JP2822573B2 - 粉体インクを使用する画像形成装置 - Google Patents

粉体インクを使用する画像形成装置

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JP2822573B2
JP2822573B2 JP2087394A JP8739490A JP2822573B2 JP 2822573 B2 JP2822573 B2 JP 2822573B2 JP 2087394 A JP2087394 A JP 2087394A JP 8739490 A JP8739490 A JP 8739490A JP 2822573 B2 JP2822573 B2 JP 2822573B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉体インクを使用する画像形成装置に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、抵抗層と導電層からなるエンドレスベルト状の
インク保持媒体を使用し、通電記録ヘッドからパルス電
圧を印加して、インク保持媒体上に、インク供給器によ
って溶融インクを付着させ、転写すべき記録像を形成す
る型の通電転写装置は知られている(例えば、特開昭61
−185467号、同61−185468、同61−188165号、同61−18
9963号)。この型に通電転写装置によれば、抵抗層と導
電層からなるエンドレスベルト状のインク保持媒体と、
熱溶融性インクを供給する部材とを接触させ、通電記録
ヘッドからパルス電圧を抵抗層に印加して発熱させ、こ
の熱によって熱溶融性インクを局部的に溶融して導電層
に付着させ、次いで、付着した熱溶融性インク像を被転
写材に転写することにより、転写像を得るものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記のような通電転写装置は、インク保持
媒体の導電層上に溶接したインクが付着するので、付着
したインクを被転写材上に転写する際に、インク像の凝
集状態が破壊され、インクの一部が転写されずに導電層
表面に残留し、その結果、一周後のサイクルにおいて、
残留したインクが被転写材の上に転移し、画像の汚れが
発生するという問題があった。この問題を解決するため
に、残留したインクをブレード等で拭きとることが考え
られるが、その場合には、インク保持媒体の摩耗を早
め、寿命を短くするという問題が生じた。
また、上記従来の通電転写装置においては、インク供
給器として、熱溶融インクロール、熱溶融インクロッド
或いはロール上に熱溶融インクを供給するタイプのもの
等が用いられているが、いずれの場合も次のような問題
がある。
例えば、熱溶融インクロールを使用した場合には、通
電転写を続けているうちに、熱溶融インクロール表面に
凹凸が生じるという問題があり、それを防止するために
はヒートロールを使用することが必要であった。したが
って、エネルギーの損失をきたすという欠点がある。
熱溶融インクロッドを使用する場合にも、通電転写を
続けているうちに、熱溶融インクロッドの接触部表面に
凹凸が生じるという問題がある。
また、ロール上に熱溶融インクを供給する方式の場合
には、常時熱溶融インクを溶融させる必要があり、その
ためヒータが必要で、エネルギーの損失をきたすという
問題がある。
本発明は、従来の技術における上記の様な問題を解決
することを目的としてなされたものである。
したがって、本発明の目的は、エネルギーの損失がな
く、被転写材を汚染することがない通電転写装置を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、インク保持媒体として、インク剥離層
を設けたものを使用し、粉体インクを用いることによっ
て、従来の技術における上記の問題点が解決されること
を見出だし、本発明を完成するに至った。
本発明は、粉体インクを使用する画像形成装置に関す
るものであって、異方導電層、発熱層、導電層及びイン
ク剥離層を順次積層してなるエンドレスベルト状のイン
ク保持媒体と、該インク保持媒体を複数の搬送ロールに
張架して搬送する搬送機構と、該インク保持媒体のイン
ク剥離層に面して設けられた熱溶融性の粉体インクをイ
ンク剥離層表面に供給するための粉体インク供給手段
と、該粉体インク供給手段と対向した位置において、該
インク保持媒体の異方導電層表面と接触するように設け
られた、該インク保持媒体を選択的に加熱して粉体イン
ク像を形成するための通電記録ヘッドと、該粉体インク
像を被転写材に転写するための転写手段とを具備するこ
とを特徴とする。
本発明の通電転写装置におけるインク保持媒体はエン
ドレスベルト状であって、異方導電層、発熱層、導電層
及びインク剥離層を順次積層して形成される。
異方導電層は、平面方向への電流拡散させることな
く、発熱層に電流を供給し、又、針電極とインク記録媒
体表面での接触抵抗による発熱損失及び発熱ダメージを
低減する作用を果たすもので、微小電極よりなる導電性
孤立パターン層であってもよく、又、セラミックス或い
は合成樹脂等の絶縁性材料中に、金属粉或いは導電性セ
ラミック粒子等の導電性物質よりなる導電路が形成され
た層であってもよい。
本発明のインク保持媒体において、異方導電層が導電
性孤立パターンよりなる層である場合は、発熱層に支持
体としての機能を持たせればよく、又、導電性孤立パタ
ーンでない異方導電層を場合には、異方導電層自体に支
持体としての機能を持たせ、その一面に薄膜発熱層を形
成させればよい。
発熱層は、異方導電層からの電流をジュール熱で発熱
し、粉体インクを溶融させてインク剥離層表面にインク
像を仮固着させるための層であって、例えば、カーボ
ン、金属粉等の導電性物質を分散させた耐熱樹脂(ポリ
イミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等)よりなる導電性層、
ZrO2、Al2O3、SiO2などの高抵抗材料とTi、Al、Ta、C
u、Au、Zrなどの導電性材料とを用いて形成された薄膜
等が使用される。発熱層の体積積抵抗率は10-2〜102Ω
・cmの範囲に設定し、その膜厚は1000Å〜500μmの範
囲に設定するのが好ましい。
導電層は、発熱層に流入した電流を拡散させ、還流さ
せる電極となるものであって、体積抵抗率10-1Ω・cm以
下の材料より構成され、蒸着、スパッタリング又はその
他の薄膜形成法により作成される。その膜厚は500Å〜
5μmの範囲に設定するのが好ましく、特に1000Å〜20
00Åの範囲が、熱のリーク及び必要な導電特性の点で好
ましい。
インク剥離層は、溶融した粉体インクよりなるインク
像を仮固着させる為の層であって、低表面エネルギーの
機能を有する薄膜であり、基本的には被転写材の表面エ
ネルギーよりも低い値の臨界表面張力を有するものであ
って、好ましくは、臨界表面張力が38ダイン/cm以下の
ものである。また、インク剥離層は、耐熱性、即ち、分
解点または融点が180℃以上であることが望ましい。イ
ンク剥離層自体の厚みは、0.08ないし3.0μmの範囲で
あることが望ましい。インク剥離層を構成する材料とし
ては、例えば、熱硬化型シリコーン樹脂、含フッ素樹脂
等が使用できる。
〔作用〕
本発明の通電転写装置においては、上記の構成を有す
るエンドレスベルト状のインク保持媒体が搬送機構に張
架されて、粉体インク供給領域に搬送される。粉体イン
ク供給領域において、インク保持媒体の異方導電層に
は、通電記録ヘッドから信号電流が印加されるが、信号
電流は、異方導電層から発熱層を経て導電層に流れるた
め、発熱層において電気−熱エネルギー変換が行われ、
発生した熱エネルギーが、導電層を通ってインク剥離層
に熱伝播する。一方、インク剥離層表面には、粉体イン
ク供給手段から、粉体インクが供給されるが、粉体イン
クは、インク剥離層上の加熱された部分におて溶融し、
インク剥離層表面にインク像となって仮固着される。次
いで、インク保持媒体は、転写手段に搬送され、被転写
材と加熱接触させることによってインク像の転写が行わ
れる。その際、インク像は、インク剥離層表面に形成さ
れている為、その付着力は小さい。したがって、被転写
材と加熱接触させることによって容易に被転写材に転移
し、インク剥離層表面に残留することがない。転写終了
後、インク保持媒体は、次のサイクルの操作のために準
備される。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を図面によって説明する。第1
図は、本発明の通電転写装置の構成図であり、第2図
は、インク保持媒体の拡大断面図である。
図中、1はインク保持媒体であって、異方導電層11、
発熱層12、導電層13、及びインク剥離層14より構成され
ている。このインク保持媒体は、搬送ロール91,92,93,9
4に張架されている。搬送ロールの1つは、駆動手段を
備えている。
2は通電記録ヘッドであり、インク記録媒体の異方導
電層表面を摺動するように配設されている。3は粉体イ
ンク供給器であって、例えば、内部にマグネットを有す
る導電性スリーブを備えたインク供給ロール31を有する
ものが使用され、通電記録ヘッドと対向する位置に設け
られている。
転写手段としては、インク加熱転写ロール4とバック
アップロール5とよりなるものが使用される。なお、6
は被転写材、7は帰路接点ロール、8はバックアップロ
ール、32はインク保持媒体の上に形成されたインク像、
33は被転写材の上に形成された転写像である。
この通電転写装置のさらに具体的な例を以下に示す。
インク保持媒体1としては、次のようにして得られる
ものを使用した。即ち、厚み30μm、表面抵抗550Ω/
□のカーボンを分散させた導電性ポリイミドフイルムの
片面に、CrをDCスパッター着膜法により着膜して、厚さ
6000ÅのCr層を形成させた。次に、このCr層上にフォト
レジストを形成し、ウエットエッチング法により、ピッ
チ30μmで20μmの矩形パターンよりなる格子状の孤立
電極層を形成し、異方導電層とした。次に、導電性ポリ
イミドフイルムの他方の面に、スパッタリング法によ
り、アルミニウムを着膜して膜厚1000Åの導電層を形成
した。この導電層の上に、熱硬化性シリコーン樹脂を塗
布し、150℃で2時間加熱硬化して、膜厚0.6μmで臨界
表面張力34ダイン/cm、耐熱温度290℃のインク剥離層を
形成した。その際、帰路接点を設ける為に、フィルムの
両縁部にはインク剥離層が形成されないようにした。得
られたフィルム状物の両端を、インク剥離層が外側にな
るように接着して無端ベルト状のインク保持媒体を形成
した。
上記インク保持媒体1を搬送ロール91,92,93,94に張
架した。
通電記録ヘッド2としては、記録密度200spiのものを
用い、インク保持媒体の異法導電層の表面に当接するよ
うに設けた。
一方、粉体インク供給器3を通電記録ヘッド2と対向
する位置に設けた。粉体インク供給器としては、内部に
マグネットを有する導電性スリーブを備えたインク供給
ロール31を有するものを使用し、そしてインク供給ロー
ル31とインク保持媒体とが0.8mmの間隔になるように配
置した。
また、粉体インク供給器3の内部に収容する粉体イン
クとしては、低分子量ポリエステル樹脂(融点97℃、ガ
ラス転移点61℃)をベース材とし、7重量%の顔料を分
散させてもので、ジェットミルにより粉砕し、分級し、
平均粒径9.3μmの粉末状にしたものを使用した。この
粉体インクは、磁性キャリア粒子と混合して使用した。
磁性キャリア粒子としては、平均粒径130μmの絶縁
被覆された鉄粉を使用し、上記粉体インクが3.5重量%
割合になるように混合した。
また、インク加熱転写ロール4としては、表面を表面
張力19ダイン/cmのシリコーンゴムで処理したアルミニ
ウム中空ロールで、内部にランプヒーターを内蔵したも
のを使用した。このインク加熱転写ロール4は、線圧5k
gf/cm、表面温度150℃になるように設定した。
上記の通電転写装置を用いて、記録転写を行った。即
ち、インク保持媒体1を駆動手段を備えた搬送ロールに
よって矢印方向に搬送させ、粉体インク供給領域におい
て、インク保持媒体状にインク像を形成させた。即ち、
インク保持媒体の異方導電層に、通電記録ヘッドによっ
て信号電流を印加した。信号電流は、異方導電層から発
熱層を経て導電層に流れ、図示されない側端導電ロール
を経て帰路接点ロール7より接地した。
その際発熱層中で電気−熱エネルギー変換が行われ、
発生した熱エネルギーは、導電層を通ってインク剥離層
に熱伝播する。一方、インク剥離層表面には、粉体イン
ク供給器3から、粉体インクを供給した。粉体インク
は、磁性キャリアと混合された状態でインク供給ロール
31の導電スリーブ上に担持されて搬送され、インク剥離
層表面の加熱部分に溶解して仮固着し、インク像32が形
成された。
次に、インク像32を担持したインク保持媒体1は、イ
ンク加熱転写ロール4とバックアップロール5との間
を、被転写材6と接触した状態で通過した。その際、イ
ンク加熱転写ロール4の表面は150℃に加熱されてお
り、かつ、インク保持媒体と被転写材とを線圧5kgf/cm
の圧力で圧接させているので、インク剥離層上に仮固着
されているインク像32は、完全に被転写材6上に転写さ
れ、転写像33が形成された。
上記の操作を100回繰り返したところ、インク保持媒
体の上には粉体インクの固着は全く認められず、被転写
材上に得られた転写像は高品質のものであった。
〔発明の効果〕
本発明の通電転写装置は、上記のようにインク保持媒
体としてインク剥離層を設けたものを使用するから、粉
体インクを用いて被転写材上に高品質の転写像を形成す
ることが可能になる。即ち、インク剥離層上に形成され
る粉体インクよりなるインク像は、仮固着されている
為、被転写材上に完全に転写され、残留することがな
い。したがって、繰り返し記録転写を行っても、被転写
材を汚染することがなくなる。また、本発明の通電転写
装置においては、粉体インクが使用できるので、従来法
におけるようなインク供給装置における熱溶融インクを
溶解させるためのエネルギーを要するという問題がな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の通電転写装置の構成図であり、第2
図は、インク保持媒体の拡大断面図である。 1……インク保持媒体、11……異方導電層、12……発熱
層、13……導電層、14……インク剥離層、2……通電記
録ヘッド、3……粉体インク供給器、31……インク供給
ロール、32……インク像、33……転写像、4……インク
加熱転写ロール、5……バックアップロール、6……被
転写材、7……帰路接点ロール、8……バックアップロ
ール、91,92,93,94……搬送ロール。
フロントページの続き (72)発明者 小木 健嗣 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 岡 孝造 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−242555(JP,A) 特開 昭56−159173(JP,A) 特開 昭62−146690(JP,A) 特開 昭60−145890(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/32 - 2/325 B41M 5/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異方導電層、発熱層、導電層及びインク剥
    離層を順次積層してなるエンドレスベルト状のインク保
    持媒体と、該インク保持媒体を複数の搬送ロールに張架
    して搬送する搬送機構と、該インク保持媒体のインク剥
    離層に面して設けられた熱溶融性の粉体インクをインク
    剥離層表面に供給するための粉体インク供給手段と、該
    粉体インク供給手段と対向した位置において、該インク
    保持媒体の異方導電層表面と接触するように設けられ
    た、該インク保持媒体を選択的に加熱して粉体インク像
    を形成するための通電記録ヘッドと、該粉体インク像を
    被転写材に転写するための転写手段とを具備することを
    特徴とする粉体インクを使用する画像形成装置。
JP2087394A 1990-04-03 1990-04-03 粉体インクを使用する画像形成装置 Expired - Lifetime JP2822573B2 (ja)

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