JP2668134B2 - 電力系統の監視制御方法及び装置 - Google Patents

電力系統の監視制御方法及び装置

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JP2668134B2
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裕 小海
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守 方
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東京電力株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電力系統の監視・制御方法及び装置に係
り、特に系統の状況を取り込み、系統の監視、系統の操
作、事故の復旧、事故の通報、記録統計、表示画面編集
等の処理を含む監視・制御方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
かかる電力系統の監視・制御装置として、従来、文献
(日立評論、Vol 69、1987年、第89頁〜第96頁)に記載
されているように、電力系統とのデータの送受信を担当
する前処理計算機と、系統の監視、操作などの本来の監
視・制御を担当する主業務計算機とが、共有メモリを介
して接続された構成のものが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記従来の技術では、故障に対する信頼性を
確保するために主業務計算機自体は二重化されている
が、基本的には1台の計算機により電力系統の監視・制
御を処理する構成であることから、業務処理プログラム
が膨大なステップ数のものになる等により、ソフトウェ
アの製作、保守に手間がかかるとともに、拡張も困難が
伴うという問題がある。
特に、電力系統の自動化システムの進展に伴い、主業
務計算機で処理すべき機能、内容が高度なものが要求さ
れ、ソフトウェアの製作容量は数百万ステップを越える
ものになってきており、ソフトウェアの製作性、保守
性、拡張性が著しく悪化しているという問題がある。
本発明の目的は、ソフトウェアの製作性,保守性,拡
張性等を向上させることができる電力系統の監視・制御
方法及び装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、次の技術的手段により、上記目的を達成す
るものである。
本発明は、基本的に、電力系統の状態を表わす系統デ
ータを共有のデータベースメモリに格納し、該データベ
ースメモリの内容に基づいて電力系統の監視制御に係る
処理業務を複数の業務プロセッサに分散させて並列処理
させるに際し、データベースメモリから各業務プロセッ
サの処理業務に必要な系統データを、データベースメモ
リを管理する管理プロセッサにより読み出して各業務プ
ロセッサに分配するようにしたことにある。
この場合において、簡易プロセッサにより、各業務プ
ロセッサの処理結果に基づいてデータベースメモリの内
容を修正することが好ましい。
また、管理プロセッサは、系統データの読み出しを周
期的に行い、その読み出し周期を電力系統の状態に応じ
て変化させることが好ましい。
さらに、業務プロセッサは、自己の処理業務に対する
割込み要求の発生頻度に応じて、負荷が軽い他の業務プ
ロセッサに自己の処理業務の一部を代行させるようにす
ることが好ましい。
また、上記の場合において、管理プロセッサに代えて
業務プロセッサがデータベースメモリにアクセスして自
己の処理業務に必要な系統データを読み出して実行する
ようにすること、さらに自己の処理業務に対する割込み
要求の発生頻度に応じて、負荷が軽い他の業務プロセッ
サに自己の処理業務の一部を代行させるようにすること
ができる。
しかし、各業務プロセッサがデータベースメモリにア
クセスする方法によれば、2以上の業務プロセッサのア
クセスが衝突することが発生し、効率よくアクセスが行
えないことがある。
このような場合には、複数の業務プロセッサがデータ
ベースメモリにアクセスした履歴データに基づいて、各
業務プロセッサのアクセス周期を調整することにより、
効率のよいアクセスを行わせることが可能になる。
また、電力系統の監視制御に係る処理業務を各業務プ
ロセッサが周期的に実行する方法によれば、電力系統の
状態に変化がないときにも、系統データを収集して所定
の処理業務を実行することになる。したがって、電力系
統の規模に応じて1周期内の処理量が増大し、これによ
って1周期が長くなって監視制御の応答性が低下してし
まうことになる。
そこで、電力系統の構成機器に当該機器の状態変化を
検出する状変検出手段を設け、該手段から状変検出信号
が出力された場合にのみ、当該状態変化に係る前記処理
業務を実行させるようにすることにより、応答性を向上
させることができる。
〔作用〕
このように構成される本発明方法及び装置によれば、
次の作用により前記目的が達成される。
すなわち、複数のプロセッサで分散処理することによ
り、電力系統の監視制御を行うための処理業務、例え
ば、系統監視、記録統計、停止計画、平常時操作、事故
時復旧操作、事故情報の自動通報などの各処理ソフトウ
ェアは、物理的に分割され、プログラムを理解しやすい
規模にまとめることができる。
なお、各業務間にわたる系統データ(例えば、開閉器
類のオン・オフデータ、潮流や電圧等の計測データ、保
護リレーの動作データ等を含む)を、共有のデータベー
スメモリに格納し、各業務プロセッサをデータベースメ
モリにアクセスさせて、当該プロセッサの処理業務に必
要な系統データを読み出させることにより、処理を分散
させても矛盾のない系統データに基づいた処理業務とな
る。なお、各業務処理プロセッサが共有のデータベース
メモリにそれぞれアクセスするのに代えて、管理プロセ
ッサによりデータベースメモリから各業務プロセッサの
処理業務に必要な系統データを読み出して各業務プロセ
ッサに分配するようにすることが望ましい。これによれ
ば、2以上の業務プロセッサがデータベースメモリに同
時にアクセスする衝突を回避できる。
また、複数の業務プロセッサがアクセスする共有のデ
ータベースメモリに、各プロセッサが過去にアクセスし
た時刻とアクセス周期を記録しておき、これに基づい
て、従来プロセッサがデータベースメモリをアクセスす
る時刻を推定して、アクセス頻度を調整するものによれ
ば、データベースを2つ以上のプロセッサで同時にアク
セスする衝突を回避できる。
また、電力系統を構成する機器のうち、状変が発生し
た機器に関する情報のみを、電力系統を監視制御する業
務プロセッサに通報するものによれば、電力系統の状態
を表示するデータベースメモリの容量及び、複数の業務
プロセッサが実行すべき処理量が減り系統構成機器の状
変を速やかに検出して適切な対応策を指令することが可
能となる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
第1図に本発明に係る監視制御方法の処理手順に沿っ
て表わしたブロック構成図を示す。入力プロセッサ11は
電力系統を構成する機器の状態に関するデータを外部通
信系から取込み、入力データベースメモリ12にその系統
データを格納する。データベース管理プロセッサ13は、
所定の周期で入力データベースメモリ12の内容に基づ
き、処理前データベースメモリ14の内容を編集する。ま
た、後述する処理後データベースメモリ16の内容に基づ
いて処理前データベースメモリ14の内容を編集する。な
お、処理前データベースメモリ14の内容は監視制御に係
る対象電力系統の状態を表わす系統データであり、例え
ば母線電圧や送電線の潮流やしゃ断器の開閉状態などの
情報である。プロセッサ15a〜15cは、所定周期で処理前
データベースメモリ14から系統データを取り込み、系統
内の事故検出を行う系統監視業務や、しゃ断器などの開
閉手順を指示する平常時操作業務、事故の復旧、事故の
通報、記録統計、表示画面編集などを並列に実行するよ
うになっている。そして各業務処理の結果は、処理後デ
ータベースメモリ16へ書き出される。出力プロセッサ17
は、業務処理結果に基づき実際の電力系統又は関連シス
テムへ制御指令を送出する役目をもっている。
上述したように、処理業務を複数の業務プロセッサ15
a〜15cに分散させて並列処理するとともに、この処理に
必要な系統データは共有のデータベースメモリ14を周期
的にアクセスして読み出すようにしていることから、電
力系統監視制御の処理プログラムを理解し易い程度の大
きさにまとめることができ、ソフトウェアの製作性、保
守性、拡張性が向上する。このことについて具体的に説
明する。
通常、1台の計算機で電力系統の監視制御を構築する
と、第2図に示すように複数のプロセスに分割し、それ
らの樹枝状に関連させた構成とされる。図において、プ
ロセス21は主プロセスであり、電力系統のイベント(事
象)を検出するプロセス、例えば事故発生などのイベン
トを検出するプロセスである。そして、イベントが発生
すると、従プロセス22a〜c,23a〜f,24a〜kに起動指令
が連鎖反応的に伝わる形に作成されている。
このように複数のプロセスに分割して階層構造の形に
する理由は、プロセッサの主メモリの容量により制限さ
れるためである。すなわち、電力系統を実時間で監視制
御するために、アクセススピードは速いが大きさが比較
的小さな主メモリ上へ複数のプロセスをディスク等の補
助記憶から取出し実行しなければならないからである。
このため1個のプロセスのコード部の大きさは数百キロ
バイト程度に限定され、監視制御に必要な業務処理たと
えば系統監視業務では数百個程度のプロセスの集まりと
なる。
したがって、従来のプログラムの製作や変更に多くの
労力と時間を要するという問題があったのである。しか
し、第1図実施例によれば、1台の業務プロセッサの主
メモリ全部を1つの業務処理、例えば系統監視業務に割
当てることが可能となり、従来技術のようにプロセスと
いう形で細かくプログラムを分割する必要はなくなり、
ソフトウェア製作や保守が容易となる。
また、第2図のような構成にすると、各プロセス同志
の同期を取るために待ちテーブルと称するバッファを数
多く設けなければならず、この点にもソフトウェアの修
正を困難にする一因がある。待ちテーブルの必要性につ
いて、電力系統の監視制御装置を操作する運転員からの
割込要求に応じて、電力系統の状況などをCRT画面に速
やかに表示する場合を例にとって説明する。
この場合、画面表示実行中に系統状況が変更しても矛
盾がないようにするため、この待ちテーブルを介して、
変更した系統状況に関するデータを蓄えておくことが必
要となる。具体的には、第3図に示すようにプロセス23
−dが画面表示を実行中に、プロセス22−aとプロセス
22−bがそれぞれ系統内の装置の状態変更に関する情報
を得た場合、それらを25−bの待ちテーブルにストアし
ておき、プロセス23−dが実行終了後、待ちテーブル25
−bの内容をチェックし、データがあれば画面表示要求
有りと判断し、あらたに処理を実行する。
この点、第1図実施例によれば、待ちテーブルを修正
する代りに、第1図の処理前データベースメモリ14と処
理後データベースメモリ16という2個のデータベース
で、各プロセッサ間の同期も取ることができるため、デ
ータベースの修正等も容易となる利点がある。
また、第1図実施例によれば、事故が連続して発生す
るような場合にあっても、業務プロセッサが並列に処理
しているため、事故の復旧処理などが遅れることなく速
やかに対応できる。このことを第4図を用いて説明す
る。
第4図において、符号33a,33bは例えばそれぞれ業務
プロセッサ15a,15bにおける処理内容を表わしており、
これら2つの処理が並列して実行される。処理33aは、
処理前データベースメモリ14の保護リレー状態データ31
aに基づいて事故点を検出し、その結果をCRT画面に出力
表示するための編集を実行し、処理後データベースメモ
リ16に事故点名データ32a等を出力する。一方、これに
並行して処理33bでは、保護リレー状態データ31a、母線
電圧データ31b、線路潮流データ31cに基づいて事故復旧
操作手順を作成し、処理後データベースメモリ16に復旧
手順データ32bを出力する。したがって、操作員はCRT画
面により事故の状況が逐次知らされるとともに、速やか
に事故復旧の操作手順を知ることができる。
この点、従来のように1台のプロセッサで処理するも
のによれば、事故復旧操作手順の作成処理中に再度事故
が発生すると、その事故復旧操作手順の作成を中断し、
後続事故の状況を操作員に提示するために表示画面編集
が優先される。したがって、事故が連続するような場合
には、事故復旧処理が遅れることになるのである。
第5図に第1図実施例方法を実施する監視制御装置の
一実施例構成を示す。第1図と同一符号のものは同一機
能構成のものである。データベース管理プロセッサ13は
ローカスバス41を介して処理前データベースメモリ14と
処理後データベースメモリ16にアクセス可能に設けら
れ、入力プロセッサ11により取り込まれた系統データを
処理前データベースメモリ14に格納するとともに、周期
的に処理後データベースメモリ16の内容を処理前データ
ベースメモリ14に転送する。これらのデータベースメモ
リ14,16はデータベース切替器42を介してメインバス43
に接続されている。このメインバス43には業務プロセッ
サ15a〜15fと出力プロセッサ17が接続されている。業務
プロセッサ15a〜15eは系統監視業務、系統操作業務、事
故復旧業務、事故通報業務、記録統計業務を分担して、
周期的に並列処理するようになっている。その際、各プ
ロセッサはデータベース切替器42を介して、処理前デー
タベースメモリ14からデータを入力する一方、処理結果
を処理後データベースメモリ16に出力するようになって
いる。また、業務プロセッサ15fは画面編集を実行する
業務プロセッサであり、操作卓44を介して、運転操作員
と情報の授受を行うようになっている。
第6図に、本発明に係る監視制御装置の他の実施例の
構成図を示す。本実施例は第5図のローカルバス41とメ
インバス43をループバス51で置換えたものである。デー
タベース管理プロセッサ13は所定の周期で処理前データ
ベースメモリ14の内容をループバス51へパケットの形で
送り出す。その際、パケット内のデータの意味を表わす
内容コードをパケットのヘッダーとして付加しておくこ
とより、業務プロセッサ15a〜15fは自己の処理に必要な
系統データのみを効率よく取り込み、所定のデータがそ
ろったところで、各業務処理を開始できる。各業務処理
の結果は、各業務プロセッサがパケットの形でループバ
ス51へ流し出し、データベース管理プロセッサ13がそれ
を受取り、処理後データベースメモリ16へ書込むように
なっている。
ここで、各業務プロセッサに係る業務処理の実行周期
を、電力系統の状態に応じて変化させる実施例につい
て、第7図に示したタイムチャートに基づいて説明す
る。同図において、平常時モードではデータベース管理
プロセッサ13が系統データを時刻Aで全プロセッサ15a
〜15fに分配すると、各プロセッサ15a〜15fはその系統
データに基づいて監視、操作、復旧、通報、記録、画面
編集等の処理を開始する。そして時刻Bでその処理結果
を処理後データベースメモリ16に転送する。データベー
ス管理プロセッサ13は時刻Cにおいて、処理後データベ
ースメモリ16の内容に基づいて処理前データベース14の
内容を修正し、その後再び全プロセッサ15a〜15fに修正
後の系統データを分配する。
この動作周期中に事故が検出されると、時刻Dにおい
て各プロセッサ15a〜15fは緊急時モードの処理を開始す
る。各プロセッサ15a〜15fの動作周期は処理内容によっ
て変化し、図示例では、事故復旧及び事故通報の処理が
多くなるため、データベース管理プロセッサ13へ処理後
のデータを戻す時刻が、FとGのように延びる。一方、
系統監視処理では、停電判定処理を実行している途中
で、新らたな事故が発生した場合、その情報を速やかに
操作員に知らせるため、停電判定処理を時刻Eで一旦中
断し、データベース管理プロセッサ13へ新しい事故発生
を通報する。このように動作することから、連続事故発
生の際にも、画面編集プロセッサ15fを介して速やかに
操作員へ事故発生状況を知らせるとともに、停電区間判
定や事故復旧手順作成などの業務処理も並列的に速やか
に実行することが可能となる。
他方、系統事故発生の際、操作員は速やかに事故状況
を知りたいため、操作卓からCRT画面表示の要求割込み
を頻繁にキー入力することがある。特に連続事故が発生
すると、操作員は割込みキー入力を多数回繰り返す傾向
にある。このような場合には、割込キー入力発生頻度に
応じて、負荷が軽いプロセッサ(第7図では操作のプロ
セッサ)で画面編集処理の一部を代行するようにする。
これによれば、画面編集プロセッサの動作周期を短縮
し、操作員のレスポンス待ち時間を短縮することができ
る。
なお、プロセッサの処理能力が向上し、かつ安価にな
った場合には、第7図の事故復旧や事故通報のように、
事故発生時の処理が極端に多くなるプロセスには、超並
列計算機やスーパーコンピュータなどを適用し、プロセ
ッサの動作周期を短縮することができる。また、画面編
集処理のようなマンマシン部には、グラフィックワーク
ステーションを用いて高機能化を図ることができる。
また、第5図実施例のように、複数の業務プロセッサ
15a〜15fが周期的に個々に処理前データベースメモリ14
にアクセスするものにあっては、アクセスの衝突が生じ
ることから、そのような衝突を防止して効率よくアクセ
ス可能にする必要がある。そこで、第8図に示すよう
に、共有の処理前データベースメモリ14のテーブル上
に、各業務プロセッサのアクセス履歴に関するデータを
登録するようにし、各業務プロセッサは自己以外の業務
プロセッサのアクセス周期を基に次回のアクセス時刻を
決定するようにする。このようにすることにより、例え
ば第7図で説明したように外部状況によって各プロセッ
サの動作周期を変化させる場合や、電力系統の状態等に
応じて動作周期を自律的に柔軟に変える場合に、各業務
プロセッサが個別に自己のアクセス時刻を決定すること
ができ、効率よく共有のデータベースを利用することが
可能になる。
また、従来は、電力系統内の状態が変化しない場合で
も、全部の電力系統構成機器のデータを、中央の監視制
御装置が収集しているが、この場合監視制御装置で実行
すべき処理量が電力系統の規模拡大に伴ない増大し、監
視制御のレスポンス性が悪くなる。そこで、第9図に示
すように、事故発生などの系統内で生じた状変情報のみ
を中央の監視制御装置に伝送し、その情報に基づいて事
故復旧手順作成等の業務を実行することが望ましい。
すなわち、例えば電力系統の構成機器84a〜84fのうち
の機器84aで事故が発生した場合、その状変情報85を通
信網83を介してデータ集配装置82へ伝送し、さらに監視
制御装置81に転送する。これに基づき、監視制御装置81
は共有の処理前データベースメモリにその状変情報を記
録し、前述した系統監視や事故復旧操作などの業務処理
が並列に動作し、効率的な系統監視制御が可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、電力系統の状
態を表わす系統データを共有のデータベースメモリに格
納し、該データベースメモリの内容に基づいて電力系統
の監視制御に係る処理業務を複数の業務プロセッサに分
散させて並列処理させる構成としていることから、処理
業務に係るソフトウエアが物理的に細分化され、プログ
ラムを理解しやすい規模にまとめることができる。この
結果、ソフトウエアの製作、保守、拡張が容易になると
いう効果がある。なお、分散処理に係る各プロセッサに
必要な系統データはデータベースとして共有するように
し、必要な系統データを管理プロセッサあるいは各業務
処理プロセッサにより読み出していることから、分散処
理しても矛盾のない処理を行わせることができる。
また、複数の業務プロセッサがデータベースメモリに
アクセスした履歴データに基づいて、各業務プロセッサ
のアクセス頻度を調整する構成としたものによれば、2
以上のプロセッサによるアクセスの衝突を回避して、効
率のよいアクセスを行わせることが可能になる。
また、電力系統の構成機器に当該機器の状態変化を検
出する状変検出手段を設け、該手段から状変検出信号が
出力された場合にのみ、当該状変に係る前記処理業務を
実行させる構成としたものによれば、電力系統の状態を
表示するデータベースメモリの容量及び、複数の業務プ
ロセッサが実行すべき余分な処理量が減り系統構成機器
の状変を速やかに検出して適切な対応策を指令すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を処理手順に沿って表わした
ブロック構成図、第2図は本発明を説明するための比較
例の監視制御方法に係るプロセスの構成図、第3図は第
2図の待ちテーブルの動作を説明する図、第4図は第1
図実施例の並列処理を説明する図、第5図は本発明の一
実施例装置の構成図、第6図は本発明の他の実施例装置
の構成図、第7図は各プロセッサの動作周期の一例を説
明するタイムチャート、第8図は各プロセッサのアクセ
ス履歴テーブルの内容を示す図、第9図は本発明の他の
実施例の系統構成図である。 13……データベース管理プロセッサ、 14……処理前データベース、 15,15a〜15f……業務プロセッサ、 16……処理後データベース、 42……データベース切替器、 51……ループバス、 81……監視制御装置、 82……データ集配装置、 84a〜84f……系統構成機器。
フロントページの続き (72)発明者 方 守 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立コントロールシステムズ内 (72)発明者 阿部 孝司 東京都中央区入船1丁目4番10号 東京 電力株式会社システム研究所内 (72)発明者 横井 重雄 東京都中央区入船1丁目4番10号 東京 電力株式会社システム研究所内 (56)参考文献 特開 平2−299424(JP,A) 特開 昭56−24658(JP,A) 特開 昭61−264834(JP,A) 特開 昭62−237563(JP,A) 特公 昭63−10468(JP,B2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の状態を表わす系統データを共有
    のデータベースメモリに格納し、該データベースメモリ
    の内容に基づいて電力系統の監視制御に係る処理業務を
    複数の業務プロセッサに分散させて並列処理させるに際
    し、前記データベースメモリから前記各業務プロセッサ
    の処理業務に必要な系統データを、前記データベースメ
    モリを管理する管理プロセッサにより読み出して前記各
    業務プロセッサに分配し、前記管理プロセッサは、前記
    系統データの読み出しを周期的に行い、該読み出し周期
    を電力系統の状態に応じて変化させることを特徴とする
    電力系統の監視制御方法。
  2. 【請求項2】前記管理プロセッサは、前記各業務プロセ
    ッサの処理結果に基づいて前記データベースメモリの内
    容を修正することを特徴とする請求項1に記載の電力系
    統の監視制御方法。
  3. 【請求項3】前記業務プロセッサは、自己の処理業務に
    対する割込み要求の発生頻度に応じて、負荷が軽い他の
    業務プロセッサに自己の処理業務の一部を代行させるこ
    とを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の電力系統
    の制御監視方法。
  4. 【請求項4】電力系統の状態を表わす系統データを共有
    のデータベースメモリに格納し、該データベースメモリ
    の内容に基づいて電力系統の監視制御に係る処理業務を
    複数の業務プロセッサに分散させて並列処理させるに際
    し、前記業務プロセッサは、前記データベースメモリに
    アクセスして自己の処理業務に必要な系統データを読み
    出して実行し、かつ自己の処理業務に対する割込み要求
    の発生頻度に応じて、負荷が軽い他の業務プロセッサに
    自己の処理業務の一部を代行させる電力系統の制御監視
    方法。
  5. 【請求項5】前記各業務プロセッサの処理結果に基づい
    て前記データベースメモリの内容を修正することを特徴
    とする請求項4に記載の電力系統の監視制御方法。
  6. 【請求項6】電力系統の状態を表わす系統データが格納
    される共有の第1のデータベースメモリと、該第1のデ
    ータベースメモリ内の系統データに基づいて電力系統の
    監視制御に係る処理業務を分割して並列的に処理する複
    数の業務プロセッサと、該業務プロセッサの処理結果が
    格納される共有の第2のデータベースメモリと、該第2
    のデータベースメモリの内容に基づいて前記第1のデー
    タベースメモリの内容を修正するデータベース管理プロ
    セッサとを備え、前記複数の業務プロセッサは、前記第
    1のデータベースメモリにアクセスして必要な系統デー
    タを読み出すとともに、前記複数の業務プロセッサが前
    記第1のデータベースメモリにアクセスした履歴データ
    に基づいて、前記各業務プロセッサのアクセスの頻度を
    調整するように構成されてなる電力系統の監視制御装
    置。
  7. 【請求項7】電力系統の状態を表わす系統データが格納
    される共有の第1のデータベースメモリと、該第1のデ
    ータベースメモリ内の系統データに基づいて電力系統の
    監視制御に係る処理業務を分割して並列的に処理する複
    数の業務プロセッサと、該業務プロセッサの処理結果が
    格納される共有の第2のデータベースメモリと、該第2
    のデータベースメモリの内容に基づいて前記第1のデー
    タベースメモリの内容を修正するデータベース管理プロ
    セッサとを備え、前記データベース管理プロセッサは、
    前記複数の業務プロセッサの処理業務に必要な系統デー
    タを前記第1のデータベースメモリから読み出して、前
    記各業務プロセッサに分配するように構成されてなる電
    力系統の監視制御装置。
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