JPH06207241A - 継手部の脆性破壊伝播停止性能の優れた溶接用構造用鋼とその製造方法 - Google Patents

継手部の脆性破壊伝播停止性能の優れた溶接用構造用鋼とその製造方法

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JPH06207241A
JPH06207241A JP5000812A JP81293A JPH06207241A JP H06207241 A JPH06207241 A JP H06207241A JP 5000812 A JP5000812 A JP 5000812A JP 81293 A JP81293 A JP 81293A JP H06207241 A JPH06207241 A JP H06207241A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 Ac3 点以上の温度の鋼片もしくは鋼板を、
圧延中途中水冷時の板厚をt0 、製品板厚をtとした
時、表層から少なくとも板厚方向に0.05×t0 /t
(mm)以上の領域を2℃/sec以上の冷速でAr3 点以下ま
で急冷して、その後、当該表層部がAr3 点以下の温度
から圧延を開始もしくは再開し、一旦Ar3 変態点以下
となった表層部の温度が(Ac3 −30)℃以下の温度
で、かつ板厚中心部の温度がAr3 点−50℃以上Ar
3 点+10℃以下の範囲で圧延を終了し、その後表層部
が少なくともAr1 点迄を当該表層部を1℃/sec以上の
冷速で冷却する。 【効果】 従来高Ni系鋼でしか達成し得なかった溶接
継手部の脆性破壊伝播停止性能を、破壊経路を制御して
飛躍的に向上させる高継手アレスト鋼が生産性よく経済
的に安定して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接構造物の安全性を
向上させるために、これまで3.5%以上のNiを含有
した高Ni鋼でしか実現しえなかった溶接構造物の溶接
継手部の脆性破壊伝播停止(アレスト)性能をNi元素
等の高価な合金元素の添加に頼ることなく飛躍的に向上
させる鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】継手部の脆性破壊伝播停止性能は、9%
Ni鋼製LNGタンクの安全性確保に関する研究〔参考
文献:製鉄研究No.322号(1986),p.44−
51〕や、LPGタンクの安全性を確保するための材料
選定に関する研究〔参考文献:田中潔/東京大学博士論
文(1988)〕において検討されているが、広く検
討、注目されている鋼材特性ではない。その理由は、溶
接継手部の脆性破壊に対する安全性を確保するために破
壊発生防止が最も重要であり、破壊発生防止に多くの研
究が集中していること、および脆性破壊発生防止よりも
一般には脆性破壊伝播防止の方が技術的に難易度が高い
ためである。これまでの知見では、継手アレスト性能
は、鋼材のNi量と溶接材料のNi量、および溶接開先
形状に依存する。継手アレスト性能に及ぼす鋼材Ni含
有量の効果は、3%以上のNi量で顕著に現れることが
知られており、Ni量が3%以下では、これまで継手ア
レスト性能を確保しようとする技術的期待はできないと
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼材の化学
成分と溶接方法によって決定される溶接熱影響部の脆性
破壊伝播停止性能を、継手部に存在する母材組織の集合
組織を活用して、脆性亀裂を母材側に誘導して母材のア
レスト性能により脆性亀裂伝播を停止させる鋼材および
その製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、これまで鋼材
のNi量と溶接条件(溶接材料、方法)によってのみ決
定されると考えられていた継手アレスト性能を、製造コ
ストを大きく上昇させる高価なNi元素の添加に頼るこ
となく、母材組織の集合組織を活用して脆性亀裂を母材
側に誘導し、母材部の表層超細粒組織により脆性破壊を
伝播停止させるという新しい脆性亀裂伝播制御技術を駆
使して、継手アレスト性能のよい鋼板およびその製造方
法を提供するものである。
【0005】本発明は、円相当粒径が3μm以下の組織
が70%以上存在し、隣接する結晶粒どうしで結晶方位
の等しい粒から構成されるコロニーのアスペクト比(長
軸径/短軸径の比)が4以上であることを特徴とする表
層組織が板厚の5%以上存在し、かつ板厚内部の集合組
織発達程度を示す圧延面での(100)面のX線面強度
比が1.5以上を有する組織から構成される複層組織よ
りなる継手部の脆性破壊伝播停止性能の優れた溶接用構
造用鋼である。
【0006】更に、Ac3 点以上の温度の鋼片もしくは
鋼板を、圧延中途中水冷時の板厚をt0 、製品板厚をt
とした時、表層から少なくとも板厚方向に0.05×t
0 /t(mm)以上の領域を2℃/sec以上の冷速でAr3
点以下まで急冷して、その後、当該表層部がAr3 点以
下の温度から圧延を開始もしくは再開し、一旦Ar3
態点以下となった表層部の温度が(Ac3 −30)℃以
下の温度で、かつ板厚内部の平均温度がAr3 点−50
℃以上Ar3 点+10℃以下の範囲で圧延を終了し、そ
の後表層部が少なくともAr1 点迄を当該表層部を1℃
/sec以上の冷速で冷却することを特徴とする前記1に記
載する当該組織を有する継手部の脆性破壊伝播停止性能
の優れた溶接用構造用鋼の製造方法である。
【0007】また、本発明は強度確保のために圧延後更
に冷却速度が5℃/sec以上で加速冷却し、焼戻し熱処理
をすることにより製造することを特徴とする前記1に記
載された組織を有する鋼板の製造方法である。
【0008】本発明において、発明が対象とする構造用
鋼は、例えば前記した特公昭58−14849号公報に
記載され、次記するように、通常の構造用鋼が所要の材
質を得るために、従来から当業分野での活用で確認され
ている作用・効果の関係を基に定めている添加元素の種
類と量を同様に使用して同等の作用と効果が得られる。
従ってこれ等の元素を含む鋼を本発明は対象鋼とするも
のである。
【0009】これ等の各成分元素とその添加理由と量は
以下の通りである。Cは鋼の強度を向上する有効な成分
として0.02%以上添加するものであるが、0.20
%を超える過剰な含有量では、2相域圧延時の変形抵抗
を増して圧延を困難にするばかりか、溶接部に島状マル
テンサイトを析出し、鋼の靭性を著しく劣化させるの
で、0.02〜0.20%に規制する。Siは溶鋼の脱
酸元素として必要であり、強度増加元素として有用であ
るが、1.0%を超えると鋼の加工性が低下し、溶接部
の靭性が劣化し、0.01%未満では脱酸効果が不十分
なため、添加量を0.01〜1.0%に規制する。
【0010】Mnは鋼材の強度を向上する成分として
0.3%以上の添加が必要であるが、Mnの添加は変態
温度を下げるので、過剰の添加は2相域圧延温度を下げ
すぎ変形抵抗が上昇するので2.0%を上限とする。A
lおよびNはAl窒化物による鋼の微細化の他、圧延過
程での固溶、析出による鋼の結晶方位の整合および再結
晶のために添加するが、添加量が少ない時は効果がな
く、過剰の添加は鋼の靭性を劣化させるので、Alは
0.001〜0.20%に、Nは0.020%以下とす
る。PおよびSは、母材の靭性確保のため、それぞれ
0.01%以下、0.01%以下とする。また、Ni
は、継手アレスト性能のみならず、継手CTOD特性等
の低温靭性を向上させるのに極めて重要な元素であるの
で、その鋼材の使用温度に応じてNiを添加してもよ
く、0〜10%までをその添加範囲とする。
【0011】以上が、本発明が対象とする鋼の基本成分
であるが、母材強度の上昇或いは、継手靭性の向上の目
的のため、要求される性質に応じて、合金元素を添加す
る場合は、変態温度を下げ過ぎると2相域での変形抵抗
が増し、圧延が困難になるので、添加する合金としては
Cr,Mo,Cu,W,P,Co,V,Nb,Ti,Z
r,Ta,Hf,希土類元素,Y,Ca,Mg,Te,
Se,Bの1種類以上が使用できるが、その添加量は合
計で4.5%以下に規制する。
【0012】
【作用】本発明者らは、種々の溶接継手の破壊試験を多
数実施した。その検討の中で、溶接継手部に存在する切
り欠き欠陥から発生した脆性亀裂が、溶接継手部に反っ
て伝播しない場合があった。この現象は、一般に主応力
方向に及ぼす溶接残留応力の影響であることが知られて
いるが、脆性亀裂伝播方向に溶接残留応力の影響を受け
にくい中央切り欠きタイプのSCA試験〔参考文献:A
STM−STP905,(1986),pp.22−4
4.〕でも、母材の集合組織の発達程度により溶接継手
部から母材部へ亀裂が反れることのあることを知見し
た。
【0013】母材が集合組織の発達している場合には、
圧延方向(L方向と称する)に応力を負荷して脆性破壊
を伝播させると、圧延方向に45度程度の角度(R方向
と称する)をなしてジクザクに伝播することが知られて
いる。この現象は、鋼板の異方性によるものであり、L
方向より、R方向の方がアレスト性能が低いので脆性破
壊伝播しやすいことによる。溶接継手のフュージョンラ
イン近傍では、1300℃程度まで溶接時に温度が上昇
し、母材製造時に導入した集合組織が消滅してしまう
が、溶接継手の開先形状がX形、もしくはV形のような
場合は、溶接部に存在する欠陥から発生した脆性亀裂先
端が、熱影響により集合組織の消滅していない母材組織
に合致する確率が高く、母材部のR方向のアレスト性能
を継手部のアレスト性能より低くしておけば、母材部に
亀裂伝播を誘導することができる。
【0014】本来、母材のR方向のアレスト性能を低く
して、脆性亀裂を誘導したのであれば、母材部に反らせ
ても、脆性亀裂が伝播してしまう可能性があり、破壊を
停止させることはできないが、母材部の表裏層部に、ア
レスト性能の極めて高い組織を形成させておくことによ
り、母材部に誘導した脆性亀裂を確実に停止させること
ができる。すなわち、図1に示すように、継手アレスト
性能を確保するために、継手部を脆性破壊伝播させず、
鋼板内部の集合組織により脆性亀裂を母材側に誘導し、
母材部に反れた亀裂を表裏層部の改質組織により確実に
停止させる新しい継手アレスト性能の向上方法を実現し
たのである。
【0015】図1の(b)においては継手部に存在す
る欠陥と母材相が合致した部分において、母材(中心
部)の集合組織により45度方向に脆性亀裂の向きを変
える。又は母材表層のアレスト性能の高い組織により
脆性破壊を停止させることを示す。
【0016】この方法により継手アレスト性能を確保す
るには、母材の集合組織の程度、表裏層部の組織とその
厚み、および継手の溶接熱影響部幅、溶接開先の関係の
把握が必要である。そこで、下記に示すような化学成分
を有する一般的な溶接構造用鋼を用いて、種々の実験を
行った。 C :0.04〜0.15% Si:0.15〜
0.25% Mn:0.4〜1.6% Al:0.01〜
0.05% P :0.005〜0.008% S :0.001
〜0.003% Ni:0〜3.5%
【0017】まず、集合組織により脆性亀裂をR方向に
反らせるために必要な集合組織発達程度を定量化するた
め、種々2相域圧延条件を変化させて集合組織レベルの
異なる鋼板を製造した。集合組織を定量化するために、
X線面強度を測定した。また、ESSO試験を実施し、
脆性亀裂伝播挙動を調べた。図2は、ESSO試験での
脆性破壊伝播方向が応力負荷方向となす角度と、X線面
強度との関係を示したものである。圧延面での(10
0)X線面強度が1.5以上であれば、脆性亀裂が応力
負荷方向から反れて伝播することを知見した。
【0018】次に、脆性破壊伝播性能の極めて優れた表
層組織の特徴を明らかにするために、結晶粒径と集合組
織の程度を変化させた鋼板を試作した。集合組織は一般
にX線面強度で評価するが、ここでは前述の亀裂の伝播
方向のようなマクロ的な観点ではなく、結晶粒レベルで
の微視的な破壊の発生特性を検討するために、結晶方位
によって酸化皮膜の厚みの変化を利用したテンパーカラ
ー法を適用して同一結晶方位を有するコロニーを現出さ
せ、アスペクト比(長径/短径の比)を評価した。
【0019】図3に、アスペクト比の異なるフェライト
粒径と脆性破壊発生靭性Kcとの関係を示す。テンパー
カラー法により現出したアスペクト比(長径/短径の
比)を4以上として集合組織を発達させ、かつセパレー
ションを極低温でも発生させるようにフェライト粒径を
3μm以下に細粒化することにより、−196℃でも脆
性破壊が生じなかった。これは、マトリックス組織であ
るフェライトを超細粒化し限界微視的破壊応力を高め、
かつセパレーションを発生可能な集合組織を発達させた
ためである。
【0020】この組織を達成するためには、例えば、昇
温過程中のフェライトにある必要量の加工を与え、かつ
オーステナイト化への逆変態を防止すれば、加工フェラ
イトに導入された転位は回復、再配列を起こし、フェラ
イトの超細粒化により限界微視的破壊応力の向上がはか
れ、かつフェライトへ与えた加工により発達させた集合
組織はそのまま残留させることにより本発明の組織が達
成できることを知見した。
【0021】そこで、圧延中に鋼板表面を水冷し、Ar
1 点以下とすることで一旦フェライト変態させてしま
い、冷却によっても殆ど温度の低下しない板厚中心部の
顕熱を利用して、表層部のフェライト組織を昇温させな
がら更に圧延を行い表層部のみ集合組織を有する3μm
以下の超細粒組織を形成させた。この時、圧延後空冷さ
せたものは、圧延後の温度が高いため超細粒組織の一部
が粒成長を生じ、目的の組織が得られないことがあっ
た。そこで、圧延後粒成長を抑制するため、Ar1点ま
で冷却させたところ1℃/sec以上の表層部冷却速度であ
れば所定組織を得ることが確認できた。また、圧延中の
水冷条件等を変化させて、その表層改質組織の厚みを変
化させた鋼板のR方向のKca性能を調査した結果、表
層改質組織の厚み増大によってKca特性が向上した。
すなわち、継手部に要求されるKca性能に応じて必要
な表層改質組織の厚みが存在することが知見された。
【0022】
【実施例】実施例の供試鋼の成分を表1に、製造条件お
よび得られた材質を表2に比較例と共に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】本発明例の試験番号1〜12および比較例
の試験番号14,18は、粗圧延後に冷却を適用し、鋼
板表層部をAr1 点以下にしてフェライト変態させた
後、板厚内部の顕熱による復熱過程で圧延したため、表
裏層部の組織が超細粒化し、テンパーカラー法で現出さ
せた集合組織コロニーのアスペクト比も十分であり、L
方向の母材アレスト性能は−80℃以下であった。本発
明例である試験番号1〜12は、圧延温度も適正であっ
たため、表裏層部のみならず、板厚内部にも集合組織を
導入させることができ、その結果、SMAW溶接継手の
アレスト性能を混成ESSO試験および継手SCA試験
で評価したところ、継手部に導入された脆性亀裂は母材
側に反れて母材表裏層組織に伝播を阻止されて停止し
た。継手突入時のK値が400kgf/mm1.5 の亀裂を停止
できた温度を求めたところ、−70℃以下の性能を示し
た。また、負荷応力40kgf/mm2 、導入亀裂長さ120
mmの条件下でのSCA試験で停止を示す下限温度である
SCA温度も−50℃以下を示した。
【0029】一方、比較例である試験番号14,18
は、板厚内部の集合組織の発達が十分でなかったため、
継手部に突入した脆性亀裂は母材側に反れずそのままH
AZ部を伝播し、従来材のレベルの継手アレスト性能を
示した。また、比較例である試験番号15,19は、粗
圧延後に冷却を適用し、鋼板表層部をAr1 点以下にし
てフェライト変態させたものであるが、比較例の試験番
号15は復熱過程での圧延仕上げ温度が高かったため、
表層部の粒径が3μm以下とならずアスペクト比も4以
上とならなかった。また、試験番号19は復熱過程での
圧延後の冷却速度が遅かったため粒成長してしまい、所
定の表層組織を得ることができなかった。比較例である
試験番号13,16,17,20〜24は、圧延途中水
冷を適用することなく、試験番号16,21は集合組織
を発達させる2相域圧延を、その他は通常の圧延を行っ
たものである。通常圧延材は、継手アレスト性能はほぼ
Ni量に依存するとの従来知見と同等のレベルであっ
た。一方、2相域圧延材は、R方向のアレスト性能が著
しく劣化させており、本発明例のように脆性破壊特性が
きわめて優れた表裏層部がないので、母材に反れても伝
播してしまい、通常圧延材より継手アレスト性能は低か
った。
【0030】
【発明の効果】本発明は粗圧延後、表層部のみ冷却して
Ar1 点以下とした後板厚内部の顕熱により復熱しなが
ら圧延を実施し、仕上げ温度を所定の範囲にすることに
より、継手部に突入した脆性亀裂を板厚内部の母材集合
組織により母材側に反らせ、表裏層部に用意した集合組
織を有する超細粒組織により脆性亀裂をアレストさせ、
十分な継手アレストの確保を可能とするもので、当業分
野はもちろん、関連分野にもたらす効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は板厚内部の集合組織による亀裂伝播制
御の板断面の模式図、(b)は表裏層部の集合組織を有
する超細粒組織による脆性破壊伝播停止の板表面の模式
図である。
【図2】ESSO試験での脆性破壊伝播方向が応力負荷
方向となす角度とX線面強度の関係の図表である。
【図3】アスペクト比の異なるフェライト粒径と脆性破
壊発生靭性Kcとの関係の図表である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円相当粒径が3μm以下の組織が70%
    以上存在し、隣接する結晶粒どうしで結晶方位の等しい
    粒から構成されるコロニーのアスペクト比(長軸径/短
    軸径の比)が4以上である表層組織が板厚の5%以上存
    在し、かつ板厚内部の集合組織発達程度を示す圧延面で
    の(100)面のX線面強度比が、1.5以上を有する
    組織から構成される複層組織よりなることを特徴とする
    継手部の脆性破壊伝播停止性能の優れた溶接用構造用
    鋼。
  2. 【請求項2】 Ac3 点以上の温度の鋼片もしくは鋼板
    を、圧延中途中水冷時の板厚をt0 、製品板厚をtとし
    た時、表層から少なくとも板厚方向に0.05×t0
    t(mm)以上の領域を2℃/sec 以上の冷速でAr3
    以下まで急冷して、その後、当該表層部がAr3 点以下
    の温度から圧延を開始もしくは再開し、一旦Ar3 変態
    点以下となった表層部の温度が(Ac3 −30)℃以下
    の温度で、かつ板厚中心部の温度がAr3 点−50℃以
    上Ar3 点+10℃以下の範囲で圧延を終了し、その後
    表層部が少なくともAr1 点迄を当該表層部を1℃/sec
    以上の冷速で冷却することを特徴とする継手部の脆性破
    壊伝播停止性能の優れた溶接用構造用鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 冷却速度が5℃/sec以上で加速冷却し、
    焼戻し熱処理をすることを特徴とする請求項2に記載す
    る製造方法。
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