JP2661084B2 - テープテンション制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気記録再生装置におけるテープテンション
制御装置に関するものである。 従来の技術 従来の磁気記録再生装置におけるテープテンションの
制御としては、テープ供給側リールから回転シリンダに
至るテープパス上にテンションポストを設け、テープテ
ンションを力学的に検出し、テンションアームおよびブ
レーキベルト，ブレーキドラムを介してリール台のブレ
ーキトルクを変動させることによってテープテンション
を制御するのが一般的な方法である。 第３図と第４図はこの従来の磁気記録再生装置におけ
るテンションポストおよびリール台付近の平面図と側面
図を示すものである。シャーシ１に回転シリンダ２とテ
ープ３を回転シリンダ２に巻付るローディングポスト４
が取付られ、テンションポスト５はシャーシ１に回動可
能に取付られたテンションアーム６の先端部に取付られ
テンションアーム６には第３図でテンションアーム支軸
７のまわりに反時計方向に付勢されるように引張バネ８
が掛けられ、ブレーキドラム９に巻付けられたブレーキ
ベルト10のフィクサー11が回動可能に取付けられてい
る。またシャーシ１上のリール軸12に回動可能に取付ら
れたリール台13と同軸にリールギア14を有するブレーキ
ドラム９が回動可能に取付られ、リール台13底部に嵌着
したバネストッパ15に保持された圧着バネ16によって、
リール台12に対して同軸に回転可能に嵌入されたリール
ギア14を有するブレーキドラム９上面をリール台12のク
ラッチフェルト17面に付勢し、ブレーキドラム９からリ
ール台12にトルク伝達可能に取付られている。 以上のように構成された従来例の磁気記録再生装置に
ついて、以下その動作を説明する。 PLAY方向にテープ走行する場合、ブレーキドラム９に
よって生じたりリールのブレーキトルクによってテープ
テンションを発生する。そのとき、テープテンションを
テンションポスト５においてテンションアーム支軸７ま
わりの力モーメントとして検出し、テンションアーム６
上に取付られたフィクサー11と引張バネ８の支点で作用
する力のモーメントとのつり合いよりテンションポスト
５でのテープテンションが定まる。テープテンションが
設定値（力のモーメントがつり合っている時のテープテ
ンション）よりも上がると、フィクサー11にかかる力が
小さくなり、フィクサー11に取付られたブレーキベルト
10がブレーキドラム９を締めつける力が小さくなりリー
ル台13のブレーキトルクが減少しテープテンションを設
定値に保とうとする。なおREV（巻戻し）方向にテープ
走行する場合は、ブレーキドラム９よりクラッチフェル
ト17を介してリール台12に伝達される巻取トルクをリー
ル径によってテープテンションが決定する。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、テープがREV方
向に走行する場合、巻取側のリール台の巻取トルクを制
御する機構を有していないため、REV時のテープテンシ
ョンはリールの巻径に比例して変化する。そのためテー
プ巻始め時と巻終り時におけるテープテンション比が大
きくなり、REV再生時の再現性がなくなる。またテープ
テンションがリール巻径に比例して変化することから、
テープテンションの最大値が大きくなり、テープダメー
ジが起きやすくなる。さらに8mmVTRで考えられているオ
ートリバースのPCM録音・再生の場合、REV時のテープテ
ンションを制御しなければ、録音・再生のトラックのリ
ニアリティ保障ができないことになり互換性上成立しな
いという問題点を有していた。 本発明はかかる点に鑑み、REV走行時においても、容
易にテープテンション制御を行うことができる磁気記録
再生装置を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 本発明はリール台の回転に応じて回転しリール台にブ
レーキトルクを生じさせるブレーキドラムと、ブレーキ
ドラムにブレーキを生じさせるためにブレーキベルトを
押圧する部材を有するテンションアームと、ブレーキベ
ルトをブレーキドラムの回転に応じて移動可能、かつ所
定の位置で係止する手段とを備え、ブレーキベルト上に
突出した被押圧部を複数個設けることにより、リール台
の回転方向にしたがってブレーキベルトの押圧部および
押圧方向を変え、所要のブレーキトルクをリール台に生
じさせる手段を備えた構成になっている。 作用 本発明は前記した構成により、PLAY走行時において
は、リール台がRLAY方向に回転することによってブレー
キドラムも回転しブレーキベルト上に突出した被押圧部
が所定の位置に移動しテンショシアームに連動する押圧
部材が所定の方向にブレーキベルトを押圧する。その
際、テープテンションが設定値よりも大きくなると、押
圧部材の押圧力が減りブレーキベルトによるブレーキ力
が減少することによって、リール台のブレーキ力も減少
しテープテンションが減少する。逆にテープテンション
が設定値よりも小さくなると、押圧部材の押圧力が増
し、ブレーキベルトのブレーキ力が増加することによっ
てリール台のブレーキ力も増加しテープテンションが増
加する。一方REV走行時は、リール台がREV方向に回転す
ることによってブレーキドラムも回転し、ブレーキベル
ト上に突出した被押圧部が所定の位置に移動し、テンシ
ョンアームに連動する押圧部材が所定の方向にブレーキ
ベルトを押圧する。その際、テープテンションが設定値
よりも大きくなると押圧部材の押圧力が増えブレーキベ
ルトによるブレーキ力が増加することによってリール台
の巻取力が減少しテープテンションが減少する。逆にテ
ープテンションが設定値よりも少さくなると、押圧部材
の押圧力が減少しブレーキベルトによるブレーキ力が減
少することによってリール台の巻取力が増加し、テープ
テンションが増加する。 実 施 例 第１図は本発明の一実施例における磁気記録再生装置
のPRAY走行時の平面図、第２図は同実施例のREV走行時
の平面図を示すものである。第１図において、５はテン
ションアームに軸支されたテンションポスト、7aはシャ
ーシ上に軸支されたテンションアーム、８はテンション
アーム7aに支軸まわりに回転モーメントを付勢する引張
バネ、９はリール台と同軸に回転可能かつフェルトを介
してブレーキ力をリール台に伝達するブレーキドラム、
10はブレーキバンド、18a,18bはブレーキベルト10に接
着された被押圧部19a,19bはテンションアーム7aに取付
られた押圧ピン、20はブレーキベルト10が巻回された従
動ドラム、21は従動ドラム20とブレーキベルト10をすべ
らないように固定したピン、22は従動ドラム20が所定の
範囲内のみで回動するためのストッパピンである。 以上のように構成された本実施例の磁気記録再生装置
について、以下その動作を説明する。 まずPLAY時において、リール台が回転しはじめ、それ
に応じてブレーキドラム９も回転する。ブレーキドラム
９とブレーキベルト10の間のまさつ力によってブレーキ
ベルト10は移動する。それに連動して従動ドラム20も回
転しストッパピン22で所定の位置で止まる。そしてテン
ションアーム7a上の押圧ピン19aが第１図のように被押
圧部18aに接する。この状態でテンションアーム7aは支
軸まわりにおいて引張バネ８による力のモーメントとテ
ンションポスト５にかかるテープテンションによる力の
モーメントと押圧ピン19aにかかる反力による力のモー
メントのつり合いを常に保っている。 そこでテープテンションが設定値よりも増加すると押
圧ピン19aの押圧力は減りブレーキ力が減りブレーキ力
が減少し、テープテンションは減少する。逆にテープテ
ンションが設定値よりも減少すると押圧ピン19aな押圧
力は増しブレーキ力が増加し、テープテンションは増加
する。以上のことによってPLAY時のテープテンションを
制御する。 REV時は、ブレーキベルト10が、PLAY時と逆方向に移
動し、テンションアーム7a上の押圧ピン19bが第２図に
示すように被押圧部18bに接する。この状態でPLAY時と
同様にテンションアーム7aは支軸まわりに力のモーメン
トのつり合いを保つ。そこでテープテンションが設定値
よりも大きくなると押圧ピン19bの押圧力は増しブレー
キ力も増加し、リール台の巻取トルクが減少することに
よってテープテンションは減少する。逆にテープテンシ
ョンが設定値よりも小さくなると押圧ピン19bの押圧力
は減りブレーキ力も減少し、リール台13の巻取トルクが
増加する。以上のことによってREV時のテープテンショ
ンを制御する。 発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、REV時におい
ても容易にテープテンションを制御することによってリ
ールの巻径にかかわらずREV再生時の再現性を保つこと
ができ、テープテンションが非常に大きく上昇すること
がないので、テープダメージも起きにくくすることがで
き、REV方向での録音再生状態においてもトラックのリ
ニアリティを保障することができ、その実用的効果は大
きいものがある。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明における一実施例のテープテンション制
御装置のPLAY時の平面図、第２図は同実施例のREV時の
平面図、第３図は従来のテープテンション制御装置の平
面図、第４図は同従来例の側断面図である。 7a……テンションアーム、９……ブレーキドラム、10…
…ブレーキベルト、13……リール台、18……被押圧部、
19……押圧ピン、20……従動ドラム、22……ストッパピ
ン。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．リール台の回転に応じて回転し前記リール台にブレ
   ーキトルクを生じさせるブレーキドラムと、前記ブレー
   キドラムにブレーキを生じさせるためにブレーキベルト
   を押圧する押圧部を有するテンションアームと、前記ブ
   レーキベルトを前記ブレーキドラムの回転に応じて移動
   可能かつ所定の位置で係止する手段とを備え、前記ブレ
   ーキベルト上に突出した複数個の被押圧部を設けること
   により、前記リール台の回転方向にしたがって前記ブレ
   ーキベルトの押圧部および押圧方向を変え、所要のブレ
   ーキトルクを前記リール台に生じさせることを特徴とす
   るテープテンション制御装置。