JP2668950B2 - 印字記録方法 - Google Patents

印字記録方法

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JP2668950B2 JP63154798A JP15479888A JP2668950B2 JP 2668950 B2 JP2668950 B2 JP 2668950B2 JP 63154798 A JP63154798 A JP 63154798A JP 15479888 A JP15479888 A JP 15479888A JP 2668950 B2 JP2668950 B2 JP 2668950B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電気信号を熱エネルギーに変換し、転写材
にインク像を転移させて印字記録を行う印字記録方法に
関する。
従来の技術 従来、被記録体、例えば普通紙上に所定のデジタル画
像信号に対応する画像の記録を行う場合、インクドナー
フィルム等の熱転写記録媒体を用いた記録方法が広く知
られている。
この様な記録方法としては、例えば、1)熱ヘッド転
写方式(特開昭53−84735号公報)、2)インク層に通
電する通電転写方式(画像電子写真学会誌:1982年Vol.1
1、No.1、p3〜9)、3)中抵抗のインク支持体に発熱
層と帰路電極を設けた印字記録媒体を用いる通電熱転写
記録方式(特開昭56−93585号公報)、4)針電極と同
じ側に帰路電極を設け、印字記録媒体の発熱層中に帰路
電極への電流路を形成して発熱層での発熱を利用する通
電熱転写記録方式等が提案されている。
これ等の記録方式の中で、3)及び4)の通電熱転写
記録方式は、印字速度も比較的速く、インクに導電性を
付与する必要もなく、インク材料選択の自由度が高いと
いう利点があり、種々の提案がなされている。しかしな
がら、これ等通電熱転写記録方式は、インク支持体に異
方導電性がないため、ドットの広がりがあり、リーク電
流が大きく、エネルギー効率が悪かったり、或いは、印
加電流が2度発熱層を通るため、多くのエネルギーロス
を生じ、又、摺動接触を針電極と帰路電極により2度行
うため、接触抵抗による熱ロスも多く生じ、更に、帰路
電極に優先的に電流を流すには、印字記録媒体中の導電
層にある程度の抵抗が必要となり、導電層での発熱ロス
も大きくなる等の欠点がある。
この欠点を解決するために発熱抵抗体層の上に導電性
孤立パターンよりなる異方導電層を設けたり、支持体層
を異方導電層としたインク記録媒体や、両側端縁に導電
層を露出させて側端導電部としたインク記録媒体を用
い、側端導電部に導電性摺動部材や導電性ロールを接触
させて印字記録を行うことが提案されている。
発明が解決しようとする課題 ところで、異方導電層、画像信号に対応する電気信号
の入力により発熱する発熱抵抗体層、導電層、インク剥
離層、及び熱溶融性インク層を積層してなるインク記録
媒体を用いて印字記録を行う場合、十分な品質の印字記
録を得るためには、異方導電層表面に入力された信号電
流が、発熱抵抗体層及び導電層を経由して、帰路電極回
路に確実に流れる必要がある。従来の、側端導電部を有
するものを使用すると、上記従来の技術における問題点
が改善されるが、インク記録媒体の搬送に際し、側端導
電部に導電性摺動部材を接触させた場合には導電層との
間で摩擦が起こり、導電層が摩耗してインク記録媒体の
寿命が短くなり、又、安定な記録画像を得ることが出来
ないという欠点があった。又、導電性ロールと接触させ
た場合にもしばしばスリップを起こして安定した接触状
態を得ることができず、反復使用した場合、やはり導電
層が摩耗して、安定な記録画像を得ることができないと
いう欠点があった。
本発明は、従来の技術における上記のような問題点に
鑑みてなされたものである。
したがって、本発明の目的は、インク記録媒体の導電
層の側端導電部の摩耗が少なく、したがって、長期間繰
り返し使用することが可能な印字記録方法を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、帰路電極回路をとるための特別
の手段を必要としない印字記録方法を提供することにあ
る。
本発明の別の目的は、高速印字、高密度エネルギー入
力が可能であり、高品位のカラー画像が再現でき、多階
調で堅牢な画像を記録することが可能であるインク記録
方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、異方導電層、電気信号の入力により発熱す
る発熱抵抗体層、導電層、インク剥離層、及び熱溶融性
インク層を順次積層してなるインク記録媒体の熱溶融性
インク層を、記録ヘッドと対向する位置に配設した背面
圧接ロール上で印字部において転写材と接触させ、異方
導電層側から画像に応じた信号電流を印加して転写材上
にインクを転写させる印字記録方法において、該インク
記録媒体として、少なくとも一側縁に側端導電部を形成
してなるものを使用し、該背面圧接ロールが、インク記
録媒体の側端導電部と接触するように構成され、かつ少
なくとも該側端導電部と接触する部分が導電材料よりな
る導電部を有するものであり、該背面圧接ロールの導電
部を所定の電位に保って印字記録を行うことを特徴とす
る。
本発明を図面に基づいて説明する。
第3図は本発明の印字記録方法の一実施例を説明する
為の概略構成図である。
図中、1は、インク記録媒体、2は印字記録ヘッド、
3は転写紙、4は背面圧接ロールである。インク記録媒
体1は搬送ロール51、52、53、54に懸架されて印字部に
搬送される。印字記録ヘッド2からの画像に対応した電
気信号がインク記録媒体に印加され、背面圧接ロール4
上で接触する転写紙にインク記録媒体の熱溶融性インク
が転写されて印字記録が行われる。印字記録後、粉末イ
ンク供給部6において、粉末インクを付着させ、続いて
インク固着ロール7によって付着した粉末インクを整
面、固着させてインク記録媒体を再生し、次の印字記録
操作に供される。
本発明においてインク記録媒体は、少なくともその一
側縁において側端導電部を形成するものであるが、第2
図はその一例であって、両側縁において導電層が露出し
て側端導電部を形成しているインク記録媒体の断面図を
示す。図中、11は孤立パターン電極よりなる異方導電
層、12は発熱抵抗体層、13は導電層、14はインク剥離
層、15は熱溶融性インク層であり、そして導電層の両側
縁には側端導電部16が形成されている。第5図は、他の
一例であって、露出した導電層の上に導電性補強剤17を
設けて側端導電部を形成した場合を示す。
第1図は、第2図のインク記録媒体が、印字部におい
て転写紙及び背面圧接ロールと接触した状態を示す断面
図であり、また第4図はその側面図である。熱溶融性イ
ンク層15が形成されたインク記録媒体1は、転写紙3と
接触し、印字記録ヘッド1と背面圧接ロール4との間を
通過する。この際、背面圧接ロールの両側端縁部は、導
電性材料より構成された導電部41となっており、インク
記録媒体1の側端導電部と接触して、帰路電極回路を形
成する。
次に、本発明において使用されるインク記録媒体の一
例について説明する。
異方導電層は、厚み方向の通電時の通電抵抗による通
電ロスを低減させ、又、針電極とインク記録媒体表面で
の接触抵抗による発熱損失及び発熱ダメージを低減する
作用を果たすもので、微小電極よりなる導電性孤立パタ
ーン層であってもよく、又、セラミック或いは合成樹脂
等の絶縁性材料中に、金属粉或いは導電性セラミック粒
子等の導電性物質よりなる導電路が形成された層であっ
てもよい。
本発明の熱転写記録媒体において、異方導電層が導電
性孤立パターンよりなる層である場合は、発熱抵抗体層
に支持体としての機能を持たせればよく、又、導電性孤
立パターンでない異方導電層の場合には、異方導電層自
体に支持体としての機能を持たせ、その一面に薄膜発熱
抵抗体層を形成させればよい。
発熱抵抗体層は異方導電層からの電流でジュール熱を
発熱し、インクを溶融させて転写材に転写させるための
層であって、例えば、カーボン、金属粉等の導電性物質
を分散させた耐熱樹脂(ポリイミド系樹脂、ポリイミド
アミド系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ
樹脂等)よりなる導電性層、ZrO2、Al2O3、SiO2などの
高抵抗材料とTi、Al、Ta、Cu、Au、Zrなどの導電性材料
とを用いて形成された薄膜等が使用される。発熱抵抗体
層の膜厚は1000Å〜100μmの範囲に設定するのが好ま
しい。この範囲のものは、着膜安定性、膜接着性いなど
において優れた特性のものとなる。
導電層は、発熱抵抗体層に流入した電流を拡散させ、
還流させる電極となるものであって、体積固有抵抗10-1
Ω・cm以下の材料より構成され、蒸着、スパッタリング
又はその他の薄膜形成法により作成される。その膜厚は
500Å〜5μmの範囲に設定するのが好ましく、特に100
0Å〜5000Åの範囲が、熱のリーク及び必要な導電特性
の点で好ましい。
本発明においては、インク記録媒体の少なくとも一方
の側縁は、側端導電部を形成していることが必要であ
る。側端導電部は、導電層を露出して形成してもよく、
また露出部分に導電性補強材を設けてもよい。側端導電
部の幅は任意に設定することができるが、2〜50mm程度
に設定するのが好ましい。
インク剥離層は、低い印字エネルギーでもインクの転
移が良好に行われるような臨界表面張力に調整された層
であって、低表面エネルギーの機能を有する薄膜であ
り、基本的には転写材の表面エネルギーよりも低い値の
臨界表面張力を有するものである。例えば、転写材が普
通紙の場合には、臨界表面張力43ダイン/cm以下である
ことが必要である。又、インク剥離層の臨界表面張力が
熱溶融性インク層の表面張力より低い値であると、熱溶
融性インク層の転移現象においてより大きな効果が得ら
れるので好ましい。インク剥離層自体の厚みは、500Å
ないし6μmの範囲でできるかぎり薄く設定するのがエ
ネルギー伝達効率の点で好ましい。インク剥離層を構成
する材料としては、例えば、熱硬化型シリコーン樹脂、
含フッ素樹脂等が使用できる。
インク剥離層の上に設けられる熱溶融性インク層は、
融点140℃以下の熱可塑性樹脂中に、カーボンブラック
等公知の染・顔料を分散してなるものが使用される。熱
溶融性インク層の膜厚は1〜15μmの範囲に設定するの
が好ましい。
また、本発明において使用する背面圧接ロールは、イ
ンク記録媒体の側端導電部と接触する部分が導電性材料
よりなる導電部となっていることが必要であるが、その
様なものとしては種々のものが使用できる。例えば、金
属より形成された剛体導電性ロール、導電性ゴムより形
成された弾性導電性ロール、ゴムロール上に金属膜を設
けた弾性導電性ロール、側端導電部と接触する部分が金
属又は導電性ゴムより形成されたプラスチック等の剛体
絶縁性ロール、側端導電部と接触する部分に金属膜等の
導電性皮膜を設けたプラスチック等の剛体絶縁性ロール
等を用いることができる。
背面圧接ロールのこれら導電部は、接地されている
か、または適当な電位に保持されて、帰路回路を形成す
るように構成される。
作用 本発明においては、印字部にインク記録媒体が搬送さ
れると、背面圧接ロールによってインク記録媒体1の熱
溶融性インク層の表面が、転写紙3に圧接する。インク
記録媒体の異方導電層表面に印字記録ヘッド1から画像
に対応する電気信号が印加されると、電流は異方導電層
から発熱抵抗体層を経て導電層に流れるが、その際発熱
抵抗体層中で電気−熱エネルギー変換が行われ、発生し
た熱エネルギーは、導電層、インク剥離層を通って熱溶
融性インク層に熱伝播し、入力信号に応じて熱溶融性イ
ンクを溶融し、記録紙上に転写が行われる。この際、イ
ンク記録媒体の少なくとも一側縁に側端導電部が形成さ
れており、その側端導電部に背面圧接ロールの導電部が
接触するから、導電層に流れた電流は、帰路回路を形成
する為の特別の手段を設けることなく、直接背面圧接ロ
ールの導電層を経由して接地又は電源に流れることにな
る。
実施例 次に、本発明を実施例によって説明する。
表面抵抗560Ω/cm2、厚さ30μmのカーボン分散型導
電性ポリイミドフイルムの片面に、CrをDCスパッター着
膜法により着膜して、厚さ4000ÅのCr層を形成させた。
次に、このCr層上にフォトレジストを形成し、90℃で8
分間乾燥し、膜厚1.2μmのレジスト膜を形成した。こ
のレジスト膜を、ピッチ25μmで20μm角の矩形パター
ンを全面に有するマスクを通して露光し、現像し、その
後N2雰囲気下、オーブンで110℃で15分間加熱してレジ
スト膜を硬化させた。次に、希塩酸を用い、亜鉛粒子の
存在下でエッチングし、フォトレジスト膜のない部分の
Crを除去した。充分に水洗した後、アセトン槽に入れ、
超音波を与えてレジスト膜を除去し、導電性パターンよ
りなる異方導電層の作成を完了した。
次に、導電性ポリイミドフイルムの他方の面に、Alを
真空蒸着法によって着膜し、膜厚2000Åの導電層を形成
した。この導電層の上に、帰路接点をとる両側縁部分が
露出するように熱硬化性シリコーン樹脂を塗布し、150
℃で1.時間加熱硬化し、膜厚0.3μmで臨界表面張力34
ダイン/cmのインク剥離層を形成した。得られたフィル
ム状物の両端を接着して側端導電部を有する無端ベルト
を形成した。インク剥離層の上に、融点95℃の熱可塑性
樹脂を主成分とする膜厚7μmの着色熱溶融性インク層
を設けて、無端ベルト状のインク記録媒体を作成した。
上記インク記録媒体を用い、第3図に示されるように
して印字記録を行った。
背面圧接ロールとしては、Alより構成され、ロール表
面に熱溶融性インクが転写しないように、臨界表面張力
20ダイン・cmのシリコーンゴムを設けたものを用いた。
インク記録媒体の側端導電部と接触する導電部の外径は
40mmであり、その内側の外径は、熱溶融性インク層と記
録紙の厚みを考慮して、導電部より200μm小さくして
あるものであった。この導電部は接地されていた。
8本/mmのスタイラスヘッドより400μsのパルス幅で
21mAの電流量の電気信号を異方導電層に圧接印加し、背
面圧接ロール上接触する記録紙に印字記録した。
印字終了後、インク記録媒体のインク転写後に対して
熱溶融性インクを供給し、着色熱溶融性インク層を整面
し、仮固定して再生した。
上記の印字サイクルを繰返して10,000回印字記録を行
ったところ、良好な印字画像が得られた。
発明の効果 本発明は、少なくとも一側縁に側端導電部を形成して
なるものを使用し、そして、印字記録を行う際に、印字
部において、インク記録媒体の側端導電部に背面圧接ロ
ールの導電部が接触するから、導電層に流れた印加電流
は、背面圧接ロールの導電層を経由して接地又は電源に
流れることになる。したがって、本発明においては、印
字記録ヘッドから離れた位置で帰路回路を形成すること
がないから、導電ロスがなくなり、かつ接触の信頼性が
高くなる。更に、従来の技術におけるような帰路回路を
形成する為の特別の手段を設ける必要がないので、装置
の小型化が可能になる。
本発明においては、インク記録媒体の側端導電層の摩
耗が少なく、したがって、長期間繰り返し使用すること
が可能であると共に、高速印字、高密度エネルギー入力
が可能であり、高品位のカラー画像が再現でき、多階調
で堅牢な画像を記録することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の印字記録方法の一実施例を説明するた
めの模式的断面図、第2図は本発明に使用するインク記
録媒体の一例の断面図、第3図は本発明の印字記録方法
を実施する装置の構成図、第4図は第1図の側面図、第
5図は本発明に使用するインク記録媒体の他の例の断面
図である。 1……インク記録媒体、2……印字記録ヘッド、3……
転写紙、4……背面圧接ロール、6……粉末インク供給
部、7……インク固着ロール、11……異方導電層、12…
…発熱抵抗体層、13……導電層、14……インク剥離層、
15……熱溶融性インク層、16……側端導電部、17……導
電性補強材、41……導電部、51、52、53、54……搬送ロ
ール。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異方導電層、電気信号の入力により発熱す
    る発熱抵抗体層、導電層、インク剥離層、及び熱溶融性
    インク層を順次積層してなるインク記録媒体の熱溶融性
    インク層を、記録ヘッドと対向する位置に配設した背面
    圧接ロール上で印字部において転写材と接触させ、異方
    導電層側から画像に応じた信号電流を印加して転写材上
    にインクを転写させる印字記録方法において、該インク
    記録媒体として、少なくとも一側縁に側端導電部を形成
    してなるものを使用し、該背面圧接ロールが、インク記
    録媒体の側端導電部と接触するように構成され、かつ少
    なくとも該側端導電部と接触する部分が導電材料よりな
    る導電部を有するものであり、該背面圧接ロールの導電
    部を所定の電位に保って印字記録を行うことを特徴とす
    る印字記録方法。
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