JP2667753B2 - 熱硬化性成形材料の成形方法 - Google Patents

熱硬化性成形材料の成形方法

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JP2667753B2 JP3321803A JP32180391A JP2667753B2 JP 2667753 B2 JP2667753 B2 JP 2667753B2 JP 3321803 A JP3321803 A JP 3321803A JP 32180391 A JP32180391 A JP 32180391A JP 2667753 B2 JP2667753 B2 JP 2667753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性フェノール化合
物を使用した熱硬化性成形材料の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂成形材料の代表的なものと
してフェノール樹脂成形材料がある。フェノール樹脂成
形材料は機械的強度、耐熱性、電気特性などが優れてい
るため、機械部品、電気部品、自動車部品など広範囲の
用途に利用されている。
【0003】フェノール樹脂成形材料を成形する場合、
フェノール樹脂が縮合タイプの熱硬化性樹脂であるた
め、通常次のような問題点がある。 (1)硬化時において、成形材料は溶融した後、溶融粘
度が高くなりゲル化し硬化に至るまで一定の時間が必要
であるため、その間に金型のパーティング面などからの
バリの発生が避けられない。 (2)金型ひずみの低減等のためには、成形圧力を低く
するのが望ましいが、成形材料の溶融粘度が高いため、
低圧成形は困難である。 (3)成形材料は溶融してからゲル化まで粘度上昇し、
その時間は数十秒以上であるので成形サイクルが長くな
る。特に、成形品に発生したバリは、その除去のために
多大の労力を要するため、この成形品のコストアップに
なり、フェノール樹脂成形材料が優れた特性を有しなが
ら、その需要拡大の大きな障害となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、成
形時の溶融粘度を低くすること、及びバリの発生を減少
させることを主たる目的として種々検討して完成された
もので、低圧成形が可能な成形材料において、成形圧力
をコントロールすることによりバリの発生を抑えること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、2核体以上の
結晶性フェノール化合物の1種または2種以上が結合剤
としてその結晶性を維持して配合されている熱硬化性樹
脂成形材料を成形するにあたり、成形圧力を高圧から低
圧へ段階的あるいは連続的に低下させることを特徴とす
る熱硬化性樹脂成形材料の成形方法に関するものであ
る。
【0006】始めに、熱硬化性成形材料について説明す
る。本発明において、2核体以上結晶性フェノール化合
物とは、常温で結晶性であり、明瞭な融点を有し、溶融
すると低粘度の液体となり、ヘキサメチレンテトラミン
(以下、ヘキサミンという)など、フェノール樹脂の硬
化剤と反応して硬化する2核体以上のフェノール化合物
(以下、多核体フェノール化合物という)をいう。この
ような化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールZ、ビス
フェノールSなどのビスフェノール化合物、これらの誘
導体、ビフェノール及びその誘導体、下記化学式で示さ
れる3核体あるいは4核体フェノール化合物などがあ
る。
【0007】
【化1】
【0008】本発明における多核体フェノール化合物
は、ヘキサミンなどの硬化剤との配合物に有機質又は無
機質の充填材及び他の添加剤を配合することにより熱硬
化性成形材料を得ることができる。このフェノール化合
物の融点が例えば200℃以上と高い場合(例えば、ビ
スフェノールの融点は285℃である)、通常の方法で
は溶融混練が困難な場合があるので、必要により他のフ
ェノール化合物を併用することにより融点を低下させて
使用することができる。かかるフェノール化合物として
は、本発明に係る別の多核体フェノール化合物、ノボラ
ック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂など
がある。多核体フェノール化合物を2種以上使用する場
合はそれらの混合割合は任意である。また、多核体フェ
ノール化合物とノボラック型フェノール樹脂やレゾール
型フェノール樹脂を使用する場合は、良好な流動性を維
持させるために、多核体フェノール化合物を50重量%
以上の使用するのが好ましい。
【0009】結晶性多核体フェノール化合物を2種以上
使用する場合、混合されたフェノール化合物の結晶性が
失われないことが重要である。従って、多数種のフェノ
ール化合物を併用するときは共融により結晶性が低下す
ることがあるので、この点に留意する必要がある。結晶
性が失われると通常のフェノール樹脂と同様に、融点が
低下し、逆に溶融粘度は高くなり、硬化時のゲル化速度
も小さくなる。本発明に使用する成形材料は、結晶性多
核体フェノール化合物、硬化剤及び充填材等を混合し、
通常の方法、即ちロール、押出機、あるいはヘンシェル
ミキサーなどにより融点混練した後粉砕することにより
成形材料が得られる。成形材料としたときこの融点は多
核体フェノール化合物の融点よりかなり低下する。
【0010】かかる成形材料は、結合剤として結晶性多
核体フェノール化合物を使用しているので、成形時加熱
により速やかに溶融し、低粘度の流動性の極めてよい液
状物になる。そして一定時間粘度の上昇は小さいが、あ
る時点で急速に硬化反応が起こり、ゲル化、硬化に至
る。低粘度であることにより、低圧成形が可能となる。
そして低圧成形することにより金型歪みが小さくなるの
で、金型の厚みを小さくでき、成形品の形状も安定し、
バリの発生も小さくなる。ゲル化時の粘度上昇が速いこ
とも大きな特長であり、これによりバリの発生も抑えら
れる。熱安定性もすぐれているので、成形機(スクリュ
ー、ポット内)、スブルーなどでゲル化しにくい。一
方、硬化が遅く、成形時低粘度の流動状態が長く続く場
合、成形材料化するとき、あるいは成形材料化した後加
熱により多核体フェノール化合物と硬化剤との反応を進
ませ、硬化反応開始の少し前の段階で停止させておけ
ば、この成形材料を成形するとき加熱により低粘度の液
状物となり、その後速やかに硬化反応が開始され、ゲル
化に至る。したがって、低い圧力で成形しても充填が短
時間で終了し、速やかな硬化によりバリの発生を防止す
ることができる。さらに、成形サイクルの短縮をも行う
ことができる。
【0011】更に、低粘度にもかかわらず比較的融点が
高いので、成形材料化が容易である。従来のフェノール
樹脂成形材料では、溶融時低粘度化すると、融点(軟化
点)が低くなり、固結が起こりやすくなるので成形材料
化が困難となる。本発明において、成形材料の充填材と
して、木粉、パルプ粉、各種織物粉砕物、熱硬化性樹脂
積層板・成形品の粉砕物等の有機質のもの、シリカ、ア
ルミナ、ガラス、タルク、クレー、炭酸カルシウム、カ
ーボン等の粉末、ガラス繊維、カーボン繊維、マイカな
どの無機質のものが使用される。
【0012】次に、成形方法について説明する。これま
で説明したように、本発明に使用する熱硬化性成形材料
は、溶融粘度が低いので低圧成形が可能である。そこ
で、本発明では、成形時成形材料が金型キャビティ内に
充填が完了する時点あるいはそれより少し前の時点で成
形圧力を低くして成形品のバリの発生を抑え、成形初期
においては充填完了時点より成形圧力を高くすることに
より、剪断発熱による硬化促進、成形品外観の向上、成
形サイクルアップなどを達成するものである。
【0013】
【実施例】以下、実施例、比較例によって本発明を説明
する。ここにおいて、「部」は重量部を示す。 1.成形材料の製造 〔製造例1〕ビスフェノールA44部、ヘキサミン7
部、水酸化カルシウム3部、木粉32部、炭酸カルシウ
ム11部、離型剤3部を混合し、ロールにて溶融混練し
た後、150℃で10分間加熱し、冷却後粉砕して成形
材料を得た。 〔製造例2〕ビスフェノールAをビスフェノールFに代
えた以外は、製造例1と同様にして成形材料を得た。 〔製造例3〕ビスフェノールA44部をビスフェノール
A33部とノボラック型フェノール樹脂(数平均分子量
800)11部に代えた以外は、それぞれ製造例1と同
様にして成形材料を得た。 〔製造例4〕ビスフェノールAを化学式(3)のトリス
フェノール化合物に代え混練後の加熱と実施しない以外
は製造例1と同様にして成形材料を得た。 〔比較製造例1〕ビスフェノールAをノボラック型フェ
ノール樹脂(数平均分子量800)に代え、混練後の加
熱を実施しない以外は、それぞれ製造例1と同様にして
成形材料を得た。得られた成形材料について、それぞれ
流動性(高化式フローテスターによる粘度)を測定し
た。
【0014】2.トランスファ成形 [実施例及び比較例]表1下欄に示す注入圧力及び時間
にてトランスファ成形し、バリ発生の有無を測定した。
結果を表1に示す。 (トランスファ成形条件)タブレット化した20gの成
形材料を約100℃に予熱し、図1に示す形状のトラン
スファ成形金型を用い温度200℃で3分間成形した。
バリの有無は金型エアベント部におけるバリを目視して
判定した。
【0015】
【表1】
【0016】表1から、各実施例では、比較例の通常の
成形あるいは従来のフェノール樹脂成形材料を使用した
成形に比較してバリは発生しないか非常に少ないことが
わかる。
【0016】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の成形方法は成形材料が流動性に優れているので、
充填完了時近辺での低圧成形により成形時のバリの発生
がないか少ないので、成形性の良好な成形方法として幅
広い利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用するトランスファ成形金型の概略
断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【符号の説明】
1 円形キャビティ 2 角形キャビティ 3、4、5 エアベント 6 ポット 7 プランジャ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2核体以上の結晶性フェノール化合物の
    1種または2種以上が結合剤としてその結晶性を維持し
    配合されている熱硬化性樹脂成形材料を成形するにあ
    たり、成形圧力を高圧から低圧へ段階的あるいは連続的
    に低下させることを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料
    成形方法。
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