JP2662014B2 - 早期に緑青を形成するCuまたはCu合金の屋根板材 - Google Patents

早期に緑青を形成するCuまたはCu合金の屋根板材

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JP2662014B2
JP2662014B2 JP1028014A JP2801489A JP2662014B2 JP 2662014 B2 JP2662014 B2 JP 2662014B2 JP 1028014 A JP1028014 A JP 1028014A JP 2801489 A JP2801489 A JP 2801489A JP 2662014 B2 JP2662014 B2 JP 2662014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築用として用いられるCuまたはCu合金の屋
根板材に関し、特に早期に緑青が形成するものである。
〔従来の技術〕
神社,仏閣,住宅等の建築物の屋根やエクステリヤあ
るいは美術装飾品の多くは銅または銅合金を用いて製作
され、もしくは表面に銅メッキが施されている。これは
銅が耐候性に優れていて腐食されにくく、長期間の使用
に耐えることもあるが、殊に銅は表面に緑青が生じてこ
れが銅製品に重厚で落ち着いた感じを与えるので、この
点が建築物の屋根材や美術品として銅が好まれている理
由である。
ところで緑青は銅製品を大気中に曝しておくことによ
って自然に発生するが、その成長速度は極めて遅く所望
の被膜が形成されるまでには数年もしくはそれ以上の長
時間を要するのが一般的である。
このため従来は銅製品に硫酸,硝酸あるいは塩酸等の
無機酸を滌ぎかけてその表面を一時的に浸食した後、炭
酸ナトリウムその他でこれを処理することによって緑青
を人工的に発生させる方法が試みられた。しかしながら
この方法で生成した緑青被膜は極めて薄く、かつ色ムラ
が生じるうえ生産性が低く、しかも大規模な廃水設備を
要する等の欠点があった。
そこでこのような欠点を除去する方策として緑青に代
えて塩基性炭酸銅,硫化銅または酸化銅等の銅化合物を
顔料とした塗料を銅製品の表面に塗布する方法も試みら
れた。ところがこの方法は上記の表面処理方法に比べれ
ば生産性は格段に高いが、反面これらの塗膜は耐候性が
非常に低く、例えばこれを銅葺き屋根などに使用すると
一年も経過しないうちに塗装が剥がれてしまい外観が著
しく醜くなる欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、銅または銅合金
の表面に発生する緑青の成長速度を加速して短期的に緑
青が自然に発生する早期に緑青を形成するCuまたはCu合
金屋根板材を開発したものである。
即ち本発明は、CuまたはCu合金からなる屋根板材の少
なくとも片面の表面粗度(Ra)を0.10μm以上とし、さ
らにこの面に電気メッキによるCuメッキを施したことを
特徴とするものである。
そしてCuメッキとしてはいわゆるヤケメッキがよく、
またCuメッキのメッキ厚は0.001〜1μmが良好であ
る。
〔作用〕
自然界において緑青が生成する過程は、降雨時や多湿
時に上記銅製の屋根板表面で結露する結露水中に大気中
のCO2,SO2等が溶け込んで銅を腐食させるため緑青が発
生するものである。
この結露水が屋根板表面に付着する際に、その表面が
平滑であると降雨水等がトラップされにくくなって速や
かに流れ落ちたり、短時間で蒸発乾燥してしまうので、
銅が腐食環境に置かれている時間が短くなり、従って腐
食反応の進行が遅くなり、自然状態のままでは緑青発生
までに非常に長期間を必要とすることになる。
そこで本発明は屋根板材の表面粗度を0.10μm以上と
し、さらにこの表面に電気メッキによるCuメッキを施す
ことにより、この荒れた屋根板材表面であれば降雨水や
結露水等が流れ落ちるのを妨げることができ、さらに粗
化された表面に形成される無数の微小な溝内での毛管現
象により上記水分の平衡蒸気圧が低下するため、表面が
水に濡れている時間を長く保つことができる。
このように屋根板材表面の水濡れ時間が長期化するこ
とにより、この水分中に溶け込んでいる大気中のSO2,CO
2がCuを腐食する時間が長くなり、従って緑青の発生が
早期化されることになる。
次に表面の粗化の方法としては、一般の乾式バフ,湿
式バフ,ショットブラスト,乾式ブラシまたは湿式ブラ
シ等いずれの方法であってもよい。そして表面粗度(R
a)を0.10μm以上としたのは、Ra<0.10μmでは実質
的に緑青の発生が加速されないからである。
また電気メッキによるCuメッキは硫酸銅浴,青化浴,
ピロリン酸浴またはホウフッ化浴等いずれの浴を利用す
るものであってもよい。そしてメッキ膜厚を0.001〜1.0
μmとしたのは、膜厚が0.001μm未満では緑青発生の
加速性がなく、1.0μmを超えるとメッキコストが増大
し、かつ形成した緑青の外観にムラが生じたり剥離が生
じたりするからである。
さらにメッキとしてはいわゆるヤケメッキが効果が大
きい。なおいわゆるヤケメッキとは、例えばCuSO4浴で
のメッキの際にCl-が過剰や過少または電流密度が過大
であったことによりメッキ表面に光沢がなく、表面のレ
ベリングの悪いメッキをいい、またはCu箔と樹脂との接
着を強めるためにCu箔に施す粗化処理をいう。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
先ず以下に示すような銅製の本発明屋根板材No.1〜N
o.3を製作した。
<本発明屋根板材No.1> 板厚0.45mmで表面粗度がRa=0.04μmのリン脱酸銅板
の表面を、#280のエメリー紙にて湿式回転研磨を15分
間行い、表面粗度をRa=0.12μmとした。その後この銅
板に以下のようなメッキ浴およびメッキ条件でCuメッキ
を施し、表面に0.01μmのメッキ被膜を形成した。
CuSO4・5H2O 200g/ H2SO4 50g/ Cl-イオン 50mg/ 温度 30℃ 電流密度 3A/dm2 <本発明屋根板材No.2> 板厚0.45mmで表面粗度がRa=0.04μmのリン脱酸銅板
の表面を、#280のエメリー紙にて湿式回転研磨を15分
間行い、表面粗度Ra=0.12μmとした。その後この銅板
に以下のようなメッキ浴およびメッキ条件でCuメッキを
施し、表面に0.01μmのメッキ被膜を形成した。
CuSO4・5H2O 200g/ H2SO4 50g/ Cl-イオン 250mg/ 温度 30℃ 電流密度 8A/dm2 <本発明屋根板材No.3> 板厚0.45mmで表面粗度がRa=0.04μmのリン脱酸銅板
の表面を、#280のエメリー紙にて湿式回転研磨を15分
間行い、表面粗度をRa=0.12μmとした。その後この銅
板に以下のようなメッキ浴およびメッキ条件でCuメッキ
を施し、表面に1.0μmのメッキ被膜を形成した。
CuSO4・5H2O 200g/ H2SO4 50g/ Cl-イオン 250mg/ 温度 30℃ 電流密度 8A/dm2 なお上記メッキの内、Cl-イオン濃度および電流密度
の大きい本発明屋根板材No.2とNo.3の表面はいわゆるヤ
ケメッキとなっていた。
次に上記の屋根板材を、これらの処理を施さない板厚
0.45mmで表面粗度がRa=0.04μmのリン脱酸銅板からな
る比較屋根板材No.4と共に、海岸地帯および山岳地帯に
曝露して緑青の発生状況を調査し、その結果を第1表に
示した。
第1表から明らかなように、本発明屋根板材No.1〜N
o.3はいずれも表面粗度の小さい比較屋根板材No.4より
緑青の発生が早く、かつ均一であった。
〔発明の効果〕
このように本発明によれば、銅製の屋根板材に早期に
かつ全面に均質な緑青を発生させることができる等工業
上顕著な効果を奏するものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuまたはCu合金からなる屋根板材の少なく
    とも片面の表面粗度(Ra)を0.10μm以上とし、さらに
    この面に電気メッキによるCuメッキを施したことを特徴
    とする早期に緑青を形成するCuまたはCu合金の屋根板
    材。
  2. 【請求項2】Cuメッキがいわゆるヤケメッキである請求
    項(1)記載の早期に緑青を形成するCuまたはCu合金の
    屋根板材。
  3. 【請求項3】Cuメッキのメッキ厚が0.001〜1μmであ
    る請求項(1)または(2)記載の早期に緑青を形成す
    るCuまたはCu合金の屋根板材。
JP1028014A 1989-02-07 1989-02-07 早期に緑青を形成するCuまたはCu合金の屋根板材 Expired - Lifetime JP2662014B2 (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5752425A (en) * 1980-09-11 1982-03-27 Hitachi Netsu Kigu Kk Self-cleaning type coating layer for heat cooker
JPS6357500A (ja) * 1986-08-27 1988-03-12 日立建機株式会社 多関節ア−ム機械

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5752425A (en) * 1980-09-11 1982-03-27 Hitachi Netsu Kigu Kk Self-cleaning type coating layer for heat cooker
JPS6357500A (ja) * 1986-08-27 1988-03-12 日立建機株式会社 多関節ア−ム機械

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