JP2662323B2 - 混合微生物によるシバの病害防除法及び病害防除剤 - Google Patents

混合微生物によるシバの病害防除法及び病害防除剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シバの病害防除法及び
病害防除剤に関するものである。さらに詳しくは本発明
は、シバの病原菌に対して生育抑制効果を示す微生物類
を液体培養して得られる培養液の混合液をシバに作用さ
せ、シバの病気を防除する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物に土壌病害を発生させる主要病原菌
は、リゾクトニア菌、フザリウム菌、ピシウム菌、シリ
ンドログラディウム菌、ボーベリア菌等多くのものが関
与して被害を発生させる。これらの病原菌を殺菌して被
害を抑制するために、これまでにも数多くの化学合成農
薬である殺菌剤が利用され高い防除効果を上げている。
しかしながら、これらの化学合成農薬を使用した結果、
有害な病原菌だけでなく有用な微生物をも無差別に殺菌
し、このために微生物相のバランスが崩れ一層有害菌の
異常繁殖を招く結果となっている。これを防ぐため、さ
らに薬剤の散布回数や薬量の増加、あるいはより強度の
殺菌剤を使用してきた。
【0003】このような薬剤の使用量の増大は土壌への
残留量を増加させるだけでなく、河川、湖沼への流出と
なり、水質汚染、微生物相の攪乱等自然環境へ重大な影
響を及ぼし、特に最近では各地のゴルフ場等において大
きな社会問題となっている。このような化学合成農薬に
よる問題点を回避することが可能な、微生物を利用した
生物的防除法については、1960年頃から研究されはじ
め、他の微生物の増殖等を阻害する拮抗微生物として細
菌、糸状菌、放線菌等が利用されている。
【0004】とくに、トリコデルマ菌、グリオクラディ
ウム菌、ピシウム菌、ペニシリウム菌で多くの研究が行
われている(「農業有用微生物」第96〜107頁、1990
年)。そして、トリコデルマ菌を利用した白絹病の防除
やアグロバクテリウム菌が放出する抗生物質等の産生物
質を利用した根頭癌腫病の防除あるいはシュードモナス
菌の産生物質を利用したリゾクトニア・ソラニによる病
害の防除例等が知られている。さらに、トリコデルマ菌
と他の抗菌性菌との混用や、トリコデルマ・ハマトゥム
Trichoderma hamatum にエンテロバクター・シオアセー
Enterobacter cioaceaその他の混用が有効であったとの
事例も報告されている(「農業有用微生物」第105頁、1
990年)。しかしながら、これらはいずれも研究段階の
ものが多く、実用的な事例は殆ど皆無といってもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微生物によって病原微
生物の増殖を抑制して病害を防除しようとする場合に、
たとえ拮抗菌であっても多数の病原菌が繁殖している所
へ単一の種類のものや、あるいは2〜3種類のものを単
純に混合したものを処理しても病害を防除することは困
難であった。これは、実際の土壌中では多種類かつ多数
の微生物が競合し、その拮抗作用を通じて相互に影響し
あって、均衡を保ちながら微生物相を構成しているため
である。
【0006】シバの病害はリゾクトニア菌、フザリウム
菌、ピシウム菌、シリンドロクラディウム菌、ボトリチ
ス菌、ヘルミントスポリウム菌および高等菌類その他の
微生物が複数種類感染して発病するものが多く、単菌で
発病するものは少ないようである。このような複数種の
微生物による病害を防除するのに一種類の微生物だけを
処理しても有効に防除することは困難である。
【0007】このような事実から、相互にその増殖に作
用しあって安定的に抗菌効果を発揮する特定の微生物を
混合して利用することが有効であることが予想される。
本発明は、このような特定の関係を有する微生物を組み
合わせた混合微生物によってシバの病害を防除し、さら
には化学合成農薬によるいくつかの問題点をも解決する
シバの病害防除方法及び病害防除剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シバの病
原菌に対して生育を抑制する作用を示す数種類の微生物
について、これらの微生物を混合した系で微生物自身は
安定して増殖しながらシバの病原菌の生育を抑制してシ
バの病害防除効果を示す組み合わせについて検討した結
果、放線菌であるストレプトマイセス属に属する微生物
と細菌であるコリネバクテリウム属に属する微生物、及
びバチルス属に属する微生物とを組み合わせた系が有効
であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の混合微生物によるシバ
の病害防除法は、ストレプトマイセス属に属する微生
物、コリネバクテリウム属に属する微生物、及びバチル
ス属に属する微生物からなり、シバの病原菌に対して拮
抗作用を有する混合微生物をシバに作用させることを特
徴とするものであり、前記3種の微生物としては、それ
ぞれ、ストレプトマイセス属OJ−A3(微工研菌寄第
12133号)、コリネバクテリウム属OJ−B3(微工研菌
寄第12082 号)、及びバチルス属OJ−B4(微工研菌
寄第12134号)を挙げることができる。
【0010】また、本発明のシバの病害防除は、ストレ
プトマイセス属に属する微生物、コリネバクテリウム属
に属する微生物、及びバチルス属に属する微生物からな
り、シバの病原菌に対して拮抗作用を有する混合微生物
を有効成分とするものであり、前記3種の微生物とてし
は、同様に、ストレプトマイセス属OJ−A3(微工研
菌寄第12133号)、コリネバクテリウム属OJ−B3(微
工研菌寄第12082 号)、及びバチルス属OJ−B4(微
工研菌寄第12134号)を挙げることができる。
【0011】これらの3種の微生物は、岡山県内のアカ
マツ林の土壌から採取したものである。前記3種の微生
物、OJ−A3、OJ−B3、及びOJ−B4の菌学的
性質を、それぞれ、表1、表2、及び表3に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】以下、3種の微生物として、前記ストレプ
トマイセス属OJ−A3、コリネバクテリウム属OJ−
B3、及びバチルス属OJ−B4を使用した場合に基づ
いて、本発明をさらに詳細に説明する。混合微生物 混合微生物を構成する前記OJ−A3、OJ−B3及び
OJ−B4は、いづれもシバの病原菌に対して生育抑制
効果を示すものである。混合微生物を含む培養液の作成方法 本発明の、シバの病害防除に用いる混合微生物を含む培
養液(以下、混合微生物溶液と言う)は、前記微生物を
液体培養した培養液を混合して得られる。これは、次の
ようにして作成される。
【0016】まづ、各々の微生物を液体培地を用いて振
盪培養を行い微生物の増殖を行なう。次いで、各々の培
養液を10〜50倍に希釈したのち、等量づつを混合したも
のを混合微生物溶液の原液とする。この場合、使用する
液体培地には特に制限はなく、微生物が生育可能であれ
ばいづれも使用出来るが、すべての微生物に共通して使
用出来る培地を用いることが作業性の点から好ましい。
このような培地としては、抗生物質生産用放線菌培養培
地、ペプトン・酵母エキス培地、肉エキス培地、ゼラチ
ン肉エキス培地等が例示される。
【0017】また、培養条件、すなわち振盪回数、培養
温度、培養時間等も個々の微生物の生育に適した条件を
適宜選べば良い。通常、振盪回数10〜40rpm 、培養温度
20〜35℃、培養時間2〜7日間の条件で培養すれば良
い。混合微生物溶液によるシバの病害防除方法 本発明において防除の対象となるシバの病害としては土
壌病原菌であるリゾクトニア菌、フザリウム菌、ピシウ
ム菌、シリンドロクラディウム菌、ボトリチス菌、そし
て葉枯性の病原菌であるヘルミントスポリウム菌および
高等菌類等によって発病するすべての病害であるが、例
えばラージパッチ、ブラウンパッチ、ピシウムブライ
ト、春はげ症(リゾクトニア症およびピシウム症)、赤
焼け病、紅色雪腐病等の他に、葉枯病やフェアリーリン
グス等である。
【0018】これらの病害に対して、前述の混合微生物
溶液の原液を300〜500倍に清水で希釈して処理液とし、
これを100〜500ml/m2 の割合で噴霧処理または潅注処理
する。なお、シバに対するこのような処理は、すでに病
害が発症している場合だけでなく、発症前にあらかじめ
事前に処理して発症を予防することも可能である。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに具体的に
説明する。
【0020】
【実施例1】混合微生物を構成する微生物の相互作用の検定 抗生物質生産用放線菌培養培地(寒天培地、表4)を 1
20℃で20分間オートクレーブで殺菌して、直径9cmのシ
ャーレに20ml分注した。ここへ、同じ培地で培養したO
J−A3とOJ−B3をコルクボーラーで径7mmの大き
さに打ち抜いて接種し、25℃に調節したインキュベータ
ーで20日間対峙培養した。
【0021】
【表4】
【0022】上記対峙培養の結果は、図1に示したよう
にOJ−A3は僅かに増殖してコロニーの径が大きくな
ったが、OJ−B3は増殖せずにコロニーの径は接種時
のままであった。また、OJ−A3とOJ−B4との関
係では、OJ−A3は増殖したが、OJ−B4は増殖し
なかった。さらに、OJ−B3とOJ−B4との関係で
は、OJ−B4は増殖したがOJ−B3は増殖しなかっ
た。混合微生物を構成する各微生物とシバの病原菌との関係 抗生物質生産用放線菌培養培地(寒天培地)を 120℃で
20分間オートクレーブで殺菌して、直径9cmのシャーレ
に20ml分注した。ここへ、同じ培地で培養しておいた混
合微生物を構成するOJ−A3、OJ−B3およびOJ
−B4のそれぞれと、ポテトデキストロース培地(寒天
培地、表5)で培養しておいた検定の対象とするそれぞ
れの病原菌をコルクボーラーで直径7mmの大きさに打ち
抜いて接種した。そして、25℃に調整したインキュベー
ターで20日間対峙培養した。
【0023】
【表5】
【0024】なお、検定の対象とした病原菌としては土
壌病原菌であるリゾクトニア・ソラニRhyzoctonia sola
ni、フザリウム・オキシスポルムFusarium oxysporum、
フザリウム・ソラニFusarium solani 、ピシウム菌Pyti
um sp.、シリンドロクラディウム菌Cylindorocladium s
p.、ボトリチス・シネレアBotrytis cinerea、そして葉
枯性の病原菌であるヘルミントスポリウム菌Helmintosp
orium sp. である。
【0025】上記対峙培養の結果(図1)によれば、供
試したすべての病原菌の増殖は抑制されるが、混合微生
物を構成するそれぞれの微生物は増殖した。特に、OJ
−B3は病原菌の増殖を抑制する効果が顕著であった。
以上に記載したように、3種類の混合微生物は相互に増
殖に影響を与えるいっぽう、多くの種類のシバの病原菌
の増殖を抑制する。混合微生物溶液の作成 混合微生物を構成するOJ−A3、OJ−B3およびO
J−B4をそれぞれ抗生物質生産用放線菌培養培地(寒
天培地)に接種して、25℃で15日間培養して原菌とし
た。次に各原菌をそれぞれ8倍に希釈した抗生物質生産
用放線菌培養培地(液体培地)に接種して25℃で5日間
振盪培養した。
【0026】培養後各培養液を 40倍に希釈したのち、
等量づつを混合して混合微生物溶液の原液を作成した。混合微生物のシバの病原菌に及ぼす効果の検定 混合微生物溶液の原液をさらに 400倍に希釈して、その
50mlを 100mlの三角コルベンに分注した。ここへ、ポテ
トデキストロース培地(寒天培地)で培養したそれぞれ
の病原菌のコロニーをコルクボーラーで直径7mmの大き
さに打ち抜いて接種して、25℃に調整したインキュベー
ターで静置培養して、コロニーの大きさや色の変化等を
調査した。
【0027】なお、検定の対象とする病原菌としては、
混合微生物を構成する各微生物とシバの病原菌との関係
の検定で行ったものと同様とした。その結果、フザリウ
ム・ソラニ、ボーベリア菌、ピシウム菌、ボトリチス・
シネレアに対して高い抑制効果を示し、コロニーは暗褐
色になってバラバラに分解された。またリゾクトニア・
ソラニ、フザリウム・オキシスポルム、シリンドロクラ
ディウム菌およびヘルミントスポリウム菌に対してもあ
る程度の増殖抑制効果が見られた。
【0028】
【実施例2】本発明の混合微生物のシバ病害の防除効果
を、病原菌を接種して発病させたシバに処理して確認し
た。試験の場所と時期 三重県亀山市能褒野町にある王子製紙株式会社林材本部
林木育種研究所亀山研究室の実験圃場で1990年に行っ
た。供試シバ 供試したシバの種類はコウライシバ、ヒメコウライシ
バ、ノシバそしてベントグラス・ペンクロスの4種類と
した。そして、微生物数が少ない清浄な山土を入れた素
焼きの10号鉢(直径:30cm)にベントグラス・ペンクロ
スだけは播種して養成したが、その他のシバは鉢に植え
つけて養成した。防除対象病原菌の接種 混合微生物の効果を確認するために、バーミキュライト
とふすまを10:1(容積比)で混合した培地で、25℃で
30日間培養したリゾクトニア・ソラニ、フザリウム・オ
キシスポルム、ピシウム・デバリアヌム、ヘルミントス
ポリウム菌をそれぞれの芝に接種して発病させた。ま
た、高等菌類によって発病したフェアリーリングスにつ
いては、堀り取った罹病部分からのシバを養成したシバ
に埋め込んで接種して発病させた。
【0029】なお、葉枯性であるヘルミントスポリウム
菌で発病させたものは他への感染を防ぐため他とは離れ
た場所で試験した。混合微生物溶液の処理液の調整 実施例1と同様にして混合微生物溶液の原液を作成し、
これを水道水で400 倍に希釈して処理液とした。処理の方法 4種類のシバにそれぞれ5種類の病害の発病を確認した
6月上旬に、混合微生物溶液の処理液を200ml/m2の割合
で手動式の噴霧器で処理した。なお、混合微生物の効果
を比較するために、無処理のものと、現在市販されてい
る化学合成農薬であるトリクロホスメチル系の薬剤を通
常の使用濃度である1000倍に希釈して処理した。なお、
これらの処理の反復数は3回とした。結果 処理後30日が経過した7月上旬に、罹病芝の回復状態
を、対象として使用した市販の化学合成農薬の防除効果
と比較して判定した。この結果は表6に示したように、
本発明による混合微生物は対象区の化学農薬を処理した
ものと大差のない、あるいは場合によっては化学合成農
薬よりも高い防除効果を示した。
【0030】
【表6】
【0031】
【実施例3】本発明の混合微生物のシバ病害に対する予
防効果を明らかにするために、あらかじめ混合微生物で
処理したシバに病原菌を接種して発病の有無を調べた。試験の場所 実施例2と同様である。供試シバ 実施例2と同様である。混合微生物溶液の処理液の調整 実施例1と同様である。処理の時期および方法 1989年9月に、実施例2と同様の方法で混合微生物の処
理液および、トリクロホスメチル系薬剤を用いてそれぞ
れシバを処理した。病原菌の接種 1990年5月上旬に、実施例2と同様にして病原菌をシバ
に接種した。結果 病原菌を接種して2か月が経過した7月上旬に発病の有
無を調査した。この結果、混合微生物で処理した区分で
は発病が見られなかったのに対して、トリクロホスメチ
ル系薬剤で処理した区分及び無処理の区分では発病が認
められた。
【0032】この結果から、本発明の混合微生物は病害
の予防効果を有することが明らかになった。
【0033】
【実施例4】本発明の混合微生物のシバ病害防除効果
を、ラージパッチが4月下旬から7月下旬頃まで毎年多
発する三重県内のゴルフ場で確認した。1989年の5月上
旬にコウライシバにラージパッチの発病を確認して、こ
こへ200ml/m2 の割合で実施例2と同様に調整した混合
微生物処理液を手動式の噴霧器で処理した。処理後10日
目頃から被害部の拡大が停止し、20日目頃からは芝生の
回復が認められ、30日経過後では罹病の跡が殆ど目立た
なくなる程に回復し、更に1年6か月を経過した時点で
も散布地域内での再発は認められていない。
【0034】さらに、秋に発生したラージパッチに対し
て、同様の方法で10月上旬に混合微生物溶液の処理を行
った。この結果、処理後30日経過した時点で被害の拡大
は停止したが、その後は気温の低下と共に病原菌の活動
も終息期になって効果の判定は困難であった。しかし翌
年春になっても発症は見られず、混合微生物溶液の処理
は有効であった。
【0035】
【実施例5】三重県内の本ゴルフ場においては、メイン
コースのいたる所に赤はげ症が毎年多発する。1989年の
3月下旬にコウライシバでの発症を確認して、実施例4
と同様の方法で混合微生物溶液を処理した。この結果、
処理後60日で病害部の痕跡は消滅して、その後もこの状
態は継続した。そして、翌年にも発症は見られなかっ
た。
【0036】
【実施例6】毎年ラージパッチが発症するノシバと赤焼
け病が発症するベントグラス・ペンクロスに、1989年1
月に実施例5と同様の混合微生物溶液をジョロで灌注処
理した。この結果、処理当年だけでなく、翌年にもこれ
ら病害の発症は確認されなかった。この結果から、本発
明の混合微生物は病害の予防効果も有することが明らか
になった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、環境汚染等の問題点が指摘さ
れている化学合成農薬を用いるシバの病害防除方法に代
わる新しいシバの病害防除方法及びそれに使用するシバ
の病害防除剤であり、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】混合微生物と病原菌との相互関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07) (72)発明者 柴田 勝 三重県亀山市能褒野町24−9 王子製紙 株式会社 林木育種研究所 亀山研究室 内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストレプトマイセス属に属する微生物、
    コリネバクテリウム属に属する微生物、及びバチルス属
    に属する微生物からなり、シバの病原菌に対して拮抗作
    用を有する混合微生物をシバに作用させることを特徴と
    する混合微生物によるシバの病害防除法。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属する微生物、
    コリネバクテリウム属に属する微生物、及びバチルス属
    に属する微生物が、それぞれ、ストレプトマイセス属O
    J−A3(微工研菌寄第12133号)、コリネバクテリウム
    属OJ−B3(微工研菌寄第12082 号)、及びバチルス
    属OJ−B4(微工研菌寄第12134号)であることを特
    徴とする混合微生物によるシバの病害防除法。
  3. 【請求項3】 ストレプトマイセス属に属する微生物、
    コリネバクテリウム属に属する微生物、及びバチルス属
    に属する微生物からなり、シバの病原菌に対して拮抗作
    用を有する混合微生物を有効成分とするシバの病害防除
    剤。
  4. 【請求項4】 ストレプトマイセス属に属する微生物、
    コリネバクテリウム属に属する微生物、及びバチルス属
    に属する微生物が、それぞれ、ストレプトマイセス属O
    J−A3(微工研菌寄第12133号)、コリネバクテリウム
    属OJ−B3(微工研菌寄第12082 号)、及びバチルス
    属OJ−B4(微工研菌寄第12134号)であることを特
    徴とするシバの病害防除剤。
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