JP2796439B2 - 冷熱の蓄熱利用装置 - Google Patents

冷熱の蓄熱利用装置

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JP2796439B2 JP3012883A JP1288391A JP2796439B2 JP 2796439 B2 JP2796439 B2 JP 2796439B2 JP 3012883 A JP3012883 A JP 3012883A JP 1288391 A JP1288391 A JP 1288391A JP 2796439 B2 JP2796439 B2 JP 2796439B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷熱の蓄熱利用装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】室内冷房及び又は製氷に使用する装置と
しては、下記するように吸水性高分子ゲル(WAPG=
Water Absorbable Polyme G
el)(以下WAPゲルという)を用いたものが知られ
ている。この装置は、製氷時には電力を利用して減圧下
で真空ポンプを運転し、WAPゲル中の水を一部蒸発さ
せ、その蒸発熱で残りの水分の約90%を氷にするいわ
ゆる真空ポンプによる水蒸気排気式製氷を行い、冷房時
は冷房室の空気との直接接触によりWAPゲルを解凍
して冷房を行っている。 一方、真空ポンプを運転するこ
とによりWAPゲルから蒸発した水分は水冷又は空冷の
コンデンサーで凝縮し、冷房運転終了後に必要に応じて
凝縮水をWAPゲルに戻すようにしてサイクルを形成し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな装置では下記のような問題がある。 (1)減圧下で水を蒸発させるに際し、この減圧状態を
達成するために、真空ポンプを使用する関係上、電力多
消費型となるので、いかに電力消費量を低減するかが重
要となっている。 (2)電力費を低減するために、夜間に真空ポンプを作
動して製氷し、昼間に冷房を行うなどの工夫もされてい
るが、これは冷房の随時作動に対する柔軟性を失うこと
になる。 (3)真空ポンプの存在は冷凍機内に可動部をもつこと
になり、コンデンサーで回収される水蒸気に油等の汚れ
が混入し、冷凍系のスケール付着等を招き、回収水の再
使用は困難である。(4)凝縮水には真空ポンプ経由時に油等の汚れが混入
するため、実用上好ましくない。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、消費電力を低減し、製氷冷房の選択の自由度
を大きくかつ潤滑油の冷媒中への侵入を防止できて
経済的な冷熱の蓄熱装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために、請求項1の
発明は水を吸収してゲル化した吸水性高分子ゲル中の
水分の一部を蒸発させ、その蒸発熱で残存水分を凍結
し、その冷熱を利用する冷熱の蓄熱利用装置において、
冷房ユニット部と、冷却により水分を吸着し過熱により
吸着水分を脱着する吸着剤を内蔵可能な吸着剤タンクと
をそなえ、上記冷房ユニット部が、上記吸水性高分子ゲ
ルを内蔵可能な吸水性高分子ゲルタンクを有し、同吸水
性高分子ゲルタンクの内部に、開口部を有する板または
網などで形成された上記吸水性高分子ゲルを載置可能な
複数の箱体を、同各箱体の相互間に媒体流路を形成して
多段に積み重ねて配設し、上記の冷房ユニット部と吸着
剤タンクとを、仕切弁と、同仕切弁に並列に配設された
凝縮器とを介して接続して課題解決の手段としてる。
求項2の発明、水を吸収してゲル化した吸水性高分子
ゲル中の水分の一部を蒸発させ、その蒸発熱で残存水分
を凍結し、その冷熱を利用する冷熱の蓄熱利用装置にお
いて、冷房ユニット部と、冷却により水分を吸着し過熱
により吸着水分を脱着する吸着剤を内蔵可能な吸着剤タ
ンクとをそなえ、上記冷房ユニット部が、上記吸水性高
分子ゲルを内蔵可能な密閉型の吸水性高分子ゲルタンク
を有し、同密閉型の吸水性高分子ゲルタンクの内部に、
上記吸水性高分子ゲルを載置可能な複数の密閉型ダクト
を、同各ダクトの相互間に媒体流路を形成して多段に積
み重ねて配設し、上記の吸水性高分子ゲルタンクと吸着
剤タンクとを仕切弁を介して接続するとともに、上記の
吸水性高分子ゲルタンクと吸着剤タンクとの間に凝縮器
を介装して課題解決の手段としている。請求項3の発明
、請求項1または2のいずれかに記載の冷熱の蓄熱利
用装置 において、上記冷房ユニット部を複数基設けると
ともに、上記凝縮器を1基の共用の凝縮器で構成して課
題解決の手段としている。請求項4の発明、請求項1
乃至3のいずれかに記載の冷熱の蓄熱利用装置におい
て、上記冷房ユニット部を複数基設けるとともに、上記
吸着剤タンクを1基の共用の吸着剤タンクで構成して課
題解決の手段としている。
【0006】
【作用】本発明では、従来の装置における真空ポンプの
代わりに吸着剤タンクを設置し、同タンクに内蔵された
吸着剤で排気されてくる水蒸気を吸着することによりW
APゲルタンク内所定量の水を蒸発させてこの蒸発潜
熱で製氷を行う。その際、吸着に伴い熱が発生し、吸着
剤の吸着能力が低下するので、これを冷却水により間接
冷却する。一方、冷房時は吸着操作が不要となるので、
この吸着剤タンクに温水を流し間接加熱することにより
吸着剤の吸着能力を低下させて吸着した水蒸気を追い出
し(脱着)てコンデンサーで凝縮回収し、必要に応じこ
の凝縮水をWAPゲルタンクに戻す。このようにして吸
着剤タンクは、コンプレッサーと全く実質的に同一の作
用を行う。すなわち、コンプレッサーを駆動する電力の
代わりに、吸着剤タンクに温水と冷水を使用するだけ
で、同一の作用われる。従って、本発明では製氷の
ために動力を全く必要しないので、従来のコンプレッ
サー設置による上述の欠点(1)〜(3)を解消するこ
とができる。また補助的に排気手段を使用する場合で
も、排気は系外に向けて一方向的に行われる故、WAP
ゲルタンク内の空気通路内に油分等の環流が生じない。
特に上述の請求項1の発明では、WAPゲルが開口部を
有する板または網などで形成された複数の箱体に載置さ
れるとともに、各箱体が相互間に媒体流路を形成して多
段に積み重ねられているため、WAPゲルの体積当たり
の蒸発表面積を大きくすることができ、製氷時間の短縮
化が可能となる。 また、仕切弁を開いて吸性水高分子ゲ
ルタンクと吸着剤タンクとを連通することにより、吸着
剤に水蒸気を吸着させて吸水性高分子ゲル中の水分を蒸
発させる作用が行われる。 また請求項2の発明では、水
蒸気は吸水性高分子ゲルタンク,吸着剤タンク及びコン
デンサーを密閉サイクル的に循環するので、請求項1の
発明における真空ポンプによる排気操作が不要となる。
さらに、吸水性高分子ゲルタンク内の吸水性高分子ゲル
タンクから脱着された水蒸気が凝縮器で凝縮されたの
ち、密閉サイクル的に吸着剤タンクに戻す作用が行われ
る。 また冷房用空気がWAPゲルと直接接触しないの
で、製氷時の吸着剤の吸着性能が低下するのを抑制でき
る。 さらに請求項3の発明では、複数台並設された冷房
ユニット部の切換えにより、連続した冷房運転が可能と
なる。 しかも1基の凝縮器を共用する構成となっている
ので設備コストや運転コストの低減化が可能となる。
らに請求項4の発明では、複数台併設された冷房ユニッ
ト部の切換えにより、連続した冷房運転が可能となる。
しかも1基の吸着剤タンクを共用する構成となっている
ので設備コストや運転コストの低減化が可能となる。
【0007】
【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
図1はその第1実施例を示す全体縦断面図、図2,3
第2実施例を示すもので、図2AはそのWAPゲルタン
外部斜視図、図2Bは内部斜視図、図2Cは図2Aの
縦断面図、図3はその全体縦断面図、図4はその第
施例を示す全体縦断面図である。
【0008】ず、図1に示す第1実施例のものでは、
上述の従来のものにおける真空ポンプの代わりに、内部
に吸着剤11を充填された吸着剤タンク10を仕切弁S
6,S7を介してWAPゲルタンク15に接続し、吸着
タンク10の吸着剤11中に配設された伝熱コイルに
仕切弁S8を介して温水12を、仕切弁S9を介して冷
却水をそれぞれ供給することができるようにするととも
に、仕切弁S6と吸着剤タンク10との中間に仕切弁S
10を介して真空ポンプ16を接続する構成と なってい
る。符号3はコンデンサー(凝縮器)、符号4はコンデ
ンサー3の冷却水、符号5はコンデンサー3からの除熱
をそれぞれ示している。 さらに符号15はWAPゲルタ
ンクを示しており、このWAPゲルタンク15の内部に
は、WAPゲル14を載置した開口を有する板または網
などより成る箱体を、各箱体の間に媒体流路が形成され
るように多段に積み重ねられて配設されている。そして
WAPゲルタンク15と仕切弁S1,S2をそなえた冷
房用空気ダクトとで冷房ユニット部30が形成されいて
いる。このような装置において、WAPゲルタンク15
に十分に吸水したWAPゲル14を充填したのち、ま
ず、WAPゲルタンク15と外部との間に設けた仕切弁
S1にS2を閉とし、他の仕切弁S3〜S10を開と
し、真空ポンプ16を用いて仕切弁S10を介して系内
の空気等非凝縮ガスを系外へ排気する。その際の排気時
間は、系内の圧力急速に低下させて1mmHg以下、
好ましくは0.1mmHg以下とするとともに、吸水し
たWAPゲルの温度が水分蒸発により急速に低下し
0゜C以下、好ましくは5°C以下となるのを排気完了
の目途とする。これは条件にもよるが通常数分以内の短
時間操作である。以上の排気時間の経過後に、全ての仕
切弁S1〜S10を閉じた後、仕切弁S8を開いて吸着
タンク10に温水12を供給し、温水12で吸着剤1
1を加熱脱着するとともに、仕切弁S10を通して真空
ポンプ16で吸着剤11の吸着ガスを系外へ排気する。
その後、仕切弁S10,S8を締めて真空引き及び温水
供給を停止するとともに、仕切弁9Sを開いて冷却水1
3を吸着剤タンク10に供給することにより吸着剤1
を冷却状態にしたのち、WAPゲルタンク15と吸着剤
タンク10との連通部に設けられた仕切弁S3,S4,
6を開くと、吸着剤11の水蒸気吸着作用により、W
APゲル中の水分の氷結が開始する。WAPゲル中の水
分の一部が蒸発し、この蒸発熱で残りの約90%の水分
は氷になり、このようにして、電力等外部から動力を与
えることなしに製氷が行われて冷熱が蓄熱される。WA
Pゲルタンク15の内部には、開口を有する板または網
などにより成る箱体にWAPゲル14が載置されるとと
もに、このような箱体が相互間に媒体流路を形成して多
段に積み重ねられて配設されているため、WAPゲルか
ら水分を蒸 発させるときの体積当たりの蒸発表面積を大
きくすることができ、製氷時間の短縮化が可能となる。
なお、この点からWAPゲル14の層は薄い方が望まし
い。吸着剤11としては、シリカゲル,活性アルミナ,
合成ゼオライトが好ましく、冷却水13の冷却条件によ
り水蒸気の吸着能力は異なるが、通常、吸着剤重量に対
し数〜数十%の水蒸気が吸着される。ここで、上記製氷
量に見合うべく吸着剤重量が設定されなければならない
ことはいうまでもない。こうして略製氷が完了した時点
で全ての仕切弁S1〜S10を閉じると、冷房準備完了
の状態となるので、次に仕切弁S1,S2を開き、冷房
用空気6をWAPゲルタンク15内に流すと、数〜十数
゜Cの冷風9が得られる。このような第1実施例では、
冷房用空気がWAPゲルと直接接触するようになってい
る関係上、系は解放系となり系内に空気が入ってしま
い、製氷時の吸着剤11の吸着能力が阻害されるため、
むしろ、WAPゲルと空気が直接接触しない間接熱交換
型の方が望ましい。そこで、WAPゲルタンク15,吸
着剤タンク10及びコンデンサー3を循環する水又は水
蒸気完全密閉化状態で使用するようにしたもの
,3実施例であり、このような構造によれば、真空ポ
ンプによる仕切弁S10からの空気(非凝縮ガス)の排
気操作は不要となる。
【0009】すなわち、図2,3に示す第2実施例にお
いては、WAPゲルタンク20図2A斜視図
示すように、適宜間隔で対向する左右一対の長方形偏平
箱状鉛直ダクトL,ダクトRと、両ダクトL,R間を等
間隔で多段的に連通する複数の偏平箱状の密封型水平ダ
クトTよりなり、タンク全体を密封構造とされるととも
に、同タンク20内に各ダクト相互間に媒体流路を設け
て水平ダクトTを多段に積み重ねられて、蓄熱利用装置
全体がトータルエンクロージャ構造(密封型WAPゲル
タンク)として形成される。右側鉛直ダクトRは仕切弁
S5を介してコンデンサー3に連通していて、仕切弁S
5から右側鉛直ダクトRに流入する冷媒は、複数の水平
ダクトTを蛇行状に流れたのち左側鉛直ダクトLを経て
仕切弁S3から流出し、一方、空気は多段水平ダクトT
の間を矢印に示すように前後方向に流れる。ここで、
封型WAPゲルタンク20の内部の冷媒流を詳説する
図2B及び図2Cにおいて右側鉛直ダクトRを白
抜き矢印で示すように流下する冷媒は、各第1段水平ダ
クトTに沿って左側鉛直ダクトLに向かって流れ、そ
の際、水平ダクトT内のトレイに充填されたWAPゲ
ルに接触しながら蒸気流路を左方へ流れ、左側鉛直ダク
トLに入り、ここで冷媒蒸気の一部は仕切板21窓2
を経て左側鉛直ダクトLLに沿って上昇し、残部は仕
切板21に当たりUターンしたのち第2段水平ダクトT
に入り、トレイに充填されたWAPゲルに接触しなが
ら蒸気流路を右方へ流れ右側鉛直ダクトRに入り、ここ
で全量が矢印23に示すようにUターンして第3段水平
ダクトTに沿って第1段水平ダクトTを流れたとき
と同一要領で左方へ流れ、以下このような蛇行を複数回
繰り返したのち、最下段水平ダクトから左側鉛直ダクト
LLを経て仕切弁S3へ向かって流れる。このように、
冷房ユニット部30をトータエンクロージャー構造
するとき、WAPゲルタンク20,吸着剤タンク10,
コンデンサー3を循環する水蒸気は完全密閉状態で使用
されるので、真空ポンプによる仕切弁S10からの空気
の排気操作は不要となる。
【0010】図3は図2に示した密封型WAPゲル
ンク20をそなえた冷熱の蓄熱利用装置において、水を
冷却する場合の装置全体を示している。この実施例にお
いても、冷房工程中は、仕切弁S7,S8を開き、吸着
剤11中の水蒸気を脱着し、これをコンデンサー3で凝
縮させることにより水として回収する。この回収水は、
冷房操作終了後、製氷操作開始前にWAPゲルタンク
内に戻し、再び製氷用の水として使用することができ
る。このように製氷工程と冷房工程の繰返しにより、間
欠的に冷房を行うことができるが、WAPゲルタンク
0をそなえた冷房ユニット部30をもう基並設して、
両ユニット30の切り換えにより連続的に冷房を行うこ
とも可能である。これが図4に示す実施例である。
4に示した例では、コンデンサー3は2基になってい
るが、1基のコンデンサーを共用する構成とすることも
可能である。また吸着剤タンクを1基設けて共用する構
成とすることも可能である。WAPゲルタンク20を間
接熱交換型にした場合は、冷房用空気6の代わりに、水
等適切な媒体を流し、これらを冷やすことにより冷水等
を作り、この冷熱を種々目的に使用することも可能であ
る。
【0011】以上述べた第1〜3の各実施例における物
質の流れ及び熱の流れを数値的に解析すると下記のよう
になる。まず、水の蒸発潜熱と凝固熱の関係から、1k
gの水を蒸発させると、0゜cの氷が約7.3kg生成
し、この氷の冷熱量は約580kcal(融解熱のみ考
慮)となる。1kgの水の蒸発後のWAPゲル中に残存
する水のうち90%が氷結するものと仮定すると、製氷
開始前に9.1kg=1+(7.3/0.9)の水を含
むWAPゲルが必要となり、従って、9.1kgの水か
ら580kcalの冷熱が蒸熱できることになる。一般
にこの冷熱を得るためのコンプレッサー動力はCOP
(エネルギ効率)≒3〜5より、 580×1/(3〜5)kcal=810〜485kW・S =0.225〜0.135kWH 30,000kcal/hの冷熱を10h/日得ようとすると、 30,000kcal×10=3×10kcal となり、所要コンプレッサー効力は350kWHとな
る。対応する水の蒸発量は1555kgとなり、10分
切換えの吸着剤タンクを2基設置して5時間で蒸発させ
ようとすると、1基当たりの所要吸着剤量は、 [1550×(5×601/10)]×(1/0.05)=1030kg となる。吸脱着に必要な冷却水及び温水との所要熱交換
量は、 1550×635/5=19.7×10kcal/h となる。ただし、吸脱着による水蒸気の呼吸量は吸着剤
重量当たり5%,吸脱着熱は635kcal/kgとし
た。なお、2基の吸着剤タンクの供給熱量(脱着側)と
除去熱量(吸着側)は基本的に等量なので、ヒートパイ
プを使用することにより、2基の熱交換器間での熱の相
互交換を行えば、外部(冷却水及び温水)との熱交換は
不要となり極めて効率的な冷熱蓄熱利用システムとな
る。
【0012】
【発明の効果】このような装置によれば、下記の効果が
奏せられる。(1)WAPゲルから水分を蒸発させるときの体積当た
りの蒸発表面積を大きくすることができ、製氷時間の短
縮化が可能となる。)減圧状態を達成させるための電力多消費型のコン
プレッサーが不要となり、温水好ましくは70〜80゜
C以上の温排水の活用と冷却水好ましくは30゜C以下
の冷水塔からの水使用すればよいことになる。 ()使用電力費用のミニマム化対策が不要となり深夜
に拘わらず、いつでも製氷操作を行うことが可能とな
り、冷熱利用時間帯に対する柔軟性を確保できるととも
に、冷房ユニット部の2基並設により連続利用も可能と
なる。しかもこの場合、1基のコンデンサーを共用する
構成とすることで設備コストや運転コストの低減化が可
能となる。また1基の吸着剤タンクを共用する構成とす
ることでも設備コストや運転コストの低減化も可能とな
る。4)冷熱製造系内に可動部分が存在しないので、製氷
用に使用する水に装置への悪影響を与える油等不純物の
混入がなく、水再使用が可能となる。使用水を完全密閉
系にした場合は特にこのメリットは大きい。 (5)WAPゲルの水分は凍結も可能であるから冷却媒
体を不凍液又は低露点の気体に選べば、冷却温度の選定
範囲を広く取ることができる。WAPゲルが開口部を有
する板または網などで形成された複数の箱体に載置され
るとともに、各箱体が相互間に媒体流路を形成して多段
に積み重ねられているため、WAPゲルの体積当たりの
蒸発表面積を大きくすることができ、製氷時間の短縮化
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体縦断面図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例のWAPゲルタンクを示す
もので、図2Aはその外部斜視図、図2Bはその内部斜
視図、図2Cは図2Aの縦断面図である。
【図3】本発明の第実施例を示す全体縦断面図であ
る。
【図4】本発明の第実施例を示す全体縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3 コンデンンサー 6 空気入口 7 フィルター 8 ブロワー又はポンプ 9 空気出口 10 吸着剤タンク 11 吸着剤 12 温水 13 冷却水 14 吸水性高分子ゲル(APゲル) 15 WAPゲルタンク 16 真空ポンプ20 密閉型WAPゲルタンク 21 仕切板 22 窓 30 冷房ユニット部 S1〜S10 仕切弁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を吸収してゲル化した吸水性高分子ゲ
    ル中の水分の一部を蒸発させ、その蒸発熱で残存水分を
    凍結し、その冷熱を利用する冷熱の蓄熱利用装置におい
    て、冷房ユニット部と、冷却により水分を吸着し過熱に
    より吸着水分を脱着する吸着剤を内蔵可能な吸着剤タン
    クとをそなえ、上記冷房ユニット部が、上記吸水性高分
    子ゲルを内蔵可能な吸水性高分子ゲルタンクをそなえ、
    同吸水性高分子ゲルタンクの内部に、開口部を有する板
    または網などで形成された上記吸水性高分子ゲルを載置
    可能な複数の箱体が、同各箱体の相互間に媒体流路を形
    成されて多段に積み重ねて配設され、上記の冷房ユニッ
    ト部と吸着剤タンクとが、仕切弁と、同仕切弁に並列に
    配設された凝縮器とを介して接続されていることを特徴
    とする冷熱の蓄熱利用装置。
  2. 【請求項2】 水を吸収してゲル化した吸水性高分子ゲ
    ル中の水分の一部を蒸発させ、その蒸発熱で残存水分を
    凍結し、その冷熱を利用する冷熱の蓄熱利用装置におい
    て、冷房ユニット部と、冷却により水分を吸着し過熱に
    より吸着水分を脱着する吸着剤を内蔵可能な吸着剤タン
    クとをそなえ、上記冷房ユニット部が、上記吸水性高分
    子ゲルを内蔵可能な密閉型の吸水性高分子ゲルタンクを
    そなえ、同密閉型の吸水性高分子ゲルタンクの内部に、
    上記吸水性高分子ゲルを載置可能な複数の密閉型ダクト
    が、同各ダクトの相互間に媒体流路を形成されて多段に
    積み重ねて配設され、上記の吸水性高分子ゲルタンクと
    吸着剤タンクとが仕切弁を介して接続され、上記の吸水
    性高分子ゲルタンクと吸着剤タンクとの間に凝縮器が介
    装されていることを特徴とする冷熱の蓄熱利用装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載の冷
    熱の蓄熱利用装置において、上記冷房ユニット部が複数
    基設けられるとともに、上記凝縮器が1基の共用の凝縮
    器で構成されていることを特徴とする冷熱の蓄熱利用
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の冷熱
    の蓄熱利用装置において、上記冷房ユニット部が複数基
    設けられるとともに、上記吸着剤タンクが1基の共用の
    吸着剤タンクで構成されていることを特徴とする冷熱
    の蓄熱利用装置。
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