JPH0554823U - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

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JPH0554823U
JPH0554823U JP10746991U JP10746991U JPH0554823U JP H0554823 U JPH0554823 U JP H0554823U JP 10746991 U JP10746991 U JP 10746991U JP 10746991 U JP10746991 U JP 10746991U JP H0554823 U JPH0554823 U JP H0554823U
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清 谷本
弘明 大戸
康一 奥田
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】総重量、比重および線膨張係数を従来よりも小
さな値にして、回転性能および潤滑性能を向上するこ
と。 【構成】保持器4は、チタン合金を基材としたものから
なり、この外周面(摺動案内面)には保護膜5がコーテ
ィングされている。保持器4をチタン合金とした場合、
総重量が従来の黄銅系合金や鉄系合金に比べて軽くなる
ので、保持器4の外輪2に対する接触面圧が低くなると
ともにpV値が下がる他、比重および線膨張係数が従来
の黄銅系合金や鉄系合金に比べて大幅に小さな値となる
ので、保持器4の径方向および軸方向左右での重量バラ
ンスがアンバランスになりにくくなるとともに、保持器
4と外輪2との間の案内隙間がほぼ一定に維持される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、高速回転用の転がり軸受に備える保持器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば航空機などのガスタービンエンジンでは、タービン軸がdN値2 00万以上もの高速領域で回転するようになっている。このような高速で回転す るタービン軸を転がり支持する転がり軸受としては、構成要素の接触部分におけ る潤滑が問題になってくる。
【0003】 この種の高速回転での転がり軸受は、通常、保持器を外輪で摺動案内するもの が主流であり、そのため、特に、保持器と外輪との摺動案内部分の潤滑が重要な 課題とされる。
【0004】 従来では、保持器を黄銅系合金(AMS4616)や鉄系合金(AMS641 6)を基材として形成し、この保持器の外周面および外輪の内周面の一方または 両方に固体潤滑剤(例えばAgなど)をコーティングしている。このコーティン グ膜によって保持器と外輪との摺動案内部分の潤滑を行っている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、従来では、保持器を黄銅系合金や鉄系合金で製作しているため、比 重が約8g/cm3 と重くなっており、径方向および軸方向左右での重量バラン スがアンバランスになりやすいなど、バランス調整が煩雑になることが指摘され る。特に、高速回転で用いる転がり軸受の場合、前述の重量バランスが問題とな る。
【0006】 また、前述の黄銅系合金の場合、線膨張係数が19〜20×10-6、鉄系合金 の場合、12×10-6であり、保持器の熱膨張により保持器と外輪との間の案内 隙間が減少しやすくなるため、固体潤滑剤が短期間で摩耗して潤滑不足に陥りや すくなる。
【0007】 本考案は、このような課題を解決するために創案されたもので、総重量、比重 および線膨張係数を従来よりも小さな値にして、回転性能および潤滑性能を向上 することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本考案は、次のような構成をとる。
【0009】 本考案の転がり軸受用保持器は、チタン合金を基材とし、かつ摺動案内される 軌道輪との摺動面に保護膜を形成していることに特徴を有する。
【0010】 なお、本考案において、チタン合金は、TiAl2 金属間化合物などのTi− Al系金属間化合物を含有するTi合金を含むものである。
【0011】
【作用】
保持器をチタン合金とした場合、総重量、比重および線膨張係数が従来の黄銅 系合金や鉄系合金に比べていずれも小さな値となる。したがって、径方向および 軸方向左右での重量バランスがアンバランスになりにくくなる他、案内隙間がほ ぼ一定に維持されるなど、性能アップをもたらす。
【0012】 また、軌道輪に対する保持器の摺動案内面に保護膜を形成することにより、チ タン合金の摺動案内面に他の金属との化合物が生成されるのを防止している。前 述の化合物が生成されると、保持器が脆くなり、機械的強度に悪影響を及ぼす。 さらに、保護膜は、熱拡散率が炭素鋼に比べ約30%以下というチタン合金が金 属接触により高温となり組織変化をきたして脆化したり焼き付いたりするのを防 止する。
【0013】 この保持器を、例えば航空機などのガスタービンエンジンでの転がり軸受に使 用する場合、保持器の保護膜に固体潤滑剤をコーティングすればよい。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】 図1および図2に本考案の一実施例を示している。図中、1は内輪、2は外輪 、3は円筒ころ、4はいわゆるもみ抜き型と称する保持器である。
【0016】 内輪1、外輪2および円筒ころ3は、M50や高速度鋼などの金属またはSi 34などを主体とするセラミックスのいずれか一方からなる。
【0017】 保持器4は、6%Al−4%V−Tiなどのチタン合金を基材としたものから なり、この外周面(摺動案内面)にはNi−Pからなる保護膜5がコーティング されている。この保護膜5としてのNi−Pは、無電解Niメッキ技術により生 成するのであるが、溶解したNi槽内にPを所定量混合させておく必要がある。 そして、この保護膜5のさらに表面には、Cuメッキ膜6と、Agメッキ膜7と が積層されている。Agメッキ膜7は、固体潤滑剤であり、例えば10μm以上 の膜厚に設定される。また、Cuメッキ膜6は、Agメッキ膜7と保護膜5との 両者に対して接合力を増し、保持器4からAgメッキ膜7を剥離させにくくする ためのものである。Cuメッキ膜6は使用条件により省いてもよい。
【0018】 ところで、保持器4をチタン合金とした場合、総重量が従来の黄銅系合金や鉄 系合金に比べて軽くなるので、保持器4の外輪2に対する接触面圧が低くなると ともにpV値が下がる他、比重が4.4〜4.5g/cm3 となり、また、線膨 張係数が8〜9×10-6となり、従来の黄銅系合金や鉄系合金に比べていずれも 約1/2以下にと、小さい値になる。したがって、保持器4の径方向および軸方 向左右での重量バランスがアンバランスになりにくくなる他、保持器4と外輪2 との間の案内隙間が減少せずに済むなど、性能アップにつながる。
【0019】 さらに、チタン合金からなる保持器4にNi−Pからなる保護膜5を形成した ことにより、金属との反応による脆化や摺動熱による脆化が防止できるとともに 、ビッカース硬さが500〔Hv〕以上に設定されており、保持器4の基材であ るチタン合金の補強がなされている。
【0020】 なお、上記実施例では、円筒ころ軸受を例に挙げているが、本考案はこれに限 定されず、他の形態の軸受に適用できる。また、保持器4についても、もみ抜き 型のものだけに限定されず、冠型など種々なものが考えられる。さらに、Agメ ッキ膜に代えてCrメッキ膜を採用したりしてもよい。
【0021】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、保持器をチタン合金とすることにより 、総重量が従来の場合に比べて軽くなるので、保持器の案内軌道輪に対する接触 面圧を低くできるとともにpV値を下げることができる。また、比重および線膨 張係数が従来の場合に比べて大幅に小さな値になるので、保持器の径方向および 軸方向左右での重量バランスを簡易に調整できるようになって高速回転での振れ を抑制できる他、保持器と案内軌道輪との間の案内隙間をほぼ一定に維持するこ とができて、ここでの潤滑性能を安定にできる。
【0022】 このように、本考案では、特に、高速回転で使用される転がり軸受の回転特性 および潤滑特性を向上するのに貢献でき、長期間にわたって優れた性能を発揮で きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の円筒ころ軸受の上半分の縦
断面図。
【図2】図1の一部拡大図。
【符号の説明】
2 外輪 4 保持器

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン合金を基材とし、かつ摺動案内され
    る軌道輪との摺動面に保護膜を形成している、ことを特
    徴とする転がり軸受用保持器。
JP10746991U 1991-12-26 1991-12-26 転がり軸受用保持器 Expired - Fee Related JP2553423Y2 (ja)

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JPH0554823U true JPH0554823U (ja) 1993-07-23
JP2553423Y2 JP2553423Y2 (ja) 1997-11-05

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007119898A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Toyota Motor Corp 摺動部材
WO2017208886A1 (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 Ntn株式会社 転がり軸受

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JP2007119898A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Toyota Motor Corp 摺動部材
WO2017208886A1 (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 Ntn株式会社 転がり軸受

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JP2553423Y2 (ja) 1997-11-05

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