JP2665697B2 - 油圧変速伝動装置 - Google Patents

油圧変速伝動装置

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JP2665697B2
JP2665697B2 JP3206524A JP20652491A JP2665697B2 JP 2665697 B2 JP2665697 B2 JP 2665697B2 JP 3206524 A JP3206524 A JP 3206524A JP 20652491 A JP20652491 A JP 20652491A JP 2665697 B2 JP2665697 B2 JP 2665697B2
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秀明 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧変速機構と歯車伝
動機構とを組合わせた油圧変速伝動装置に関し、特に、
耕耘機等においてエンジン動力を走行車輪に変速して伝
達するのに適した油圧変速伝動装置に関する。
【0002】
【従来技術】特開昭61−266868号公報に、収穫機、運搬
機等に利用される油圧変速伝動装置が開示されている
が、この油圧変速伝動装置は、入力軸の入力によって作
動する可変容量ポンプの下側に、この可変容量ポンプか
らの圧送油を受けて変速回転する可変容量モータを設
け、さらにこのモータの下側に、該モータの出力歯車と
噛合する入力歯車を有した歯車伝動機構を設けて構成さ
れている。
【0003】そして前記ポンプとモータはそれぞれ別の
ケース内に納められ、作動油回路を内部に有する厚板状
の回路ブロックの互いに反対側に、該ブロックを挟持す
るようにして取付けられ、このような油圧変速装置の下
側にさらに伝動ケースが接続され、該伝動ケース内に前
記歯車伝動機構が納められている。
【0004】米国特許第4,862,767 号明細書にも、同様
な芝刈機用の油圧変速伝動装置が開示されているが、こ
の油圧変速伝動装置においては、油圧変速装置は一体の
ケース内に納められ、このケースと、歯車伝動機構を納
めた伝動ケースとが、互いに向い合わせに連結され、上
記油圧変速装置に回転を入力する駆動軸と該油圧変速装
置から変速された回転を出力する被動軸とが、伝動ケー
ス内に互いに平行に延設されている。
【0005】そして前記駆動軸にエンジン動力を伝達す
る入力軸が、前記伝動ケース内に該駆動軸に直角に延出
し、両軸が傘歯車を介して連結されている。前記被動軸
は歯車列を介して車軸の差動歯車に連結されているが、
該被動軸は前記駆動軸に関し該差動歯車とは反対側に配
設され、上記歯車列が駆動軸を横切ることとなるので、
駆動軸にアイドル歯車を遊嵌し、該アイドル歯車を経由
して被動軸の回転が差動歯車に伝達されるようになされ
ている。
【0006】
【解決しようとする課題】前記特開昭61−266868号公報
記載のものにおいては、ポンプケースとモータケースと
がそれぞれ別個に回路ブロックの両側に設けられてお
り、その下側にさらに伝動ケースが連結されているの
で、装置の外形が複雑かつ大型となり、これを収穫機等
の作業車両上に設置するに当り、設置スペース等の点で
不具合を生じ易い。
【0007】この点、米国特許第4,862,767 号明細書記
載のものは、外形が単純かつ小型となり、作業車両上へ
の設置が容易であるが、入力軸が伝動ケース内の他の軸
に対して直角に配置されているので、伝動ケースに対す
る軸受穴の加工に工数を要し、また歯車伝動機構の構成
も複雑で、コストが高くつく。さらに、上記従来の2つ
の装置は、いずれも作業車両の走行系だけに対する変速
伝動装置であって、該車両に連結して使用される作業機
にエンジン動力を供給するためには、別個に動力取出し
用の変速伝動装置を設けなければならない。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明はこの
ような事情に鑑みてなされたものであり、本発明におい
ては、入力軸からの入力によって作動する容量可変の油
圧ポンプと、該油圧ポンプからの吐出油を受けて変速回
転する油圧モータと、該油圧モータの出力軸に駆動連結
された歯車伝動機構とを備えた油圧変速伝動装置におい
て、前記油圧ポンプと油圧モータを両者間の油圧回路を
形成するディストリビュータプレートの一方側に並設し
て共通のケースで覆うとともに、該ディストリビュータ
プレートの他方側を伝動ケースの一側面に固定し、前記
油圧ポンプから前記ディストリビュータプレートを貫い
て前記伝動ケース内に延長した前記入力軸を該伝動ケー
スの他側面から外方に突出させるとともに、前記油圧モ
ータの出力軸を前記ディストリビュータプレートを貫い
て前記伝動ケース内に前記入力軸に平行に突出させ、
記伝動ケース内の前記入力軸に関し前記出力軸と同じ側
かつ該入力軸と出力軸を含む平面に関し一方側に前記歯
車伝動機構の各軸を前記入力軸に平行に順次軸支し、さ
らに前記ディストリビュータプレート内の油圧回路の吐
出側油路に連通するリリーフバルブを前記伝動ケース内
の前記平面に関し前記歯車伝動機構の各軸とは反対側か
つ前記入力軸および出力軸の中間位置に配設する
【0009】この油圧変速伝動装置は、油圧ポンプおよ
び油圧モータを内蔵する単一のケースと、歯車伝動機構
を内蔵する伝動ケースとを、ディストリビュータプレー
トを挟んで両側に配して一体化してあるので、外形が単
純、小型となり、作業車両上に設置するに当り設置場所
が制約されることがほとんどない。
【0010】伝動ケース内には、入力軸から歯車伝動機
構の最終出力軸に至るまですべての軸が平行に配設され
ているので、伝動ケースにはこれらの軸に対する軸受穴
をすべて同方向に加工すればよく、従って伝動ケースの
加工が容易である。
【0011】また、組立てに際しては、伝動ケースのデ
ィストリビュータプレート側の半部に設けられた軸受穴
にそれぞれ対応する軸を嵌め込んで置き、次いで伝動ケ
ースの外側の半部をその各軸受穴にそれぞれ対応する軸
を合わせながら装着することにより、極めて簡単に組み
立てることができる。従ってまた、伝動ケースの外側の
半部だけを簡単に取外すことができ、これによって該ケ
ース内の諸部分を外側から点検することができるので、
メンテナンス作業が容易である。
【0012】さらに、伝動ケース内において、モータ出
力軸に駆動連結された歯車伝動機構の各軸が、入力軸に
関し該モータ出力軸と同じ側に順次配設され、歯車によ
る動力伝達経路が入力軸を横切らないので、歯車列の構
成が単純になり、該歯車伝動機構中にさらに歯車変速装
置を介在させることも容易である。また、伝動ケース内
の入力軸に関しモータ出力軸と反対側に、他の動力取出
系統を入力軸に直結して設けることも可能となる。
【0013】本発明においてはまた、前記ディストリビ
ュータプレート内の油圧回路の吐出側油路に連通するリ
リーフバルブを前記伝動ケース内に設ける。ディストリ
ビュータプレートは伝動ケースの一側面に直接固定され
ており、かつリリーフバルブは入力軸および出力軸の中
間位置すなわちディストリビュータプレート内における
油路配設位置に極めて近い場所に配設されるので、リリ
ーフバルブと油路との連通路は極めて短くてよく、また
このリリーフバルブは、歯車伝動機構の各軸を入力軸と
出力軸を含む平面に関し一方側に配設することにより反
対側に生ずる空間内に配設されるので、伝動ケース内の
スペースを有効に利用して装置全体の小型化を図ること
ができる。
【0014】一般に、油圧変速装置を介在させた動力伝
達系においては、該油圧変速装置と出力部例えば走行車
輪との間の適所にトルクリミタを設け、過大なトルクが
伝達されないようになされているが、上記のようなリリ
ーフバルブを設ければ、トルクが過大になって吐出側油
路の油圧が上昇するとリリーフバルブが作動して該油圧
を低下させることにより、伝達トルクが制限されるの
で、特にトルクリミタを設ける必要はなく、動力伝達系
の構成が簡単になる。
【0015】上記リリーフバルブは、入力軸とモータ出
力軸との間の位置においてディストリビュータプレート
の吐出側油路に直接接続することにより、伝動ケース内
にスペースを有効に利用して設けることができ、また加
工、組立、メンテナンスが容易である。
【0016】
【実 施 例】以下、本発明を図示の一実施例について
説明する。
【0017】図1は本発明による油圧変速伝動装置1を
備えた耕耘機2の全体側面図である。この耕耘機2は、
車体3をその前後方向中心線上に配した1輪の走行車輪
4で支持するとともに、車体3の後部上方から互いにハ
字状に拡開しながら後方へ延びる左右1対のハンドル5
を備え、運転者が走行しながらハンドル5で操向する一
輪歩行形耕耘機である。
【0018】車体3の前部にはエンジン6が搭載され、
その後方に油圧変速伝動装置1が設置されており、エン
ジン出力軸7と油圧変速伝動装置1の入力軸8との間に
それぞれプーリを介してベルト9が掛渡され、ベルトカ
バー10によって覆われている。11はテンションプーリで
ある。
【0019】ベルト9を介して油圧変速伝動装置1に伝
達されたエンジン動力は、該装置1内において変速伝動
されて最終出力軸12に出力され、該軸12からチエン装置
13を介して走行車輪4の車軸14に伝達される。油圧変速
伝動装置1は上記最終出力軸12のほかにさらに動力取出
軸(PTO軸)15を有し、入力軸8に入力されたエンジ
ン動力が適宜変速されてこのPTO軸15にも出力され、
次いでチエン装置16を介して、車体3に連結されたロー
タリ作業機17の入力軸18に伝達される。そしてロータリ
作業機17の耕耘爪19が入力軸18からチエン20を介して回
転駆動される。
【0020】図2は油圧変速伝動装置1内における各歯
車軸および歯車類の配置関係を示した側面図である。図
3および図4はこの油圧変速伝動装置1を各歯車軸を含
む面に沿って切断し、平面上に展開して示した断面図
で、図3に前記入力軸8の近傍、図4に前記PTO軸15
の近傍をそれぞれ示してある。
【0021】これらの図から分かるように、油圧変速伝
動装置1は伝動ケース21の車体中心線C側の側面の前方
部分に、油圧変速装置22をボルト23で締結突設して構成
されている。伝動ケース21は内側すなわち車体中心線C
側の部分21aと外側の部分21bとに分割可能となってお
り、図2は外側のケース部分21bを外して伝動ケース21
の内部を示した図面である。
【0022】入力軸8は外側のケース部分21bに軸受24
を介して回転自在に支承され、ケース部分21bから外方
に突出した端部にプーリ25が設けられている。このプー
リ25に図1に示すようにベルト9が巻掛けられ、該ベル
ト9によりエンジン動力が入力軸8に伝達される。入力
軸8の他端は内側ケース部分21aを貫いて油圧変速装置
22内に延び、該装置22のケース26に軸受27を介して枢支
されている。なお本実施例においては入力軸8は2つの
軸部片8a,8bを伝動ケース21内でカップリング28に
より結合して構成されている。
【0023】油圧変速装置22は、ディストリビュータプ
レート29の外側面すなわち伝動ケース21と反対側の面に
油圧ポンプ30と油圧モータ31を上下に並べて設け、これ
らのポンプおよびモータを共通のケース26で覆って形成
されている。油圧ポンプ30は斜板式ポンプで、ポンプ軸
すなわちケース26内に延出した入力軸8と一体に回転し
円周上に複数のシリンダを配列したシリンダブロック32
と、各シリンダに出入自在に設けられたピストン33と、
これらのピストンの頭部に当接しシリンダブロック32の
回転に伴なって該ピストンをシリンダに出入させる斜板
34とから成っている。油圧モータ31も斜板式のもので、
同様にシリンダブロック35、ピストン36および斜板37か
ら成り、シリンダブロック35はモータ出力軸38に固定さ
れている。油圧ポンプ30においては入力軸8の回転運動
が斜板34によりピストン33の出入運動に変換されるのに
対し、油圧モータ31においてはピストン36の出入運動が
斜板37によりモータ出力軸38の回転運動に変換される。
【0024】ディストリビュータプレート29には吐出油
路39と戻り油路40(図2)が油圧ポンプ30と油圧モータ
31との間にまたがって並設されており、油圧ポンプ30に
より戻り油路40の作動油が吸入加圧されて吐出油路39に
吐出され、該吐出油路39の加圧された作動油が油圧モー
タ31に送られてこれを回転駆動した後戻り油路40に戻さ
れる。油圧ポンプ30の吐出油量は斜板34の傾斜角度に応
じて変化し、油圧モータ31の回転数はこの吐出油量によ
り変化するので、斜板34の傾斜角度を調整することによ
り入力軸8の回転を無段に変速してモータ出力軸38に伝
えることができる。斜板34の傾斜角度は走行用変速レバ
ー41(図1)によって行われる。
【0025】モータ出力軸38はディストリビュータプレ
ート29および伝動ケース21の側壁を回転自在に貫通して
伝動ケース21内に突出し、その端部に駆動歯車G1 が固
定され、モータ出力軸38は該歯車G1 を介して走行系統
の歯車伝動機構42に連結されている。歯車伝動機構42は
2本の中間軸43,44と前記最終出力軸12とを各種の歯車
で連結して構成されており、油圧変速装置22により変速
された回転が、モータ出力軸38から、前進時には、歯車
1 ,G2 ,G3 ,G4 ,G5 ,G6 を経て最終出力軸
12に伝達される。中間軸43に設けられた歯車G3 には図
3に示すように歯車G7 が一体に設けられており、かつ
これらは中間軸43に沿って軸線方向にシフト可能に設け
られている。また伝動ケース21の外側の壁部に中間軸43
に隣接して短かい軸45が突設されており、該軸45にリバ
ース歯車G8 が遊嵌され、この歯車G8 は中間軸44上の
歯車G9 と噛合っている。歯車G3 ,G7 を図3に破線
で示すように外側へシフトさせ、歯車G7 ,G8 を係合
させると、中間軸43の回転がG8 を介して中間軸44に伝
えられるので、最終出力軸12は後進方向に回転する。歯
車G3 ,G7 のシフトは前後進切換レバー46(図1)に
より行われる。
【0026】前記中間軸43,44および最終出力軸12は、
図2に示すように、入力軸8の下方すなわち入力軸8に
関しモータ出力軸38と同じ側に、前方から後方へ向って
伝達順に配設され、かつすべての軸が平行であるので、
歯車の配列が単純になり、組立ておよび保守整備作業が
容易である。
【0027】また、歯車伝動機構42の各軸を上記のよう
に配置することにより、入力軸8とモータ出力軸38の間
の前方に、歯車伝動機構42の歯車類によって占められな
いスペースが生じるので、この部分にディストリビュー
タプレート29の吐出油路39に連通するリリーフバルブ47
が設けられている。ディストリビュータプレート29内に
はこのリリーフバルブ設置部分に対応した位置に吐出油
路39が延びているので、図3に示すように吐出油路39に
伝動ケース21側へ向って開口する短かい分岐路39aを設
け、この分岐路39aに直接リリーフバルブ47を接続し、
これを伝動ケース21内に入力軸8に平行に貫入させてあ
る。
【0028】歯車伝動機構42側の抵抗の増大により伝達
トルクが大きくなり、吐出油路39内の油圧が上昇する
と、リリーフバルブ47が作動して吐出油路39内の作動油
を戻り油路40に逃がすので、油圧の上昇が抑制され、こ
れによって伝達トルクが制限されるので、走行車輪4に
至る動力伝達系を過大なトルクに備えて極端に強度の大
きいものとする必要はない。また特にトルクリミタを設
ける必要はない。
【0029】最終出力軸12は車体の前後中心線Cを超え
て伝動ケース21の反対側へ延び、この側で前述のチエン
装置13を介して走行車輪4の車軸14に連結されている
(図3、図5)。すなわち伝動ケース21の端部に設けら
れたスプロケット48と車軸14に設けられたスプロケット
49との間にチエン50が掛渡されており、外側をチエンケ
ース51で覆われている。チエンケース51は上端を伝動ケ
ース21の最終出力軸12を覆う突出部21cの先端に固定さ
れ、このチエンケース51の下端に車軸14が軸受52を介し
て枢支されている。
【0030】伝動ケース21内の入力軸8の上方かつ後方
寄りの部分すなわち前記走行用の歯車伝動機構42の上方
部に、入力軸8から前記PTO軸15に動力を伝達する動
力取出機構53が納められている。この動力取出機構53は
入力軸8とPTO軸15との間に中間軸54を配して成り、
これらの軸15,54も入力軸8に平行に軸支されている。
中間軸54には、入力軸8に固定された歯車G10と常時噛
合う固定の歯車G11と、回転自在に遊嵌されたスプロケ
ット55と、歯車G11とスプロケット55との間で軸線方向
にシフト可能にスプライン嵌合されたシフタクラッチ56
とが設けられており、シフタクラッチ56には歯車G12
一体に形成されている。一方、PTO軸15には、互いに
一体に形成された歯車G13とスプロケット57が回転自在
に遊嵌され、さらに断接クラッチ58が軸線方向にシフト
可能にスプライン嵌合されている。断接クラッチ58がP
TO軸15上を図において右方へ摺動し、その係合部58a
がスプロケット57の側面に突設された係合部57aに噛合
うと、スプロケット57ないし歯車G13の回転が断接クラ
ッチ58を介してPTO軸15に伝えられる。
【0031】中間軸54の上方に、図2および図6に示す
ように、シフト軸59が該中間軸54に平行に、かつ軸線方
向に摺動可能に設けられており、該シフト軸59に固定垂
設されたシフトアーム60の下端が前記シフタクラッチ56
を回転自在に挟持している。そしてシフト軸59の摺動に
より、シフタクラッチ56は、図4に示す正転位置と、図
3に示す逆転位置と、その中間の中立位置を占めること
ができる。図6にはシフタクラッチ56、シフトアーム6
0、シフト軸59の中立位置を実線で示し、正転位置を2
点鎖線、逆転位置を1点鎖線で示してある。シフト軸59
は正逆転切換レバー61(図1)により作動されて軸線方
向に摺動するが、これを前記正転、逆転または中立位置
に位置決めするために位置決め装置62が設けられてい
る。位置決め装置62はシフト軸59に前記3位置にそれぞ
れ対応させて設けられた凹所63と該凹所63に嵌り込むボ
ール64と、このボール64を押圧するスプリング65と、こ
のスプリング65を抑止するボルト66とから成っている。
【0032】シフタクラッチ56が図4に示すように正転
位置に在る時には、歯車G12が歯車G13に噛合い、中間
軸54の回転が歯車G12,G13、G13と一体のスプロケッ
ト57およびこれに係合している断接クラッチ58を介して
PTO軸15に伝えられ、PTO軸15が正転方向に回転駆
動される。一方、シフタクラッチ56が図3に示すように
逆転位置に在る時には、シフタクラッチ56がスプロケッ
ト55と係合し、中間軸54の回転がシフタクラッチ56、ス
プロケット55、チエン67、スプロケット57およびこれに
係合している断接クラッチ58を介してPTO軸15に伝え
られ、PTO軸15は逆転方向に回転駆動される。PTO
軸15の回転は前記チエン装置16を介してロータリ作業機
17の入力軸18に伝達される。68はPTO軸15の突出端に
嵌着されたスプロケット、69はロータリ作業機17の入力
軸18に嵌着されるスプロケット、70は両スプロケット6
8,69に巻掛けられたチエン、71はチエンケースであ
る。
【0033】断接クラッチ58はクラッチレバー72(図
1)によりシフト軸73(図4)を軸線方向に摺動させる
ことにより、シフトアーム74を介して作動されてスプロ
ケット57に係脱する。なお、前述の歯車伝動機構42中の
歯車G3 ,G7 も、シフタクラッチ56のシフト機構と同
様なシフト機構によって作動され、そのシフト軸75およ
び位置決め装置76が図2に示されている。
【0034】上記本実施例の油圧変速伝動装置1は、油
圧ポンプ30および油圧モータ31を内蔵する単一のケース
26と、伝動ケース21とが、ディストリビュータプレート
29を挟んでその両側に配されて一体化しているので、全
体として形状が単純かつ小型であり、耕耘機2上に設置
するに当り設置場所が制約されることが少ない。
【0035】伝動ケース21内の軸はすべて互いに平行に
配設されているので、伝動ケース21にはこれらの軸に対
する軸受穴をすべて同方向に加工すればよく、従って軸
受穴の加工が容易てある。また、組立てに際しては、内
側ケース部分21aに設けられた軸受穴にそれぞれ対応す
る軸を嵌め込み、かつ各歯車も噛合い状態にして置き、
次いで外側ケース部分21bをその軸受穴にそれぞれ対応
する軸を合わせながら装着することにより、極めて簡単
に組立てることができる。なお、入力軸8の一部を構成
する軸部片8bと軸45とは外側ケース部分21bに装着し
ておき、軸部片8bをカップリング28に嵌入させ、かつ
歯車G10と歯車G11および歯車G8と歯車G9 を噛合わ
させながら、ケース部分21bをケース部分21aに取付け
る。従ってまた、伝動ケース21内の大部分の軸および歯
車を内側ケース部分21aに組立て状態に維持したまま外
側ケース部分21bを簡単に取外すことができるので、こ
のようにして伝動ケース21内の諸部分を外側から点検す
ることができ、メンテナンス作業が極めて容易である。
【0036】さらに、伝動ケース21内において、モータ
出力軸38に連結された歯車伝動機構42が入力軸8に関し
該モータ出力軸38と同じ側に配設されているので、反対
側に動力取出機構53を配設し、かくして伝動ケース21内
に走行系と動力取出系の2系統の伝動機構をコンパクト
に納めることができる。
【0037】本実施例においてはまた、軸受27内の吐出
油路39にリリーフバルブ47が設けられており、このリリ
ーフバルブ47により伝達トルクが制限されるので、特に
トルクリミタを設ける必要がない。しかもこのリリーフ
バルブ47は伝動ケース21内のスペースを有効に利用しか
つ吐出油路39に直結されて設けられており、構造が簡単
であるとともに、加工、組立、メンテナンスが容易であ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明による油圧変速伝動装置は、外形
が単純、小型で作業車両上に設置するに当り設置場所が
制約されることが少なく、しかも加工、組立および保守
維持作業が容易である。また、伝動ケース内の歯車伝動
機構の歯車列の構成が単純になるとともに、伝動ケース
内に他の動力取出系統を設けることも容易である。
【0039】さらに、ディストリビュータ内の油圧回路
の吐出側油路に連通するリリーフバルブを伝動ケース内
に設けることにより、特にトルクリミタを設ける必要が
なくなり、動力伝達系の構成が簡単になる。しかも上記
リリーフバルブは加工、組立、メンテナンスが容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による油圧変速伝動装置を備えた耕耘機
の全体側面図である。
【図2】油圧変速伝動装置内における各歯車軸および歯
車類の配置関係を示した側面図である。
【図3】油圧変速伝動装置を各歯車軸を含む面に沿って
切断し平面上に展開した断面のうち入力軸近傍を示す部
分的断面図である。
【図4】PTO軸近傍を示す図3と同様な部分的断面図
である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図2のVI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…油圧変速伝動装置、2…耕耘機、3…車体、4…走
行車輪、5…ハンドル、6…エンジン、7…エンジン出
力軸、8…入力軸、9…ベルト、10…ベルトカバー、11
…テンションプーリ、12…最終出力軸、13…チエン装
置、14…車軸、15…PTO軸、16…チエン装置、17…ロ
ータリ作業機、18…入力軸、19…耕耘爪、20…チエン、
21…伝動ケース、22…油圧変速装置、23…ボルト、24…
軸受、25…プーリ、26…ケース、27…軸受、28…カップ
リング、29…ディストリビュータプレート、30…油圧ポ
ンプ、31…油圧モータ、32…シリンダブロック、33…ピ
ストン、34…斜板、35…シリンダブロック、36…ピスト
ン、37…斜板、38…モータ出力軸、39…吐出油路、40…
戻り油路、41…走行用変速レバー、42…歯車伝動機構、
43…中間軸、44…中間軸、45…軸、46…前後進切換レバ
ー、47…リリーフバルブ、48,49…スプロケット、50…
チエン、51…チエンケース、52…軸受、53…動力取出機
構、54…中間軸、55…スプロケット、56…シフタクラッ
チ、57…スプロケット、58…断接クラッチ、59…シフト
軸、60…シフトアーム、61…正逆転切換レバー、62…位
置決め装置、63…凹所、64…ボール、65…スプリング、
66…ボルト、67…チエン、68,69…スプロケット、70…
チエン、71…チエンケース、72…クラッチレバー、73…
シフト軸、74…シフトアーム、75…シフト軸、76…位置
決め装置、G…歯車。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸からの入力によって作動する容量
    可変の油圧ポンプと該油圧ポンプからの吐出油を受けて
    変速回転する油圧モータと、該油圧モータの出力軸に駆
    動連結された歯車伝動機構とを備えた油圧変速伝動装置
    において、前記油圧ポンプと油圧モータを両者間の油圧
    回路を形成するディストリビュータプレートの一方側に
    並設して共通のケースで覆うとともに、該ディストリビ
    ュータプレートの他方側を伝動ケースの一側面に固定
    し、前記油圧ポンプから前記ディストリビュータプレー
    トを貫いて前記伝動ケース内に延長した前記入力軸を該
    伝動ケースの他側面から外方に突出させるとともに、前
    記油圧モータの出力軸を前記ディストリビュータプレー
    トを貫いて前記伝動ケース内に前記入力軸と並行に突出
    させ、前記伝動ケース内の前記入力軸に関し前記出力軸
    と同じ側かつ該入力軸と出力軸を含む平面に関し一方側
    に前記歯車伝動機構の各軸を前記入力軸に平行に順次軸
    支し、さらに前記ディストリビュータプレート内の油圧
    回路の吐出側油路に連通するリリーフバルブを前記伝動
    ケース内の前記平面に関し前記歯車伝動機構の各軸とは
    反対側かつ前記入力軸および出力軸の中間位置に配設し
    たことを特徴とする油圧変速伝動装置。
  2. 【請求項2】 前記リリーフバルブを前記吐出側油路に
    直接連結した請求項1記載の油圧変速伝動装置。
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