JP2706291B2 - 絵画用支持体 - Google Patents

絵画用支持体

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JP2706291B2 JP1003776A JP377689A JP2706291B2 JP 2706291 B2 JP2706291 B2 JP 2706291B2 JP 1003776 A JP1003776 A JP 1003776A JP 377689 A JP377689 A JP 377689A JP 2706291 B2 JP2706291 B2 JP 2706291B2
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順一 白鳥
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この出願の発明は、油絵や日本画等を描くときに使用
する絵画用支持体に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
通常油絵を描く場合、木枠に張った麻製のキャンバス
(画布)が使用されている。このキャンバスの材料は木
綿製のものもあるし、また板や石などにも描いてはいけ
ないとうい制約があるわけでもないので、ベニヤ板に描
き上げて展覧会等に出品する例も多く見かけられる。
しかしながら、多くは布製のキャンバスが用いられて
いる。それは布には生地目があり、絵具の吸収性及びの
りが良く、比較的書いた時の絵具の置き具合が良いとい
う長所があるためと考えられる。
油絵は明治時代に西洋から導入されたものであるが、
簡単に言えばヤニ分で絵具を固めたものと言える。
油絵の構造を概ね示すと、下から順にまず麻布や板
を用いた基底材、膠や合成樹脂を用いた目止層、下
地層、描画のための絵具層及び画面保護のためのワ
ニス層からなっている。
画用液として、水彩画は水で日本画はニカワで溶くよ
うに、油絵(油彩画)は油が非常に大切な役割をもって
いる。
この油は大きく分けると油絵具をそれぞれの技法に合
わせて溶く役目の溶き油と、絵そのものに油絵本来のつ
やを与える役割の油と、また絵を大切に保存するための
油とがある。
通常、市販されている油絵具自体はすでに使いやすい
ように練りあげられている。
油絵を簡単に紹介すると上記のようなことである。
他方日本画の法は従来、麻紙に顔料をしみ込ませ、多
くは巻き絵として保存しておくことが多かったので、一
般には巻回することのできなほど絵具を厚くぬることは
なかった。
しかしながら、上記の油絵が普及するに従い、日本画
も額に入れるようになり、絵具を厚くする傾向に変って
きている。すなわち、麻紙の上に「どうさ」(ニカワ)
を塗って絵具がしみ込まないようにし、その上に絵具を
厚く盛り上げるように変ってきたのである。このため日
本画独自の画法と並行して油絵的な日本画も発生した。
このように油絵や日本画から出発した種々の技法を発
達せしめ、すぐれた絵画が数多く生まれることとなった
が、作成された絵画に非常に大きな問題を有している。
それは、絵画のひび割れ(クラック)であり、場合に
よっては剥落の危険すらある。特に乾湿のはげしい日本
では気候の変動でよりもろくなり、破損し易すい状況に
ある。
上記の油絵の構造で示したように各層に用いられる材
料はそれぞれ性質、特に温湿度の変化により伸縮率や各
層間の接着強度がまちまちであえり、油絵等に特有のひ
び割れは絵画に内在していると言える。
乾燥し安定した気候である西欧においてすらも過去の
有名絵画に、近づいて観察すると無数のひび割れが見ら
れる。ひび割れにごみがたまって製作時における鮮烈な
絵画が維持できず長年のうちに絵画が変質してくるのみ
ならず、剥落による絵画の消失になるおそれもあり、無
念の情を禁じ得ない人も多いと思われる。
このような絵画ひび割れは絵具や地塗りにも原因する
ところもあるが、キャンバスなどの基底材の乾湿の変化
や温度変化による伸縮が原因となるところが大きい。
上記のような絵画におけるひび割れは、厚塗りをする
絵画のみならず、油絵的傾向をもつ日本画などにもみら
れている。
また油彩画は黴の発生という大きな欠点を有してい
る。
絵画が青味を帯びる変化は黴の発生に原因する。これ
はニスの表層を損じ、少しづつ灰色になっていき樹脂の
堅牢さを失ってしまう。さらに進行すると粉状となり、
この粉の風化が進むと絵具の層が黄色い黴状のもので覆
われ、ついには黒ずんでしまう。環境によってこれは数
ヶ月から数年で進行し、修復も不可能となることさえあ
る。
麻布を使用するキャンバス等においては、基底物とし
て水分を吸収しやすい材料であることを考えあわせる
と、絵のおかれた環境は著しく黴が生じやすいものであ
るといえる。
このような黴や微生物の発生防止のために、あるいは
損傷した部位の修復のために殺菌剤を塗布することも行
われているが、その効果は持続せず、一時的な抑制効果
があるにすぎない。
以上ような問題をかかえながら、高級絵画においては
それを保有するために、修復のための様々な研究すら行
われているのが実情である。
古い絵画においては金属板、特に腐食に強い銅板が基
底材として用いられたことがある。
これは主として宗教改革後、カトリック側が新世界へ
の布教に地を求めて宣教師たちを送り出すと同時に、聖
像を銅板に描いた油彩画を携帯させたものである。
これは板より軽く、かさがなく、布よりもはるかに剥
落やひび割れの心配がなく、また多少の雨や、熱にも強
いという特徴があったためと考えられる。
しかしながら、銅そのものが高価であり、平面さを得
ることができず、また絵具ののりが悪く、非常に特殊な
技法でのみ製作が可能であったために、18世紀以降殆ど
姿をみせなくなり現在に至っている。
〔課題を解決するための手段〕
以上のような絵画用支持体の問題を解決するために開
発された本発明は、電解用陰極ドラムに接する側の平滑
なシャイニング面を非描画面とし、めっき液中に露出す
る該陰極ドラム非接触側の微細凹凸を有するマット面を
描画面(地,即ちフォン)として構成された、10μm〜
0.5mm厚の銅・銅合金箔を基底材(シュポール)とした
ことを特徴とする絵画用支持体、及び日本画用支持体で
あることを特徴とする同絵画用支持体、及び絵画用支持
体がキャンバスであることを特徴とする前記絵画用支持
体、及び絵画用支持体が壁画用支持体であることを特徴
とする前記絵画用支持体、及び前記銅箔の基底材と石膏
の裏材から構成されていることを特徴とする前記絵画用
支持体、及び最外表面に、使用時において引剥し可能な
保護樹脂シートを備えていることを特徴とする前記絵画
用支持体、並びにエンボス加工を施した銅箔であること
を特徴とする前記絵画用支持体を提供するものである。
これによって絵画がひび割れや剥離することを抑制
し、絵画製作当時の鮮烈さを維持するとともに、絵具の
のりを良好にし、密着性を高め安定した品質の保持可能
とするものである。
〔発明の具体的説明〕
銅箔を使用することは、乾湿や温度変化によるひび割
れや剥落を防止する大きな役割をになうのであるが、金
属製の基底材を使用しようとする場合の大きな欠点であ
る絵具の密着性、のりの良さを改善することは極めて重
要なことであり、この出願の発明の電解銅箔において初
めて達成されたものである。
さらにまた、銅は適度な殺菌作用があるので、上記の
ような黴発生の抑制効果がある。
銅箔は厚さ1μm〜3mm程度(好ましくは10μm〜0.5
mm)の電解銅箔を使用する。
電解銅箔は第1図の銅箔製造工程概念図に示すように
一般に銅原料1を電解液(硫酸銅水溶液)2とし、回転
する陰極ドラムに銅を析出させ、さらにこれを引剥して
連続的に銅箔を製造する。このようにして得られた銅箔
は一般に生箔3と称されているが、ドラムに接した面は
平滑でこれをS面(シャイニング面)と称し、反対側の
面は第2図に示すように電気的に析出した多数の凹凸を
有する面であり、これをM面(マット面)と称してい
る。
第2図は電解銅箔(生箔)マット面の顕微鏡写真であ
る。写真に見られるこのような、マット面の多数の凹凸
により絵具の密着性を著しく向上させている。即ち、上
記マット面を基底材(シュポール)の地(フォン)とす
ることにより、第2図に見られるように、表面粗度が適
当な粗さを有することから、該基底材と無機顔料や油絵
具・水彩絵具などとのなじみ(定着力)が良く、しか
も、これらの顔料や絵具の保持力(保存性)も向上す
る。例えば、ニカワに顔料を解いたもので描く日本画に
適用するときなどでは、そのニカワ(溶剤)と銅とのな
じみがよく、湿度の低い外国へ持ち出す時などに効果的
である。
さらにこれらの工程の後、キャンバス等の絵画用支持
体の使用時に、手で引剥しできる保護シートを被覆する
ことができる。この保護シートは手の脂等が銅箔につか
ないように汚染防止の役目をもっている。
以上の電解銅箔のマット面は絵具の密着性を著しく高
め、かつ耐食性に優れた絵画用基底材とすることができ
る。
このようにして得られた電解銅箔基底材は在来の木や
布と比較するとさらにいくつかの長所をもっている。そ
れは、絵具の密着性を保有していると同時に平坦性に優
れ、なめらかであり、気孔や表面の起伏を地塗りで充填
する必要もないことである(もちろん地塗り等をするこ
とはさしつかえなく、本願発明はこれを包含してい
る。)そして主として銅の色調は同時に下塗りとして使
用することもできるからである。
上記の銅箔基底材は機械的な接着強度をさらにあ高め
るためにエンボス加工を施すこともできる。
このようにして形成された銅箔基底材は切断され所定
の寸法とされる。
裏材には麻、木綿などの従来のキャンバス材の他、ベ
ニヤ、木材板、紙、石膏、樹脂、タイルなどが使用でき
る。
これは絵画人の好みによって選択できるが、電解銅箔
を用いた特徴は失われることがない。
また、銅箔基底材はカッター等で簡単に切断できるの
で、キャンバス・ボード、ピンナップ、さらには壁画用
支持体とすることができる。またこれらは、一般建造物
への接着が可能であるから内装、外装品、ドア、棚など
のインテリア品として使用できるとともに、交換や保管
も容易にできるという特徴を有している。
キャンバスとする場合には、適度な強度と弾力性を保
有しているので、布などの裏材を張り合わせて木枠に緊
張させ、絵筆をキャンバス地にあてたときに感じられる
心地よい弾力を感じとることができる。
古い絵画においてはよく修復が行なわれるが、本願発
明の電解銅箔基底材はこのような一部又は全部の修復用
基底材としても使用することができる。本願発明の絵画
用支持体は、このような基底材を含有するものである。
また、本願発明の電解銅箔は純銅のみならずAg、Sn、
In、Fe、Ni、Cr、P、Zn、などの元素を添加して強度、
耐食性等を向上せしめた銅合金箔をも対象とするもの
で、これらを全て包含するものである。
絵としたの手法は油彩画(油絵)、アクリルペイント
画、日本画、パステル画、水墨画などに適しているが、
他の画法に適用することはなんらさしつかえない。
いずれも絵具との密着性に優れており、また、ひび割
れの発生、剥離は大きく改善され、絵画の鮮烈さの維持
と保存性に優れており、さらに絵筆のタッチに快感を強
く与えるものである。
〔発明の効果〕
以上で述べたように、本願発明の電解銅箔を基底材と
することにより、銅箔特有の色感を得、平坦性に優れ、
軽便でしかも絵筆のタッチに優れた快感を得ることがで
き、また銅のもつ大きな欠点であった絵具との密着性を
著しく改善したものであり、さらに防黴効果があり、従
来の絵画用支持体として極めて優れたものである。
しかも従来の絵画特にキャンバス使用において著しか
ったひび割れの発生を防ぐことができる著しい特性を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、電解銅箔製造工程を示す概念図であり、第2
図は、電解銅箔表面の粒子構造(表面状態)を示す顕微
鏡写真である(マット面(×3000)SEM写真)。 1:銅原料、2:電解液(硫酸銅水溶液) 3:生箔、4:カッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−310989(JP,A) 実開 昭63−128100(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電界用陰極ドラムに接する側の平滑なシャ
    イニング面を非描画面とし、該陰極ドラム非接触側の微
    細凹凸を有するマット面を描画面として構成された、10
    μm〜0.5mm厚の銅・銅合金箔を基底材としたことを特
    徴とする絵画用支持体。
  2. 【請求項2】前記銅箔の基底材に石膏の裏材を設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の絵画用支持体。
  3. 【請求項3】最外表面に、使用時において引剥がし可能
    な保護樹脂シートを具えていることを特徴とする請求項
    1または2項に記載の絵画用支持体。
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JPH0631461B2 (ja) * 1987-06-15 1994-04-27 日本電解株式会社 電解銅箔の製造方法

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