JP2666208B2 - 有機シラン類の製造法 - Google Patents

有機シラン類の製造法

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JP2666208B2
JP2666208B2 JP6068021A JP6802194A JP2666208B2 JP 2666208 B2 JP2666208 B2 JP 2666208B2 JP 6068021 A JP6068021 A JP 6068021A JP 6802194 A JP6802194 A JP 6802194A JP 2666208 B2 JP2666208 B2 JP 2666208B2
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neodymium
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敏明 小林
輝幸 林
俊康 坂倉
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  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機シラン類の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン類のヒドロシラン類によるヒ
ドロシリル化反応は、有機シラン類の製造方法として極
めて有用かつ一般的なものである[B.Marciniec, Compr
ehensive Handbook on Hydrosilylation, Pergamon Pre
ss, Oxford (1992) ]。しかしヒドロシランとしてシラ
ンSiH4を用いる方法は、検討例が極めて限られており、
熱、あるいは光により、またはラジカル開始剤の存在下
で行なわれた例はあるが、収率、選択率が満足のいくも
のではなかった。また、触媒として遷移金属錯体触媒が
試みられた例があるが、収率が悪い上に、触媒の失活が
著しいとされていた[M. Itoh, K. Iwata, R. Takeuchi,
M. Kobayashi, J. Organomet. Chem., 420, C5(199
1)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を克服するシランSiHとオレフィン類のヒドロシリ
ル化反応のための触媒を開発し、有機シラン類、特にジ
アルキルシラン類の製造法を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の希土
類金属錯体存在下における、シランSiH末端オレ
フィン類のヒドロシリル化反応において、特定の条件下
でジアルキル置換の有機シランが選択的に高収率で得ら
れることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)シランSiH末端オレフィン類とのヒドロシ
リル化反応を、ランタン又はネオジムから選ばれた希土
類金属錯体の存在下に行うに当り、シラン1モルに対し
末端オレフィン類を2.5〜6モル用い、反応温度60
〜100℃で反応させて、下記一般式(11)で表わさ
れるジアルキルシラン類を選択的に、かつ、高収率で製
造する有機シラン類の製造法。 一般式(II) RSiH (式中Rは前記末端オレフィンの炭素−炭素二重結合
がヒドロシリル化により水素化されたアルキル基であ
る) ()希土類金属錯体が有機ネオジム錯体である、
(1項記載の有機シラン類の製造法、及び ()有機ネオジム錯体がCp NdCH(SiMe
(式中Cpはペンタメチルシクロペンタジエニ
ル基を、Meはメチル基を表わす。)である、()項
記載の有機シラン類の製造法を提供するものである。
【0006】本発明において触媒として用いる希土類金
属錯体の中心金属としてはランタン又はネオジムで
、好ましくはネオジムである。
【0007】本発明で触媒として用いられる希土類金属
錯体の配位子としては、ハロゲン、水素、アルキル、ア
ラルキル、アリール、アルキルシリル、アリールシリ
ル、オレフィン、ジエン、トリエン、テトラエン、シク
ロジエン、シクロトリエン、シクロテトラエン、アリ
ル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリ
ールチオ、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタ
ジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル、アルキルアミン、アリールア
ミン、ピリジル、アルキルホスフィン、アリールホスフ
ィン、アルキルアリールホスフィン、アルキルイソシア
ニド、アリールイソシアニド、エーテル等を用いること
ができる。これらの配位子は、さらに置換基を有してい
るものも包含する。特に好ましい配位子としては水素、
アルキル[好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル
基、例えばメチル、トリメチルシリルメチル、ビス(ト
リメチルシリル)メチル、エチル、i-プロピル、t-ブチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル]、ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル、テトラヒドロフラン、アルコキシ等を挙
げることができる。
【0008】本発明で触媒として用いられる前記の希土
類金属錯体の構造としては下記一般式(I)で表わされ
るものおよびその会合体が特に好ましいが、これらに限
定されるものではない。 Cp’MR (I)
【0009】(なお式中、Cp’はシクロペンタジエニ
ル基またはその置換体、Mは前記の希土類金属を、
は水素、アルコキシ基、1価の有機基、または1価のシ
リル基を表わす。)
【0010】上記一般式(I)においてR で表わされ
る基のうち、好ましい基としては水素、メチル、トリメ
チルシリルメチル、ビス(トリメチルシリル)メチル、
ネオペンチル、フェニル、ベンジル、アルコキシ等が挙
げられる。
【0011】本発明において用いられる希土類金属錯体
は、錯体として用いてもよいが、反応系中でこれらの錯
体を発生する前駆体または原料の形で反応系に仕込んで
もよい。
【0012】本発明で用いられる末端オレフィン類に
は、特に制限はないが、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセンスチレン、アリルベンゼン等を挙げることが
できる。これらのオレフィン類にはジエン類は含まれな
い。
【0013】反応温度は通常、60〜100℃、好まし
くは60〜90℃の範囲である。反応時間は好ましくは
1〜72時間、より好ましくは4〜48時間である。
【0014】本発明の反応圧力には、特に制限はない
が、通常、常圧〜100 atm の範囲で実施される。
【0015】反応に際しては、溶媒は必ずしも必要では
ないが、トルエン、ベンゼン等の芳香族化合物、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ペンタン、ヘキサン、デカン等の脂肪族炭化水
素等を溶媒として用いることもできる。
【0016】シラン1molに対する末端オレフィン類
の使用量は、通常、2.5〜6モルである。
【0017】触媒として用いる前記希土類金属錯体の使
用量は、いわゆる触媒量でよく、シラン1 mol に対して
0.0001〜0.5 mol 、好ましくは0.001 〜0.05 mol程度の
量用いられる。
【0018】本発明方法で得られる有機シラン類は前記
一般式(II)で表わされる。一般式(II)におい
て、Rは、これを例示すれば、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル2−フェ
ニルエチル、3−フェニルプロピル等である。本発明方
法によれば、目的の有機シラン類を高収率で、かつ、選
択性よく製造することができる。
【0019】反応生成物の分離は、溶媒および未反応の
原料を除去した後に、蒸留、クロマトグラフィー、再結
晶等に付することによって容易に行なうことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によって、シランSiH末端
オレフィン類から、触媒の失活を伴わずに、高収率で、
かつ、選択性よく目的のジアルキルシラン類を得ること
ができ、その工業的意義は多大である。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに具体的に
説明するが、もとより本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0022】実施例1 ステンレス製オートクレーブ(37mlガラスインサート
付)に、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
[ビス(トリメチルシリル)メチル]ネオジム(0.01 m
mol )、1ーオクテン(15.0 mmol )、ベンゼン(4 ml)
を入れ、シランSiH4を1.9 atm (2.5 mmol)圧入し、80
℃で24時間反応したところ、ジオクチルシランが88.4%
生成した。
【0023】実施例2 ステンレス製オートクレーブ(37mlガラスインサート
付)に、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
[ビス(トリメチルシリル)メチル]ネオジム(0.01 m
mol )、1-オクテン(10.0 mmol )、ベンゼン(4 ml)
を入れ、シランSiH4を1.9 atm (2.5 mmol)圧入し、80
℃で24時間反応したところ、ジオクチルシランが87.6%
生成した。
【0024】比較例1 ステンレス製オートクレーブ(37mlガラスインサー
ト付)に、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
[ビス(トリメチルシリル)メチル]ネオジム(0.0
1mmol)、1−オクテン(5.0mmol)、ベン
ゼン(4ml)を入れ、シランSiHを1.9atm
(2.5mmol)圧入し、80℃で24時間反応し
たところ、ジオクチルシランが37.5%生成した。
【0025】比較例2 ステンレス製オートクレーブ(内容積38ml)に、ビ
ス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)[ビス(トリ
メチルシリル)メチル]ネオジム(0.03mmo
l)、1−オクテン(15.0mmol)、ベンゼン
(12ml)、ガスクロマトグラフィー用内部標準とし
てノナン(150μl)を入れ、シランSiHを7.
6atm(7.5mmol)圧入した。室温で攪拌し、
ガスクロマトグラフィーで反応を追跡した。反応結果は
以下のようであった。
【0026】 オクチルシラン ジオクチルシラン 0.5 h 21.4% 痕跡量 1.5 h 57.2% 0.5% 2.5 h 69.9% 1.6% 3.5 h 73.4% 2.2% 4.5 h 74.1% 3.2% 8.5 h 75.2% 4.5%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正人 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−124189(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シランSiH末端オレフィン類との
    ヒドロシリル化反応を、ランタン又はネオジムから選ば
    れた希土類金属錯体の存在下に行うに当り、シラン1モ
    ルに対し末端オレフィン類を2.5〜6モル用い、反応
    温度60〜100℃で反応させて、下記一般式(II)
    で表わされるジアルキルシラン類を選択的に、かつ、高
    収率で製造する有機シラン類の製造法。 一般式(II) RSiH (式中Rは前記末端オレフィンの炭素−炭素二重結合
    がヒドロシリル化により水素化されたアルキル基であ
    る)
  2. 【請求項2】 希土類金属錯体が有機ネオジム錯体であ
    る、請求項1記載の有機シラン類の製造法。
  3. 【請求項3】 有機ネオジム錯体がCp NdCH
    (SiMe(式中Cpはペンタメチルシクロペ
    ンタジエニル基を、Meはメチル基を表わす。)であ
    る、請求項記載の有機シラン類の製造法。
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