JP2664235B2 - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2664235B2 JP703889A JP703889A JP2664235B2 JP 2664235 B2 JP2664235 B2 JP 2664235B2 JP 703889 A JP703889 A JP 703889A JP 703889 A JP703889 A JP 703889A JP 2664235 B2 JP2664235 B2 JP 2664235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、固体潤滑剤を使用した転がり軸受に関す
るものである。
〔従来の技術〕
転がり軸受を高真空等の条件で使用する場合、グリー
ス等の蒸気圧の高い潤滑剤は雰囲気中に蒸発してしまう
たむに、黒鉛、二流化モリブテン等の蒸気圧の低い固体
潤滑剤の使用が必要になる。
第2図は、従来のX線管に用いられている固体潤滑構
造の落転がり軸受を示している。この軸受7は、内輪2
と外輪3の転走面、及び内外輪2、3間に介在させた転
動体4の表面に固体潤滑剤を用いて潤滑被膜8、9を形
成している。
上記の構造では、すべり及び転がり面に形成された述
活被膜により回転初期において安定した潤滑作用が維持
されるが、この潤滑被膜8、9が摩耗したり一旦はく離
を生じると、この摩耗やはく離した部分に潤滑剤の供給
がないために、その部分で金属接触が生じ、摩擦トルク
と振動が著しく増大する不具合がある。
このような潤滑性能の不安定性に対処したものとし
て、従来第1図に示す構造の軸受が提案されている。こ
の軸受1は転動体4を鉛含有の銅系合金で形成した保持
器5で内外輪2、3間に保持すると共に、その内輪2と
外輪3の転走面2a、3aに固体潤滑剤の被膜6、6を設け
たものである。
上記の構造では内外輪2、3の転走面に設けた潤滑剤
の被膜6が転動体4に転移して潤滑剤として働き、その
被膜6の潤滑剤が不足すると保持器5に含有した鉛が転
送面に供給されて潤滑剤が維持され、長く安定した潤滑
性能が得られる利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記の提案構造においては、保持器5は耐
摩耗性を重視する考えから、硬度がビッカース硬さで80
〜110に範囲で形成されている。しかし、この保持器5
では転走面2a、3aや保持器5表面の固体潤滑剤が減少し
た場合、保持器5と転動体4や内外輪2、3と接触する
摩擦面の剪断力が大きくなり、摩擦トルクが増大すると
共に、形状の大きな摩耗粉が生じる。このような摩耗粉
は摩擦面の表面に付着すると振動増大の原因となり、ま
た、潤滑剤な円滑な供給を阻害し、潤滑耐久性を悪化さ
せる要因になる。
また、従来の保持器5は、鉛を含有した銅系合金を溶
解した後鋳放し法により鋳型形成して形成されている
が、溶解した合金を砂型等を用いてゆっくり冷却した場
合、鉛が大きく結合し合って、第9図に示すごとく銅合
金からなる金属素地10内に大きな鉛の析出層13が不均一
に点在した状態になる。
このように保持器5に鉛が不均一な状態にあると、転
動体との接触部分に存在する鉛の多少によって潤滑性能
が大きく左右されることになり、摩擦トルクや振動が急
に変動する欠点がある。
また、保持器5で転動体を保持する構造とした場合、
高速回転時の保持器5の動揺を押えるため、保持器5を
内輪2又は外輪3に接触案内させることが必要になる
が、潤滑剤のが減少した場合、保持器が振動し易いとい
う欠点があった。
この発明は、従来の構造をもつ欠点を解決するために
なされたもので、高温や高真空の条件で使用される固体
潤滑剤使用の転がり軸受において、耐久性が高く、摩擦
トルクや振動を大きく低減させた軸受を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記課題を解決するための2つの手段を
提供するものであり、その第1の手段は、内輪の転走面
又は転動体の一方に固体潤滑剤の被膜を設け、保持器を
鉛含有銅系金属で形成すると共に、その保持器の硬度を
ビッカース硬度で80未満に設定したものである。
また、第2の手段は、内外輪の転走面又は転動体の一
方に固体潤滑剤の被膜を設け、保持器を鉛含有銅系金属
で形成し、その保持器の転動体及び内外輪と接触する摩
擦面が、鉛を含有する銅合金素地と銅を主成分とする樹
枝状晶と素地内に均一に点在した鉛とから形成されてい
ると共に、樹枝状晶が銅合金素地に対して低い腐食面と
なっている構造を採用したのである。
〔作用〕
上記第1の手段及び第2の手段の構造においては、内
外輪の転走面又は転動体表面に設けた潤滑剤層が回転初
期において転動体又は転走面に転移し、潤滑剤として働
く。
内外輪と転動体の摩擦の繰返しにより、潤滑剤被膜が
圧延されて転走面又は転動体表面の潤滑が不足すると、
保持器に含有された鉛が転走面又は転動体表面に供給さ
れ、転がり及びすべり部分の潤滑の枯渇を防止する。
この場合、第1の手段においては、保持器の硬度を低
く調整したので、保持器の摩擦面に生じる剪断力が小さ
くなると共に、その摩擦面の摩耗が従来構造に比べて緩
やかになり、大きな摩耗粉の発生が制御される。このた
め、摩擦トルクが安定化すると共に、転動体表面への摩
耗粉の付着が少なくなり円滑な潤滑剤の供給が維持され
る。
一方、第2の手段においては、保持器の摩擦面に鉛を
均一に分散させたので、保持器からの潤滑剤の供給量が
一定になり、軸受の摩擦トルクが安定化し、また、銅を
主成分とする樹枝状層を接触面から低くして転動体と銅
合金の接触面積を小さくしたので、摩擦面のみかけ上の
鉛量が増加し、潤滑性が向上する。また、素地に対して
凹所となる樹枝状層に摩耗した鉛が入り込むと、その部
分がいわゆる油潤滑の際の油溜りと同様の作用をするた
め、長時間にわたって安定した潤滑性が維持される。
〔実施例〕
この発明に係る転がり軸受は、第1図に示すものと同
じであり、図に示すように、内輪2と外輪3との間に転
動体4が介在し、この転動体4が保持器5により保持さ
れている。
上記内割2と外輪3の転走面2a、3aには、鉛の潤滑被
膜6が設けられており、また転動体4を保持する保持器
5は鉛青銅等の鉛を含有した銅系合金で形成されてい
る。
内外輪2、3の転走面に設けた潤滑被膜6、6は回転
初期における転動体4の潤滑剤として働き、転動体4に
転移した潤滑剤は保持器5に含有されている鉛を引出す
役目をする。
また、鉛青銅などの鉛を含有した銅系金属は、高真空
中(10-6Torr前後)における高温の条件でも、他の耐熱
性高分子材料よりも放出ガス量が少なく、X線管球のよ
うな真空管中で用いても真空度に悪影響を及ぼさない利
点がある。
本発明者等は、上記構造の転がり軸受1に対して、保
持器5の形成の方法を変えて2種類の軸受試験品を製作
し、その試験品の振動耐久試験を試みた。
第1の試験品は、保持器5の硬度をビッカース硬度で
70に調整して形成した。
一方、第2の試験品は、保持器5を連続鋳造で形成
し、その保持器5の転動体4と内外輪2、3に接触する
摩擦面に腐食処理を施して形成した。この処理について
説明すると、連続鋳造法により溶解した鉛含有の銅系合
金を急冷した場合、第7図に示すように、金属素地10内
に樹枝状晶11が析出し、金属素地10の内部には鉛12が均
一に分散して析出される。
上記の金属素地10は鉛を含有した銅合金で形成されて
いるが、樹枝状晶11は初晶であるためほとんどが銅で形
成されており、銅をごく微量しか含有していない。
このように形成された保持器5の摩擦面に、次に過酸
化水素水(H2O2)とアンモニア水(NH2OH)を混合した
腐食液を付けて6〜8秒間放置すると、銅が主成分であ
る樹枝状晶11が腐食されるが、析出した鉛12や銅を含有
する金属素地10はほとんど腐食されず、第8図に示すよ
うに、保持器5の表面は樹枝状晶11が低くくぼみ、金属
素地10及び鉛12が樹枝状晶11に対して突出した状態にな
る。
ところで、耐久テストにおいては、真空状態での効果
をみるために、X線管球を模した軸受真空試験機を形成
した。
第3図はその真空試験器を示しており、この試験器で
はラジアル荷重を受ける片持式の構造を採用している。
図において、20は真空障壁、21は駆動軸支持台、22は駆
動軸支持台21によりハウジング26を介して支持される駆
動軸であり、駆動軸22の先端が、真空障壁20の内側に回
転可能に支持されたロータ23に固定されている。試験品
の軸受1はハウジング26と駆動軸22の間に取付けられ、
その内輪の内側に駆動軸22が挿入されて内輪とロータ23
が一体で回転するようになっている。障壁20の外側には
ロータ23の外周面に添ってステータ24が設けてあり、ま
たロータ23の先端にはX線管球のターゲットに相当する
ウェイト25が取付けられている。
上記構造では、大気側のステータ24に磁界を発生させ
ると障壁内部のロータ23が磁気励起されて回転する。耐
久テストでは、ステータ24への通電量を一定としてロー
タ23の回転数を3100〜3300回転の範囲で維持されるよう
に制御し、また障壁20内部の真空度を10-6Torr台に維持
して行なった。
テストは、上記の第1試験品と第2試験品、及び第1
図の構造で保持器の硬度をビッカース硬度で80〜110に
設定した従来構造の軸受について連続回転試験を行な
い、時間と共に変化する軸受1の振動量を検出した。テ
スト結果を第4図及至第6図に示す。
第4図は、従来構造の振動量の変化を示している。図
に示すように、回転初期において振動量は比較的低く安
定したレベルにあったが、約3時間を経過したあたりか
ら急激な振動の増大が生じ、それ以後は振動の突発的な
上昇が頻繁に発生した。この振動の増大は、転動体4が
保持器5の摩擦面の鉛がほとんど存在しない部分を通過
したが、転動体4の表面又は保持器の案内部で潤滑剤が
一時的に枯渇した理由が考えられる。
第5図は第1の試験品のテスト結果を示している。こ
の場合、振動レベルは0.10〜0.154Gと非常に低い範囲に
あり、安定した回転が得られたこのように保持器の硬度
を低くすると大きな振動抑制の効果のあることが明らか
である。その理由は、材料が柔かくなることにより保持
器5の面の摩擦面の摩耗が緩やかに生じ、摩耗粉の発生
が少なくなって摩擦面の目づまりをなくし、このため転
動体と接触するポケット面や保持器案内部での潤滑剤の
供給が円滑に行われるためと考えられる。
第6図は、第2図の試験品のテスト結果を示してお
り、第5図の第1の試験品の場合と同様に振動は低く安
定した水準を示した。この理由としては次のような考え
られる。すなわち、第2の試験品においては、鉛を含有
した金属素地10が鉛をほとんど含まない樹枝状晶11より
突出しており、転動体4や内外輪2、3とは突出した金
属素地10の鉛12だけで接触することになる。このため、
従来のように摩擦面全体が接触する場合に比べて接触面
が小さくなるが、鉛含有量は少なくなっているので摩擦
面でのみかけ上の鉛量が増加することになり、良好な潤
滑状態が得られる。
また、金属素地10内に鉛12がまんべんなく分散してい
るため、潤滑剤の供給が一定になり、軸受の摩擦トルク
が安定する。
さらに、摩擦面における摩耗の進行と共に金属素地10
から脱落する鉛12が、低所の樹枝状晶11に入り込むと、
それが長く保持されて樹枝状晶11の部分が鉛の溜り場と
して使用するため、さらに潤滑性が上がり、耐久性が向
上する。
なお、以上の結果は、内外輪2、3の転走面に鉛の潤
滑被膜を形成した場合の結果を示しているが、被膜を転
動体4の表面のみに形成しても同様の特性が得られた。
また、被膜は鉛に変えて二硫化モリブテン等の他の固
体潤滑剤で形成しても同様の結果が得られる。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明は上記のような構成であるので
次のような効果がある。
第1図の手段においては、保持器硬度を低く調整した
ので、保持器摩耗が緩やかになり摩耗粉の発生量を制御
しつつ、十分な潤滑剤の供給ができ、低振動の円滑な回
転を得ることができる。
また、第2の手段においては、保持器の含有させた鉛
の分布を分散したので、保持器からの潤滑剤の供給量が
一定となり、軸受の摩擦トルクが安定化すると共に、保
持器の鉛含有する素地組織を鉛がほとんど含まれない樹
枝状晶より突出させたので、摩擦面でのみかけの鉛量が
増加し、潤滑状態が良好になる。また回転により凹んだ
樹枝状晶に軟質の鉛が埋込まれると、更に耐久性が向上
されるので、長時間にわたって安定した低振動を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る転がり軸受の構造を示す断面
図、第2図は従来構造の断面図、第3図は軸受真空試験
機の一部縦断面図、第4図乃至第6図は軸受の耐久性回
転テストの結果を示す図、第7図はこの発明の保持器の
内部組織図、第8図は第7図の断面図、第9図は従来構
造の保持器の内部組織を示す図である。 1……転がり軸受、2……内輪、 3……外輪、4……転動体、 5……保持器、6……潤滑皮膜、 10……金属素地、11……樹枝状晶、 12……鉛。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内輪と外輪間に介在させた転動体を保持器
    で保持した転がり軸受において、内外輪の転走面又は転
    動体の一方に固体潤滑剤の皮膜を設け、保持器を鉛含有
    銅系金属で形成すると共に、その保持器の硬度をビッカ
    ース硬度で80未満に設定したことを特徴とする転がり軸
    受。
  2. 【請求項2】内輪と外輪間に介在させた転動体を保持器
    で保持した転がり軸受において、内外輪の転走面又は転
    動体の一方に固体潤滑剤の皮膜を設け、保持器を鉛含有
    銅系金属で形成し、その保持器の転動体及び内外輪と接
    触する摩擦面が、鉛を含有する銅合金素地と銅を主成分
    とする樹枝状晶と素地内に均一に点在した鉛とから形成
    されていると共に、樹枝状晶が銅合金素地に対して低い
    腐食面となっていることを特徴とする転がり軸受。
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