JP2667096C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は色柄マットに関し、より詳細には色柄の境界が明確で色柄が鮮明に現
出されると共にその鮮明さの持続性が良好なマットに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、靴底等に付着したダスト類が室内へ持ち込まれるのを防止するため、ダ
スト捕集用のマット類が、事務所、店舗、住居等の玄関、入口等に敷設されて使
用されている。 この種のマットの中には、表面に色別けられた図柄、模様等を表わしたいわゆ
る色柄マットも多く使用されている。 【0003】 この色柄マットは、その洗浄再生を繰り返しながら使用している間に色柄の模
様の境界部において、色相の異なるパイル糸が互いにからみ合うようになり、該
境界域ではその色は境界両側の色の中間色を呈し、結果として、色柄が次第にぼ
やけてくる。このように色柄、模様がぼやけて来ると、特にレンタル用マット等
の場合、その商品価値がそこなわれ、ダストコントロール性能は未だ十分保有し ているにもかかわらず、該マットの商品としての寿命を短かくしてしまう。 【0004】 【発明が解決しようとする問題点】 従って本発明の目的は、マットの最初の使用中は勿論のこと、繰返しレンタル
、洗浄再生を行なうという極めて過酷な条件下で使用しても、色柄、模様が鮮明
に表示され、かついつまでもその状態を安定に維持することができる色柄マット
を提供するにある。 【0005】 【問題点を解決するための手段】 本発明によれば、基布とこれにタフト化されたパイルと基布の非パイル面に施
されたゴムバッキングとから成り、色相のみが異なる複数種のパイルのタフト化
により色柄を現出させたマットにおいて、前記基布は、ポリエステルの織布また
は不織布から成るベース上にステープル繊維製ウエッブが打ち込み固定されてい
るものであり、このステープル繊維製ウエッブ側に前記パイルがタフト化されて
いることを特徴とする柄の鮮明さに優れた、繰り返しレンタル、洗浄再生を行う
ダスト捕集用マットが提供される。 【0006】 【作用】 本発明の繰り返しレンタル、洗浄再生を行うダスト捕集用マットは、ポリエス
テルの織布または不織布から成るベース上にステープル繊維製のウエッブを打ち
込み固定して成る基布を使用したことが重要な特徴であり、この基布に色相のみ
が異なる複数種のパイル糸を打込むことにより色柄を現出させたものである。 【0007】 本発明のマットでは、基布のベース上にステープル繊維製のウエッブが設けら
れており、このウエッブにパイルが打ち込まれているため、タフト化された各パ
イル糸は、その周囲に存在するステープル繊維製ウエッブによりほぼ直立状に支
えられる形になる。 このため、パイル糸はたとえ外力により一旦は曲げられたり、ねじられたりし
ても、容易に元の直立状の状態に復元する。 【0008】 従って、本発明のマットは、洗浄再生をくり返してもパイル糸同志が容易にね
たままの状態に永久変形したり折れ曲がったりすることがなく、又パイル糸同志
がからみ合ったりすることが少ない。このため色柄、模様の境界域においても色
相の異なる境界域付近のパイル糸同志が互いにからみ合ったり、入りみだれて色
柄模様の境界線をぼやけた中間色にしてしまうことがなく、鮮明な色柄境界線を
長期間保持することができるという効果を奏する。 【0009】 【発明の好適態様】 本発明の色柄マットの一例を示す図1(部分断面図)において、基布のベース
1には、ステープル繊維製ウエッブ3が打ち込み固定されており、このベースー
ウエッブ積層物が基布として使用される。即ち、この基布のウエッブ3側面にパ
イル糸2及びこのパイル糸2とは色相のみが異なるパイル糸2′がタフト化され
、更に該ベース1の裏面(非パイル面)にはゴムバッキンング層4が形成される
。 基布のベース1としては、ポリエステルから成る織布や不織布が使用される。 【0010】 一方パイル糸2(乃至2′)としては、巻縮ナイロン繊維、ビニロン繊維、ア
クリル繊維等の合成繊維や、木綿繊維等の天然繊維或いはこれらの2種以上の混
紡繊維等が使用される。パイル形状はカットパイル、ループパイルのいずれでも
よく、又パイル長及び目付量は、従来、ダストコントロール(防塵、除塵)の目
的で使用されるマットの範囲内でよく、一般に3乃至40mmのパイル長及び3
00乃至4000g/m2の目付量であってよい。 【0011】 本発明のステープル繊維性ウエッブ3に使用されるステープル繊維としては、
ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、ビニロン等のポリビ
ニルアルコール系繊維、ポリアクリルニトリル等のアクリル系繊維、ナイロン等
のポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維等の合成繊維又は木綿、その他の天然ス
テープル繊維を挙げることができる。 ステープル繊維製ウエッブ3の厚さはパイル長に対して約5〜50%の厚さに 形成するのが良く、通常0.1mm乃至10mm、好ましくは1mm乃至3mm
の厚みとする。 繊維の太さは、パイル糸2(乃至2′)の太さ及び使用するパイル糸の繊維の
性質により異なるがパイル糸2(乃至2′)よりは細い通常0.1乃至40デニ
ール程度のものを使用するのが好ましい。 【0012】 バッキングに使用するゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレン
ゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、ポリウレタン
等を挙げることができる。 【0013】 これらのゴムをラテックスの形で基布1の裏面全面に塗布し、乾燥し、次いで
加硫して、ゴムバッキング層を形成させる。 さらに、必要に応じて、上記ゴムバッキング層の上に、上記例示した如きゴム
に、それ自体公知の加硫剤、加硫促進剤、顔料、補強剤、エクステンダー等を配
合して成形した未加硫ゴムシートを付着させて加硫硬化させゴムシートを接着さ
せることもできる。 以下に、本発明の色柄マットを実施例に基き更に詳細に説明する。 【0014】 【実施例】 実施例 基布のベース布として、厚さ0.1mmのポリエステル繊維製不織布を用い、
このベース布の上に太さ3デニールのポリエステルステープル繊維から成る厚さ
3mm、目付量260g/m2のウエッブを重ねて合わせて打込み、これを基布
とした。 この基布に、各々白色、赤色、緑色に着色した太さ2600デニールの巻縮ナ
イロン糸を、基布上に高さ10mmで各々打込み、縞模様の色柄をカットパイル
により形成させた。なお目付量はカットパイル糸全体として900g/m2とし た。 この基布の非パイル側面に厚さ1.0mmのアクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)をゴムラテックスを用いて接着し、ゴムバッキング層を形
成させ色柄マットを作製した。(マットA) 【0015】 比較例 実施例において、実施例と同種のベースであって厚さ0.5mmの不織布を用
い、ポリエステルステープル繊維製ウエッブを使用しなかった以外は実施例と同
様にして色柄マットを作製した。(マットB) 【0016】 色柄鮮明度の目視試験 前記マットA,Bをほぼ同様の床面上に敷き実際の使用条件下に7日間使用し
、同様の条件下に洗浄再生し、これを40回くり返した。 テスト後のA,Bマットの色柄の鮮明度を目視により判定したが、本発明のマ
ットAは40回の再生洗浄後も色模様の境界域が明瞭鮮明であったのに対し、マ
ットBは、境界域がパイルのからみにより中間色を呈し、不鮮明であった。 【0017】 【発明の効果】 本発明の色柄マットは、上記した通り、織布または不織布のベース上にステー
プル繊維製ウエッブを打ち込み固定したものを基布として使用しているため、該
基布上にタフト化されたパイル糸がパイル糸の周囲に存在するステープル繊維の
ウエッブによりほぼ直立状に支えられ、パイル糸同志がマットの洗浄再生処理を
受けてもからみ合うことがなく、色柄の境界域での色分け模様が安定して鮮明に
保持されるという顕著な効果を奏する。
出されると共にその鮮明さの持続性が良好なマットに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、靴底等に付着したダスト類が室内へ持ち込まれるのを防止するため、ダ
スト捕集用のマット類が、事務所、店舗、住居等の玄関、入口等に敷設されて使
用されている。 この種のマットの中には、表面に色別けられた図柄、模様等を表わしたいわゆ
る色柄マットも多く使用されている。 【0003】 この色柄マットは、その洗浄再生を繰り返しながら使用している間に色柄の模
様の境界部において、色相の異なるパイル糸が互いにからみ合うようになり、該
境界域ではその色は境界両側の色の中間色を呈し、結果として、色柄が次第にぼ
やけてくる。このように色柄、模様がぼやけて来ると、特にレンタル用マット等
の場合、その商品価値がそこなわれ、ダストコントロール性能は未だ十分保有し ているにもかかわらず、該マットの商品としての寿命を短かくしてしまう。 【0004】 【発明が解決しようとする問題点】 従って本発明の目的は、マットの最初の使用中は勿論のこと、繰返しレンタル
、洗浄再生を行なうという極めて過酷な条件下で使用しても、色柄、模様が鮮明
に表示され、かついつまでもその状態を安定に維持することができる色柄マット
を提供するにある。 【0005】 【問題点を解決するための手段】 本発明によれば、基布とこれにタフト化されたパイルと基布の非パイル面に施
されたゴムバッキングとから成り、色相のみが異なる複数種のパイルのタフト化
により色柄を現出させたマットにおいて、前記基布は、ポリエステルの織布また
は不織布から成るベース上にステープル繊維製ウエッブが打ち込み固定されてい
るものであり、このステープル繊維製ウエッブ側に前記パイルがタフト化されて
いることを特徴とする柄の鮮明さに優れた、繰り返しレンタル、洗浄再生を行う
ダスト捕集用マットが提供される。 【0006】 【作用】 本発明の繰り返しレンタル、洗浄再生を行うダスト捕集用マットは、ポリエス
テルの織布または不織布から成るベース上にステープル繊維製のウエッブを打ち
込み固定して成る基布を使用したことが重要な特徴であり、この基布に色相のみ
が異なる複数種のパイル糸を打込むことにより色柄を現出させたものである。 【0007】 本発明のマットでは、基布のベース上にステープル繊維製のウエッブが設けら
れており、このウエッブにパイルが打ち込まれているため、タフト化された各パ
イル糸は、その周囲に存在するステープル繊維製ウエッブによりほぼ直立状に支
えられる形になる。 このため、パイル糸はたとえ外力により一旦は曲げられたり、ねじられたりし
ても、容易に元の直立状の状態に復元する。 【0008】 従って、本発明のマットは、洗浄再生をくり返してもパイル糸同志が容易にね
たままの状態に永久変形したり折れ曲がったりすることがなく、又パイル糸同志
がからみ合ったりすることが少ない。このため色柄、模様の境界域においても色
相の異なる境界域付近のパイル糸同志が互いにからみ合ったり、入りみだれて色
柄模様の境界線をぼやけた中間色にしてしまうことがなく、鮮明な色柄境界線を
長期間保持することができるという効果を奏する。 【0009】 【発明の好適態様】 本発明の色柄マットの一例を示す図1(部分断面図)において、基布のベース
1には、ステープル繊維製ウエッブ3が打ち込み固定されており、このベースー
ウエッブ積層物が基布として使用される。即ち、この基布のウエッブ3側面にパ
イル糸2及びこのパイル糸2とは色相のみが異なるパイル糸2′がタフト化され
、更に該ベース1の裏面(非パイル面)にはゴムバッキンング層4が形成される
。 基布のベース1としては、ポリエステルから成る織布や不織布が使用される。 【0010】 一方パイル糸2(乃至2′)としては、巻縮ナイロン繊維、ビニロン繊維、ア
クリル繊維等の合成繊維や、木綿繊維等の天然繊維或いはこれらの2種以上の混
紡繊維等が使用される。パイル形状はカットパイル、ループパイルのいずれでも
よく、又パイル長及び目付量は、従来、ダストコントロール(防塵、除塵)の目
的で使用されるマットの範囲内でよく、一般に3乃至40mmのパイル長及び3
00乃至4000g/m2の目付量であってよい。 【0011】 本発明のステープル繊維性ウエッブ3に使用されるステープル繊維としては、
ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、ビニロン等のポリビ
ニルアルコール系繊維、ポリアクリルニトリル等のアクリル系繊維、ナイロン等
のポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維等の合成繊維又は木綿、その他の天然ス
テープル繊維を挙げることができる。 ステープル繊維製ウエッブ3の厚さはパイル長に対して約5〜50%の厚さに 形成するのが良く、通常0.1mm乃至10mm、好ましくは1mm乃至3mm
の厚みとする。 繊維の太さは、パイル糸2(乃至2′)の太さ及び使用するパイル糸の繊維の
性質により異なるがパイル糸2(乃至2′)よりは細い通常0.1乃至40デニ
ール程度のものを使用するのが好ましい。 【0012】 バッキングに使用するゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレン
ゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、ポリウレタン
等を挙げることができる。 【0013】 これらのゴムをラテックスの形で基布1の裏面全面に塗布し、乾燥し、次いで
加硫して、ゴムバッキング層を形成させる。 さらに、必要に応じて、上記ゴムバッキング層の上に、上記例示した如きゴム
に、それ自体公知の加硫剤、加硫促進剤、顔料、補強剤、エクステンダー等を配
合して成形した未加硫ゴムシートを付着させて加硫硬化させゴムシートを接着さ
せることもできる。 以下に、本発明の色柄マットを実施例に基き更に詳細に説明する。 【0014】 【実施例】 実施例 基布のベース布として、厚さ0.1mmのポリエステル繊維製不織布を用い、
このベース布の上に太さ3デニールのポリエステルステープル繊維から成る厚さ
3mm、目付量260g/m2のウエッブを重ねて合わせて打込み、これを基布
とした。 この基布に、各々白色、赤色、緑色に着色した太さ2600デニールの巻縮ナ
イロン糸を、基布上に高さ10mmで各々打込み、縞模様の色柄をカットパイル
により形成させた。なお目付量はカットパイル糸全体として900g/m2とし た。 この基布の非パイル側面に厚さ1.0mmのアクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)をゴムラテックスを用いて接着し、ゴムバッキング層を形
成させ色柄マットを作製した。(マットA) 【0015】 比較例 実施例において、実施例と同種のベースであって厚さ0.5mmの不織布を用
い、ポリエステルステープル繊維製ウエッブを使用しなかった以外は実施例と同
様にして色柄マットを作製した。(マットB) 【0016】 色柄鮮明度の目視試験 前記マットA,Bをほぼ同様の床面上に敷き実際の使用条件下に7日間使用し
、同様の条件下に洗浄再生し、これを40回くり返した。 テスト後のA,Bマットの色柄の鮮明度を目視により判定したが、本発明のマ
ットAは40回の再生洗浄後も色模様の境界域が明瞭鮮明であったのに対し、マ
ットBは、境界域がパイルのからみにより中間色を呈し、不鮮明であった。 【0017】 【発明の効果】 本発明の色柄マットは、上記した通り、織布または不織布のベース上にステー
プル繊維製ウエッブを打ち込み固定したものを基布として使用しているため、該
基布上にタフト化されたパイル糸がパイル糸の周囲に存在するステープル繊維の
ウエッブによりほぼ直立状に支えられ、パイル糸同志がマットの洗浄再生処理を
受けてもからみ合うことがなく、色柄の境界域での色分け模様が安定して鮮明に
保持されるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の色柄マットの一態様を模式的に示した部分断面図。
【符号の説明】
1 ベース布
2 パイル糸
2′ 2と色相を異にするパイル糸
3 ステープル繊維層
4 ゴムバッキング層
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基布とこれにタフト化されたパイルと基布の非パイル面に施さ
れたゴムバッキングとから成り、色相のみが異なる複数種のパイルのタフト化に
より色柄を現出させたマットにおいて、前記基布は、ポリエステルの織布または
不織布から成るベース上にステープル繊維製ウエッブが打ち込み固定されている
ものであり、このステープル繊維製ウエッブ側に前記パイルがタフト化されてい
ることを特徴とする柄の鮮明さに優れた、繰り返しレンタル、洗浄再生を行うダ
スト捕集用マット。 【請求項2】 前記パイルがカットパイルである請求項1記載のマット。
Family
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