JP2667538B2 - 腐食ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステンレス圧延鋼板 - Google Patents
腐食ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステンレス圧延鋼板Info
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- JP2667538B2 JP2667538B2 JP1318952A JP31895289A JP2667538B2 JP 2667538 B2 JP2667538 B2 JP 2667538B2 JP 1318952 A JP1318952 A JP 1318952A JP 31895289 A JP31895289 A JP 31895289A JP 2667538 B2 JP2667538 B2 JP 2667538B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高速船艇の水中翼や高速回転機器類など
のような高速水流中、それもとくに腐食ないしは侵食性
の強い環境で使用される構造部材として適合する、腐食
ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マル
テンサイトステンレス圧延鋼板に関するものである。
のような高速水流中、それもとくに腐食ないしは侵食性
の強い環境で使用される構造部材として適合する、腐食
ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マル
テンサイトステンレス圧延鋼板に関するものである。
高速水流中で稼動する水車ランナーや船艇のスクリュ
ーには、耐食性が高強度にあわせ要求されるため、一般
にNiを含有する13Crステンレス鋼が用いられ、その代表
鋼種として、鋳鋼または鍛鋼材として開発されたASTM C
A6 NM(13Cr−4Ni)鋼があり、その鋼の耐力は、せいぜ
い60〜70kgf/mm2である。
ーには、耐食性が高強度にあわせ要求されるため、一般
にNiを含有する13Crステンレス鋼が用いられ、その代表
鋼種として、鋳鋼または鍛鋼材として開発されたASTM C
A6 NM(13Cr−4Ni)鋼があり、その鋼の耐力は、せいぜ
い60〜70kgf/mm2である。
しかし、近年、高速船艇のスピードアップ、また、回
転機器の著しい高速化に伴って、耐食性を維持した上で
従来よりも高強度の耐力80kgf/mm2以上を具備し、しか
も耐疲労特性に優れた鋼が要望されるようになった。
転機器の著しい高速化に伴って、耐食性を維持した上で
従来よりも高強度の耐力80kgf/mm2以上を具備し、しか
も耐疲労特性に優れた鋼が要望されるようになった。
(従来の技術) 特開平1−127620号公報には、Niを含有するマルテン
サイトステンレス鋼板を熱間圧延により製造する方法が
開示され、その鋼板は、前記ASTM CA6 NM鋼の鋳鋼品や
鍛鋼品にくらべれば、熱間圧延鋼材であることから当
然、鋳造または鍛造による欠陥に原因するような材質劣
化は軽減されるにしても、なお強度が不足する。
サイトステンレス鋼板を熱間圧延により製造する方法が
開示され、その鋼板は、前記ASTM CA6 NM鋼の鋳鋼品や
鍛鋼品にくらべれば、熱間圧延鋼材であることから当
然、鋳造または鍛造による欠陥に原因するような材質劣
化は軽減されるにしても、なお強度が不足する。
また、特開昭62−124218号公報には、Niを含有するマ
ルテンサイトステンレス鋼について、Ni eqを規制して5
50℃から675℃までの温度範囲で熱処理する高強度ステ
ンレス鋼材の製造方法が開示されている。しかし腐食な
いし侵食環境における耐疲労特性については触れていな
い。
ルテンサイトステンレス鋼について、Ni eqを規制して5
50℃から675℃までの温度範囲で熱処理する高強度ステ
ンレス鋼材の製造方法が開示されている。しかし腐食な
いし侵食環境における耐疲労特性については触れていな
い。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、高強度で、かつ腐食ないしは侵食環境に
おける耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステン
レス鋼を提供することを目的とする。
おける耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステン
レス鋼を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、Niを含有する高強度マルテンサイトステ
ンレス鋼の腐食ないしは侵食環境における耐疲労特性に
ついて、種々実験研究を重ねた結果、この種のマルテン
サイトステンレス鋼の化学組成範囲と鋼中の非金属介在
物の面積占有率の限定により、腐食ないし侵食環境にお
ける耐疲労特性が決定されるという知見を得た。
ンレス鋼の腐食ないしは侵食環境における耐疲労特性に
ついて、種々実験研究を重ねた結果、この種のマルテン
サイトステンレス鋼の化学組成範囲と鋼中の非金属介在
物の面積占有率の限定により、腐食ないし侵食環境にお
ける耐疲労特性が決定されるという知見を得た。
すなわちこの発明は、 C:0.05wt%以下、 Si:1.0wt%以下、 Mn:2.0wt%以下、 Cr:12wt%以上17wt%以下、 Ni:1.5wt%以上6.5wt%以下及び Mo:0.2wt%以上2.0wt%以下 を含み、かつ V:0.01wt%以上0.50wt%以下、 Nb:0.01wt%以上0.50wt%以下 のうちから選んだ1種又は2種を、 Al:0.005wt%以上0.025wt%以下及び N:0.01wt%以下にてCとの合計で0.05wt%以下 とともに含有し、残部は鉄及び不可避不純物からなる化
学組成で、鋼中非金属介在物が0.01%以下の面積占有率
で分散した組織であることを特徴とする、腐食ないしは
侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサ
イトステンレス圧延鋼板であり、またこの発明は、 C:0.05wt%以下、 Si:1.0wt%以下、 Mn:2.0wt%以下、 Cr:12wt%以上17wt%以下、 Ni:1.5wt%以上6.5wt%以下及び Mo:0.2wt%以上2.0wt%以下 を含み、かつ V:0.01wt%以上0.50wt%以下、 Nb:0.01wt%以上0.50wt%以下 のうちから選んだ1種又は2種を、 Cu:0.2wt%以上5.0wt%以下、 Al:0.005wt%以上0.025wt%以下及び N:0.01wt%以下にてCとの合計で0.05wt%以下 とともに含有し、残部は鉄及び不可避不純物からなる化
学組成で、鋼中非金属介在物が0.01%以下の面積占有率
で分散した組織であることを特徴とする、腐食ないしは
侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサ
イトステンレス圧延鋼板である。
学組成で、鋼中非金属介在物が0.01%以下の面積占有率
で分散した組織であることを特徴とする、腐食ないしは
侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサ
イトステンレス圧延鋼板であり、またこの発明は、 C:0.05wt%以下、 Si:1.0wt%以下、 Mn:2.0wt%以下、 Cr:12wt%以上17wt%以下、 Ni:1.5wt%以上6.5wt%以下及び Mo:0.2wt%以上2.0wt%以下 を含み、かつ V:0.01wt%以上0.50wt%以下、 Nb:0.01wt%以上0.50wt%以下 のうちから選んだ1種又は2種を、 Cu:0.2wt%以上5.0wt%以下、 Al:0.005wt%以上0.025wt%以下及び N:0.01wt%以下にてCとの合計で0.05wt%以下 とともに含有し、残部は鉄及び不可避不純物からなる化
学組成で、鋼中非金属介在物が0.01%以下の面積占有率
で分散した組織であることを特徴とする、腐食ないしは
侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサ
イトステンレス圧延鋼板である。
ここに、鋼材を高強度化すると腐食環境での耐食性、
疲労強度などが低下することは一般的であるが、海水中
で繰返し荷重を受ける、あるいは高速水流環境で使用さ
れる、すなわち、腐食ないしは侵食環境で使用される上
記構造部材については、高強度のほか耐疲労性に優れた
鋼材の開発が望まれている。そして耐疲労性の向上のた
めには、疲労強度に大きく影響する耐銹性、耐エロージ
ョン性に優れていることが必要条件でる。
疲労強度などが低下することは一般的であるが、海水中
で繰返し荷重を受ける、あるいは高速水流環境で使用さ
れる、すなわち、腐食ないしは侵食環境で使用される上
記構造部材については、高強度のほか耐疲労性に優れた
鋼材の開発が望まれている。そして耐疲労性の向上のた
めには、疲労強度に大きく影響する耐銹性、耐エロージ
ョン性に優れていることが必要条件でる。
耐銹性は、銹が発生した場合、発銹点が起点となって
疲労破壊を起し、疲労強度を低下せしめるものであり、
耐エロージョン性は、水あるいは海水などが高速で鋼材
に衝突する場合、鋼材表面にキャビテーション、エロー
ジョンが発生する可能性が高く、とくに海水のように腐
食性を有するときはエロージョンが加速され、鋼材表面
にエロージョンが発生すれば表面性状に大きく影響され
る疲労強度を低下させる。
疲労破壊を起し、疲労強度を低下せしめるものであり、
耐エロージョン性は、水あるいは海水などが高速で鋼材
に衝突する場合、鋼材表面にキャビテーション、エロー
ジョンが発生する可能性が高く、とくに海水のように腐
食性を有するときはエロージョンが加速され、鋼材表面
にエロージョンが発生すれば表面性状に大きく影響され
る疲労強度を低下させる。
したがって、腐食ないしは侵食環境で使用される鋼材
の耐疲労特性の向上には耐銹性および耐エロージョン性
を高めておく必要がある。
の耐疲労特性の向上には耐銹性および耐エロージョン性
を高めておく必要がある。
(作 用) この発明の限定理由について説明する。
C:マルテンサイトの硬さを必要以上に硬くすることな
く、溶接性を確保するために0.05wt%以下とする。
く、溶接性を確保するために0.05wt%以下とする。
Si:脱酸するために必要不可欠な成分であるが、過剰に
添加すると靭性を低下させるのでその懸念がない1.0wt
%を上限とする。
添加すると靭性を低下させるのでその懸念がない1.0wt
%を上限とする。
Mn:鋼中のSを固定するとともに、高温オーステナイト
単相域を広くして焼入性を改善する効果があるが、多量
に添加すると靭性を低下させるために2.0wt%を上限と
して靭性の悪化を防止する。
単相域を広くして焼入性を改善する効果があるが、多量
に添加すると靭性を低下させるために2.0wt%を上限と
して靭性の悪化を防止する。
Cr:マルテンサイトステンレス鋼で耐食性を確保するた
め12wt%を下限とする。一方他の成分元素量とのバラン
スで高温オーステナイト域が十分に広くとれること、お
よび残留オーステナイト量が多すぎないようにするため
17wt%を上限とする。
め12wt%を下限とする。一方他の成分元素量とのバラン
スで高温オーステナイト域が十分に広くとれること、お
よび残留オーステナイト量が多すぎないようにするため
17wt%を上限とする。
Ni:C,Nの含有量を少なくしたために高温オーステナイト
域が狭くなるのに伴い熱間圧延温度域が狭くなることを
防ぐためには1.5wt%を必要とする。なお、高強度マル
テンサイトステンレス鋼の靭性を確保するためには3.5
%以上添加することがより好ましい。一方、6.5wt%を
超えると高温オーステナイト域から冷却してもオーステ
ナイトが多く残留し、強度不足を生ずることからその懸
念のない6.5wt%を上限とする。
域が狭くなるのに伴い熱間圧延温度域が狭くなることを
防ぐためには1.5wt%を必要とする。なお、高強度マル
テンサイトステンレス鋼の靭性を確保するためには3.5
%以上添加することがより好ましい。一方、6.5wt%を
超えると高温オーステナイト域から冷却してもオーステ
ナイトが多く残留し、強度不足を生ずることからその懸
念のない6.5wt%を上限とする。
Mo:海水中での耐食性を向上させる元素で、耐食性を賦
与するためには少なくとも0.2wt%程度を添加すること
が必要であるが、多すぎると高温オーステナイト域が狭
くなり、強度確保が困難になることからその心配のない
2.0wt%を上限とする。
与するためには少なくとも0.2wt%程度を添加すること
が必要であるが、多すぎると高温オーステナイト域が狭
くなり、強度確保が困難になることからその心配のない
2.0wt%を上限とする。
V,Nb:粒界へのCr炭化物の析出を抑制する元素であり、
これらの含有量についてはいずれも0.01wt%より少ない
と効果がなく、また0.50wt%より多いと熱間加工性を低
下させるので、何れか一方のみ又は両者の併用の何れの
場合も0.01wt%以上0.50wt%以下の範囲とする。
これらの含有量についてはいずれも0.01wt%より少ない
と効果がなく、また0.50wt%より多いと熱間加工性を低
下させるので、何れか一方のみ又は両者の併用の何れの
場合も0.01wt%以上0.50wt%以下の範囲とする。
Cu:高温オーステナイト域の拡大、Ms点の調整、析出硬
化などの効果があるのでこのような効果が期待されると
きには0.2wt%以上の添加をすることが望ましい。
化などの効果があるのでこのような効果が期待されると
きには0.2wt%以上の添加をすることが望ましい。
一方5.0wt%を超えると熱間加工性が低下するため、
そのうれいがない5.0wt%を上限とする。
そのうれいがない5.0wt%を上限とする。
Al:脱酸するために必要な成分であるが、鋼中にAl2O3と
して残留し、疲労特性を低下させる原因となるような憂
いがないように脱酸後残留するAlは0.005wt%以上0.025
wt%以下の範囲とする。
して残留し、疲労特性を低下させる原因となるような憂
いがないように脱酸後残留するAlは0.005wt%以上0.025
wt%以下の範囲とする。
N:電子ビーム溶接を行なった場合ブロホールを発生しや
すい元素であることから0.01wt%以下とする。
すい元素であることから0.01wt%以下とする。
C+N:溶接割れを生ずる危険度が高くなることから0.05
wt%以下とする。
wt%以下とする。
非金属介在物:圧延方向断面における非金属介在物の面
積占有率が0.01%を超えると、塩水中での十分な疲労特
性が得られないため、その面積占有率にて0.01%以下で
均一に分散した組織とした。
積占有率が0.01%を超えると、塩水中での十分な疲労特
性が得られないため、その面積占有率にて0.01%以下で
均一に分散した組織とした。
つぎに、非金属介在物の面積占有率と疲労特性との関
係について実験結果をもとに説明する。
係について実験結果をもとに説明する。
化学組成はこの発明に適合し、非金属介在物の面積占
有率の異なる鋼について、 応力:400MPa くり返し速度:1Hz 環境:3.5wt%NaCl水溶液中 で行なった引張疲れ試験結果を第1図に示す。ここに、
非金属介在物の面積占有率は、圧延方向に平行な断面を
研磨後、光学顕微鏡を用い、倍率800倍、視野数120視野
として、非金属介在物の大きさと個数を測定し、画像解
析によりもとめた。第1図から明らかなように、非金属
介在物の面積占有率が小さくなるにしたがって破断まで
のくり返し数の増加する割合は大きくなり、面積占有率
が0.01%以下で破断までのくり返し数(Nf)は1×105
回以上となる。
有率の異なる鋼について、 応力:400MPa くり返し速度:1Hz 環境:3.5wt%NaCl水溶液中 で行なった引張疲れ試験結果を第1図に示す。ここに、
非金属介在物の面積占有率は、圧延方向に平行な断面を
研磨後、光学顕微鏡を用い、倍率800倍、視野数120視野
として、非金属介在物の大きさと個数を測定し、画像解
析によりもとめた。第1図から明らかなように、非金属
介在物の面積占有率が小さくなるにしたがって破断まで
のくり返し数の増加する割合は大きくなり、面積占有率
が0.01%以下で破断までのくり返し数(Nf)は1×105
回以上となる。
(実施例) C:0.03wt%、N:0.01wt%、Cr:13.5wt%、Si:0.30wt
%、Mn:0.60wt%、P:0.020wt%、S:0.004wt%を基本成
分とする鋼を転炉にて溶製し、これを母材として、小型
ESR炉で2次精錬を行ない、この精錬により、鋼中の非
金属介在物の調整、微量元素の添加など行ない22種類の
鋼を溶製した。
%、Mn:0.60wt%、P:0.020wt%、S:0.004wt%を基本成
分とする鋼を転炉にて溶製し、これを母材として、小型
ESR炉で2次精錬を行ない、この精錬により、鋼中の非
金属介在物の調整、微量元素の添加など行ない22種類の
鋼を溶製した。
ESR溶製後鋳造したインゴットは1200℃の温度で4時
間の加熱後板厚100mmのスラブに分塊圧延した。これら
のスラブを1200℃の温度で2時間の加熱後仕上温度が90
0℃になるように熱間圧延を行ない板厚30mmの鋼板とし
た。さらにこれらの鋼板を930℃の温度のノルマ処理を
施したのち600℃の温度に焼もどし製品とした。
間の加熱後板厚100mmのスラブに分塊圧延した。これら
のスラブを1200℃の温度で2時間の加熱後仕上温度が90
0℃になるように熱間圧延を行ない板厚30mmの鋼板とし
た。さらにこれらの鋼板を930℃の温度のノルマ処理を
施したのち600℃の温度に焼もどし製品とした。
これらの鋼板について、引張疲れ試験による海水中で
の疲労特性、塩水噴霧試験による耐銹性、食塩水中での
耐エロージョン性の評価を行なった。これらの評価結果
を鋼板の化学組成とともに第1表に示す。
の疲労特性、塩水噴霧試験による耐銹性、食塩水中での
耐エロージョン性の評価を行なった。これらの評価結果
を鋼板の化学組成とともに第1表に示す。
なお、上記試験条件および第1表に示した記号につい
て以下に記す。
て以下に記す。
海水中での疲労特性:3.5wt%のNaCl水溶液中で、応力
400MPa、くり返し速度1Hzの条件で引張疲れ試験を行な
う。第1表には、破断までのくり返し数(Nf)≧1×10
5の試料には◎印、(Nf)<1×105の資料には×印をつ
けて海水中での疲労特性の評価をした。
400MPa、くり返し速度1Hzの条件で引張疲れ試験を行な
う。第1表には、破断までのくり返し数(Nf)≧1×10
5の試料には◎印、(Nf)<1×105の資料には×印をつ
けて海水中での疲労特性の評価をした。
耐銹性:3.5wt%のNaCl水溶液を用い、16時間の塩水噴霧
試験を行なった。第1表には発銹点の単位面積当りの個
数が0.1個/cm2以下の試料には◎印、0.1超〜1個/cm2の
試料には○印、1超〜10個/cm2の試料には△印、10個/c
m2超の場合は×印をつけて耐銹性を評価した。
試験を行なった。第1表には発銹点の単位面積当りの個
数が0.1個/cm2以下の試料には◎印、0.1超〜1個/cm2の
試料には○印、1超〜10個/cm2の試料には△印、10個/c
m2超の場合は×印をつけて耐銹性を評価した。
耐エロージョン性:3.5wt%のNaCl水溶液中で対向型磁歪
振動式キャビテーションエロージョン試験機を用い以下
の条件で試験した。
振動式キャビテーションエロージョン試験機を用い以下
の条件で試験した。
周波数:20kHz 振幅:max25μm 試験綿−ホーン先端:0.5mm 試験時間:24h 第1表にはエロージョンによる減量が15g/m2以下の試
料には○印、これを超える試料については△印をつけて
耐エロージョン性の評価を行なった。
料には○印、これを超える試料については△印をつけて
耐エロージョン性の評価を行なった。
第1表から明らかなように、この発明の適合鋼は、非
金属介在物の面積占有率、C,Ni,Mo,V,Nb,Al,Nなどが、
この発明の限定範囲から外れた比較鋼にくらべ、海水中
での耐疲労性、塩水噴霧試験での耐銹性、耐エロージョ
ン性などにおいて優れ、耐力も80kgf/mm2以上の値を示
している。
金属介在物の面積占有率、C,Ni,Mo,V,Nb,Al,Nなどが、
この発明の限定範囲から外れた比較鋼にくらべ、海水中
での耐疲労性、塩水噴霧試験での耐銹性、耐エロージョ
ン性などにおいて優れ、耐力も80kgf/mm2以上の値を示
している。
(発明の効果) Niを含有する13Crステンレス鋼の非金属介在物の面積
占有率を一定値以下に規制し、成分組成において、C,N
などの規制、およびMoの適切な添加による対海水耐銹性
の向上に加え、Nb,Vの1種以上の添加によって粒界への
Cr炭化物の析出を抑制することなどにより、高強度で、
かつ海水中での疲労特性、耐銹性、耐エローション性な
どに優れた高強度マルテサイトステンレス鋼を得ること
ができる。
占有率を一定値以下に規制し、成分組成において、C,N
などの規制、およびMoの適切な添加による対海水耐銹性
の向上に加え、Nb,Vの1種以上の添加によって粒界への
Cr炭化物の析出を抑制することなどにより、高強度で、
かつ海水中での疲労特性、耐銹性、耐エローション性な
どに優れた高強度マルテサイトステンレス鋼を得ること
ができる。
そして、この発明によって得られる高強度マルテンサ
イトステンレス鋼は、高速船艇の水中翼、高速回転機器
類など、海水中の変動荷重下、高速水流下の環境で使用
される構造材料に有利に用いることができる。
イトステンレス鋼は、高速船艇の水中翼、高速回転機器
類など、海水中の変動荷重下、高速水流下の環境で使用
される構造材料に有利に用いることができる。
第1図は引張疲れ試験における、非金属介在物の面積占
有率と破断までのくり返し数との関係図を示す。
有率と破断までのくり返し数との関係図を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.05wt%以下、 Si:1.0wt%以下、 Mn:2.0wt%以下、 Cr:12wt%以上17wt%以下、 Ni:1.5wt%以上6.5wt%以下及び Mo:0.2wt%以上2.0wt%以下 を含み、かつ V:0.01wt%以上0.50wt%以下、 Nb:0.01wt%以上0.50wt%以下 のうちから選んだ1種又は2種を、 Al:0.005wt%以上0.025wt%以下及び N:0.01wt%以下にてCとの合計で0.05wt%以下 とともに含有し、残部は鉄及び不可避不純物からなる化
学組成で、鋼中非金属介在物が0.01%以下の面積占有率
で分散した組織であることを特徴とする、腐食ないしは
侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサ
イトステンレス圧延鋼板。 - 【請求項2】C:0.05wt%以下、 Si:1.0wt%以下、 Mn:2.0wt%以下、 Cr:12wt%以上17wt%以下、 Ni:1.5wt%以上6.5wt%以下及び Mo:0.2wt%以上2.0wt%以下 を含み、かつ V:0.01wt%以上0.50wt%以下、 Nb:0.01wt%以上0.50wt%以下 のうちから選んだ1種又は2種を、 Cu:0.2wt%以上5.0wt%以下、 Al:0.005wt%以上0.025wt%以下及び N:0.01wt%以下にてCとの合計で0.05wt%以下 とともに含有し、残部は鉄及び不可避不純物からなる化
学組成で、鋼中非金属介在物が0.01%以下の面積占有率
で分散した組織であることを特徴とする、腐食ないしは
侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサ
イトステンレス圧延鋼板。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1318952A JP2667538B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 腐食ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステンレス圧延鋼板 |
NO905321A NO177190C (no) | 1989-12-11 | 1990-12-10 | Martensittisk rustfritt stål og fremstilling og anvendelse av dette |
KR1019900020352A KR930007141B1 (ko) | 1989-12-11 | 1990-12-11 | 고강도 마르텐사이트 스테인레스강 및 그 제조방법 |
DE4039538A DE4039538C2 (de) | 1989-12-11 | 1990-12-11 | Tragflügel eines Tragflügelbootes |
US07/820,560 US5232520A (en) | 1989-12-11 | 1992-01-14 | High-strength martensitic stainless steel having superior fatigue properties in corrosive and erosive environment and method of producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1318952A JP2667538B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 腐食ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステンレス圧延鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03180448A JPH03180448A (ja) | 1991-08-06 |
JP2667538B2 true JP2667538B2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=18104824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1318952A Expired - Fee Related JP2667538B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 腐食ないし侵食環境における耐疲労特性に優れる高強度マルテンサイトステンレス圧延鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2667538B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10870900B2 (en) * | 2017-06-07 | 2020-12-22 | A. Finkl & Sons Co. | High toughness martensitic stainless steel and reciprocating pump manufactured therewith |
CN116765321A (zh) * | 2019-03-27 | 2023-09-19 | 爱斯科集团有限责任公司 | 用于挖掘铲斗的唇缘 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5129086A (ja) * | 1974-09-06 | 1976-03-11 | Hitachi Ltd | Riidofureemu |
JP2622389B2 (ja) * | 1987-12-08 | 1997-06-18 | 株式会社 クボタ | 高い腐食疲労強度とすぐれた耐食性を備えたマルテンサイト系ステンレス鋼 |
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