JP2662013B2 - CuまたはCu合金の屋根板材 - Google Patents

CuまたはCu合金の屋根板材

Info

Publication number
JP2662013B2
JP2662013B2 JP1028013A JP2801389A JP2662013B2 JP 2662013 B2 JP2662013 B2 JP 2662013B2 JP 1028013 A JP1028013 A JP 1028013A JP 2801389 A JP2801389 A JP 2801389A JP 2662013 B2 JP2662013 B2 JP 2662013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
plating
alloy
thickness
patina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1028013A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02209547A (ja
Inventor
晃 松田
亮偕 白川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP1028013A priority Critical patent/JP2662013B2/ja
Publication of JPH02209547A publication Critical patent/JPH02209547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2662013B2 publication Critical patent/JP2662013B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築用としてのCuまたはCu合金の屋根板材に
関し、特に早期に緑青が形成するものである。
〔従来の技術〕
神社,仏閣,住宅等の建築物の屋根やエクステリヤあ
るいは美術装飾品の多くは銅または銅合金を用いて形成
され、もしくは表面に銅メッキが施されている。これは
銅が耐候性に優れていて腐食されにくく、長期間の使用
に耐えることもあるが、殊に銅は表面に緑青が生じてこ
れが銅製品に重厚で落ち着いた感じを与えるので、この
点が建築物の屋根材や美術品として銅が好まれている理
由である。
ところで緑青は銅製品を大気中に曝しておくことによ
って自然に発生するが、その成長速度は極めて遅く所望
の被膜が形成されるまでには数年もしくはそれ以上の長
時間を要するのが一般的である。
このため従来は銅製品に硫酸,硝酸あるいは塩酸等の
無機酸を滌ぎかけてその表面を一時的に浸食した後、炭
酸ナトリウムその他でこれを処理することによって緑青
を人工的に発生させる方法が試みられた。しかしながら
この方法で生成した緑青被膜は極めて薄く、かつ色ムラ
が生じるうえ生産性が低く、しかも大規模な廃水設備を
要する等の欠点があった。
そこでこのような欠点を除去する方策として緑青に代
えて塩基性炭酸銅,硫化銅または酸化銅等の銅化合物を
顔料とした塗料を銅製品の表面に塗布する方法も試みら
れた。ところがこの方法は上記の表面処理方法に比べれ
ば生産性は格段に高いが、反面これらの塗膜は耐候性が
非常に低く、例えばこれを銅葺き屋根などに使用すると
一年も経過しないうちに塗装が剥がれてしまい、外観が
著しく醜くなる欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、銅または銅合金
の表面に発生する緑青の成長速度を加速して短期的に緑
青が自然に発生する早期に緑青を形成する屋根板材を開
発したものである。
即ち本発明は、CuまたはCu合金からなる屋根板材の少
なくとも片面の表面粗度(Ra)を0.10μm以上とし、ま
たは/およびこの面に電気メッキによるCuメッキを施
し、さらにこの片面に酸化被膜を形成したことを特徴と
するものであり、このとき酸化被膜の厚さを200Å以上
としたり、Cuメッキの厚さを0.001〜1.0μmとするのは
効果があり、またCuメッキとしていわゆるヤケメッキを
施すのは有効である。
〔作用〕
このように屋根板材の表面粗度(Ra)を0.10μm以上
とし、または/および表面に電気メッキによるCuメッキ
を施した後、この表面に酸化被膜を形成するのは、この
荒れた屋根板材表面においては降雨水や結露水等が流れ
落ちるのを妨げるからであり、さらに粗化された表面に
形成される無数の微小な溝内では毛管現象により上記水
分の平衡蒸気圧が低下するため、表面が水に濡れている
時間を長く保つためことができるからである。
このように屋根板材表面の水濡れ時間が長期化するこ
とにより、この水分中に溶け込んでいる大気中のSO2,CO
2がCuを腐食する時間が長くなり、従って緑青の発生が
早期化されることになる。
そして本発明の屋根板材はその表面に酸化処理が施さ
れているため、上記の水濡れ時間の長期化をさらに促進
すると共に、形成されている密着性の良い酸化膜が徐々
に緑青に変化してゆくので緑青被膜の脱落が少ない等の
メリットもある。
次に表面の粗化の方法としては、一般に用いられてい
る乾式バフ,湿式バフ,ショットブラスト,乾式ブラシ
または湿式ブラシ等いずれの方法であってもよい。そし
て表面粗度(Ra)を0.10μm以上としたのは、Ra<0.10
μmでは実質的に緑青の発生が加速されないからであ
る。
また電気メッキによるCuメッキは硫酸銅浴,青化浴,
ピロリン酸浴またはホウフッ化浴等いずれの浴でもよ
い。そしてメッキ膜厚を0.001〜1.0μmとしたのは、膜
厚が0.001μm未満では緑青発生の加速性がなく、1.0μ
mを超えるとメッキコストが増大し、かつ形成した緑青
の外観にムラが生じたり剥離が生じたりするからであ
る。
さらにメッキとしてはいわゆるヤケメッキが効果が大
きい。なおいわゆるヤケメッキとは、例えばCuSO4浴で
のメッキの際にCl-が過剰や過少または電流密度が過大
であったことによりメッキ表面に光沢がなく、表面のレ
ベリングの悪いメッキをいい、またはCu箔と樹脂との接
着を強めるためにCu箔に施す粗化処理をいう。
また表面の酸化処理としては大気酸化,電解酸化,薬
液による酸化または加湿による酸化等どのような方法で
もよい。そして酸化被膜の厚さを200Å以上としたの
は、200Å未満では緑青発生の加速性がなくなってしま
うからである。さらに膜の種類によっても異なるが、厚
くなり過ぎると緑青の剥離が生ずるので、望ましくは20
0〜5000Åがよい。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
先ず以下に示すような銅製の屋根板材No.1〜No.3を製
作した。
<本発明屋根板材No.1> 板厚0.45mmで表面に厚さ80Åの酸化被膜を有するリン
脱酸銅板(Ra=0.05μm)の表面を#280のエメリー紙
で研磨し、表面粗度をRa=0.12μmとした後、この銅板
を大気中にて150℃×1Hrの熱処理を施してその表面に厚
さ約300Åの酸化被膜を形成した。
<本発明屋根板材No.2> 板厚0.45mmで表面に厚さ80Åの酸化被膜を有するリン
脱酸銅板(Ra=0.05μm)を、以下の条件のメッキ浴中
で膜厚0.3μmのCuメッキを施した後、この銅板を大気
中にて150℃×1Hrの熱処理を施してその表面に厚さ350
Åの酸化被膜を設けた。
CuSO4・5H2O 200g/ H2SO4 50g/ Cl-イオン 250mg/ 温度 30℃ 電流密度 8A/dm2 <本発明屋根板材No.3> 板厚0.45mmで表面に厚さ80Åの酸化被膜を有するリン
脱酸銅板(Ra=0.05μm)の表面をエメリー紙でRa=0.
12μmに研磨後、上記メッキ浴に膜厚0.1μmのCuメッ
キを施し、その後さらにこの銅板をH2SO4=10g/およ
びH2O2=60g/の水溶液中に1秒間浸漬してその表面に
厚さ1000Åの酸化膜を形成した。
次に上記の屋根板材を、これらの処理を施さない板厚
0.45mmで表面に厚さ80Åの酸化被膜を有するリン脱酸銅
板(Ra=0.05μm)からなる比較屋根板材No.4と共に、
海岸地帯および山岳地帯に曝露して緑青の発生状況を調
査し、その結果を第1表に示した。
第1表から明らかなように、本発明屋根板材No.1〜N
o.3はいずれも表面の粗度および酸化被膜の厚さの小さ
い比較屋根板材No.4より緑青の発生が早く、かつ均一で
あった。
〔発明の効果〕
このように本発明によれば、銅製の屋根板材に早期に
かつ全面に均質な緑青を発生させることができる等工業
上顕著な効果を奏するものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuまたはCu合金からなる屋根板材の少なく
    とも片面の表面粗面(Ra)を0.10μm以上とし、または
    /およびこの面に電気メッキによるCuメッキを施し、さ
    らにこの面に酸化被膜を形成したことを特徴とするCuま
    たはCu合金の屋根板材。
  2. 【請求項2】酸化被膜の厚さが200Å以上である請求項
    (1)記載のCuまたはCu合金の屋根板材。
  3. 【請求項3】Cuメッキの厚さが0.001〜1.0μmである請
    求項(1)または(2)記載のCuまたはCu合金の屋根板
    材。
  4. 【請求項4】Cuメッキとしていわゆるヤケメッキを施す
    請求項(1)ないし(3)記載のCuまたはCu合金の屋根
    板材。
JP1028013A 1989-02-07 1989-02-07 CuまたはCu合金の屋根板材 Expired - Lifetime JP2662013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1028013A JP2662013B2 (ja) 1989-02-07 1989-02-07 CuまたはCu合金の屋根板材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1028013A JP2662013B2 (ja) 1989-02-07 1989-02-07 CuまたはCu合金の屋根板材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02209547A JPH02209547A (ja) 1990-08-21
JP2662013B2 true JP2662013B2 (ja) 1997-10-08

Family

ID=12236891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1028013A Expired - Lifetime JP2662013B2 (ja) 1989-02-07 1989-02-07 CuまたはCu合金の屋根板材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2662013B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4034249A1 (de) * 1990-10-27 1992-04-30 Kabelmetal Ag Verfahren zur herstellung von braunen deckschichten auf kupfer

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5411885A (en) * 1977-06-30 1979-01-29 Matsushita Electric Works Ltd Copper coloring process
JPS5752425A (en) * 1980-09-11 1982-03-27 Hitachi Netsu Kigu Kk Self-cleaning type coating layer for heat cooker
JPS6357500A (ja) * 1986-08-27 1988-03-12 日立建機株式会社 多関節ア−ム機械

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5411885A (en) * 1977-06-30 1979-01-29 Matsushita Electric Works Ltd Copper coloring process
JPS5752425A (en) * 1980-09-11 1982-03-27 Hitachi Netsu Kigu Kk Self-cleaning type coating layer for heat cooker
JPS6357500A (ja) * 1986-08-27 1988-03-12 日立建機株式会社 多関節ア−ム機械

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02209547A (ja) 1990-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3699018A (en) Method of electrodepositing coral copper on copper foil
JP2662013B2 (ja) CuまたはCu合金の屋根板材
EP0797631A1 (en) Artificial patina
JP2662014B2 (ja) 早期に緑青を形成するCuまたはCu合金の屋根板材
US5858122A (en) Materials capable of readily developing natural patina and process for producing the same
JP2662011B2 (ja) 早期に緑青が形成する屋根板材
JP2583305B2 (ja) 早期に緑青を形成する屋根板材
JPH0776796A (ja) 緑青形成用基材、前記基材の製造方法、及び前記基材を用いた緑青の形成方法
JP2782121B2 (ja) 鉛屋根材
JPH02236286A (ja) 早期に緑青を形成する銅製品とその製造方法
JP4019535B2 (ja) 装飾体の製造方法
JPH07216590A (ja) 人工緑青銅板
JPH04193959A (ja) 緑青の形成方法
JPH04193958A (ja) 緑青の形成方法
JPH0718485A (ja) 緑青を形成した材料及びその製造方法
JPS6033200B2 (ja) 銅または銅合金表面に人工的に暗緑青色の防食皮膜を形成する方法
JP2599454B2 (ja) 早期に緑青被膜が形成する銅製品
JPH0598497A (ja) 銅又は銅合金材の緑青皮膜形成方法
JPH04193960A (ja) 緑青の形成方法
JPH03236479A (ja) 緑青の形成方法
JPH04193961A (ja) 緑青の形成方法
JPH08209390A (ja) 天然緑青易発錆性材料、およびその製造方法
JPH02128836A (ja) コンクリート建材及びその製造方法
JP3540655B2 (ja) チタン亜鉛合金板
JPS60141890A (ja) 錆安定化耐候性低合金鋼材