JP2668749B2 - 後輪制動力制御装置 - Google Patents

後輪制動力制御装置

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JP2668749B2
JP2668749B2 JP3315656A JP31565691A JP2668749B2 JP 2668749 B2 JP2668749 B2 JP 2668749B2 JP 3315656 A JP3315656 A JP 3315656A JP 31565691 A JP31565691 A JP 31565691A JP 2668749 B2 JP2668749 B2 JP 2668749B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は前輪制動力と後輪制動力
との配分を制御する後輪制動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレ−キペダルを踏み込むと、マスタシ
リンダで発生したブレ−キ液圧(以下、マスタシリンダ
圧という)は4輪のホイ−ルシリンダに伝達され、各輪
に制動力が発生する。
【0003】ブレ−キペダルの踏み込みを大きくする
と、各輪に発生する制動力が大きくなるため、車両の減
速度が大きくなる。車両の減速度が大きくなると、後輪
荷重が減少するため、後輪の接地性が低下する。このよ
うに車両の減速度が大きくなるような制動(高G制動)
を発生させる制動状況下において、マスタシリンダ液圧
を前輪と後輪のホイ−ルシリンダにほぼ同じ配分で分配
して伝達すると、後輪の接地性が低下しているため、後
輪が先にロックし、車両の制動安定性が悪くなるという
問題がある。
【0004】このため、制動力が小さいときはマスタシ
リンダ圧をそのまま後輪のホイ−ルシリンダに伝達し、
マスタシリンダ圧が設定圧力以上になると後輪のホイ−
ルシリンダへ伝達される液圧の上昇率を下げるようにし
て後輪の早期ロックを防止する機能するプロポ−ショニ
ングバルブ(PCV)をブレ−キ系統に組み込んでい
る。
【0005】以下、図8乃至図12を参照して従来のブ
レ−キ装置について説明する。図8は従来のブレ−キ装
置を示す概略構成図、図9は従来のブレ−キ装置の液圧
配分を示す図、図10及び図11はプロポ−ショニング
バルブの状態を示す断面図、図12はプロポ−ショニン
グバルブの作動を説明するための図である。
【0006】図8はFF車に一般的に使用されるX配管
のブレ−キ装置を示すもので、11はブレ−キペダルで
ある。このブレ−キペダル11の踏力は倍力装置12を
介して増幅された後、タンデムのマスタシリンダ13に
伝達される。
【0007】このマスタシリンダ13はブレ−キペダル
11の踏み込み量に応じたブレ−キ液圧を発生する2つ
の液圧発生部(図示しない)を備えている。一方の液圧
発生部は配管14を介して左側前輪のホイ−ルシリンダ
151 に接続されると共に、配管14の途中から分岐し
た配管16、PCV172を介して右側後輪のホイ−ル
シリンダ154 に接続される。
【0008】また、他方の液圧発生部は配管18を介し
て右側前輪のホイ−ルシリンダ152 に接続されると共
に、配管18の途中から分岐した配管19、PCV17
1 を介して左側後輪のホイ−ルシリンダ153に接続さ
れる。
【0009】PCV171 及び172 はマスタシリンダ
13で発生した液圧を設定圧力まではそのまま伝える
が、設定圧力からは後輪への液圧上昇率を低くして前輪
の制動力に対する後輪の制動力の関係に折れ線特性を持
たせるために設けられたプロポ−ショニングバルブであ
る。このバルブ自体は公知のものであるが、バルブの液
圧特性が折れ線特性を持つ概略構造について図10乃至
図12を参照して説明する。
【0010】図10において、31はバルブハウジング
である。このハウジング31内には内周面の一部が段状
に形成された円筒状の弁室32が形成されている。この
弁室32は大径のシリンダ室33及び小径のシリンダ室
34より構成される。シリンダ室33内には円筒状の弁
体35が軸方向に移動可能に介装されており、この弁体
35のシリンダ室34の径よりもやや大きく設定されて
いる。この弁体35の周面から中心軸方向に向かいその
中心軸から側面に向かって作動油が流通する孔hが穿孔
されている。さらに、この弁体35に設けられたプラン
ジャ36はハウジング31に穿孔されたガイド孔37内
を摺動自在に挿入されている。
【0011】シリンダ室33の一側面にはホイ−ルシリ
ンダへ液圧を取り出す出力口38が形成され、シリンダ
室34の一周面にはマスタシリンダ13からの液圧を取
り入れる入力口39が形成されている。
【0012】シリンダ室34にはばね40が充填されて
おり、このばね40の一端は弁体35の一側面に当接さ
れており、通常時にはこのばね40の付勢力により弁体
35は出力口38側に押圧され、弁体35の周縁部とシ
リンダ室34の端部との間に間隙Aが形成され、バルブ
が開いた状態となる。つまり、入力液圧Piは間隙A、
孔hを介して出力液圧Poとして伝達される。
【0013】この弁体35の出力口側の受圧面積をS
o、シリンダ室34側の受圧面積をSiとし、ばね40
の付勢力をF、入力液圧をPi、出力液圧をPoとした
場合に、「Pi・Si+F」と「Po・So」との大小
関係により弁体35が左右に移動する。
【0014】前述したように初期状態ではばね40の付
勢力により間隙Aが開けられているので、入力液圧Pi
はそのまま出力液圧Poとして送り出される。つまり、
ブレ−キペダル11の踏み込み量に応じて出力液圧Po
は上昇する。
【0015】この出力液圧Poが上昇すると「Po・S
o」が増大するため、入力液圧Piが設定圧力p1 を境
に「Po・So」>「Pi・Si+F」となる。このた
め、弁体35がばね40の付勢力に抗してシリンダ室3
4方向に移動し、図11に示すように弁体35の側面周
縁部により間隙Aが閉塞され、出力液圧Poが保持され
る。そして、この状態からブレ−キペダル11のさらな
る踏み込みに応じて入力液圧Piが上昇して「Po・S
o」<「Pi・Si+F」となると、図10に示すよう
に再度間隙Aが開けられて、入力液圧Piの上昇に応じ
て出力液圧Poが上昇する。そして、この出力液圧Po
の上昇により上述したように間隙Aが閉塞され、出力液
圧Poが保持される。このように、図12に示すように
設定圧力P1 からは入力液圧Piに対する出力液圧Po
の傾きが小さくなるように変化し、設定圧力P1以降で
は出力液圧Poがゆるやかに上昇することになる。
【0016】ところで、設定圧力P1 の大きさ及び設定
圧力P1 以降での入力液圧Piに対する出力液圧Poの
傾きはばね40の付勢力F、受圧面積Si、So等の機
械的定数により一義的に決定される。
【0017】次に、図9を参照してPCV171 及び1
2 の機械的要件により設定された車両の設定制動力配
分と理想制動力配分との関係について説明する。図9に
おいて、Aは設定制動力配分を示す折れ点を有する設定
制動力配分直線、Bは車両の諸元により決定される理想
制動力配分を示す理想制動力配分曲線である。
【0018】ここで、理想制動力配分とは制動時に4輪
同時ロックを起こすような前後輪のブレ−キ配分を意味
している。この理想制動力配分曲線Bと減速度0.8G
の一点鎖線との交点P11が減速度0.8Gの急制動で
前輪及び後輪が同時にロックするブレ−キ制動力配分を
示す。また、理想制動力配分曲線Bと減速度0.4Gの
一点鎖線との交点P12が減速度0.4Gの制動で前輪
及び後輪が同時にロックするブレ−キ配分を示す。な
お、通常の制動で発生する減速度は0.2乃至0.3G
である。
【0019】なお、一点鎖線で示した減速度0.8Gあ
るいは0.4Gの直線上の各点では減速度0.8Gある
いは0.4Gの制動で必要な総合制動力(前輪制動力と
後輪制動力とを加算した制動力)が同じとなっている。
【0020】また、二点鎖線で示した直線は路面の摩擦
係数μが0.8あるいは0.4で前輪あるいは後輪がロ
ックする前輪あるいは後輪の制動力を示している。ここ
で、晴天時のアスファルト乾燥路面の摩擦係数μはおよ
そ0.8程度である。
【0021】つまり、P11点はμ=0.8の路面で減
速度=0.8Gの急制動を行った場合に、前輪と後輪が
同時にロックする前後輪の理想制動力配分を意味する。
さらに、P12点ではμ=0.4の路面で減速度=0.
4Gの制動を行った場合に前輪と後輪が同時にロックす
る前後輪の理想制動力配分を意味する。
【0022】前述したように、制動時に前輪と後輪が同
時にロックするように理想制動力配分曲線Bが存在して
いるわけであるが、実際には後輪の制動力が理想制動力
より小さい値になるように設定している。これは、後輪
が前輪より先にロックしてしまうと制動安定性が悪化す
るためである。つまり、設定制動力は直線Aで示すよう
に後輪制動力が理想制動力配分曲線Bを越えないように
設定されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】今、摩擦係数μ=0.
4の路面で0.38Gの制動を行った場合には、総合制
動力が0.38Gの直線と設定制動力直線Aとの交点P
13により示される制動力配分がなされるが、交点P1
5における制動力配分まで後輪制動力を上げても後輪は
ロックしない。
【0024】更に、摩擦係数μ=0.8の路面で0.3
8Gの制動を行った場合には、総合制動力が0.38G
の直線とμ=0.8の直線との交点P14における制動
力配分で示された後輪制動力まで後輪制動力を大きく上
げても後輪はロックしない。
【0025】つまり、同じ減速度の制動を行う場合で
も、路面状態に応じては前輪制動力をBfだけ減少さ
せ、後輪制動力を理想制動力配分を越えてBrだけ上昇
することができる。
【0026】言い換えれば、設定制動力直線Aを採用し
ている限りにおいては、車両の走行状態や路面状態によ
っては後輪制動力に余裕があっても、その分だけ前輪制
動力に負担をかけて総合制動力を発生させていることに
なる。
【0027】このように前輪制動力に負担をかけすぎる
と、前輪ブレ−キ装置のブレ−キパッドの摩耗を増大さ
せるだけでなく発熱量が増大するためブレ−キパッドの
摩擦係数が急激に低減するフェ−ド現象や、ブレ−キ液
温度の上昇によるベ−パロック現象が発生しやすくなり
不利であるし、更には制動時のノ−ズダイブの発生を招
いて、制動安定性を悪化させるという問題点があった。
【0028】ところで、路面の摩擦係数は悪路であるほ
ど低下する傾向にあり、悪路を走行しているときに制動
すると、後輪がロックし易くなる。このため、後輪の制
動力配分を単純に大きくして、上記問題を解決しようす
ると、悪路走行時には後輪が早期にロックしてしまう問
題がある。
【0029】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、悪路状態に応じて後輪への制動力配分を減少させる
ことにより後輪の早期ロックを防止しながら良路走行時
における後輪への制動力配分を大きくすることができる
後輪制動力制御装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる後輪制動
力制御装置は、マスタシリンダ圧を検出するマスタシリ
ンダ圧検出手段と、前記マスタシリンダ圧を後輪の左右
のホイールシリンダに伝える流路に設けられ前記マスタ
シリンダ圧の変化に対するホイールシリンダ圧の変化が
小さくなるように前記ホイールシリンダ圧を制御するプ
ロポーショニングバルブと、このプロポーショニングバ
ルブをバイパスして前記マスタシリンダ圧を前記ホイー
ルシリンダに伝える流路に設けられた開閉弁と、後輪荷
重に応じて増加する後輪のストローク信号を導出する後
輪ストロークセンサを有し、同ストロークセンサから導
出されたストローク信号が所定時間に所定レベルを越え
た回数を悪路レベルに応じた頻度Hとして悪路状態を出
する悪路検出手段と、前記マスタシリンダ圧検出手段
により検出されたマスタシリンダ圧が設定圧力より低い
場合は前記開閉弁を開けると共に前記マスタシリンダ圧
が前記設定圧力以上になると前記開閉弁を閉じ、かつ前
記悪路検出手段により導出された前記頻度Hの増大に応
じて前記設定圧力を低下させる制御手段とを具備する。
【0031】
【作用】マスタシリンダ圧検出手段により検出されるマ
スタシリンダ圧が設定圧力より低くく後輪制動力に余裕
がある場合には開閉弁を開いてプロポ−ショニングバル
ブをバイパスさせておくことにより前輪の制動力負担を
軽減させ、マスタシリンダ圧が設定圧力以上になって後
輪制動力に余裕がなくなると開閉弁を閉じることにより
プロポ−ショニングバルブを作動させて後輪の早期ロッ
クを防止する。そして、後輪ストロ−クセンサのストロ
−ク信号に基づき求められる悪路状態を示す頻度Hの増
大ににより悪路状態を検出する悪路検出手段により車両
が悪路を走行していることが検出されると、開閉弁を閉
じる設定圧力が低下するので、悪路走行時には早期にプ
ロポ−ショニングバルブが作動し悪路走行時でも後輪の
早期ロックを防止できる。
【0032】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例につい
て説明する。図1は本発明の第1実施例に係わる後輪制
動力制御装置を示すブロック図、図2は雨滴センサの概
略図、図3は前後輪の制動力配分を示す図、図4はPC
Vの作動を説明するための図、図5及び図6は制御装置
の制御内容を示すブロック図である。
【0033】図1において、51はブレ−キペダルであ
る。このブレ−キペダル51の踏力は倍力装置52を介
して増幅された後、タンデムのマスタシリンダ53に伝
達される。
【0034】このマスタシリンダ53はブレ−キペダル
51の踏み込みに応じてブレ−キ液圧を発生する2つの
液圧発生部(図示しない)を備えている。一方の液圧発
生部は配管54を介して左側前輪のホイ−ルシリンダ5
1 に接続されると共に、配管54の途中から分岐した
配管56、PCV572 を介して右側後輪のホイ−ルシ
リンダ554 に接続される。
【0035】また、他方の液圧発生部は配管58を介し
て右側前輪のホイ−ルシリンダ552 に接続されると共
に、配管58の途中から分岐した配管59、PCV57
1 を介して左側後輪のホイ−ルシリンダ553に接続さ
れる。
【0036】PCV571 及び572 は制動力が小さい
ときはマスタシリンダ圧をそのまま後輪のホイ−ルシリ
ンダに伝達し、マスタシリンダ圧が設定圧力以上になる
と後輪のホイ−ルシリンダへ伝達される液圧の上昇率を
下げるように機能するプロポ−ショニングバルブで、そ
の構成は図10乃至図12を参照して説明したものと同
一であるので、その詳細な説明については省略する。
【0037】配管59上においてPCV571 の上流側
と下流側との間にはバイパス管60が設けられ、配管5
6上においてPCV572 の上流側と下流側との間には
バイパス管61が設けられている。このバイパス管60
及び61にはそれぞれ常開の電磁開閉弁であるPCVバ
イパスバルブ62,63がそれぞれ設けられている。
【0038】コントロ−ラ71はマイクロコンピュ−タ
及びその周辺回路により構成されている。このコントロ
−ラ71には入力信号として、車速Vsを検出する車速
センサ73、ブレ−キ圧力P、つまりマスタシリンダ5
3から出力される液圧を検出する圧力センサ74(本実
施例では2系統配管の一方に設けているが両方に設けて
も良い)、降雨状態を検出し晴天のときにはオン信号を
出力し降雨状態のときにはオフ信号を出力する雨滴セン
サ75、外気温度Tを検出する外気温センサ76の検知
信号が入力される。また、81は後輪のストロ−クを検
出する後輪ストロ−クセンサである。この後輪ストロ−
クセンサ81は後輪荷重の増加に応じて増加するストロ
−ク信号VsTを出力する。
【0039】また、83は従動輪(後輪)の車輪速度V
wsを検出する車輪速度センサである。この車輪速度セン
サ83で検出された車輪速度Vwsはコントロ−ラ71に
入力される。なお、車速センサ73は車両の駆動系の回
転数を検出して車速Vsを検出するものとなっており、
車速Vsは実質的に駆動車輪の回転数に対応したものと
なっている。
【0040】次に、図2を参照して雨滴センサ75の詳
細な構成について説明する。図2において、81′,8
2′は互いに対向して設けられている電極である。一方
の電極81′からは櫛状に導電線83′が他方の電極8
2′方向に伸びて設けられ、他方の電極82′からは櫛
状に導電線84′が隣接する導電線83′の間を通って
一方の電極81′方向に伸設されている。そして、電極
81′,82′間に電圧を印加し、雨滴によって端子
a,b間が短絡して電流が流れることを検出することに
よって降雨を検出している。
【0041】本実施例はブレ−キ系統に設けられたPC
V571 及び572 をバイパスするバイパス管60,6
1に常開のPCVバイパスバルブ62,63を設け、圧
力センサ74で検出されたブレ−キ圧力が設定圧力まで
はマスタシリンダ圧をそのまま後輪のホイ−ルシリンダ
に伝達し、圧力センサ74で検出されたブレ−キ圧力が
設定圧力を越えると、PCVバイパスバルブ62,63
を閉制御してPCV571 及び572 の機能を発揮させ
るようにしている。
【0042】図3の斜線で示した領域が本装置で制御可
能な後輪制動力の基本的範囲を示しており、理想制動力
配分曲線Bに示される制動力よりも高い制動力を後輪に
発生させることを可能にしている。また、直線a及びb
で示した折れ線CはPCVバイパスバルブ62,63を
閉じた状態にしたままにおける制動力配分を示してい
る。なお、折れ線Cにおける直線aの部分の勾配は従来
例で説明した折れ線Aに比べて急になっているが、これ
は前輪用のホイ−ルシリンダ551 ,552 に対する後
輪用のホイ−ルシリンダ553 ,554 の受圧面積の大
きさを従来に比べて大きくした(50:50程度)こと
により達成されており、また折れ点及び折れ点以降の特
性はPCV571 ,572 の設定により実現している。
【0043】次ぎに、図4に図3の折れ線Cを取り出し
て示しておく。折れ線CはPCV571 及び572 の入
出力特性を示しているもので、PCVバイパスバルブ6
2,63が閉じている状態では、PCV571及び57
2 の入力液圧がP1 になるまで、直線aにより出力液圧
が決定され、PCV571 及び572 の入力液圧がP1
を越えると直線bにより出力液圧が決定される。
【0044】一方、PCVバイパスバルブ62,63を
開いている状態で入力液圧を増加させると、入力液圧が
P1 を越えても出力液圧は直線aの延長線(破線で示
す)で示すように増加し、例えば入力液圧がP3 でPC
Vバイパスバルブ62,63を閉じると、入力液圧が増
加してもPCV571 及び572 の作動により出力液圧
は直線bと交差する点iまで保持され、点iより更に入
力液圧が増加すると出力液圧は直線bにより決定され
る。
【0045】出力液圧が保持される理由は出力液圧Po
が直線bに示したような通常の制御状態より高く図11
に示したように「Po・So」>「Pi・Si+F」と
なり間隙Aが閉塞されるためである。次ぎに、図5及び
図6のブロック図を参照してコントロ−ラ71の制御内
容について説明する。
【0046】図5及び図6において、後輪ストロ−クセ
ンサ81で検出されたストロ−ク信号VsTはロ−パスフ
ィルタ91に入力され、高周波のストロ−ク信号VsTの
変動はカットされたストロ−ク信号VsT′が出力され
る。そして、そのストロ−ク信号VsT′は後輪荷重予測
部92に入力される。このストロ−ク信号VsT′は後輪
の荷重の増加に応じて増加する信号である。
【0047】そして、後輪荷重予測部92で求められた
後輪荷重LR はPCVバイパスバルブ62及び63を閉
じる閉圧力PoLを求める閉圧力設定部93に送られる。
この閉圧力PoLは荷重が大きくなればなるほど、高くな
るように設定されている。これは、前述したように荷重
が大きくなればなるほど、後輪がロックしにくいためで
ある。
【0048】この閉圧力設定部93で設定された閉圧力
PoLは車速補正部94に送られる。この車速補正部94
には車速センサ73から出力される車速Vsが入力され
ている。この車速補正部94のブロック中に示したマッ
プはコントロ−ラ71に記憶されている。この車速補正
部94は閉圧力設定部93から出力される閉圧力PoLに
係数Kvを乗算し、補正した閉圧力Povをスリップ率補
正部95に出力する。ところで、係数Kvは車速が高く
なると小さくなるように設定している。これは後輪制動
力を高く設定しすぎた時の安定性悪化影響が高速になる
程大きくなるので、安定方向への余裕を持たせるためで
ある。
【0049】この車速補正部94から出力される補正さ
れた閉圧力Povはスリップ率補正部95において、後述
するスリップ率計算部で算出されたスリップ率Sに応じ
て変化する係数Ksが乗算されて補正される。図中のマ
ップはコントロ−ラ71の記憶手段に記憶されている。
このマップはスリップ率Sが大きいほど後輪がロックし
やすいので、スリップ率Sが大きくなると従って係数K
sを減少させ、スリップ率Sがある値を越えると係数K
sを一定値に保つようにしている。
【0050】スリップ率補正部95から出力される補正
された閉圧力Posは図6に示すように外気温補正部96
に送られる。この外気温補正部96には外気温センサ7
6で検出された外気温度Tに応じて変化する係数Ktが
乗算される。図中のマップはコントロ−ラ71の記憶手
段に記憶されている。このマップに示すように、係数K
tは外気温度Tが小さい領域では小さい値に設定され、
外気温度Tが大きい領域では大きい値に設定されてい
る。これは、外気温度Tが低いほど路面がすべり易いの
で、後車輪がロックしやすいためである。
【0051】外気温補正部96から出力される補正され
た閉圧力Poは悪路補正部98に送られ、係数Krが乗
算される。この悪路補正部98には後述する悪路検知部
から出力される悪路状態を示すレベル頻度Hが入力され
る。図中のマップはコントロ−ラ71の記憶手段に記憶
されている。このマップに示すように、レベル頻度が高
ければ高いほど悪路であると判定され、悪路では後輪が
ロックし易いので係数Krを小さくするように設定して
いる。
【0052】この悪路補正部98から出力される補正さ
れた閉圧力PoTはウェット路補正部100に送られて係
数Kw が乗算され、閉圧力Pokとしてウェット路補正部
100から出力される。このウェット路補正部100に
は雨滴センサ85の出力信号が入力される。図中のマッ
プはコントロ−ラ71の記憶手段に記憶されている。こ
のマップに示すように、係数Kw は雨滴センサ85の出
力がオン(降雨状態)のときには、係数Kw が小さい値
に切り替わるように設定されている。これは、雨滴セン
サ75がオンするような降雨状態の路面では後輪がロッ
クしやすいためである。
【0053】圧力センサ74で検出されたブレ−キ液圧
に応じて電圧信号Vpは変換部102に送られてブレ−
キ液圧Prに変換される。減算部103において、ブレ
−キ液圧Prから閉圧力Pokが減算される。そして、そ
の減算値は判定部104に送られ、「Pr≧Pok」であ
るが判定される。そして、「Pr≧Pok」であれば、P
CVバイパスバルブ62,63を閉制御する処理部10
5が駆動される。
【0054】ところで、図5に示すように後輪ストロ−
クセンサ81で検出された後輪のストロ−ク信号VsTは
微分部111に入力されて微分される。この微分部11
1の出力はロ−パスフィルタ112に送られて高周波成
分がカットされる。そして、このロ−パスフィルタ11
2の出力は悪路検出部113に送られ、所定時間に所定
レベルを越えた回数を悪路レベルに応じた頻度Hとして
算出する処理が行われる。この頻度Hは前述の悪路補正
部98に出力される。
【0055】また、車速センサ73で検出された駆動車
輪の速度に対応する車速Vs及び車輪速センサ83で検
出された従動輪の車輪速度Vwsはスリップ率計算部12
1に入力され、スリップ率S=(Vs−Vws)/Vsが
計算される。このスリップ率計算部121で計算された
スリップ率Sは上記スリップ率補正部95に出力され
る。外気温センサ76から出力される外気温度Tに比例
した電圧VT は変換部131に送られ、外気温度Tに変
換され、前述の外気温補正部96に出力される。
【0056】次に、上記のように構成された本発明の一
実施例の動作について説明する。後輪ストロ−クセンサ
81から出力される後輪ストロ−ク信号VsTはロ−パス
フィルタ91に入力され、高周波の圧力変動はカットさ
れ、後輪荷重予測部92に入力される。この後輪荷重予
測部92において、後輪に加わる荷重LR を予測してい
る。そして、この荷重は閉圧力予測部93に送られ、該
荷重に対するPCVバイパスバルブ62,63を閉じる
閉圧力PoRが求められる。
【0057】以下、この閉圧力PoRに車速補正部94に
おいて係数Kv、スリップ率補正部95において係数K
s、外気温補正部96において係数Kt、悪路補正部9
8において係数Kr、ウェット路補正部100において
係数Kwが乗算されて最終的な閉圧力Pokを得ている。
【0058】そして、判定部104において圧力センサ
74で検出されたブレ−キ液圧Prが閉圧力Pok以上と
なったことが検出されると、PCVバイパスバルブ6
2,63を閉じてPCV571 及び572 の機能を働か
せる処理が行われる。つまり、図4に示すように入力液
圧がPokに対応するh点でPCVバイパスバルブ62及
び63を閉じると、その後入力液圧が上昇しても出力液
圧はh点の圧力に保持され、その後入力液圧がi点の圧
力以上になると直線bで示すように増加する。このよう
に出力液圧が保持される理由は出力液圧Po が直線bで
示したようなPCVの制動状態より高く図11に示した
ように「Po・So」>「Pi・Si+F」の関係が保
持されるためである。
【0059】上記したように車両が悪路走行している場
合には係数Krにより閉圧力を補正するようにしたの
で、悪路走行中の急制動時に後輪が早期にロックするの
を防止することができる。
【0060】なお、本発明は上記各実施例に何ら限定さ
れるものではなく、一般にFR車に使用される前後配管
に適用して図7に示すようなバルブ配置としても良い
し、ストロ−クセンサに換えて流体サスペンションの内
圧を検出して悪路を検出するようにしたり、悪路検出手
段として他のものを使用するようにしても良い。また、
プロポ−ショニングバルブとして他の形式や他の特性を
有するものを使用しても良い。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、
輪ストロ−クセンサのストロ−ク信号に基づき求められ
る悪路状態を示す頻度Hの増大ににより悪路状態を検出
する悪路状態に応じてプロポ−ショニングバルブを作動
するマスタシリンダ圧が低下するので、悪路走行時には
プロポ−ショニングバルブを早期に作動させて後輪の早
期ロックを防止しながら、良路走行時には後輪の制動力
配分を比較的大きくすることが可能で、これにより前輪
の制動力負担を軽減できる。このため、前輪ブレ−キの
摩耗を低減させてブレ−キパッドの交換時期を延ばすこ
とができると同時に前輪ブレ−キの発熱量が低下して耐
フェ−ド性が向上し信頼性が向上するし、ノ−ズダイブ
が減少して制動安定性を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる後輪制動力制御装置
を示すブロック図。
【図2】雨滴センサの概略図。
【図3】前後輪の制動力配分を示す図。
【図4】PCVの作動を説明するための図。
【図5】制御装置の制御内容の一部を示すブロック図。
【図6】制御装置の制御内容の一部を示すブロック図。
【図7】その他の実施例を示す配管系統図。
【図8】従来のブレ−キ装置を示す概略構成図。
【図9】従来のブレ−キ装置の液圧配分を示す図。
【図10】プロポ−ショニングバルブの状態を示す断面
図。
【図11】プロポ−ショニングバルブの状態を示す断面
図。
【図12】プロポ−ショニングバルブの作動を説明する
ための図。
【符号の説明】
51…ブレ−キペダル、52…倍力装置、53…マスタ
シリンダ、551 〜554 …ホイ−ルシリンダ、5
1 ,572 …プロポ−ショニングバルブ、62,63
…PCVバイパスバルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安永 弘道 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 富樫 明彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 谷口 泰孝 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−301442(JP,A) 特開 昭56−57549(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダ圧を検出するマスタシリン
    ダ圧検出手段と、前記マスタシリンダ圧を後輪の左右の
    ホイールシリンダに伝える流路に設けられ前記マスタシ
    リンダ圧の変化に対するホイールシリンダ圧の変化が小
    さくなるように前記ホイールシリンダ圧を制御するプロ
    ポーショニングバルブと、このプロポーショニングバル
    ブをバイパスして前記マスタシリンダ圧を前記ホイール
    シリンダに伝える流路に設けられた開閉弁と、後輪荷重
    に応じて増加する後輪のストローク信号を導出する後輪
    ストロークセンサを有し、同ストロークセンサから導出
    されたストローク信号が所定時間に所定レベルを越えた
    回数を悪路レベルに応じた頻度Hとして悪路状態を出力
    する悪路検出手段と、前記マスタシリンダ圧検出手段に
    より検出されたマスタシリンダ圧が設定圧力より低い場
    合は前記開閉弁を開けると共に前記マスタシリンダ圧が
    前記設定圧力以上になると前記開閉弁を閉じ、かつ前記
    悪路検出手段により導出された前記頻度Hの増大に応じ
    て前記設定圧力を低下させる制御手段とを具備したこと
    を特徴とする後輪制動力制御装置。
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