JP3657742B2 - 耐焼付性にすぐれたすべり軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、すべり軸受に関するものであり、さらに詳しく述べるならば、従来のケルメットよりも摺動特性、特に耐焼付性が優れたすべり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銅系摺動材料の代表であるケルメットは、軟質金属又は樹脂からなるオーバレイを一般に10〜20μm被着してエンジン部品に使用されている。すべり軸受の使用初期にオーバレイは相手軸となじんで摩耗し軸と軸受の焼付を起こり難くする。このようにオーバレイの機能はなじみ性にある。
また、オーバレイの下地としてNiめっき(「Niバリヤー」と言われる)をケルメット(「ライニング」と言われる)に設けることも一般に行われている。
オーバレイが消失して下地のケルメットもしくはNiめっきが露出すると、焼付が起こり易くなるために、従来のすべり軸受はオーバレイをなじみに必要な厚さ以上に被着していた。
【0003】
ケルメットに含有されるPb粒子が相手軸により引き伸ばされて摺動面で軟質膜を作り、焼付を防止する作用をもつのであるが、近年ますます過酷になる摺動条件では、この作用だけでは不十分であるのが実際である。
したがって、従来のケルメットの耐焼付性を向上させるために、P,AlなどのCuマトリックスを強化する元素を添加する、なじみ性が優れたBiなどを添加する、グラファイトなどの耐焼付性向上成分を添加する、アルミナなどの耐摩耗性成分を添加する、樹脂を含浸させた樹脂含浸焼結材料とするなどの提案がなされ、それなりの成果を達成している。
【0004】
上記したすべり軸受と相手材の間を潤滑する潤滑油としては、エンジンオイル、トランスミッションオイル、ギヤオイル等があり、これらには硫黄系添加剤が添加されていることが多い。
【0005】
まず、ガソリンエンジンオイルには、エンジンオイルの酸化劣化を防止するためのジアルキルモノサルファイド、エンジンオイルの酸化により発生するスラッジを洗浄するスルフォネート系もしくはフェネート系金属洗浄剤、低粘度エンジンオイルの泡立ちを防止するジチオフォスフェートモリブデン化合物、ジチオカーバメイトモリブデン化合物等が添加される。上記のジアルキルモノサルファイドは基油の酸化により生成するハイドロパーオキサイドをイオン的に分解すると考えられている。しかしながら、これらの添加剤の副作用も指摘されており、例えば、金属系洗浄剤は硫酸灰分スラッジを生成するために使用量が制限されている。また、泡立ち防止剤もすべり軸受の性能に悪影響を及ぼすこともあると言われている。
【0006】
ディーゼルエンジンオイルにはすすによる摩耗対策としてZnDTP(ジアルキルジチオりん酸亜鉛)が添加される。ロータリーエンジンオイルには、硫黄系極圧添加剤としては、硫化オレフィン、硫化油脂等が、また有機金属系摩耗防止剤としてはチオりん酸亜鉛、硫化モリブデンジチオカルバメートがそれぞれ添加される。
【0007】
トランスミッションオイル及びギアオイルには、硫黄系極圧添加剤として硫化オレフィン、硫化油脂等が、また有機金属系摩耗防止剤としてチオりん酸亜鉛、硫化モリブデンジチオカルバメート、及び/またはりん系摩耗防止剤としてりん酸エステルアミン塩などが添加されている。これらのオイル中のイオウ濃度は現在の市販油では0.37〜1.7%であり、またこれらの添加剤の量が多いと銅の腐食が起こると言われている。
【0008】
上記した各種潤滑油が劣化すると、銅系摺動材料は潤滑油による腐食の問題が起こることが知られており、その腐食対策として本出願人は次のような特許出願を行った。
【0009】
米国特許第4878768号:ディーゼルエンジンに使用されるすべり軸受のCu−Pb系焼結合金中のスケルトン内部の間隙に存在するPb相が劣化油により腐食するのを防止するためにInをPb相に添加する。
【0010】
特開平7−118777号:Zn−15%を超え40%以下、黒鉛−0.5〜6%、及びAl2 O3 ,SiO2 ,Fe3 Pの1種以上−0.5〜6%,残部Cuからなる焼結銅合金系摺動部材。この出願では劣化トランスミッションオイルが銅合金表面にCuSを形成することによる腐食を防止するために上記した量のZnを添加している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来のライニングに使用されるケルメットのPbが劣化潤滑油により腐食して表面が粗れ易い;Pbが潤滑油中に溶出してしまい、Pbが存在した部分が空孔になり、ライニングの強度が低下して座屈するなどの理由によりケルメットは耐焼付性が低い。なお、硫黄系添加剤を添加した潤滑油を用いかつ実機の使用条件をほぼ再現する条件で銅系摺動材料の摺動試験を本発明者等が行ったところ、潤滑油の全酸価が次のように著しく増大することが認められ、これと並行して鉛の腐食が進行する。
【0012】
【0013】
従来のすべり軸受では上述の理由によりオーバレイをなじみに必要な最小限の厚さで被着することはできなかった。
【0014】
従来オーバレイの下地として使用されていたNiバリヤーはオーバレイ中のSn,Inがライニング中のPb相に拡散することを阻止してケルメットの耐食性を良好に保つ役割を担っていた。しかし、その反面Niバリヤーが露出した時には、Niが耐焼付性が低いために焼付が起こり易くなるという問題がある。
【0015】
ところで、最近金属材料表面が繰返し滑り摩擦によりアモルファス化することを利用して各種金属材料の表面の耐摩耗性を高めることができるとの研究が発表されている(トライボロジスト、Vol.41, No.2, 1996, 115 〜120 )ので、今後かかる観点からの材料開発が活発になることが予測されるが、本発明者は夙に銅合金への特定添加元素により銅合金表面に形成される化合物を利用して摺動特性を高める研究を鋭意行ってきた。
上述したような技術の現況に鑑み、本発明の第1の目的は耐焼付性に優れたすべり軸受を提供することにある。
本発明の第2の目的は、オーバレイの厚さを薄くしても耐焼付性を良好にすることができる銅系すべり軸受を提供することにある。
本発明の第3の目的は、Niバリヤーがなくても耐食性が良好に保たれる銅系すべり軸受を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、Cuマトリックスに固溶している特定の元素を含む銅合金を使用したライニングの最表面に特定元素の六方晶結晶構造をもつ化合物または亜共晶、共晶又は過共晶の層が形成されることにより上記第1〜第3の目的を達成することができることを解明した。
すなわち、本発明に係るすべり軸受は、Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択
される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag,Sn の少なくとも 1 種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金を裏金に接着してなり、少なくとも使用前の軸受表面から30 μmの深さの領域において前記少なくとも1種の添加元素がCuマトリックス中に固溶され、これらの添加元素の二次相がX線回折で検出されず、かつ前記銅合金の相手軸との摺動面に、前記添加元素どうしのあるいはこれらの添加元素とCuとの六方晶結晶構造をもつ化合物を含有する層が形成されていることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受である。
さらに、本発明に係るすべり軸受は、Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag,Sn の少なくとも 1 種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金を裏金に接着してなり、少なくとも使用前の軸受表面から30 μmの深さの領域において前記少なくとも1種の添加元素がCuマトリックス中に固溶され、これらの添加元素の二次相がX線回折で検出されず、かつ前記銅合金の相手軸との摺動面に、前記添加元素どうしのあるいはこれらの添加元素とCuとの亜共晶、共晶又は過共晶組成を有する層が形成されており、該層中の前記添加元素の濃度は該層以外の銅合金中の濃度より高濃度であることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受である。
以下、本発明を詳しく説明する。
【0017】
Cuマトリックスに固溶している特定の添加元素は摩擦熱の発生やライニング表面組織の変化と並行してライニング表面に移動して、部分的に添加元素の濃縮層を形成し、濃縮がある程度進行すると六方晶結晶構造をもつ化合物が形成され、あるいは亜共晶、共晶もしくは過共晶組成となる。この化合物及び組成は固体潤滑作用が優れており、高面圧下でも摺動特性が優れており、かつ耐食性も良好である。
【0018】
以下、各種化合物の耐焼付性を調べた基礎実験結果を説明する。
表1の組成をもつ合金板もしくは金属板を鋳造及び圧延により加工し、平衡状態図に示される六方晶化合物が形成されるように熱処理を行った。但し、共晶組成のNo.3はこの熱処理を行わなかった。その後試験片(面積1cm2 ,粗さ1.0〜1.5μmRz)に加工し、これを次の条件の耐焼付試験に供した。
【0019】
試験機:図2に示すピンオンディスク試験機
すべり速度:15m/s
荷重:荷重漸増(ステップ式)500N/10min
油種:10W−30
油温:室温
相手材:S55C焼入れ(Hv550〜650)、粗さ;0.5〜0.8μmRz
【0020】
図2において、5は給油パッド、6は油圧シリンダー、7は試験片、8はディスク、9はバランスウェイト、10はロードセルである。
試験結果を表1に示す。
【0021】
【0022】
この表よりCu,Ag,Snなどの純金属よりも1〜15の六方晶結晶構造をもつ化合物もしくは共晶組成がおよそ1.5倍以上の耐焼付性をもつことがわかる。
金属Ag(No.17)及び金属Sn(No.18)は耐焼付性が優れないが、これらの金属結晶が微細に混合した共晶(No.3)は耐焼付性が優れている。このように異種元素共存による効果が認められる。一方、六方晶結晶構造は異種元素共存による効果とへき開性のため耐焼付性が向上していると考えられる。MoS2,グラファイト,h-BNなどhcp構造の物質はへき開性を有するため、低摩擦特性を示し、この結果耐焼付性が向上するので、本発明の六方晶結晶構造をもつ化合物がすぐれた耐焼付性を示すことは同じように考えられる。
【0023】
さらに、表1のNo.1(h −Ag3Sn ),No.3(AgSn共晶).No.10(Cu−Sn共晶)につき摩擦係数及び耐凝着性を測定する基礎試験を行なった。
試験機:図3に示すバウデン・テーバー式スティックスリップ試験機
すべり速度:0.06m/s
荷重:5N
潤滑条件:オイル塗布
相手材:SUJ2(直径8mm)
図3において、11はピン、12は試験片、13はヒーターである。
試験結果を表2に示す。
【0024】
【0025】
表2より六方晶のNo.1が最も凝着しがたいことが分かる。純Agはこれに次ぐ耐凝着性をもっている。純Ag、No.3の共晶、No.1の六方晶はすぐれた耐凝着性をもっており、純Snの耐凝着性は不良であり、また純Cuの耐凝着性は最も不良である。
以上の基礎実験により、上記の六方晶結晶構造をもつ化合物もしくは共晶などをライニングの表面に形成することにより、ライニングの耐焼付性を高めることができるとの着想に到着した。
【0026】
さらに研究を進めた結果、Ag,Snなどは使用前のライニング中で一旦固溶していることが重要であり、上記添加元素は使用前に二次相を形成してはならないことが分かった。具体的には後述のX線回折条件で二次相が摺動に関係する合金の表面部位に認められてはならない。二次相が形成されているCu合金のマトリックスでは添加元素が平衡状態で固溶しているかあるいは非平衡状態で固溶しているのいずれにせよ、摺動後のランニング表面に濃縮し難い。
【0027】
上記のAg,Sn,Cd,In,Mg,Sb,Alなどの添加元素に共通する特長は(イ)銅と合金され易くかつ銅を著しく硬化させない、(ロ)劣化潤滑油に対する耐食性が良好である、(ハ)ライニング表面に濃縮され易い,(ニ)異種元素が共存した場合の摩擦擦係数、耐食性、非疑着性などの特性がすぐれている、(ホ)固溶が可能である、(ヘ)析出し難い、(ト)六方晶化合物もしくは共晶を形成するなどである。
上記添加元素以外のCa,Naなどは(イ)を満足せず、Pbは(ロ)の面で採用できず、V,Wは質量が大きいために銅合金中を拡散し難く(ハ)を満足しない。また、Pb,Biは融点の差が大きいため鋳造中の相分離を解消し難く、(ホ)を満足しない。
【0028】
本発明においては添加元素が軸受として使用中の銅合金中にある程度の期間固溶状態を保っており、摩擦が進行する;軸とランニングの固体接触がひんぱんになるなどの状態に至ってから、添加元素がライニング摺動面で濃縮することが必要である。したがって、析出し易い添加元素は容易に二次相を形成するために濃縮物の供給源となる固溶元素が不足する不都合を招く。したがって(ヘ)の特徴も重要であり、公知の析出型銅合金の添加元素は本発明からは除外されている。
【0029】
(ト)の六方晶結晶構造をもつ化合物は、例えばAg-Sn(ζ−ゼータ相)は重量比で85:15もしくはこの近傍組成のAg,Snが軸受の表面に存在しかつこれらの量がCuの固溶限を超えており、かつ化合物生成のエネルギーが与えられることにより、軸受表面に形成される。このエネルギーはAg,SnがCu合金マトリックス中に固溶し、好ましくは過飽和に固溶しており、これらの元素の二次相がマトリックス中に形成されていないならば、通常の軸受の摺動条件の温度、例えば油温120℃以上で表面が摩滅することにより与えられる。あるいは同等の条件で軸受を使用前に、軸からの圧力に相当する圧力を加えかつ油温に相当する熱を加え、使用中に相当する温度勾配を与える処理を行うこともできる。これらの元素は軸受の表面層に濃縮しその状態でも摺動性能は高められるが、さらにこれらの元素の一部が六方晶結晶構造をもつ化合物を形成することにより摺動性能はさらに高められる。勿論六方晶結晶構造をもつ化合物の割合が多くなるにつれて摺動性能はさらに高くなる。
【0030】
(ト)の共晶は上記した六方晶と基本的に同じであるが特長的点をCu−Ag−Sn系(Ag=3.5wt%,Sn=96.5wt%に比較的融点が低いAg3 SnとSnの共晶点が存在する)について説明すると、Cu−Ag−Sn系合金に(過飽和に)固溶したAg,Snが軸受表面層に濃縮すると、Ag3 SnとSnがCuマトリックス表面に薄く、又は微細に存在する組織となり、表1、2に示されたように単独元素よりも著しく優れた摺動特性が達成される。
【0031】
上記した添加元素を摺動面に十分に濃縮させて六方晶結晶構造をもつ化合物もしくは亜共晶、共晶又は過共晶組成を形成するためには総量で0.1wt%以上を含有させることが好ましい。
【0032】
添加元素が固溶しているならば、その上限は特に数値的に限定されない。しかしながら、Ag,Sn:1〜10wt%,Cd,In,Mg,Sb,Al:1〜15wt%(2種以上の場合は合計量)が好ましい。
【0033】
上記した元素の平衡固溶量は、二元系合金は状態図(M. Hansen, Constitution of Binary Alloys, Mcgrawhill Book Company, New York, 1964 )より定められる固溶量である。例えば、200℃付近でAgは0.1wt%,Snは1.3wt%,Cdは0.5wt%である。また三元系合金では、上記元素の何れか1種が二元系合金の平衡固溶量を超えた組成の合金は非平衡固溶量の添加元素を含有しているものと実用的に扱ってよい。
【0034】
本発明において添加元素を非平衡に固溶した銅合金の製造方法は鋳造法またはアトマイズ法によることが好ましい。鋳造法の場合は溶湯を100℃/分以上の冷却速度で冷却することにより添加元素を強制的に固溶させる方法によることができる。その後の工程では添加元素が析出しないような条件で加工などを行うことができるが、細心の条件管理が必要になるので連続鋳造帯などをそのままライニングとして使用することが好ましい。
焼結法の場合は、アトマイズ粉は銅合金液体を高速冷却し、その後焼結を添加元素の固溶温度域で行いその後例えば50℃/分以上の冷却速度で冷却を行う。
【0035】
上記添加成分以外には0.01〜0.5%のPを脱酸剤もしくは焼結促進剤として添加することができる。
上記組成の残部はCuの他にSi、Oなどの銅に通常含まれる不純物である。銅の純度は竿銅、電気銅、電解精製銅,OFHCなどいずれであってもよい。なお、不純物として許容されるSはCuに対して殆ど固溶度がないために、Cu−S系二次相として存在する。
【0036】
本発明の銅合金を焼結材料として使用する場合は、焼結空孔に樹脂を含浸させることができる。この含浸樹脂としては摺動材料として使用されるほとんどの樹脂を使用することができるが、PI,PAI,PEI,PEEK,芳香族PA,フェノール樹脂、エポキシ樹脂、PTFE、及び他のフッ素系樹脂(PFA、ETFE,FEP)などを好ましく使用することができる。樹脂の量は30〜80体積%であることが好ましく、より好ましくは40〜60体積%である。焼結材料の空孔率は70〜20体積%であることが好ましく、より好ましくは60〜40体積%である。PTFE及びそのほ他のフッ素系樹脂を使用する場合は焼結材料の空孔率を小さく、好ましくは60〜20%にすることができる。
【0037】
含浸樹脂中に固体潤滑剤、耐摩耗性添加剤等も混合することができる。これらは具体的には、グラファイト、PTFE、Pb,Pb−Sn合金、フッ化カーボン、フッ化Pbなどの固体潤滑剤、Al2 O3 ,SiO2 ,Si3 N4 ,クレイ、タルク、TiO2 ,ムライト、炭化カルシウム、Zn,AlN,Fe3 P,Fe2 B,Ni2 B,FeB,球状カーボンなどの耐摩耗性添加剤、ガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維などの無機繊維、芳香族PAなどの有機繊維、SiCウィスカなどのウィスカ、Cu繊維、ステンレス繊維などの金属繊維である。
【0038】
上記したすべり軸受用銅合金の圧延材もしくは焼結材を裏金に接着してすべり軸受とすることができる、また裏金に接着しないソリッド軸受とすることもできる。
本発明に係る銅合金はブシュ用の場合はオーバレイを被着しないで使用され、エンジン各用種軸受、コンロッド軸受、その他の内燃機関用軸受の場合はオーバレイを被着してすべり軸受として使用されることが多いが、使用条件により軸受構造がこれらに限定されるものではない。
潤滑油中で高温下で摺動することによりオーバレイが初期なじみで摩耗し、下地ライニングが露出すると、あるいはオーバレイなしの銅合金が次第に摩耗すると添加元素が表面近傍に次第に移動し、部分的に薄膜に添加元素リッチ相を形成する。
【0039】
摺動後のライニングの表面をSIMS(2次イオン質量分析Secondary Ion Mass Spectroscopy)法で添加元素を分析すると、これらが濃縮している領域が認められる。このような濃縮層は、1μm以下と非常に薄く、かつ添加元素が合金バルク中よりも例えば濃度比で1.3倍以上と高められており、かつ濃縮元素の一部が六方晶結晶構造をもつ化合物または亜共晶、共晶又は過共晶組成となっている。なお濃度比が2倍以上の領域において六方晶結晶構造をもつ化合物あるいは亜共晶、共晶又は過共晶組成が形成され易い。さらに摺動が進むと、濃縮層が潤滑油中の硫黄と反応する。
【0040】
本発明に係るすべり軸受の潤滑に使用される潤滑油の基油及び添加剤は全く制限がない。添加剤として含有されることがある硫黄系添加剤は、(ポリ)サルファイド(スルフィド)、スルフォネート、スルフィネート、スルフェネート、フェネート系(図4参照),(ジ)チオフォスフェート化合物、チオケトン、チオアセタール、チオカルボン酸とその誘導体、スルホキシドとその誘導体、スルフォニル、スルフィニル、スルフェニル、ZnDTP等の化合物がある。すなわち、これらの有機硫黄化合物は何れもすべり軸受の摺動温度である100〜160℃において反応性がある硫酸系酸に分解し、銅合金表面の濃縮物と反応する。
【0041】
上記知見により完成した本発明に係るオーバレイ付きすべり軸受は、Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag,Sn の少なくとも 1 種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金の表面をオーバレイで被覆してなるすべり軸受において、前記オーバレイが部分的に摩滅して表出された前記銅合金の摺動面が、少なくとも部分的に、前記添加元素どうしのあるいはこれら添加元素とCuとの六方晶結晶構造を有する化合物の層よりなり、この銅合金表層に連続する銅合金バルク部は、少なくとも該銅合金表層との界面及びその近傍、すなわち使用前の軸受表面から30μmの領域において、前記少なくとも1種の添加元素を固溶し、かつ該少なくとも1種の添加元素からなるもしくはこれらの添加元素を含む二次相がX線回折で検出されない銅合金固溶体からなることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受ある。
さらに、本発明に係るすべり軸受はAg,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag,Sn の少なくとも 1 種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金の表面をオーバレイで被覆してなるすべり軸受において、前記オーバレイが部分的に摩滅して表出された前記銅合金の摺動面が、少なくとも部分的に、前記添加元素どうしのあるいはこれらの添加元素とCuとの亜共晶、共晶又は過共晶組成をもつ層よりなり、該層中の前記添加元素の濃度は該層以外の銅合金の濃度より高濃度であり、この銅合金表層に連続する銅合金バルク部は、少なくとも該銅合金表層との界面及びその近傍、すなわち使用前の軸受表面から30 μ mの領域において、前記少なくとも1種の添加元素を固溶し、かつ該少なくとも1種の添加元素からなるもしくはこの添加元素を含む二次相がX線回折で検出されない銅合金固溶体からなることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受。
【0042】
図1には本発明に係る裏金付すべり軸受を模式的に示す。
1は鋼板などよりなる裏金であり、2は裏金に圧接、焼結などにより接合されたライニングであり、オーバレイは摩滅した結果ライニングの表面が露出されている。ライニング2の表面には1μm以下のAg,Snなどの濃縮した層3が形成されており、その領域内にさらにこれらの元素が高濃度に濃縮した層4が形成されている。その一部に六方晶結晶構造をもつ化合物あるいは共晶組成4aが作られる。なお、共晶組成とは上述のように完全な共晶組成のみならず、過共晶及び亜共晶組成をも意味している。
以下、六方晶結晶構造をもつ化合物のあるいは共晶組成4aを便宜上六方晶化合物4aと称し、これが耐焼付性、耐凝着性、耐摩耗性、耐食性などを従来のケルメットを大幅に上回るレベルまで向上させる。
裏金1は軟鋼板、合金鋼板あるいはその表面処理(ショットブラスト、酸洗、めっきなど)板である。
【0043】
ライニング2は通常全体が本発明が特徴とする固溶体組織をもつ合金からなる。六方晶化合物4aはバルク2aから供給されたAg,Snなどが濃縮して化合物が形成されているものであり、図1に示した状態よりさらにライニングが摩耗すると、より内部のバルク2aから供給されるAg,Snにより新しい濃縮層3が形成されるために、長期に亘ってすぐれた性能が発揮される。このような濃縮と化合物形成を可能にするためには、固溶元素が濃縮層3との界面及び近傍に存在することが必要である。ここで近傍とはライニングの摩滅量とAg,Snなどの移動距離に関連するが、自動車エンジン用軸受で前者を最大20μmとすると使用前ライニングの表面から約30μm程度である。したがって、前記表面から30μmより深い部分2bではAg,Snは一部析出していても本発明のすべり軸受の性能が低下することはない。
【0044】
本発明のすべり軸受において初期なじみ性を確保するオーバレイは、ライニングの耐焼付性不足を補うように厚く被着する必要はない。すなわち、本発明の銅合金は耐焼付性が優秀であり、事実露出することにより上記の六方晶化合物層が形成されるのでオーバレイを厚く被着する必要はない。したがって、オーバレイは初期なじみの目的のみに薄く形成することが、オーバレイによるコスト増大を抑える面からも好ましい。
オーバレイの厚さは1〜25μmが好ましく、より好ましくは2〜8μmである。オーバレイとしてはPb基、Sn基等の金属オーバレイ、樹脂系オーバレイ、MoS2 +樹脂系オーバレイを使用することができる。
【0045】
本発明の銅合金が潤滑油に長時間さらされた後合金表面に形成される添加元素の濃縮層及び六方晶化合物層は耐食性が優れているために、オーバレイを厚く被着する必要はない。したがって、オーバレイがスズを含有する場合でも従来のようにNiバリヤーをオーバレイとライニングの間に施す必要はない。このために、オーバレイが摩耗してNiバリヤーが露出した際の焼付のおそれがなくなる。但し、相手軸の加工精度が低い場合などには、オーバレイを厚くしたNiバリヤーを設けて、Snの拡散を防止することが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。
【0046】
【実施例】
実施例1
図5(表3)に組成を示す銅合金アトマイズ粉末(粒径150μm以下)を1000℃/秒の溶湯冷却速度で作製し、この粉末を板厚1.5mmの鋼板(SPCC)に厚さが2mmとなるように散布し、水素ガス雰囲気中で850℃、10分の条件で焼結し、その後50℃/分の冷却速度で冷却した。一方比較例1〜6では焼結後の冷却速度が50℃/時間であった点を除いて実施例と同様の条件での処理を行った。得られた焼結材を圧延し(板厚減少率7%)、焼結層の厚さが0.3mmのバイメタル状軸受素材を製造した。さらに、比較例7〜8として従来使用される軸受材を供試した。
なお、表3において、表層における最大強度はバルク(焼結層の内部)に対する各元素のオージェ分析による強度比で表した濃度である。
【0047】
実施例及び比較例を焼付試験開始前にX線回折(条件:Cu管球、30KV、150mA)を行った結果、比較例の組織はCuのピークの他に、Cu−Sn金属間化合物Ag及びSnなどのピークなどが認められた。したがって、この銅合金はAg,Snを固溶したCu固溶体と二次相としてのCu−Sn金属間化合物Ag及びSnから構成されていることが分かる。一方本発明実施例ではCuのピークのみが認められ、Ag,Snは固溶体として存在することが分かる。
【0048】
バイメタル素材を図2に関して説明した焼付試験の試験片に加工し、ピンオンディスク式焼付試験を行い、焼付荷重を求めまた焼付発生時の表面をオージェ分析して表層濃度を求めた結果を表3に示す。
【0049】
また、実施例の試料No.1につき20時間摺動後の表層を上記条件でX線回折した結果を図6及び図7(図6における強度500cps以下の拡大図−但しバックグラウンドからの雑音のピークは概略を表す)に示す。
ところでASTMによる六方晶のAg3 SnのX線回折データ(4−0800,MINOR CORRECTION版)は、d=2.29nm;I/I1 =100,d=2.39nm,I/I1 =80;d=1.76nm,I/I1 =80;d=2.36nm,I/I1 =60であり、このデータと図に示す測定結果がよく一致しているので、表層にはε−Ag3 Snが生成されていることが確認された。また図6,7には金属Cu結晶、Ag結晶からのピークも認められ、これらは図1の領域3,4からの回折したものである。
【0050】
表3よりライニングが固溶体組織の銅合金では摺動中に添加元素が表層に濃縮しかつ六方晶化合物を形成することにより耐焼付性を高めているが、一方ライニングが固溶体と二次相の組織を有する銅合金では摺動中の添加元素の表層への濃縮が起こらないので耐焼付性が不良であることが分かる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以上説明したように、本発明は従来のすべり軸受が直面していた諸問題を抜本的に解決するので、内燃機関用などの部品として従来のケルメットを代替することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るすべり軸受の構造を示す概念図である。
【図2】ピンオンディスク試験機の図である。
【図3】バウデン・テーバー式スティックスリップ試験機の図である。
【図4】フェネート化合物の構造式を示す図である。
【図5】実施例及び比較例の組成及び焼付荷重を示す図表(表3)である。
【図6】表3の試料No.10の摺動後のX線回折チャートである。
【図7】図6の拡大図である。
【符号の説明】
1 裏金
2 ライニング
2a バルク
3 濃縮層
4 高濃度濃縮層
4a 六方晶化合物層(共晶層)
5 給油パッド
6 油圧シリンダー
7 試験片
8 ディスク
9 バランスウェイト
10 ロードセル
11 ピン
12 試験片
13 ヒーター
Claims (16)
- Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag 及び Sn の少なくとも1種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金を裏金に接着してなり、少なくとも使用前の軸受表面から30 μmの深さの領域において前記少なくとも1種の添加元素がCuマトリックス中に固溶され、これらの添加元素の二次相がX線回折で検出されず、かつ前記銅合金の相手軸との摺動面に、前記添加元素どうしのあるいはこれらの添加元素とCuとの六方晶結晶構造をもつ化合物を含有する層が形成されていることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受。
- Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag 及び Sn の少なくとも1種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金を裏金に接着してなり、少なくとも使用前の軸受表面から30 μmの深さの領域において前記少なくとも1種の添加元素がCuマトリックス中に固溶され、これらの添加元素の二次相がX線回折で検出されず、かつ前記銅合金の相手軸との摺動面に、前記添加元素どうしのあるいはこれらの添加元素とCuとの亜共晶、共晶又は過共晶組成を有する層が形成されており、該層中の前記添加元素の濃度は該層以外の銅合金中の濃度より高濃度であることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 前記銅合金中の前記少なくとも1種の添加元素の総量が0.1wt%以上である請求項1又は2記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- Cuマトリックス中に固溶されている前記少なくとも1種の添加元素が非平衡に固溶していることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- さらに0.01〜0.5wt%のPを含むことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 請求項1から5までの何れか1項記載の銅合金を裏金に接着しないでソリッド形態で使用する耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 厚さが1〜25μmのオーバレイにより前記銅合金を被覆したことを特徴とする請求項5又は6記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- オーバレイの厚さが2〜8μmである請求項7記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- オーバレイが前記銅合金に直接接着されていることを特徴とする請求項7又は8記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag 及び Sn の少なくとも1種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金の表面をオーバレイで被覆してなるすべり軸受において、前記オーバレイが部分的に摩滅して表出された前記銅合金の摺動面が、少なくとも部分的に、前記添加元素どうしのあるいはこれら添加元素とCuとの六方晶結晶構造を有する化合物の層よりなり、この銅合金表層に連続する銅合金バルク部は、少なくとも該銅合金表層の近傍、すなわち使用前の軸受表面から30 μmの領域において、前記少なくとも1種の添加元素を固溶し、かつ該少なくとも1種の添加元素からなるもしくはこれらの添加元素を含む二次相がX線回折で検出されない銅合金固溶体からなることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受。
- Ag,Sn,Sb,In,Al,Mg及びCdからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、Ag 及び Snの少なくとも1種が1%以上であり、残部がCu及び不純物からなる銅合金の表面をオーバレイで被覆してなるすべり軸受において、前記オーバレイが部分的に摩滅して表出された前記銅合金の摺動面が、少なくとも部分的に、前記添加元素どうしのあるいはこれらの添加元素とCuとの亜共晶、共晶又は過共晶組成をもつ層よりなり、該層中の前記添加元素の濃度は該層以外の銅合金中の濃度より高濃度であり、この銅合金表層に連続する銅合金バルク部は、少なくとも該銅合金表層の近傍、すなわち使用前の軸受表面から30 μ mの領域において、前記少なくとも1種の添加元素を固溶し、かつ該少なくとも1種の添加元素からなるもしくはこの添加元素を含む二次相がX線回折で検出されない銅合金固溶体からなることを特徴とする耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 前記少なくとも1種の添加元素の総量が0.1wt%以上である請求項10又は11記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 前記少なくとも1種の添加元素が前記バルク部においてCuマトリックス中に非平衡に固溶していることを特徴とする請求項12記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 前記銅合金がさらに0.01〜0.5wt%のPを含むことを特徴とする請求項11から13までの何れか1項記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 前記オーバレイが直接銅合金に被着されていることを特徴とする請求項11から14までの何れか1項記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
- 前記少なくとも1種の添加元素が前記銅合金のバルクの濃度に対して1.3倍以上銅合金表層に濃縮されている請求項11から15までの何れか1項記載の耐焼付性に優れたすべり軸受。
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