板4に接着する際に、シールリング2とセラミック基
板4上のパターン10との間に半田プリフォーム9を挿
入、加熱し、LSIチップ1上に形成されたバンブ電極
5と、接着されたシールリング2に対して、セラミック
基板4のそれぞれに対応するパターン10とを接続す
る。上述の行程を経て、(d)に示す本発明の一実施例
である半導体集積回路装置を得る。
【0017】上述したこれらの組立行程例は本発明の実
現性を裏付けるために示したものであり、他の組立行程
例として、シールリング2を先にセラミック基板4に接
続する方法、およびLSIチップ1、シールリング2お
よびセラミック基板4とを同時に接着する方法等が使用
でき、本発明を何等制限するものではない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半導
体集積回路装置の実装方法は、LSIチップとセラミッ
ク基板とをシールリングにより直接接続することで、気
密封止を可能としたため、キャップを用いた気密封止と
比較して組立後の重量が1〜2割程度軽減できるという
効果を有する。また、モジュールサイズの気密封止も不
要なため、ケースの簡略化ができ、さらに、フリップチ
ップ実装でのバンブ電極以外にシールリングでの放熱経
路が得られるため、LSIチップの熱上昇を防止するこ
とができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す半導体集積回路装置の
断面図。
【図2】図1に示した半導体集積回路装置の組立行程例
を示す断面図。
【図3】従来の半導体集積回路装置を示す断面図。
【図4】他の従来の半導体集積回路装置を示す断面図。
【図5】他の従来の半導体集積回路装置の実装方法を示
す断面図
【符号の説明】
1 LSIチップ 2 シールリング 3 パッド電極 4 セラミック基板 5 バンプ電極 7 素子領域 8 AuSi 9 半田プリフォーム 10 セラミック基盤上のパターン 11 キャップ 12 導電性接着剤 13 開口部 14 モジュールケース

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンプ電極を有する半導体基板を、前記
    半導体基板に相対する位置にパッド電極を有する基板に
    フリップフロップ実装する半導体集積回路の実装方法に
    おいて、 前記半導体基板はさらに前記基板に相対する面の周辺端
    部に金属薄膜により形成されたシールリング領域を有
    し、前記基板はさらに前記シールリング領域に相対する
    領域に金属薄膜により形成されたシールリング配設領域
    を有し、 前記バンプ電極あるいは前記パッド電極に半田を配置す
    る工程と、 前記シールリング領域あるいはシールリング配設領域に
    半田を配置する工程と、 前記シールリング領域にシールリングを配置する工程
    と、 前記バンプ電極と前記パッド電極の位置を合わせて、前
    記半導体基板を前記基板に配置する工程と、 前記半田を加熱して溶融させる工程と、 前記半田を冷却して固化させる工程とを含む ことを特徴
    とする半導体集積回路の実装方法。
  2. 【請求項2】 バンプ電極を有する半導体基板が、前記
    半導体基板に相対する位置にパッド電極を有する基板に
    フリップフロップ実装された半導体集積回路装置におい
    て、 前記半導体基板はさらに前記基板に相対する面の周辺端
    部に金属薄膜により形成されたシールリング領域を有
    し、 前記基板はさらに前記シールリング領域に相対する領域
    に金属薄膜により形成されたシールリング配設領域を有
    し、 前記シールリング領域と前記シールリング配設領域の間
    に、半田によりシールリングが固定され、該シールリン
    グと前記半導体基板と前記基板とで囲まれた領域が気密
    封止されている ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 【請求項3】 前記シールリングが、コバールあるいは
    銅タングステンを組成とすることを特徴とする請求項2
    記載の半導体集積回路装置。
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JP2581592B2 (ja) * 1988-09-16 1997-02-12 株式会社日立製作所 フレキシブルピンキャリア及びそれを使用した半導体装置
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