JP2664142B2 - 受光素子の製造方法 - Google Patents
受光素子の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は受光素子の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の装置は特開昭60−163470号公報記載の様に、p
型領域とn型領域に対する電極は半導体片の表面と裏面
の異なる面に各々、単独に形成されている構造をもつ。
したがつて、受光面側に形成する電極の取つけは、光の
入射を妨げない様に半導体片の片すみ、または周辺に形
成される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の構造は、例えば、第3図の様になつていた。こ
こで、31は基板であり、これに層32,33,34などを成長す
る。この例では、32はバツフア層,33は受光層,34は表面
層である。表面層34の表面35の1部から、反射導電型の
領域36を不純物拡散によつて形成される。次に絶縁層3
7,電極38(領域36に対する)を被着する。一方、表面35
の反対側の面には光入射窓39となる凸面部と、その周囲
に平面部40を形成する。平面部40には基板31に対する電
極41が被着される。上記の様にして作られたものはステ
ム上に電極36を用いてダイボンデイングし、さらに電極
41とステムにあるポストとを細い金属線を用いてワイヤ
ボンデイングで結線される。 従来の構造は次の様な欠点があつた。まず第1は、1
つの側に光入射窓39の凸面と電極41の形成用平面40が同
時に存在しなければならない事である。これは、凸面の
曲率半径や口径、その精度は入射光の収光効率に大きな
影響を与え、素子特性上の重要な因子であるが、性質の
異なる面が同時に存在する事から、実際上、凸面の精密
な加工は困難であつた。このため、収差が大きく、十分
な集光効率は得られない。第2点は、上記凸面と平面部
の段差の存在により、電極41のパターニングで用いる写
真食刻法において、ホトレジスト膜の厚さの不均一や露
光時の焦点ボケ等によつて、電極41のパターンは著しく
くずれてしまう不良が起きやすい。第3点は、ステムへ
のダイボンデイング不良が高い事である。これは、ステ
ムとの接着は電極38を用いる事に起因する。受光装置の
高速の応答速度は主に直列抵抗と静電容量の減少で達成
されるが、後者の減少のために電極38の大きさは領域36
の内部におさめる事が重要である。領域36は通常100μ
mφ、特に高速性を必要とするものでは50〜30μmφ以
下とするため、電極38は非常に小さくなる。したがつ
て、ステムとの接触面積は小さく、その機械的強度は著
しく弱いため、ハガレ不良の率が高い。第4点は、ボン
デイングの工程が、ダイとワイヤの二回にわたり、複雑
となることである。さらに、ワイヤボンデイングは、半
導体片の周囲に形成された電極41に行なうため、半導体
片のカケ、ハガレが生じやすい欠点があつた。以上の様
な点により、従来の構造では、加工精度と歩留りのうえ
で配慮がなされておらず、問題であつた。 本発明の目的は、このような問題点を改善した受光素
子の製造方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 第1図は参考例である受光素子の断面を示す。第1図
の構成は、pおよびn型電極の入射窓と対向する反対側
の面に形成した片面電極構造としている。さらに詳細に
説明すると、基板1にバツフア層2,受層層3,表面層4を
成長したものの表面層4の表面から不純物の導入により
領域5を形成する。この領域5は各層1〜4の伝導形と
異なる様に形成され、例えば領域5はp型,他はn型で
ある。上記の例において、p型電極6は領域5の表面、
n型電極7は領域5から離れた表面層4の表面に形成さ
れる。図中、8は絶縁保護膜である。光入射面9は電極
6および7の形成面と反対側の基板1側の凸状に形成さ
れる。 第2図は本発明の実施例に係る受光素子の断面を示す
図である。基板21にバツフア層22,受光層23,表面層24を
成長したものの表面層24の表面から、不純物の導入によ
り、領域25を形成する。説明を簡単にするため、前記と
同じく、領域25をp型,他をn型とする。ここで、領域
25を囲む様にミゾ30を設ける。みぞの形はリング型,矩
型など自由であり、その深さは基板に達する深さにす
る。p型電極26は領域25の表面に、n型電極27は溝30に
よって分離された外側の表面層24′の表面から溝30の底
面にかけて形成する。図において、28は絶縁保護層であ
る。光入射窓29はpおよびn型電極26と27が形成される
面とは反対の面、すなわち、基板21側に凸状に形成す
る。 本発明の要旨は、第1導電型化合物半導体基板上に第
1導電型化合物半導体よりなるバッファ層、第1導電型
化合物半導体よりなる受光層および第1導電型化合物半
導体よりなる表面層を順次形成し、 前記表面層表面の一部から不純物を拡散して前記表面
層の一部に第2導電型不純物導入領域を形成し、 前記不純物導入領域を含む前記表面層、前記バッファ
層および前記受光層の一部が島状に存在し、形成した溝
の外側に前記バッファ層、前記受光層および前記表面層
の残部が存在し、溝の底面に前記基板が露出するように
溝を形成し、 前記不純物導入領域上に第1の電極を形成し、 前記溝の外側の前記表面層の表面から前記溝の底面に
またがるように第2の電極を形成し、 前記不純物導入領域を中心とした凸面を前記基板の前
記第1および第2の電極のある面とは反対側の面上に形
成した光入射窓とした受光素子の製造方法にある。 本発明の実施例に係る受光素子では、凸型のレンズ作
用をもつ光入射面と電極の形成面とは異なり、互いに対
向する面にある。この構成では、光入射面側に電極が無
い事から、レンズの直径を大きく取れる事、および、レ
ンズ加工方法に自由度が増して精度良くレンズを作製で
きる。このため、集光効率の高い光入射面が作製できる
事から、pn接合は非常に小さくできるので低暗電流,低
静電容量の受光装置となる事に効果がある。さらに、本
構造では、p型およびn型電極が同一面にある事によ
り、配線基板へのボンデイングは1回の工程で完了で
き、工程が簡素である。ここで、外周側の電極面積は大
きくとれるため、ボンデイングの強度は十分に大きく、
不良の発生は全く生じなくできる。特に、pおよびn型
電極の材料が同一である場合には、それら材料の被着工
程も同時に行なえるので、作製工程は一層、単純なもの
になる利点がある。また、p型電極とn型電極間にミゾ
を形成する事により、接触抵抗の小さい層に対して電極
を設けられるので直列抵抗を小さくできる。このミゾ
は、pn接合の空乏層が表面と平行方向に広がるのを防止
して、表面と垂直方向に延びる様にする電界の制御効果
を持つため高速の応答が可能となる効果がある。 〔実施例〕 参考例 まず第1図を用いて参考例を説明する。n型のInP基
板(1×1019cm-3)1に、InPのバツフア層2,In0.5Ga
0.5Asの受光層3,InPの表面層4を成長した。各層の厚さ
とキヤリア濃度は、いずれも2μmと1×1015cm-3(n
型)である。表面層4の表面からZnを熱的に拡散し、直
径50μm,深さ2.0μmにわたつてp型の領域5を設け
た。p型領域5を中心として、内径40μm,外径120μm
のリング状にSi3N4膜を2000Å,SiO2膜を2000Å被着保護
膜8とした。次にp型領域の中心から直径35μmにわた
り、p型電極6としてTi/Pt/Au膜を1μm,同中心から内
径130μm,外径180μmのリング状にn型電極7としてAu
−Ge/Ni/Au膜を1μm被着して350℃,5分間のアニール
をした。次に、領域5の中心から基板1に対して50μm
離れた点Oを中心にして、主に、基板1を曲率半径200
μmの球面状に研摩し光入射窓9を作つた。これを配線
基板(省略)にボンデイングし、pおよびn型電極に−
および+5Vの電圧を印加しながら、コア径50μm,開口数
0.2の光フアイバーから1.3μmの赤外線を50μWの出力
を光入射窓9から照射した。この結果、完成品の全数に
対し、光フアイバーの軸芯が光入射窓9の頂部から±15
0μmの範囲では30μA以上の光電流が得られた。比較
のため、従来の構造の受光装置を作製した。これを第3
図で説明する。結晶31,32,33,34およびp型領域,p型電
極38の構造,仕様は前述のものと同じであるため、省略
するが、Si3N4膜/SiO2膜37はp型電極38の被着部を除く
全面に被着している。ここで、光入射窓39の曲率中心
O′とその曲率半径は前述と全く同じであるが、その周
囲にn電極41の被着部である平面部40を作つた。光入射
窓39のさしわたしの直径を200μmとした。このとき、
電極41のパターン形成において、光入射窓側の境界は±
20μmにわたり、凹凸となつた。これは、光入射窓39の
頂部と平面部40の差が、約60μmと大きく、写真食刻法
におけるホトレジストの厚さおよび、焦点のボケに原因
していた。また、p型電極38を配線基板にボンデイング
し、次にn型電極41へワイヤボンデイングしたところ、
約50%が断線不良となつた。これは、p型電極38の面積
が小さい上に、ワイヤボンデイング時に片よつた力が加
わるため、p型電極38がハガレを生ずるためであつた。
光学的特性は、光フアイバーの軸芯が光入射窓の中心か
ら±70μmの範囲で25μA以上となり、本参考例のもの
よりも劣つている。これは、光入射窓のさしわたしの直
径が小さいためと、その収差、およびn型電極41のキレ
の悪さに原因している。以上の様に、本発明の装置の構
造では、光入射窓が大きくできるため、光フアイアーと
の高い光学的結合が広い範囲で行なえる事、および、p
およびn型電極が同一面にあり、両者の面積の総和が大
きくできる事から、ボンデイング時の断線がなく、1度
の工程でできる利点がある事がわかつた。 実施例1 第2図に示す構造の受光装置を作製した。n型InP基
板(5×1018cm-3)21に、n型InPバツフア層22,n型InG
aAs受光層23,n型InP表面層24を成長した。ここで、層22
と23は、キヤリア濃度が1×1015cm-3,厚さは2μmで
ある。層24は層23との境界側に3×1016cm-3が2μm,他
が1×1016cm-3が2μmとなる様にした。表面層24の表
面から、直径30μmの円形にZnを拡散して、深さ2μm
の範囲をp型とした領域25を形成した。次に、領域25を
中心に、内径60μm,外径100μmのミゾ30を作つた。ミ
ゾ30の深さは、基板21が露出するまで行なつた。この結
果、領域25は、メサ型の島状に区切られた部分に存在す
る形状となつた。次に、メサの側面およびメサの上面
(領域25の中心20μmφを除く)にSi3N4膜28を2000Å
被着、さらに、領域25に対する電極26(直径20μm)を
被着した。さらに、ミゾ30で区切られた外型の部分の表
面層24′の表面から、ミゾ30の底面(基板21の露出部)
にかけて、内径80μm,外径140μmのリング状電極27を
被着した。領域25を中心として、半径180μmの凸面を
基板21側に形成し、光入射窓29とした。これを配線基板
にボンデイングし、受光装置として完成した。電極26お
よび27に逆方向電圧90Vを印加し、光入射窓29から赤外
線を入射したところ、アバランシエ・ホトダイオードと
しての作用を確認した。得られた特性は、耐圧100V,最
大増倍率50,応答速度8Gb/sであつた。一方、ミゾ30を形
成しない装置では、最大増倍率30,応答速度は4Gb/sと劣
つていた。前者の特性の良い理由な、ミゾ30により、電
極27が不純物濃度の高い基板21と接触できるため接触抵
抗が低い事である。さらに、ミゾ30により、pn接合にか
かる電界が層22,23,24などの界面に対して垂直方向のみ
に整合され、十分な電界強度が印加されるためである。 〔発明の効果〕 本発明により製造した受光素子では、溝を形成し、第
2の電極を溝の外側の表面層の表面から溝の底面にまた
がるように形成している。すなわち、第2の電極は基板
と直接接触し、溝の外側のバッファ層および受光素子を
ショートしている。これにより、第2の電極に起因する
接触抵抗や浮遊容量の低減が図れ、素子の応答性が向上
する。また、pn接合にかかる電界が、島状に存在する不
純物導入領域を含む表面層、バッファ層および受光層の
界面に対して垂直方向にのみ整合され、十分な電界強度
が印加されるという効果がある。
型領域とn型領域に対する電極は半導体片の表面と裏面
の異なる面に各々、単独に形成されている構造をもつ。
したがつて、受光面側に形成する電極の取つけは、光の
入射を妨げない様に半導体片の片すみ、または周辺に形
成される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の構造は、例えば、第3図の様になつていた。こ
こで、31は基板であり、これに層32,33,34などを成長す
る。この例では、32はバツフア層,33は受光層,34は表面
層である。表面層34の表面35の1部から、反射導電型の
領域36を不純物拡散によつて形成される。次に絶縁層3
7,電極38(領域36に対する)を被着する。一方、表面35
の反対側の面には光入射窓39となる凸面部と、その周囲
に平面部40を形成する。平面部40には基板31に対する電
極41が被着される。上記の様にして作られたものはステ
ム上に電極36を用いてダイボンデイングし、さらに電極
41とステムにあるポストとを細い金属線を用いてワイヤ
ボンデイングで結線される。 従来の構造は次の様な欠点があつた。まず第1は、1
つの側に光入射窓39の凸面と電極41の形成用平面40が同
時に存在しなければならない事である。これは、凸面の
曲率半径や口径、その精度は入射光の収光効率に大きな
影響を与え、素子特性上の重要な因子であるが、性質の
異なる面が同時に存在する事から、実際上、凸面の精密
な加工は困難であつた。このため、収差が大きく、十分
な集光効率は得られない。第2点は、上記凸面と平面部
の段差の存在により、電極41のパターニングで用いる写
真食刻法において、ホトレジスト膜の厚さの不均一や露
光時の焦点ボケ等によつて、電極41のパターンは著しく
くずれてしまう不良が起きやすい。第3点は、ステムへ
のダイボンデイング不良が高い事である。これは、ステ
ムとの接着は電極38を用いる事に起因する。受光装置の
高速の応答速度は主に直列抵抗と静電容量の減少で達成
されるが、後者の減少のために電極38の大きさは領域36
の内部におさめる事が重要である。領域36は通常100μ
mφ、特に高速性を必要とするものでは50〜30μmφ以
下とするため、電極38は非常に小さくなる。したがつ
て、ステムとの接触面積は小さく、その機械的強度は著
しく弱いため、ハガレ不良の率が高い。第4点は、ボン
デイングの工程が、ダイとワイヤの二回にわたり、複雑
となることである。さらに、ワイヤボンデイングは、半
導体片の周囲に形成された電極41に行なうため、半導体
片のカケ、ハガレが生じやすい欠点があつた。以上の様
な点により、従来の構造では、加工精度と歩留りのうえ
で配慮がなされておらず、問題であつた。 本発明の目的は、このような問題点を改善した受光素
子の製造方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 第1図は参考例である受光素子の断面を示す。第1図
の構成は、pおよびn型電極の入射窓と対向する反対側
の面に形成した片面電極構造としている。さらに詳細に
説明すると、基板1にバツフア層2,受層層3,表面層4を
成長したものの表面層4の表面から不純物の導入により
領域5を形成する。この領域5は各層1〜4の伝導形と
異なる様に形成され、例えば領域5はp型,他はn型で
ある。上記の例において、p型電極6は領域5の表面、
n型電極7は領域5から離れた表面層4の表面に形成さ
れる。図中、8は絶縁保護膜である。光入射面9は電極
6および7の形成面と反対側の基板1側の凸状に形成さ
れる。 第2図は本発明の実施例に係る受光素子の断面を示す
図である。基板21にバツフア層22,受光層23,表面層24を
成長したものの表面層24の表面から、不純物の導入によ
り、領域25を形成する。説明を簡単にするため、前記と
同じく、領域25をp型,他をn型とする。ここで、領域
25を囲む様にミゾ30を設ける。みぞの形はリング型,矩
型など自由であり、その深さは基板に達する深さにす
る。p型電極26は領域25の表面に、n型電極27は溝30に
よって分離された外側の表面層24′の表面から溝30の底
面にかけて形成する。図において、28は絶縁保護層であ
る。光入射窓29はpおよびn型電極26と27が形成される
面とは反対の面、すなわち、基板21側に凸状に形成す
る。 本発明の要旨は、第1導電型化合物半導体基板上に第
1導電型化合物半導体よりなるバッファ層、第1導電型
化合物半導体よりなる受光層および第1導電型化合物半
導体よりなる表面層を順次形成し、 前記表面層表面の一部から不純物を拡散して前記表面
層の一部に第2導電型不純物導入領域を形成し、 前記不純物導入領域を含む前記表面層、前記バッファ
層および前記受光層の一部が島状に存在し、形成した溝
の外側に前記バッファ層、前記受光層および前記表面層
の残部が存在し、溝の底面に前記基板が露出するように
溝を形成し、 前記不純物導入領域上に第1の電極を形成し、 前記溝の外側の前記表面層の表面から前記溝の底面に
またがるように第2の電極を形成し、 前記不純物導入領域を中心とした凸面を前記基板の前
記第1および第2の電極のある面とは反対側の面上に形
成した光入射窓とした受光素子の製造方法にある。 本発明の実施例に係る受光素子では、凸型のレンズ作
用をもつ光入射面と電極の形成面とは異なり、互いに対
向する面にある。この構成では、光入射面側に電極が無
い事から、レンズの直径を大きく取れる事、および、レ
ンズ加工方法に自由度が増して精度良くレンズを作製で
きる。このため、集光効率の高い光入射面が作製できる
事から、pn接合は非常に小さくできるので低暗電流,低
静電容量の受光装置となる事に効果がある。さらに、本
構造では、p型およびn型電極が同一面にある事によ
り、配線基板へのボンデイングは1回の工程で完了で
き、工程が簡素である。ここで、外周側の電極面積は大
きくとれるため、ボンデイングの強度は十分に大きく、
不良の発生は全く生じなくできる。特に、pおよびn型
電極の材料が同一である場合には、それら材料の被着工
程も同時に行なえるので、作製工程は一層、単純なもの
になる利点がある。また、p型電極とn型電極間にミゾ
を形成する事により、接触抵抗の小さい層に対して電極
を設けられるので直列抵抗を小さくできる。このミゾ
は、pn接合の空乏層が表面と平行方向に広がるのを防止
して、表面と垂直方向に延びる様にする電界の制御効果
を持つため高速の応答が可能となる効果がある。 〔実施例〕 参考例 まず第1図を用いて参考例を説明する。n型のInP基
板(1×1019cm-3)1に、InPのバツフア層2,In0.5Ga
0.5Asの受光層3,InPの表面層4を成長した。各層の厚さ
とキヤリア濃度は、いずれも2μmと1×1015cm-3(n
型)である。表面層4の表面からZnを熱的に拡散し、直
径50μm,深さ2.0μmにわたつてp型の領域5を設け
た。p型領域5を中心として、内径40μm,外径120μm
のリング状にSi3N4膜を2000Å,SiO2膜を2000Å被着保護
膜8とした。次にp型領域の中心から直径35μmにわた
り、p型電極6としてTi/Pt/Au膜を1μm,同中心から内
径130μm,外径180μmのリング状にn型電極7としてAu
−Ge/Ni/Au膜を1μm被着して350℃,5分間のアニール
をした。次に、領域5の中心から基板1に対して50μm
離れた点Oを中心にして、主に、基板1を曲率半径200
μmの球面状に研摩し光入射窓9を作つた。これを配線
基板(省略)にボンデイングし、pおよびn型電極に−
および+5Vの電圧を印加しながら、コア径50μm,開口数
0.2の光フアイバーから1.3μmの赤外線を50μWの出力
を光入射窓9から照射した。この結果、完成品の全数に
対し、光フアイバーの軸芯が光入射窓9の頂部から±15
0μmの範囲では30μA以上の光電流が得られた。比較
のため、従来の構造の受光装置を作製した。これを第3
図で説明する。結晶31,32,33,34およびp型領域,p型電
極38の構造,仕様は前述のものと同じであるため、省略
するが、Si3N4膜/SiO2膜37はp型電極38の被着部を除く
全面に被着している。ここで、光入射窓39の曲率中心
O′とその曲率半径は前述と全く同じであるが、その周
囲にn電極41の被着部である平面部40を作つた。光入射
窓39のさしわたしの直径を200μmとした。このとき、
電極41のパターン形成において、光入射窓側の境界は±
20μmにわたり、凹凸となつた。これは、光入射窓39の
頂部と平面部40の差が、約60μmと大きく、写真食刻法
におけるホトレジストの厚さおよび、焦点のボケに原因
していた。また、p型電極38を配線基板にボンデイング
し、次にn型電極41へワイヤボンデイングしたところ、
約50%が断線不良となつた。これは、p型電極38の面積
が小さい上に、ワイヤボンデイング時に片よつた力が加
わるため、p型電極38がハガレを生ずるためであつた。
光学的特性は、光フアイバーの軸芯が光入射窓の中心か
ら±70μmの範囲で25μA以上となり、本参考例のもの
よりも劣つている。これは、光入射窓のさしわたしの直
径が小さいためと、その収差、およびn型電極41のキレ
の悪さに原因している。以上の様に、本発明の装置の構
造では、光入射窓が大きくできるため、光フアイアーと
の高い光学的結合が広い範囲で行なえる事、および、p
およびn型電極が同一面にあり、両者の面積の総和が大
きくできる事から、ボンデイング時の断線がなく、1度
の工程でできる利点がある事がわかつた。 実施例1 第2図に示す構造の受光装置を作製した。n型InP基
板(5×1018cm-3)21に、n型InPバツフア層22,n型InG
aAs受光層23,n型InP表面層24を成長した。ここで、層22
と23は、キヤリア濃度が1×1015cm-3,厚さは2μmで
ある。層24は層23との境界側に3×1016cm-3が2μm,他
が1×1016cm-3が2μmとなる様にした。表面層24の表
面から、直径30μmの円形にZnを拡散して、深さ2μm
の範囲をp型とした領域25を形成した。次に、領域25を
中心に、内径60μm,外径100μmのミゾ30を作つた。ミ
ゾ30の深さは、基板21が露出するまで行なつた。この結
果、領域25は、メサ型の島状に区切られた部分に存在す
る形状となつた。次に、メサの側面およびメサの上面
(領域25の中心20μmφを除く)にSi3N4膜28を2000Å
被着、さらに、領域25に対する電極26(直径20μm)を
被着した。さらに、ミゾ30で区切られた外型の部分の表
面層24′の表面から、ミゾ30の底面(基板21の露出部)
にかけて、内径80μm,外径140μmのリング状電極27を
被着した。領域25を中心として、半径180μmの凸面を
基板21側に形成し、光入射窓29とした。これを配線基板
にボンデイングし、受光装置として完成した。電極26お
よび27に逆方向電圧90Vを印加し、光入射窓29から赤外
線を入射したところ、アバランシエ・ホトダイオードと
しての作用を確認した。得られた特性は、耐圧100V,最
大増倍率50,応答速度8Gb/sであつた。一方、ミゾ30を形
成しない装置では、最大増倍率30,応答速度は4Gb/sと劣
つていた。前者の特性の良い理由な、ミゾ30により、電
極27が不純物濃度の高い基板21と接触できるため接触抵
抗が低い事である。さらに、ミゾ30により、pn接合にか
かる電界が層22,23,24などの界面に対して垂直方向のみ
に整合され、十分な電界強度が印加されるためである。 〔発明の効果〕 本発明により製造した受光素子では、溝を形成し、第
2の電極を溝の外側の表面層の表面から溝の底面にまた
がるように形成している。すなわち、第2の電極は基板
と直接接触し、溝の外側のバッファ層および受光素子を
ショートしている。これにより、第2の電極に起因する
接触抵抗や浮遊容量の低減が図れ、素子の応答性が向上
する。また、pn接合にかかる電界が、島状に存在する不
純物導入領域を含む表面層、バッファ層および受光層の
界面に対して垂直方向にのみ整合され、十分な電界強度
が印加されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の参考例に係る受光素子の縦断面図、第
2図は本発明の実施例に係る受光素子の縦断面図、第3
図は従来装置の縦断面図である。 9,29,39……光入射窓、6,7,26,27,36,41……電極、30…
…ミゾ。
2図は本発明の実施例に係る受光素子の縦断面図、第3
図は従来装置の縦断面図である。 9,29,39……光入射窓、6,7,26,27,36,41……電極、30…
…ミゾ。
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フロントページの続き
(72)発明者 松田 広志
国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式
会社日立製作所中央研究所内
(72)発明者 大内 博文
国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式
会社日立製作所中央研究所内
(56)参考文献 特開 昭60−163470(JP,A)
特開 昭48−57589(JP,A)
特開 昭61−135155(JP,A)
特開 昭62−36857(JP,A)
実開 昭59−36263(JP,U)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.第1導電型化合物半導体基板上に第1導電型化合物
半導体よりなるバッファ層、第1導電型化合物半導体よ
りなる受光層および第1導電型化合物半導体よりなる表
面層を順次形成し、 前記表面層表面の一部から不純物を拡散して前記表面層
の一部に第2導電型不純物導入領域を形成し、 前記不純物導入領域を含む前記表面層、前記バッファ層
および前記受光層の一部が島状に存在し、形成した溝の
外側に前記バッファ層、前記受光層および前記表面層の
残部が存在し、溝の底面に前記基板が露出するように溝
を形成し、 前記不純物導入領域上に第1の電極を形成し、 前記溝の外側の前記表面層の表面から前記溝の底面にま
たがるように第2の電極を形成し、 前記不純物導入領域を中心とした凸面を前記基板の前記
第1および第2の電極のある面とは反対側の面上に形成
して光入射窓とした受光素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61269648A JP2664142B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 受光素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61269648A JP2664142B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 受光素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63124583A JPS63124583A (ja) | 1988-05-28 |
JP2664142B2 true JP2664142B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=17475274
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61269648A Expired - Lifetime JP2664142B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 受光素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2664142B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0290685A (ja) * | 1988-09-28 | 1990-03-30 | Nec Corp | 半導体受光素子 |
JP4114060B2 (ja) | 2003-02-06 | 2008-07-09 | セイコーエプソン株式会社 | 受光素子の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4857589A (ja) * | 1971-11-19 | 1973-08-13 | ||
JPS61135155A (ja) * | 1984-12-05 | 1986-06-23 | Fujitsu Ltd | 光・電子集積回路装置 |
-
1986
- 1986-11-14 JP JP61269648A patent/JP2664142B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63124583A (ja) | 1988-05-28 |
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