JP2660253B2 - 吸着式ヒートポンプ - Google Patents

吸着式ヒートポンプ

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JP2660253B2
JP2660253B2 JP4154482A JP15448292A JP2660253B2 JP 2660253 B2 JP2660253 B2 JP 2660253B2 JP 4154482 A JP4154482 A JP 4154482A JP 15448292 A JP15448292 A JP 15448292A JP 2660253 B2 JP2660253 B2 JP 2660253B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,吸着剤に対して作動流
体を吸着・脱着操作することよって熱の移動と貯蔵を行
う吸着式ヒートポンプに関する。より具体的には,同一
出願人に係る特開平3-31663号公報に提案した吸着式冷
凍機と同様に, 中空プレートの外表面に吸着剤層を装着
してなる熱交換プレートの多数枚を作動流体と共に密閉
容器の中に封入するヒートポンプの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平3-31663号公報は,中空プレート
の外表面に吸着剤層を装着した熱交換プレート (吸着剤
熱交換器) を用いた吸着式冷凍機を開示している。この
冷凍機は,吸着剤熱交換器の他に, 蒸発器または凝縮器
として機能する熱交換器を別途第一機能室と第二機能室
に設けるものであり,膨脹弁操作により作動流体の循環
を行わせるものである。
【0003】この特開平3-31663号公報に記載の吸着剤
熱交換器は,プレート式熱交換器の各プレートの表面に
吸着剤を装着できるような小さなセルを設けたものであ
り,このセルを構成する部材がフインとしても作用する
ものであるから中空プレートの内部に通流する流体との
熱交換が良好であり,この流体の切換えによって吸着剤
層への作動流体の吸着・脱着動作が良好に行える
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は,特開平3-
31663号公報の吸着式冷凍機を発明したあとも研究を続
けてきたが,該冷凍機の場合には,凝縮器と蒸発器とを
持たせたので, 冷凍機の作動中液相の水が存在すること
になり,このために液面制御が必要となり,また水系の
配管や減圧弁等の設置も必要であることから装置がやや
複雑になること,またメンテナンス時にも水抜きが必要
となるといった不都合に遭遇した。
【0005】そこで,液相の水を生成させない新しいヒ
ートポンプの開発を意図した。これが本発明が解決しよ
うとする課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,特開平3-3166
3号公報の吸着式冷凍機の凝縮器と蒸発器を同一の吸着
剤熱交換器を用いた吸着器と脱着器に置き代えるという
発想に基いている。これによると作動流体はすべて気相
で作動し,液面を作らない。
【0007】すなわち本発明によれば,中空プレートの
外表面に吸着剤層を装着してなる熱交換プレートの多数
枚を作動流体と共に互いに独立した少なくとも2つの
閉容器の中に封入することにより少なくとも2つの系統
を形成し,各系統とも,該中空プレート内に通流する
により該吸着剤層に吸着している作動流体を脱着させ
るように機能させる群脱着群と呼ぶ)と,該中空プレ
ート内に通流する流体により密閉容器内に存在する気相
の作動流体を該吸着剤層に吸着させるように機能する群
(吸着群と呼ぶ)とに分け,少なくとも一方の系統の脱
吸着動作がほぼ完了した時点で脱着群は吸着群に,また
吸着群は脱着群となるように各熱交換プレートに通流し
ている流体を切換えるようにしたものである。
【0008】
【実施例】図1〜図3は,中空プレート1の外表面に吸
着剤を装着する場合の装填構造を示したもので,熱交換
面となる中空プレート1のほぼ全外表面積にわたってフ
インを用いて枡目状のセル2を多数形成する例を示して
いる。
【0009】図1に見られにように,中空プレート1の
両外表面に軸方向に延びるフイン3とこれと直交する方
向に延びる同じ高さのフイン4を互いにクロスしながら
碁盤目状に多数設けることによって,フイン3と4で囲
われるセル2を多数形成し,この各々のセル2を固体吸
着剤の装填容器としてある。
【0010】各セル2に固体吸着剤を装填すると,中空
プレート1の両外表面には所定の厚みをもつ固体吸着剤
の層がプレート1の外面およびフイン面と接触して取付
けられることになり,各セルを形成する6面体のうち5
面体が伝熱面となって吸着剤と接し,しかも小さなセル
に分割されることから中空プレート1内を流れる熱媒体
と吸着剤との熱交換は極めて良好となる。各セル2の全
外側面には,図示しないが多孔質の板または網体が被着
され,この通気性カバーによって各セル2内に吸着剤が
押え込まれる。このカバーの取付けは,フイン3と4の
端部を廻る枠体5を用いて行われる。
【0011】なお,図1の例では中空プレート1が金属
などの一体成形品からなり,図2の例では中空プレート
1は二枚の金属板6と7をスペーサー8を用いてチュー
ブプレートに加工してあり,図3の例では二枚の金属板
6と7の端縁を重ね合わせ溶接によって接合することに
よってチューブプレートに形成してある。いずれもフイ
ン3と4で吸着剤装填用のセル2を多数形成する点では
変わりはない。
【0012】図1〜図3の例のほか,場合によってはフ
イン3だけを,またはフイン4だけを平行に配置し,そ
の間隙に固体吸着剤を装填したうえ,多孔質または網体
をその上に被着した構造のものも使用することができ
る。
【0013】図4は,前記のように固体吸着剤を中空プ
レート1の外表面に装填してなる熱交換プレート(以
後,吸着剤熱交換プレートと呼ぶ)を用いてヒートポン
プを構成した本発明の実施例を示したものであり,多数
枚の吸着剤熱交換プレート9が密閉容器10内に作動流
体(以後,冷媒と呼ぶ)と共に封入されている。冷媒と
して水が使用できる。しかし,液体の水は密閉容器10
内の空間には実質上存在せず,固体吸着剤に吸着される
ときに気相から液相に相変化するに似た状態で固定され
る。
【0014】図4の例では,密閉容器10は第一室Aと
第二室Bとに仕切壁11によって区分されており,容器
AとBとは互いに連通していない。したがって,冷媒は
各室AとBとに独立して存在している。
【0015】図4において,多数枚の吸着剤熱交換プレ
ート9は室Aの系統と室Bの系統の二つの系統に区分さ
れ,いずれの系統でも,脱着群と吸着群とに分けられて
いる。いま,図の状態では,室Aの系統においては,イ
の吸着剤熱交換プレートが脱着群を構成し,ロの吸着剤
熱交換プレートが吸着群を構成している。一方,室Bの
系統においても,イの吸着剤熱交換プレートが脱着群を
構成し,ロの吸着剤熱交換プレートが吸着群を構成して
いる。
【0016】室Aの系統の吸着剤熱交換プレートのう
ち,脱着群のプレート内に加熱媒体(例えば温排水)1
2が通流され,吸着群のプレート内には冷却水13が通
流される。これにより,脱着群の吸着剤が加熱媒体12
によって加熱され,吸着していた冷媒が蒸発し,その冷
媒蒸気は室A内に拡散する。一方,吸着群の吸着剤は冷
却水13によって冷却され,室A内の冷媒蒸気を吸着す
る。この動作により,加熱媒体12は冷媒の脱着熱によ
る抜熱のために冷却されて系外に導出され,冷却水は冷
媒の吸着熱を受熱し温度が上昇して系外に導出される。
この動作を続行すると,脱着群の吸着剤は冷媒を僅かし
か保持しない乾燥状態となり,吸着群の吸着剤は冷媒を
多量に保持した湿潤状態となる。
【0017】同様に,室Bでは湿潤状態にある脱着群の
プレート内に冷熱を取り出したい媒体(採冷熱媒体14
と呼ぶ)を通流し,乾燥状態にる吸着群のプレート内
に冷却水15を通流させる。採冷熱媒体14は例えば冷
房用の熱源水等であり,の場合には通常は蓄熱槽16
に蓄えられるが,冷房運転によって若干温度が上昇した
冷水14をポンプ17によって脱着群に通流させたあ
と,再び蓄熱槽16に戻す。この冷水は脱着群に通流す
る間に吸着している冷媒蒸発する際に脱着熱が奪熱
されることによってさらに冷却される。一方,吸着群で
は冷却水15に吸着熱を付与しながら,蒸発した冷媒蒸
気が吸着剤に吸着される。
【0018】この室Aの系統および室Bの系統の動作を
或る時間続けると,その脱吸着の機能が飽和に近づく。
いずれか一方の系統の機能が飽和に近づいた時点で,脱
吸着動作を逆に切り換える。図示の状態で飽和に近づい
たときには,室Aのイの吸着剤熱交換プレートに冷却水
(15)を通流し,ロの吸着剤熱交換プレートに採冷熱
媒体(14)を通流させる。そして,室Bのイの吸着剤
熱交換プレートに冷却水(13)を,ロの吸着剤熱交換
プレートに加熱媒体(12)を通流させる。これによっ
て,先に述べた室Aと室Bの動作と全く同じ作用が室B
と室Aで行われることになり,採冷熱媒体14には冷熱
が採取できる。
【0019】この切換えを流体の流れが休止しないよう
に連続的に行えば,採冷熱媒体14には連続的に冷熱が
取り出せる。また,この切換えを時間を置いて行えば,
その休止時間帯の間だけ,温熱または冷熱を保持できる
ので,蓄熱装置としても機能する。なおこのヒートポン
プは,室内に封入する作動流体が水であるとした場合,
吸着剤の温度,吸着剤の含水率および室内の水蒸気分圧
の間にある平衡関係を利用したものであり,水蒸気の温
度より吸着剤の温度が高いところに平衡点が存在し,し
かもこの傾向は吸着剤の含水率が小さいほど大きくなる
という原理に基づくものである。したがって本発明のヒ
ートポンプは,吸着剤の温度,吸着剤の含水率および水
蒸気分圧のそれぞれの変化から脱着・吸着動作か決まる
ことになる。例えば採冷熱媒体14に冷熱を取り出すさ
いの脱着動作(図4では室Bの状態)について言えば,
吸着群ロを乾燥状態にするために前段階で通流した加熱
媒体12よりも温度が低い冷却水15をこの吸着群ロに
通流すると,乾燥状態にある吸着群ロに室内の水蒸気が
吸着し,室内の水蒸気分圧が下がることにより脱着群イ
に吸着していた水が室内に蒸発し,図示の方向に水蒸気
の移動を生じて,脱着群イに通流する冷水の温度を下げ
ることになる。この脱着群イでの脱着動作ひいては冷水
14の冷却は,吸着群ロに通流する冷却水15の温度が
冷水14よりも必ずしも低くなくてもよく,冷水14の
温度より高い場合でも加熱媒体12より低温であれば含
水率の差と水蒸気分圧との関係からこの脱着動作を進行
させることができる。例えば,図4において,加熱媒体
(温排水)12の入口温度≒100℃,冷却水13の入
口温度≒30℃,冷水(熱源水)14の入口温度≒15
℃であるとした場合,次のような挙動により出口温度が
例えば10℃の冷水(熱源水)を取り出すことができ
る。 まず,室Aでは脱着群イの吸着剤の含水率は非常に
低下し(加熱媒体の出口温度≒95℃),吸着群ロの吸
着剤の含水率は非常に高い湿潤状態になる(冷却水の出
口温度≒35℃)。この状態から,含水率の低い群に対
し加熱媒体よりも温度が低い冷却水(30℃)を通水す
ると(室Bのロ),平衡点が移動して含水率の高い群
(室Bのイ)からの水の蒸発が促進され,室Bのロには
水蒸気が凝縮す る(冷却水の出口温度は約35℃にな
る)。したがって,含水率の高い群(室Bのイ)に通水
される冷水は,吸着剤からの水の蒸発により冷却され,
約10℃まで温度が低下する。 すなわち,吸着剤温度,
吸着剤に含まれる水の含水率,吸着剤周辺の水蒸気分圧
の間にある平衡関係において,含水率の差によって水蒸
気分圧に差が生ずることを利用すると,冷水よりも高い
温度の冷却水を用いても,冷水温度を一層低下させるこ
とができる。したがって,図4のヒートポンプに外部か
ら通流する流体の温度レベルは,加熱媒体>冷却水>冷
水の順であっても,ヒートポンプ内の冷媒(水蒸気)の
移動方向は,図4に示した矢印の方向となり,室Bの図
示の状態では低温側から高温側に水蒸気が移動すること
になる。なお,吸着剤温度,吸着剤に含まれる水の含水
率,吸着剤周辺の水蒸気分圧の間にある平衡関係は,水
溶液の濃度が高いほど沸点が上昇する現象とよく似たと
ころがある。「モル上昇」または「モル沸点上昇」はこ
の現象を利用して溶質の分子量を求めるものであるが,
この場合の水溶液中の溶質を本発明の吸着剤に置き換え
ると判り易い。含水率が高いことは濃度が低く,含水率
が低いことは濃度が高いことに相当する。つまり,含水
率か低くなるほど沸点は上昇する(或る温度における水
蒸気分圧が低くなる)ことに相当する。
【0020】図5は,前記した図4のヒートポンプにお
いて,第一室AとBに配置する吸着剤熱交換プレート9
を横型に配置した本発明の実施例を示す。この場合に
も,各吸着剤熱交換プレート9には吸着剤が装填される
ので,全く同様の作用のもとで吸着式ヒートポンプとし
ての機能を果たす。
【0021】図6は,前記した図4のヒートポンプにお
いて,第一室AとBを仕切る仕切壁11を垂直方向にし
た本発明の実施例を示す。この場合にも,全く同様の作
用のもとで吸着式ヒートポンプとしての機能を果たす。
【0022】図7は,前記した図4のヒートポンプにお
いて,脱着群の吸着剤熱交換プレート(イ)と吸着群の
吸着剤熱交換プレート(ロ)をほぼ同間隔の間隙をあけ
て交互に配置した本発明の実施例を示す。この場合,脱
着群と吸着群に通流する流体は図4の例と同様であるの
で,図中の符号は図4で説明したのと同じ意味を表して
おり,脱着動作している吸着剤熱交換プレート(イ)を
脱着器と,また吸着動作している吸着剤熱交換プレート
(ロ)を吸着器として表示してある。脱吸着動作が飽和
近くに達したら,プレート内に通流する流体の流路を切
り換えることは前例と同様である。
【0023】図7の例では,同じ構造の吸着剤熱交換プ
レートが交互に室Aおよび室B内に配置されており,脱
着器と吸着器とは互いに隣合っているから,脱吸着動作
が隣接した吸着剤層との間で主として行われるので応答
性がよい。
【0024】図8は,脱着器と吸着器とを一層密着させ
た以外は,図7と同様の本発明の実施例を示す。すなわ
ち,脱着器と吸着器とを殆んど隙間が無い程度に密着さ
せた組立物を室AとB内に設置し,且つ室AとBの内部
には余分の空間が殆んど存在しないように室内一杯に該
組立物を配置したものである。そのさい,脱着器として
機能する吸着剤熱交換プレートと吸着器として機能する
吸着剤熱交換プレートとはヒートブリッジが形成されな
いように,僅かの隙間を開けるか,或いは多孔質の断熱
層19を両者の間に介装させておく。これによって,両
プレートが作動状態で40〜50℃程度の温度差があっ
てもヒートブリッジが防止できる。
【0025】図8の構造を採用すると,室内での冷媒蒸
気の空間が非常に少なくなり,また脱着器と吸着器の間
を移動する冷媒の距離が最短となるので,安定した脱吸
着反応が行えるだけでなく,装置全体が非常に小さくな
り,コンパクトで効率のよいヒートポンプを構成するこ
とができる。
【0026】図9〜図11は,図8のような脱着器と吸
着器とが隣接した組立物の具体例を示したものである。
すなわち,先ず図9と図10に示したように,互いに対
称的な形状の吸着剤熱交換プレート9aと9bを作る。
まず,吸着剤熱交換プレート9aについて説明すると,
菱形枠(デイスタンスピース)20aの両側に同形の金
属プレート21aと21bを貼り合わせて,中空プレー
トを構成する。プレート21aと21bには,頂部と底
部に通流管23と24を取付ける。また,プレート21
aと21bの表面にはフイン25と26を取付ける。前
述のように,これらのフイン25と26の隙間には固体
吸着剤が装填される。これによって,一枚の吸着剤熱交
換プレート9aが出来上がる。
【0027】同様に,これと対称的な形状を有している
吸着剤熱交換プレート9bも,9aと同様にして作る。
この場合,9bでは通流管27と28の位置が9aのも
のとは一致しない位置に設けられる。すなわち,菱形の
形状のプレートを反転することによって,その頂部と底
部の位置がずれるので,両プレートの頂部と底部に通流
管が設ければ,両プレートの通流管は異なる位置に配置
することができる。しかし,フイン25と26について
は,両プレート9aと9bとも,同方向にして同じ高さ
の位置に取付けられる。
【0028】このようにして作られた互いに対称な吸着
剤熱交換プレート9aと9bとを互い違いにして図11
のように組立てる。そのさい,吸着剤熱交換プレート9
aの通流管23同士,24同士を接続して供給側または
導出側のマニホールドを形成し,吸着剤熱交換プレート
9bの通流管27同士,28同士を接続して供給側また
は導出側のマニホールドを形成する。
【0029】これによって,各マニホールドに加熱媒体
または冷却水,或いは採冷熱媒体または冷却水を既述の
ように切換え可能に通流させることによって吸着剤熱交
換プレート9が脱着器または吸着器として機能し,こ
れらの全てに近接して9が吸着器または脱着器として
機能させるように作動させることができる。しかも,各
マニホールドは各プレートの面積内に位置するので,こ
の組立物を密閉容器内に配置する場合に,マニホールド
のための設置スペースが省略され,非常にコンパクトに
収納できることになる。
【0030】図12は,図11で説明したような脱着器
と吸着器とを交互に配置した組立物30aと30bをそ
れぞれ別の独立した密閉容器10aと10b内に配置す
ることによって,本発明のヒートポンプを構成した例を
示す。すなわち,各々独立した密閉容器10aと10b
の空間内に冷媒と組立物30aと30bとが収納されて
おり,各組立物30aと30bには,容器外に連結した
23〜24および27〜28に先に説明したように各熱
媒体が導入および導出される。
【0031】図12において,例えば組立物30aにお
ける脱着器群に28aから加熱媒体を通流し27aから
送出し,同組立物30aの吸着器群に23aから冷却水
を通流し24aから送出すると,脱着器から隣接する吸
着器に直接的に冷媒が移動する。同様に,組立物30b
着器群に28bから冷却水を通流し27bから送出
し,着器群に採冷熱媒体を23bから通流し24bか
ら送出すると,脱着器から隣接する吸着器に直接的に冷
媒が移動する。この運転が飽和状態もしくはそれに近い
状態に達したら前記のように熱媒の経路を切り換える。
【0032】なお,図12では独立した密閉容器10a
と10bを左右に配置した例を示したが,図13のよう
に前後に背中合わせで配置してもよい。いずれにして
も,少なくとも一方の系統の脱吸着動作がほぼ完了した
時点で通流媒体の流路を切換えることによって,連続し
て冷熱または温熱の一方向性の搬送が可能となる。
【0033】以上の実施例において,固体吸着剤とこれ
に脱吸着させる冷媒の組合せとしては,ゼオライト/
水,シリカゲル/水,活性炭/水,硫化ナトリウム/
水,臭化カルシウム/水,よう化ナトリウム/アンモニ
ア,塩化ニッケルアンモニア錯体/アンモニア,生石灰
/水などが適用可能である。そのうちゼオライト/水,
シリカゲル/水,活性炭/水の組み合わせのものがが安
全で環境保全の面からも望ましく且つ経済的である。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように,本発明によれば,
特開平3-31663号公報において先に提案した吸着式冷凍
機に比べると,装置(密閉容器)内で作動する冷媒は吸
着剤に吸着されているか或いは気相の状態にある。この
ため,冷媒の搬送管路が不要化すると共に,液相と気相
の相変換を助成するための膨脹弁も不要化し,装置構成
が簡略化すると共に可動部が無くなり,このために故障
や作動不良を起こすような危険が回避された。
【0035】加えて,装置がコンパクトになることから
単位容積当たりのヒートポンプ機能が向上し,ひいては
成績係数も向上し,また液相が存在しないので装置は反
転や移動が自由となり,設置場所に制約を受けないとい
う効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空プレートの外表面に吸着剤を装着する場合
の装填構造を示した熱交換プレートの実施例を示す斜視
図である。
【図2】中空プレートの外表面に吸着剤を装着する場合
の装填構造を示した熱交換プレートの他の実施例を示す
斜視図である。
【図3】中空プレートの外表面に吸着剤を装着する場合
の装填構造を示した熱交換プレートのさらに他の実施例
を示す斜視図である。
【図4】吸着剤熱交換プレートを用いてヒートポンプを
構成した本発明の実施例を示す機器配置系統図である。
【図5】図4のヒートポンプにおいて,第一室Aと第二
室Bに配置する吸着剤熱交換プレートを横型に配置した
本発明の実施例を示す略断面図である。
【図6】図4のヒートポンプにおいて,第一室Aと第二
室Bを仕切る仕切壁を垂直方向にした本発明の実施例を
示す略断面図である。
【図7】図4のヒートポンプにおいて,脱着群の吸着剤
熱交換プレート(イ)と吸着群の吸着剤熱交換プレート
(ロ)をほぼ同間隔の間隙をあけて交互に配置した本発
明の実施例を示す略断面図である。
【図8】脱着器と吸着器とを一層密着させた以外は図7
と同様の本発明の実施例を示す略断面図である。。
【図9】図8の脱着器と吸着器とを隣接させる場合の一
方の吸着剤熱交換プレート9aの組立図である。
【図10】図8の脱着器と吸着器とを隣接させる場合の
一方の吸着剤熱交換プレート9bの組立図である。
【図11】図9と図10の吸着剤熱交換プレートを組み
合わせた組立物の一部を示す斜視図である。
【図12】図11の組立物を左右に配した別々の密閉容
器内に独立して配置することによって本発明のヒートポ
ンプを構成した実施例を示す略斜視図である。
【図13】図11の組立物を前後に別々の密閉容器内に
独立して配置することによって本発明のヒートポンプを
構成した実施例を示す略斜視図である。
【符号の説明】
1 中空プレート 2 吸着剤装填用セル 3,4 フイン 9 吸着剤熱交換プレート 10 密閉容器 11 仕切壁 12 加熱媒体 13 冷却水 14 採冷熱媒体 15 冷却水 30 脱着器と吸着器とを隣接させた組立物

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空プレートの外表面に吸着剤層を装着
    してなる熱交換プレートの多数枚を作動流体と共に互い
    に独立した少なくとも2つの密閉容器の中に封入するこ
    とにより少なくとも2つの系統を形成し,各系統とも,
    該中空プレート内に通流する流体により該吸着剤層に吸
    着している作動流体を脱着させるように機能させる群
    脱着群と呼ぶ)と,該中空プレート内に通流する流体
    により密閉容器内に存在する気相の作動流体を該吸着剤
    層に吸着させるように機能する群(吸着群と呼ぶ)とに
    分け,少なくとも一方の系統の脱吸着動作がほぼ完了し
    た時点で脱着群は吸着群に,また吸着群は脱着群となる
    ように各熱交換プレートに通流している流体を切換える
    ようにした吸着式ヒートポンプ。
  2. 【請求項2】 2つの系統は,仕切壁を介してそれぞれ
    独立して一つの密閉容器内に形成されている請求項1に
    記載の吸着式ヒートポンプ。
  3. 【請求項3】 2つの系統は,吸着剤を充填した2つの
    密閉容器内にそれぞれ独立して形成されている請求項1
    に記載の吸着式ヒートポンプ。
  4. 【請求項4】 各系統の脱着群は,複数枚の熱交換プレ
    ートを重ねて構成され,この脱着群と離れた位置にその
    系統の吸着群が複数枚の熱交換プレートを重ねて構成さ
    れている請求項1,2または3に記載の吸着式ヒートポ
    ンプ。
  5. 【請求項5】 各系統の脱着群と吸着群は該吸着剤層
    が互いに近接するように熱交換プレートが交互に重ねら
    れている請求項1,2または3に記載の吸着式ヒートポ
    ンプ。
  6. 【請求項6】 作動流体は水であり,吸着剤はシリカゲ
    ルまたはゼオライトである請求項1,2,3,4または
    に記載の吸着式ヒートポンプ。
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