JP2662489B2 - 疲労特性の優れた複層鋼板、およびその製造方法 - Google Patents

疲労特性の優れた複層鋼板、およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接構造物の疲労強度
を向上させるために、表層部に溶接熱サイクルによる変
態膨張を生じせしめ圧縮残留応力を発生させ、疲労亀裂
発生特性を向上させ、かつ疲労亀裂伝播時に亀裂の分岐
を多数発生させて、板厚方向の疲労亀裂伝播抵抗を向上
させた鋼板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物の軽量化、大容量化の要求に応
え、構造用鋼板の高強度化が急速に進んでいる。しかし
ながら、繰り返し荷重を受ける構造物では、降伏強度の
みならず疲労強度を考慮しなければならず、高強度化の
ニーズに応えることができない場合があり、疲労強度の
向上が切望されている。特に、溶接構造物では溶接止端
部から疲労亀裂の発生する場合が多く、鋼材の強度を向
上させても疲労強度は殆ど向上しない。
【0003】溶接構造物の疲労強度は、主として溶接部
の止端部形状によって支配されることが知られており、
溶接部の止端部処理等の疲労強度向上策が適用されるこ
とがある。しかし、止端部処理は、構造物の建造工数を
増大させるばかりでなく、溶接部位によっては止端部処
理が実施できない場合も多く、鋼材面から疲労強度向上
が切望されている。
【0004】溶接継手部の疲労破壊は一般に溶接止端部
から発生するため、溶接止端部での疲労亀裂発生の抑制
と、止端部で発生した疲労亀裂の板厚方向への伝播を遅
延させることが有効である。溶接継手部の疲労破壊は一
般に応力集中の大きな溶接止端部から発生するため、発
生特性は溶接止端部形状に大きく影響されることが知ら
れている。また、疲労亀裂伝播を遅延させるためには、
疲労亀裂伝播面に垂直方向に亀裂を分岐させることが有
効であることが、Proceedings of an
international conference
sponsored by Metals Socie
ty(21−23,October,1981,Lon
don)のP.79〜に記載されている。また同様な方
法として日本造船学会論文集Vol.169,pp.257〜
266では微小セパレーションによる疲労亀裂伝播速度
向上効果を示しており、セパレーション指数が大きい程
微小セパレーションも発生しやすいとの報告がなされて
いる。しかしながら、通常のセパレーション指数として
用いられているSImax はシャルピー試験片破面から求
めるものであり、SImax と疲労伝播速度の関係を調査
した結果、SImax と疲労伝播特性の間には直接関係が
認められないことがあった。
【0005】また、セパレーションによる疲労亀裂伝播
速度遅延効果はΔK値の低いレベルで有効なことが、前
述の日本造船学会論文集Vol.169,pp.257〜26
6に記載されているが、セパレーションは結晶方位の異
なる集合組織間の塑性異方性により発生するものであ
り、ΔK値の低い領域では塑性域が小さいためセパレー
ションの発生が困難となる。そこで、低ΔK値レベルで
も疲労亀裂の伝播を遅延させるようなマイクロクラック
を発生させるのに必要な組織制御に関する技術の開発が
望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、疲労強度を
向上させるために、疲労亀裂発生部である溶接止端部に
圧縮残留応力を発生せしめ疲労亀裂発生までの寿命を増
大させるとともに、疲労亀裂先端に低ΔK領域でもマイ
クロクラックを多数発生させる組織制御を行い疲労伝播
寿命をも増大させる鋼板とその製造技術を提供すること
を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の通
りである。 (1)鋼板の表裏面からそれぞれ0.2mm以上板厚25
%以下の領域が3%以上のNi量を含有する化学成分を
有し、鋼板の表裏面からそれぞれ少なくとも板厚の5%
以上の範囲にわたって、隣接する結晶粒どうしで結晶方
位の等しい粒から構成されるコロニーのアスペクト比
(長軸径/短軸径の比)が4以上でかつその短軸径が5
μm以下の組織からなることを特徴とする疲労特性の優
れた複層鋼板。
【0008】(2)鋼板厚みをt、圧延前の鋳片厚みを
0 とした時に、鋼板の表裏面からそれぞれ0.2×t
0 /t(mm)以上0.25×t0 /t(mm)以下の領域
が3%以上のNi量を含有する化学成分を有する鋳片
を、Ac 3 点以上の温度で粗圧延を終了後、圧延中途中
水冷時の板厚をt1 とした時、表層から少なくとも板厚
方向に0.05×t1 (mm)以上の領域を2℃/sec以上の
冷速でAr 1 点以下の温度まで急冷して、その後、当該
表層部がAr3 以下の温度から圧延を開始もしくは再開
し、Ac1 ℃からAc3 ℃の範囲で圧延を終了し、その
後Ac3 点以上に復熱させないことを特徴とする疲労特
性の優れた複層鋼板の製造方法。
【0009】本発明において、対象とする構造用鋼は、
溶接部での変態膨張を生じせしめるために表層部の鋳片
に含有させるNi以外の元素に関しては、例えば前記し
た特公昭58−14849号公報に記載され、次記する
ように、通常の溶接構造用鋼が所要の材質を得るため
に、従来から当業分野での活用で確認されている作用・
効果の関係を基に定めている添加元素の種類と量を同様
に使用して同等の作用と効果が得られる。従って、これ
等を含む鋼を本発明は対象鋼とするものである。これ等
の各成分元素とその添加理由と量を以下に示す。Cは、
鋼の強度を向上する有効な成分として添加するものであ
るが、0.20%を超える過剰な含有量では、2相域圧
延時の変形抵抗を増して圧延を困難にするばかりか、溶
接部に島状マルテンサイトを析出し、鋼の靭性を著しく
劣化させるので、0.20%以下に規制する。Siは溶
鋼の脱酸元素として必要であり、また強度増加元素とし
て有用であるが、1.0%を超えて過剰に添加すると、
鋼の加工性を低下させ、溶接部の靭性を劣化させる。ま
た、0.01%未満では脱酸効果が不十分なため、添加
量を0.01〜1.0%に規制する。
【0010】Mnも脱酸成分元素として必要であり、
0.3%未満では鋼の清浄度を低下し、加工性を害す
る。また鋼材の強度を向上する成分として0.3%以上
の添加が必要である。しかし、Mnは変態温度を下げる
ので、過剰の添加により2相域圧延温度が下がりすぎ、
変形抵抗の上昇をきたすので、2.0%を上限とする。
AlおよびNは、Al窒化物による鋼の微細化の他、圧
延過程での固溶、析出により、鋼の結晶方位の整合およ
び再結晶に有効な働きをさせるために添加する。しか
し、添加量が少ない時にはその効果がなく、過剰の場合
には鋼の靭性を劣化させるので、Al:0.001〜
0.20%、N:0.020%以下に限定する。以上
が、本発明が対象とする鋼の基本成分である。
【0011】これらの基本成分に加え、表層部には、溶
接施工時に熱影響を受けて変態する際にマルテンサイト
変態して膨張し、止端部で通常生じる引張残留応力を低
減させ、むしろ圧縮残留応力を発生させるようにNi量
を3%以上添加するものである。しかしながら、Ni量
の添加はコスト上昇を引き起こし、かつ疲労亀裂伝播を
遅延させるために導入する集合組織を発達させるために
は、Ar3 点温度が高い方が望ましいので疲労亀裂発生
に効果のない板厚内部でのNi量含有は不必要である。
そこで、Ni含有層の厚みを5mm以下と規制している。
【0012】本発明における組織の規定理由を次に示
す。疲労亀裂先端でマイクロクラックを発生しやすくす
るためには、集合組織の発達が有用である。このマイク
ロクラックを発生させるために必要な集合組織を得るた
めに、隣接する結晶粒どうしの方位が等しいコロニーの
長径と短径の比(アスペクト比)を4以上と規定した。
さらに、集合組織を集合組織コロニーの短軸径を5μm
以下にしたのは、繰り返し荷重下において塑性域の小さ
な低ΔK領域でも結晶方位の異なるコロニー間での塑性
異方性から局所変形を生じさせマイクロクラックを容易
に発生させるためである。
【0013】
【作用】発明者らは、疲労亀裂発生寿命を増大させるた
めに溶接止端部での残留応力を圧縮側にすることで疲労
亀裂発生を抑制する方法に着眼し、鋼材の表(裏)層部
にNiを含有した成分とすることで、溶接止端部で熱影
響を受けた部分が変態する際に膨張し、圧縮残留応力を
付与させうることを見いだした。Ni量を変化させて変
態膨張挙動を測定した結果、Ni量が3%以上になると
顕著な膨張が確認された。
【0014】隅肉溶接や角巻溶接のような鋼板表面に溶
接する際には、鋼板表面で熱影響を受けるので表層部が
十分なNi含有量であれば表層部での膨張が期待でき
る。しかし、突合せ溶接を適用する際には、板厚表層部
から内部にわたって熱影響部が存在するため、疲労亀裂
発生の問題となる表層部において圧縮残留応力を発生さ
せるためには板厚内部には変態膨張を生じさせないこと
が必要である。そこで、疲労亀裂発生の問題となる表層
部のみをNi含有させることとし、その効果を発揮させ
るために必要なNi含有表層部の厚みは溶接部のミクロ
欠陥を考慮して0.2mm以上とし、板厚方向での膨張差
を活用するために板厚の25%以下の厚みとした。
【0015】さらに、従来から注目されているセパレー
ションの発生による疲労強度向上効果に着眼して実験を
種々実施してきた結果、日本造船学会論文集Vol.16
9,pp.257〜266に記載されているように、ΔK
値の小さい領域でしかセパレーション指数であるSIma
x の大きな鋼材でも疲労伝播速度の遅延効果のないこと
を確認した。これは、セパレーションの発生による疲労
強度向上機構が図1に示すように発生した微小セパレー
ションどうしの間を疲労亀裂が進展する時に生じる遅延
効果によっているためである。
【0016】そこで、特開平3−44444号公報に記
載されているように、伝播中の脆性亀裂に先だってセメ
ンタイト相からマイクロクラックが発生し亀裂先端の応
力状態を緩和させていることに着眼し、伝播中の疲労亀
裂先端にマイクロクラックを生じせしめる方法について
種々検討を行った。その結果、疲労亀裂先端では、脆性
亀裂先端よりも低いΔK値でマイクロクラックを生じさ
せる必要があり、かつ疲労亀裂伝播速度遅延にはマイク
ロクラックの発生頻度も増加させる必要のあることを知
見した。
【0017】まず、塑性域寸法の小さな低ΔK領域でも
マイクロクラックが生成する条件を求めるために、図1
に示すように、テンパーカラー法により現出させた集合
組織コロニーのアスペクト比と疲労試験において微小セ
パレーション発生限界K値および板厚方向限界破壊応力
の関係を求めた。アスペクト比が4以上では板厚方向限
界破壊応力が低下しマイクロクラックの生成が容易とな
り、塑性域寸法の小さな低ΔK領域でもマイクロクラッ
クが生成することを知見した。
【0018】次に、マイクロクラックの発生頻度を増加
させるために、結晶粒径と集合組織を変化させて実験を
行い、テンパーカラー法により現出させた集合組織コロ
ニーの疲労亀裂進展方向の寸法(短軸径)とマイクロク
ラック発生密度の関係を調査した。その結果、図2に示
すようにマイクロクラック発生密度は、集合組織のコロ
ニー寸法に大きく依存した。
【0019】集合組織コロニーの短軸径と表面亀裂伝播
試験片での公称繰り返し曲げ応力Δσ=160MPa での
破断回数の関係を図3に示す。集合組織コロニーの短軸
径が10μm以上では破断寿命は変わらず、5μm以下
では破断寿命が大幅に向上した。集合組織コロニー短軸
径が10μmレベルの場合の2倍以上の破断寿命を確保
するためには、集合組織コロニー短軸径が5μm以下で
ある必要を知見した。これらの試験片の破面と組織の関
係を詳細に調査した結果、集合組織の短軸径が5μm以
下の組織の試験片では、亀裂先端でのマイクロクラック
の密度が高く実質的に亀裂先端での応力が緩和されてい
ることが示された。また、破面の起伏も短軸径が小さく
なるにつれて顕著となっており、クラッククロージャに
よるΔKeff の低下効果も発揮されていることが判明し
た。
【0020】したがって、集合組織の短軸径を小さくし
ていくことにより、従来セパレーション発生鋼材の疲労
亀裂伝播遅延メカニズムとは全く異なった、多数のマイ
クロクラックの発生による亀裂先端での応力低下やクラ
ッククロージャによる疲労亀裂伝播遅延メカニズムによ
り疲労特性を大きく向上できることを知見した。
【0021】この組織を達成するためには、例えば、昇
温過程中のフェライトにある必要量の加工を与え、かつ
オーステナイト化への逆変態を防止すれば、加工フェラ
イトに導入された転位は回復、再配列を起こし、フェラ
イト等のマトリックス組織の超細粒化が図られ、さらに
フェライトへ与えた加工により発達させた集合組織はそ
のまま残留させることにより本発明の組織が達成できる
ことを知見した。
【0022】また、廻し溶接部等の鋼板付加物の応力集
中部から発生する疲労破壊に注目し、その成長過程を観
察した結果、疲労寿命の8割以上が疲労亀裂の発生およ
び板厚方向へ2mm程度の深さに成長するのに要している
ことが判明した。このことから、板表層の組織改質が重
要であることを知見し、表層改質部の厚みを変化させて
疲労破断寿命を調査した。その結果図4に示すように板
厚の30%が組織改質されていれば板厚全体が改質され
ている場合と同等の寿命を示し、工業的に意味のある現
行材の2倍以上の疲労寿命を達成するために必要な表層
改質層の厚みは板厚の5%以上であることを知見した。
【0023】鋼板表層部に本発明の組織を形成せしめる
ためには、例えば、圧延中に鋼板表面を水冷し、Ar1
点以下とすることで一旦フェライト変態させてしまい、
冷却によっても殆ど温度の低下しない板厚中心部の顕熱
を利用して、表層部のフェライト組織を昇温させながら
さらに圧延を行い表層部に集合組織コロニーの短軸径が
5μm以下となる改質組織が形成できることを知見し
た。本発明は以上の知見に基づきなされたものである。
【0024】
【実施例】実施例の供試鋼の成分を表1に、製造条件お
よび得られた材質を表2に比較例と共に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】本発明例である試験番号1〜9は表層部に
所定のNi含有層を有し、表層部もしくは板厚全体にわ
たりテンパーカラー法で現出させた集合組織のコロニー
の短軸径が5μm以下、アスペクト比が4以上の組織を
有しており、その組織の厚みに応じて疲労強度が向上し
ている。比較例である試験番号10〜11は表層部に所
定のNi含有層を有しているものの、試験番号10はN
i含有層の厚みが25%以上あり、当該厚みが25%以
下である試験番号1と比較して、疲労特性はむしろ低下
している。
【0030】試験番号11は表層Ni層の厚みが0.2
mm以下であり、表層Ni含有層の効果は得られず、本発
明例である試験番号1より疲労特性は良好でない。試験
番号12は、粗圧延後の冷却およびその後の昇温加工圧
延を実施していないので、所定の表層Ni含有層は有し
ているものの所定の表層組織が形成されずに疲労特性
は、本発明例である試験番号1より劣化している。試験
番号13〜16は、表層Ni含有層がなく、試験番号1
3,15は粗圧延後の所定の冷却、圧延を実施してお
り、所定の表層組織は有しているものの本発明例より疲
労特性は低い。また、試験番号14,16は通常の鋳片
で、通常の圧延を適用した結果である。
【0031】
【発明の効果】本発明は上記した手段を用いて上記した
作用を利用したので、溶接止端部に圧縮の残留応力を生
じせしめ疲労亀裂の発生寿命を延命させるとともに、表
層の組織改質により疲労亀裂進展中の破面にマイクロク
ラックを発生せしめ、その結果、廻し溶接継手やT継手
のように鋼板表面から疲労亀裂が発生し、板厚方向に伝
播する形態の疲労損傷の軽減、防止を可能とするもの
で、当業分野はもちろん、関連分野にもたらす効果が大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンパーカラー法により求めた集合組織のコロ
ニーのアスペクト比(長径/短径)と板厚方向の限界破
壊応力の関係、およびマイクロクラックを発生させるの
に必要な限界ΔK値との関係の図表である。
【図2】テンパーカラー法により現出させた集合組織コ
ロニーの疲労亀裂進展方向の寸法(短軸径)とマイクロ
クラック発生密度の関係の図表である。
【図3】テンパーカラー法により現出させた集合組織コ
ロニーの短軸径と表面亀裂伝播試験における公称繰り返
し応力Δσ=160MPa での破断寿命との関係の図表で
ある。
【図4】板厚に対する表層組織改質部の厚みの比と、表
面亀裂伝播試験における公称繰り返し曲げ応力Δσ=1
60MPa での破断寿命との関係の図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土師 利昭 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 平4−337027(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の表裏面からそれぞれ0.2mm以上
    板厚の25%以下の領域が3%以上のNi量を含有する
    化学成分を有し、鋼板の表裏面からそれぞれ少なくとも
    板厚の5%以上の範囲にわたって、隣接する結晶粒どう
    しで結晶方位の等しい粒から構成されるコロニーのアス
    ペクト比(長軸径/短軸径の比)が4以上でかつその短
    軸径が5μm以下の組織からなることを特徴とする疲労
    特性の優れた複層鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板厚みをt、圧延前の鋳片厚みをt0
    とした時に、鋼板の表裏面からそれぞれ0.2×t0
    t(mm)以上0.25×t0 /t(mm)以下の領域が3%以
    上のNi量を含有する化学成分を有する鋳片を、Ac 3
    点以上の温度で粗圧延を終了後、圧延中途中水冷時の板
    厚をt1 とした時、表層から少なくとも板厚方向に0.
    05×t1 (mm)以上の領域を2℃/sec以上の冷速でAr
    1 点以下の温度まで急冷して、その後、当該表層部がA
    3 以下の温度から圧延を開始もしくは再開し、Ac1
    ℃からAc3 ℃の範囲で圧延を終了し、その後Ac3
    以上に復熱させないことを特徴とする疲労特性の優れた
    複層鋼板の製造方法。
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