JP2658037B2 - 高純度水酸化カリウムの製造方法 - Google Patents
高純度水酸化カリウムの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は含フッ素陽イオン交換膜を用いた高純度水酸
化カリウムの製造方法に関するものである。
化カリウムの製造方法に関するものである。
[従来の技術] フッ素樹脂陽イオン交換膜を隔膜とした塩化カリムウ
の電解による水酸化カリウムの製造方法は、水銀法に比
して公害問題の難点がなく、またアスベスト隔膜法に比
して高純度、高濃度水酸化カリウムを高電流効率で取得
できる方法として、良く知られている。而して、この方
法に用いる陽イオン交換膜についても種々の提案がなさ
れている。その一つであるスルホン酸型膜を主体層とす
る膜を用いる方法については、特開昭52−24175、同52
−24176、同52−24177、同52−53814、同53−132069、
同53−132094号公報の如く、膜表面を還元処理及び/又
は酸化処理することにより表面のイオン交換基をカルボ
ン酸に化学交換せしめて、スルホン酸型膜の表面にカル
ボン酸型薄膜を形成させた膜を使用する方法や、特開昭
55−50470、同55−58228号公報の如く、スルホン酸膜主
体層にカルボン酸基等の弱酸性層を積層させた膜を使用
する方法や、特開昭57−92185号公報などの如く、特定
構造のスルホン酸型膜で低比伝導膜層を形成せしめたも
のを使用する方法等が例示されている。
の電解による水酸化カリウムの製造方法は、水銀法に比
して公害問題の難点がなく、またアスベスト隔膜法に比
して高純度、高濃度水酸化カリウムを高電流効率で取得
できる方法として、良く知られている。而して、この方
法に用いる陽イオン交換膜についても種々の提案がなさ
れている。その一つであるスルホン酸型膜を主体層とす
る膜を用いる方法については、特開昭52−24175、同52
−24176、同52−24177、同52−53814、同53−132069、
同53−132094号公報の如く、膜表面を還元処理及び/又
は酸化処理することにより表面のイオン交換基をカルボ
ン酸に化学交換せしめて、スルホン酸型膜の表面にカル
ボン酸型薄膜を形成させた膜を使用する方法や、特開昭
55−50470、同55−58228号公報の如く、スルホン酸膜主
体層にカルボン酸基等の弱酸性層を積層させた膜を使用
する方法や、特開昭57−92185号公報などの如く、特定
構造のスルホン酸型膜で低比伝導膜層を形成せしめたも
のを使用する方法等が例示されている。
又、カルボン酸型膜を主体層とする膜を用いる方法に
ついては、特公昭53−3998号公報などの如く、陽イオン
交換膜の含水量を特定範囲にする方法、特開昭55−6537
2号公報の如く、カルボン酸型パーフルオロカーボン重
合体膜を使用する方法、更に特開昭60−24139号公報の
如く、カルボン酸型膜を主体層として、その一方の表面
が特定のイオン交換容量を持つスルホン酸膜層でもう一
方の表面がカルボン酸型膜層である3層積層構成の膜を
使用する方法、特開昭60−251290号公報の如く、特に水
酸化カリウム製造に限定して特定のイオン交換容量を有
するカルボン酸型膜を主体層とし、陽極室側に特定のス
ルホン酸型膜を積層した膜を使用する方法が提案されて
いる。
ついては、特公昭53−3998号公報などの如く、陽イオン
交換膜の含水量を特定範囲にする方法、特開昭55−6537
2号公報の如く、カルボン酸型パーフルオロカーボン重
合体膜を使用する方法、更に特開昭60−24139号公報の
如く、カルボン酸型膜を主体層として、その一方の表面
が特定のイオン交換容量を持つスルホン酸膜層でもう一
方の表面がカルボン酸型膜層である3層積層構成の膜を
使用する方法、特開昭60−251290号公報の如く、特に水
酸化カリウム製造に限定して特定のイオン交換容量を有
するカルボン酸型膜を主体層とし、陽極室側に特定のス
ルホン酸型膜を積層した膜を使用する方法が提案されて
いる。
特開昭60−243129、同60−251290号公報の指摘する如
くスルホン酸型膜は高濃度水酸化カリウムを製造しよう
とする場合に塩化カリウムの陽極室から陰極室への洩れ
を有効に防止することが困難であり、その結果として生
成水酸化カリウムの純度を低下させる。
くスルホン酸型膜は高濃度水酸化カリウムを製造しよう
とする場合に塩化カリウムの陽極室から陰極室への洩れ
を有効に防止することが困難であり、その結果として生
成水酸化カリウムの純度を低下させる。
そして、スルホン酸型膜を主体層とした複層積層型膜
についても、スルホン酸型膜で指摘されている塩化カリ
ウムの洩れについては、必ずしも充分な解消が期待でき
ない。
についても、スルホン酸型膜で指摘されている塩化カリ
ウムの洩れについては、必ずしも充分な解消が期待でき
ない。
[発明の解決しようとする問題点] 従来より含フッ素陽イオン交換膜を用いて電解により
高純度水酸化カリウムを製造する方法については種々の
提案がなされており、スルホン酸型膜を主体としたカル
ボン酸/スルホン酸の複層膜を使用する方法等が提案さ
れているが、いずれも塩化カリウムの洩れ及び低電流効
率については、必ずしも充分な改良が期待できない。
高純度水酸化カリウムを製造する方法については種々の
提案がなされており、スルホン酸型膜を主体としたカル
ボン酸/スルホン酸の複層膜を使用する方法等が提案さ
れているが、いずれも塩化カリウムの洩れ及び低電流効
率については、必ずしも充分な改良が期待できない。
またパーフルオロカルボン酸を主体層として、陽極室
側に特定のスルホン酸型の薄層を表面層として形成した
複層型膜を使用する方法が提案されており、水酸化カリ
ウム中の塩化カリウム濃度を50ppm(50%水酸化カリウ
ム中)以下のものが得られることは知られている。しか
し、上記方法で、塩化カリウム含量が15ppm(50%水酸
化カリウム中)以下の試薬グレード品を確実に得ること
が容易ではない。
側に特定のスルホン酸型の薄層を表面層として形成した
複層型膜を使用する方法が提案されており、水酸化カリ
ウム中の塩化カリウム濃度を50ppm(50%水酸化カリウ
ム中)以下のものが得られることは知られている。しか
し、上記方法で、塩化カリウム含量が15ppm(50%水酸
化カリウム中)以下の試薬グレード品を確実に得ること
が容易ではない。
陽イオン交換膜の膜厚を厚くさせたり、イオン交換容
量を小さくとることで膜を通して陽極室からの塩化カリ
ウム量を下げることが可能であり、塩化カリウム含量を
低減させることは原理的には不可能ではない。
量を小さくとることで膜を通して陽極室からの塩化カリ
ウム量を下げることが可能であり、塩化カリウム含量を
低減させることは原理的には不可能ではない。
しかし上記方法は必然的に大巾な電圧上昇を伴なうこ
とになり、経済的に有利な方法とは必ずしも言えない。
また、塩水中のクロレート濃度を低く維持させる方法と
して塩水の主循環系から一部分流して、過剰の塩酸を加
えることによって、電解で副次的に発生するクロレート
量に見合うクロレート量を分解する方法や、電解槽に直
線塩酸を供給し、陽極室のpHを1〜4の範囲に保つこと
により、クロレートの発生を実質的に抑える方法が知ら
れている。しかし、これらの方法におけるクロレート濃
度の低下の目的は、陽極で発生する塩素ガス純度の低下
の防止や、クロレートの晶出による塩水配管系の閉塞防
止にあり、本発明とは異なるうえに、これらの場合で達
成されているクロレート濃度は15〜20g/lと大きい。
とになり、経済的に有利な方法とは必ずしも言えない。
また、塩水中のクロレート濃度を低く維持させる方法と
して塩水の主循環系から一部分流して、過剰の塩酸を加
えることによって、電解で副次的に発生するクロレート
量に見合うクロレート量を分解する方法や、電解槽に直
線塩酸を供給し、陽極室のpHを1〜4の範囲に保つこと
により、クロレートの発生を実質的に抑える方法が知ら
れている。しかし、これらの方法におけるクロレート濃
度の低下の目的は、陽極で発生する塩素ガス純度の低下
の防止や、クロレートの晶出による塩水配管系の閉塞防
止にあり、本発明とは異なるうえに、これらの場合で達
成されているクロレート濃度は15〜20g/lと大きい。
本発明の目的は、特定の陽イオン交換膜を使用する方
法において、水酸化カリウム中の塩化カリウム含量を極
めて低濃度に下げられる方法を新規に提案することにあ
る。
法において、水酸化カリウム中の塩化カリウム含量を極
めて低濃度に下げられる方法を新規に提案することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされたもので、
含フッ素陽イオン交換膜により陽極室と陰極室とが区画
された電解槽において、陽極室に塩化カリウム水溶液を
供給し陰極室に水酸化カリウムを製造する方法におい
て、含フッ素陽イオン交換膜が、カルボン酸基を有する
パーフルオロカーボン膜主体層とスルホン酸基を有する
パーフルオロカーボン重合体層との複層膜からなり、後
者の層が陽極室に面しているパーフルオロ陽イオン交換
膜であり、塩化カリウム水溶液中のクロレート濃度を5g
/l以下に保持し電解することを特徴とする塩化カリウム
電解方法を要旨とするものである。
含フッ素陽イオン交換膜により陽極室と陰極室とが区画
された電解槽において、陽極室に塩化カリウム水溶液を
供給し陰極室に水酸化カリウムを製造する方法におい
て、含フッ素陽イオン交換膜が、カルボン酸基を有する
パーフルオロカーボン膜主体層とスルホン酸基を有する
パーフルオロカーボン重合体層との複層膜からなり、後
者の層が陽極室に面しているパーフルオロ陽イオン交換
膜であり、塩化カリウム水溶液中のクロレート濃度を5g
/l以下に保持し電解することを特徴とする塩化カリウム
電解方法を要旨とするものである。
本発明においては、好ましくは複層膜を使用すること
が重要である。まず第一に、特定のカルボン酸膜主体層
の採用が重要である。特定のカルボン酸膜主体層は、カ
ルボン酸基をイオン交換基とするパーフルオロカーボン
重合体からなり、イオン交換容量が0.9〜1.6ミリ当量/
グラム乾燥樹脂であり、厚さが80〜300μである。イオ
ン交換容量が余りに小さい場合には、陽イオン交換膜と
しての電気抵抗が増大するし、また余りに大きい場合に
は、塩化カリウムの洩れ防止の効果が小さくなると共
に、高濃度水酸化カリウムを高電流効率で得るという効
果についても不利となる。特定カルボン酸膜主体層の厚
さは、余りに大きすぎると電気抵抗の増大の原因とな
り、また余りに小さい場合には、カルボン酸膜を主体層
とする意味が減じ、高電流効率の発現や塩化カリウムの
洩れ防止の点で不利となる。
が重要である。まず第一に、特定のカルボン酸膜主体層
の採用が重要である。特定のカルボン酸膜主体層は、カ
ルボン酸基をイオン交換基とするパーフルオロカーボン
重合体からなり、イオン交換容量が0.9〜1.6ミリ当量/
グラム乾燥樹脂であり、厚さが80〜300μである。イオ
ン交換容量が余りに小さい場合には、陽イオン交換膜と
しての電気抵抗が増大するし、また余りに大きい場合に
は、塩化カリウムの洩れ防止の効果が小さくなると共
に、高濃度水酸化カリウムを高電流効率で得るという効
果についても不利となる。特定カルボン酸膜主体層の厚
さは、余りに大きすぎると電気抵抗の増大の原因とな
り、また余りに小さい場合には、カルボン酸膜を主体層
とする意味が減じ、高電流効率の発現や塩化カリウムの
洩れ防止の点で不利となる。
本発明における特定の複層膜は、陽極室側に特定のス
ルホン酸膜表面層を有することが重要である。特定のス
ルホン酸膜表面層は、スルホン酸基をイオン交換基とす
るパールフルオロカーボン重合体からなり、そのイオン
交換容量は0.5〜1.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂、好まし
くは0.8〜1.3ミリ当量/グラム乾燥樹脂の範囲から選定
されるのが望ましい。また、特定するスルホン酸膜表面
層の厚さは5〜50μ、好ましくは10〜40μの範囲から選
定されるのが望ましい。イオン交換容量が余りに小さす
ぎる場合には、該スルホン酸膜表面層が比較的薄い層で
あっても、陽イオン交換膜としての電気抵抗の点で不利
となり、また余りに大きすぎる場合には、薄膜層として
の強度面で不利となる。また、特定スルホン酸膜表面層
の厚さは、上記の通り比較的小さくて充分であるが、余
りに小さくすぎる場合には、漠膜層としての強度面で不
利となると共に、pH低下に対する耐性付与層としての効
果が減少する。また、厚さが余りに大きい場合には、pH
低下に対する耐性付与層としての機能の面から余剰部分
が増大することになると共に、複層膜全体の厚さを大に
し、従来のスルホン酸型膜の難点を増大せしめることに
もなる。
ルホン酸膜表面層を有することが重要である。特定のス
ルホン酸膜表面層は、スルホン酸基をイオン交換基とす
るパールフルオロカーボン重合体からなり、そのイオン
交換容量は0.5〜1.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂、好まし
くは0.8〜1.3ミリ当量/グラム乾燥樹脂の範囲から選定
されるのが望ましい。また、特定するスルホン酸膜表面
層の厚さは5〜50μ、好ましくは10〜40μの範囲から選
定されるのが望ましい。イオン交換容量が余りに小さす
ぎる場合には、該スルホン酸膜表面層が比較的薄い層で
あっても、陽イオン交換膜としての電気抵抗の点で不利
となり、また余りに大きすぎる場合には、薄膜層として
の強度面で不利となる。また、特定スルホン酸膜表面層
の厚さは、上記の通り比較的小さくて充分であるが、余
りに小さくすぎる場合には、漠膜層としての強度面で不
利となると共に、pH低下に対する耐性付与層としての効
果が減少する。また、厚さが余りに大きい場合には、pH
低下に対する耐性付与層としての機能の面から余剰部分
が増大することになると共に、複層膜全体の厚さを大に
し、従来のスルホン酸型膜の難点を増大せしめることに
もなる。
本発明における特定の複層膜は、上述の特定カルボン
酸膜主体層及び特定スルホン酸膜表面層を必須の構成層
として有するが、好適な実施態様においては、該主体層
と該表面層との界面接着性の向上を目的とし、中間層を
有していても良い。かゝる中間層とては、特定カルボン
酸膜主体層と特定スルホン酸膜表面層の含水率の差に基
づく膨潤差を吸収緩和し得るような、中間的な含水膨潤
性を有する層であれば、種々採用され得る。このような
中間層の好適な実施態様としては、スルホン酸基とカル
ボン酸基が混在するパーフルオロカーボン重合体膜層が
例示され、特にスルホン酸型パーフルオロカーボン重合
体とカルボン酸型パーフルオロカーボン重合体とのブレ
ンド膜層が好適である。中間層としてのブレンド膜層
は、特定カルボン酸膜主体層と重合体と特定スルホン酸
膜表面層の重合体との混合によって構成されると都合が
良い。ブレンド膜層は、カルボン酸型パーフルオロカー
ボン重合体100重量部当りスルホン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体25〜400重量部、好ましくは50〜300重量部
の均一混合層として採用され得るものであり、その厚さ
は5〜50μ、好ましくは10〜40μ程度の範囲から選定さ
れるのが望ましい。尚、かゝる中間層としては、カルボ
ン酸型モノマーとスルホン酸型モノマーの両者を共重合
させて得られるような、カルボン酸基とスルホン酸基と
を同時に有するパーフルオロカーボン重合体膜層も勿論
採用され得る。
酸膜主体層及び特定スルホン酸膜表面層を必須の構成層
として有するが、好適な実施態様においては、該主体層
と該表面層との界面接着性の向上を目的とし、中間層を
有していても良い。かゝる中間層とては、特定カルボン
酸膜主体層と特定スルホン酸膜表面層の含水率の差に基
づく膨潤差を吸収緩和し得るような、中間的な含水膨潤
性を有する層であれば、種々採用され得る。このような
中間層の好適な実施態様としては、スルホン酸基とカル
ボン酸基が混在するパーフルオロカーボン重合体膜層が
例示され、特にスルホン酸型パーフルオロカーボン重合
体とカルボン酸型パーフルオロカーボン重合体とのブレ
ンド膜層が好適である。中間層としてのブレンド膜層
は、特定カルボン酸膜主体層と重合体と特定スルホン酸
膜表面層の重合体との混合によって構成されると都合が
良い。ブレンド膜層は、カルボン酸型パーフルオロカー
ボン重合体100重量部当りスルホン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体25〜400重量部、好ましくは50〜300重量部
の均一混合層として採用され得るものであり、その厚さ
は5〜50μ、好ましくは10〜40μ程度の範囲から選定さ
れるのが望ましい。尚、かゝる中間層としては、カルボ
ン酸型モノマーとスルホン酸型モノマーの両者を共重合
させて得られるような、カルボン酸基とスルホン酸基と
を同時に有するパーフルオロカーボン重合体膜層も勿論
採用され得る。
本発明においては、特定の複層膜は、上述の必須の構
成層を有する限り、上記の如き好適な中間層の他に更に
他の構成層を採用しても良い。例えば、特定のカルボン
酸膜主体層をイオン交換容量などの異なる複数の層から
構成しても良く、あるいは特定カルボン酸膜主体層の陰
極室側に水酸イオンの逆拡散防止効果がより優れた層を
形成してもよい。即ち、例えば、特定カルボン酸膜主体
層の陰極室側に、該主体層のイオン交換容量よりも小さ
いイオン交換容量を有するカルボン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体の薄膜表面層を形成するなどが可能であ
る。この場合、陰極室側表面層としては、カルボン酸基
を有するパーフルオロカーボン重合体からなり、イオン
交換容量が0.7〜1.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂、好まし
くは0.8〜1.4ミリ当量/グラム乾燥樹脂、厚さが5〜50
μ、好ましくは10〜40μ程度のものを採用するのが望ま
しい。このようなイオン交換容量の小さいスルホン酸膜
表面層を特定カルボン酸膜主体層の陰極室側表面に形成
する際には、両者の中間的なイオン交換容量を有するカ
ルボン酸膜中間層を介して積層一体化しても勿論良い。
成層を有する限り、上記の如き好適な中間層の他に更に
他の構成層を採用しても良い。例えば、特定のカルボン
酸膜主体層をイオン交換容量などの異なる複数の層から
構成しても良く、あるいは特定カルボン酸膜主体層の陰
極室側に水酸イオンの逆拡散防止効果がより優れた層を
形成してもよい。即ち、例えば、特定カルボン酸膜主体
層の陰極室側に、該主体層のイオン交換容量よりも小さ
いイオン交換容量を有するカルボン酸型パーフルオロカ
ーボン重合体の薄膜表面層を形成するなどが可能であ
る。この場合、陰極室側表面層としては、カルボン酸基
を有するパーフルオロカーボン重合体からなり、イオン
交換容量が0.7〜1.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂、好まし
くは0.8〜1.4ミリ当量/グラム乾燥樹脂、厚さが5〜50
μ、好ましくは10〜40μ程度のものを採用するのが望ま
しい。このようなイオン交換容量の小さいスルホン酸膜
表面層を特定カルボン酸膜主体層の陰極室側表面に形成
する際には、両者の中間的なイオン交換容量を有するカ
ルボン酸膜中間層を介して積層一体化しても勿論良い。
本発明においては、上記各層を構成するカルボン酸型
パーフルオロカーボン重合体及びスルホン酸型パーフル
オロカーボン重合体としては、上記の特定要件を満足す
る限り、従来より公知乃至周知のものなど特に限定され
ることなく種々採用され得る。好適な実施態様において
は、以下の(イ),(ハ)の構造からなる重合体の使用
が好ましい。
パーフルオロカーボン重合体及びスルホン酸型パーフル
オロカーボン重合体としては、上記の特定要件を満足す
る限り、従来より公知乃至周知のものなど特に限定され
ることなく種々採用され得る。好適な実施態様において
は、以下の(イ),(ハ)の構造からなる重合体の使用
が好ましい。
こゝで、XはF又は−CF3、好ましくはFであり、Y
は次のものから選ばれる。
は次のものから選ばれる。
CF2,xA −CF2−O−CF2xA, x,y,zは、ともに0〜10であり、Z及びRfは−F又は
炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基から選ばれる。
また、Aは−SO3M,−COOM又は加水分解によりこれらの
基に転化しうる−SO2F,−CN,−COF又は−COORであり、
Mは水素又はアルカリ金属、Rは炭素数1〜10のアルキ
ル基を示す。
炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基から選ばれる。
また、Aは−SO3M,−COOM又は加水分解によりこれらの
基に転化しうる−SO2F,−CN,−COF又は−COORであり、
Mは水素又はアルカリ金属、Rは炭素数1〜10のアルキ
ル基を示す。
本発明の複層型膜は、その全体の厚さ90〜350ミクロ
ン、好ましくは100〜300ミクロンのものが採用され、必
須により、好ましくはポリテトラフルオロエチレンなど
からなる布、網などの織布、不織布、又は金属製のメッ
シュ、多孔体などで補強することができる。また、特開
昭53−149881号、同54−1283号、同54−107479号、同54
−157777号公報などに記載されているポリテトラフルオ
ロエチレンのフィブリル化繊維あるいは特開昭56−7911
0号公報などに記載されている酸型官能基含有モノマー
を少量共重合して変性したポリテトラフルオロエチレン
のフィブリル化繊維をブレンドして補強してもよく、そ
の他低分子量体の配合による補強を採用してもよい。更
に、本発明の複層型膜は、その表面を粗面化したりある
いは金属酸化物粒子からなる多孔質薄層をその表面に形
成することなども可能である。本発明において、上記の
如き各種補強手段を採用する場合には、これをカルボン
酸膜主体層に適用するのが望ましい。
ン、好ましくは100〜300ミクロンのものが採用され、必
須により、好ましくはポリテトラフルオロエチレンなど
からなる布、網などの織布、不織布、又は金属製のメッ
シュ、多孔体などで補強することができる。また、特開
昭53−149881号、同54−1283号、同54−107479号、同54
−157777号公報などに記載されているポリテトラフルオ
ロエチレンのフィブリル化繊維あるいは特開昭56−7911
0号公報などに記載されている酸型官能基含有モノマー
を少量共重合して変性したポリテトラフルオロエチレン
のフィブリル化繊維をブレンドして補強してもよく、そ
の他低分子量体の配合による補強を採用してもよい。更
に、本発明の複層型膜は、その表面を粗面化したりある
いは金属酸化物粒子からなる多孔質薄層をその表面に形
成することなども可能である。本発明において、上記の
如き各種補強手段を採用する場合には、これをカルボン
酸膜主体層に適用するのが望ましい。
本発明においては、各層を製膜したりあるいはブレン
ド共存膜層における混合を行なったりする場合には、従
来より公知乃至周知の種々の方法にて行なわれ得る。例
えば、イオン交換基含有パーフルオロカーボン重合体の
水性ディスパージョンなどを使用して混合を湿式で行な
ったり、かゝる有機溶液や有機ディスパージョンなどか
らキャスト法などで製膜することなども可能である。勿
論、ドライブレンド方式の採用や加熱溶融成形により製
膜することもできる。加熱溶融成形による各層の製膜の
際に原料重合体はその有するイオン交換基の分解を招か
ないような適宜のイオン交換基の形態、例えばカルボン
酸基のときは酸又はエステル型で行なうのが好ましく、
またスルホン酸基のときは−SO2F型で行なうのが好まし
い。さらには、原料重合体を予め加熱溶融成形してペレ
ット化し、それを押出成形やプレス成形などにより製膜
することもできる。
ド共存膜層における混合を行なったりする場合には、従
来より公知乃至周知の種々の方法にて行なわれ得る。例
えば、イオン交換基含有パーフルオロカーボン重合体の
水性ディスパージョンなどを使用して混合を湿式で行な
ったり、かゝる有機溶液や有機ディスパージョンなどか
らキャスト法などで製膜することなども可能である。勿
論、ドライブレンド方式の採用や加熱溶融成形により製
膜することもできる。加熱溶融成形による各層の製膜の
際に原料重合体はその有するイオン交換基の分解を招か
ないような適宜のイオン交換基の形態、例えばカルボン
酸基のときは酸又はエステル型で行なうのが好ましく、
またスルホン酸基のときは−SO2F型で行なうのが好まし
い。さらには、原料重合体を予め加熱溶融成形してペレ
ット化し、それを押出成形やプレス成形などにより製膜
することもできる。
本発明の複層型膜は、通常は、カルボン酸膜主体層、
スルホン酸膜表面層、及び必要に応じ共存膜層やスルホ
ン酸膜表面層を、夫々別々に所定のフィルム状に製膜
し、これら各層を積層一体化することによって製造され
得る。各層を積層一体化する方法としは、平板プレス、
ロールプレス等が挙げられる。積層プレス温度は60〜28
0℃、圧力は平板プレスで0.1〜100kg/cm2、ロールプレ
スで0.1〜100kg/cmにて行なわれる。
スルホン酸膜表面層、及び必要に応じ共存膜層やスルホ
ン酸膜表面層を、夫々別々に所定のフィルム状に製膜
し、これら各層を積層一体化することによって製造され
得る。各層を積層一体化する方法としは、平板プレス、
ロールプレス等が挙げられる。積層プレス温度は60〜28
0℃、圧力は平板プレスで0.1〜100kg/cm2、ロールプレ
スで0.1〜100kg/cmにて行なわれる。
本発明の複層型膜を用いた塩化カリウム電解において
は、いずれの形式の電極も使用される。例えば、多孔
板、網又はエキスパンデッドメタルなどの空隙性電極が
使用される。空隙性電極としては長径1.0〜10mm、短径
0.5〜10mm、線径0.1〜1.3mm、開孔度の30〜90%のエキ
スパンデッドメタルが例示される。また、複数の板状電
極を使用することもできるが、空隙度の違う複数枚の電
極を使用して空隙度の小さいものを膜に近い側に使用す
るのが好ましい。
は、いずれの形式の電極も使用される。例えば、多孔
板、網又はエキスパンデッドメタルなどの空隙性電極が
使用される。空隙性電極としては長径1.0〜10mm、短径
0.5〜10mm、線径0.1〜1.3mm、開孔度の30〜90%のエキ
スパンデッドメタルが例示される。また、複数の板状電
極を使用することもできるが、空隙度の違う複数枚の電
極を使用して空隙度の小さいものを膜に近い側に使用す
るのが好ましい。
陽極材質としては、通常白金族金属、その導電性酸化
物又はその導電性還元酸化物等が使用され、一方陰極と
しては白金族金属、その導電性酸化物又は鉄族金属等が
使用される。なお、白金族金属としては、白金、ロジウ
ム、ルテニウム、パラジウム、イリジウムが例示され、
また鉄族金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、ラネ
ーニッケル、安定ラネーニッケル、ステンレス、アルカ
リエッチングステンレス(特公昭54−19229号公報)、
ラネーニッケルメッキ陰極(特開昭54−112785号公
報)、ロダンニッケルメッキ陰極(特開昭53−115676号
公報)等が例示される。
物又はその導電性還元酸化物等が使用され、一方陰極と
しては白金族金属、その導電性酸化物又は鉄族金属等が
使用される。なお、白金族金属としては、白金、ロジウ
ム、ルテニウム、パラジウム、イリジウムが例示され、
また鉄族金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、ラネ
ーニッケル、安定ラネーニッケル、ステンレス、アルカ
リエッチングステンレス(特公昭54−19229号公報)、
ラネーニッケルメッキ陰極(特開昭54−112785号公
報)、ロダンニッケルメッキ陰極(特開昭53−115676号
公報)等が例示される。
空隙性の電極を使用する場合は、該電極は上記陽極又
は陰極を形成する物質それ自体からこれを形成すること
ができる。しかし、白金族金属又はその導電性酸化物等
を使用するときには通常チタンやタンタルなどの弁金属
のエキスパンデッドメタルの表面にこれらの物質を被覆
せしめて形成するのが好ましい。
は陰極を形成する物質それ自体からこれを形成すること
ができる。しかし、白金族金属又はその導電性酸化物等
を使用するときには通常チタンやタンタルなどの弁金属
のエキスパンデッドメタルの表面にこれらの物質を被覆
せしめて形成するのが好ましい。
電極を配置する場合、電極は本発明の複層型膜に接触
して配置しても、また適宜の間隔をおいて配置してもよ
い。電極はむしろイオン交換膜面に強固に押圧するより
も、電極はイオン交換膜面に例えば0〜0.2kg/cm2にて
好ましくは緩かに押接される。
して配置しても、また適宜の間隔をおいて配置してもよ
い。電極はむしろイオン交換膜面に強固に押圧するより
も、電極はイオン交換膜面に例えば0〜0.2kg/cm2にて
好ましくは緩かに押接される。
本発明の複層型膜を使用した電解槽は、単極型でも複
極型でもよい。また電解槽を構成する材料は、例えば陽
極質の場合には、塩化カリウム水溶液及び塩素に耐性が
あるもの、例えば弁金属、チタンが使用され、陰極質の
場合には水酸化カリウム及び水素に耐性がある鉄、ステ
ンレス又はニッケルなど使用される。
極型でもよい。また電解槽を構成する材料は、例えば陽
極質の場合には、塩化カリウム水溶液及び塩素に耐性が
あるもの、例えば弁金属、チタンが使用され、陰極質の
場合には水酸化カリウム及び水素に耐性がある鉄、ステ
ンレス又はニッケルなど使用される。
本発明の複層型膜を使用して塩化カリウム水溶液の電
解を行なうプロセス条件としては、既知の条件が採用で
きる。例えば陽極室には好ましくは2.5〜5.0規定(N)
の塩化カリウム水溶液を供給し、陽極室には水又は稀釈
水酸化カリウムを供給し、好ましくは80℃〜120℃、電
流密度10〜100A/dm2で電解される。かかる場合、塩化カ
リウム水溶液中のカルシウム及びマグネシウムなどの重
金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可及的
に小さくせしめるのが好ましい。また、供給塩水中のク
ロレート濃度を5g/l以下の塩水にて電解を行なうと製品
とする水酸化カリウム中のKCl濃度を15ppm以下という高
純度のものを取得することが出来るので特に本発明の効
果が顕著である。
解を行なうプロセス条件としては、既知の条件が採用で
きる。例えば陽極室には好ましくは2.5〜5.0規定(N)
の塩化カリウム水溶液を供給し、陽極室には水又は稀釈
水酸化カリウムを供給し、好ましくは80℃〜120℃、電
流密度10〜100A/dm2で電解される。かかる場合、塩化カ
リウム水溶液中のカルシウム及びマグネシウムなどの重
金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可及的
に小さくせしめるのが好ましい。また、供給塩水中のク
ロレート濃度を5g/l以下の塩水にて電解を行なうと製品
とする水酸化カリウム中のKCl濃度を15ppm以下という高
純度のものを取得することが出来るので特に本発明の効
果が顕著である。
[実施例] 実施例1 0.2リットルのステンレス製耐圧反応容器にイオン交
換水100g、C8F17COONH40.2g、NaH2PO4・2H2O.51g、(NH
4)2S2O8を0.1g、イソプロパノールを0.17g、CF2=CFO
(CF2)3COOCH3を20g仕込み液体窒素で充分脱気した後6
0℃としテトラフルオロエチレンを14kg/cm2として反応
を開始させた。反応中は外部よりテトラフルオロエチレ
ンを導入しつつ一定圧力に保持した。5時間後に反応を
終了させ20.05gの共重合体を得た。該共重合体のイオン
交換容量は1.32meq/gであった。該共重合体をAとす
る。
換水100g、C8F17COONH40.2g、NaH2PO4・2H2O.51g、(NH
4)2S2O8を0.1g、イソプロパノールを0.17g、CF2=CFO
(CF2)3COOCH3を20g仕込み液体窒素で充分脱気した後6
0℃としテトラフルオロエチレンを14kg/cm2として反応
を開始させた。反応中は外部よりテトラフルオロエチレ
ンを導入しつつ一定圧力に保持した。5時間後に反応を
終了させ20.05gの共重合体を得た。該共重合体のイオン
交換容量は1.32meq/gであった。該共重合体をAとす
る。
次に0.2リットルのステンレス製反応容器にトリクロ
ロトリフルオロエタン22g、 及びアゾビスイソブチロニトリル0.1gを仕込み液体窒素
で充分脱気した後70℃に昇温しテトラフルオロエチレン
を12.3kg/cm2迄仕込み反応をスタートさせた。反応中は
テトラフルオロエチレンを導入しつつ一定圧力に保持し
た。7時間後に14.5gの共重合体を得てイオン交換容量
は1.1meq/gであった。該共重合体をBとする。
ロトリフルオロエタン22g、 及びアゾビスイソブチロニトリル0.1gを仕込み液体窒素
で充分脱気した後70℃に昇温しテトラフルオロエチレン
を12.3kg/cm2迄仕込み反応をスタートさせた。反応中は
テトラフルオロエチレンを導入しつつ一定圧力に保持し
た。7時間後に14.5gの共重合体を得てイオン交換容量
は1.1meq/gであった。該共重合体をBとする。
共重合体Aを230℃でプレス製膜し厚さ230μのフィル
ムとした。次に共重合体Bを230℃でプレス製膜し厚さ3
0μのフィルムとした。更にAとBとを重量比1:1でブレ
ンドし130℃でロール混練した後230℃でプレス製膜し厚
さ15μのフィルムとした。次にA共重合体フィルムとB
共重合体フィルムの間にブレンド膜を介して3枚のフィ
ルムを200℃の熱ロールを用いて積層した。
ムとした。次に共重合体Bを230℃でプレス製膜し厚さ3
0μのフィルムとした。更にAとBとを重量比1:1でブレ
ンドし130℃でロール混練した後230℃でプレス製膜し厚
さ15μのフィルムとした。次にA共重合体フィルムとB
共重合体フィルムの間にブレンド膜を介して3枚のフィ
ルムを200℃の熱ロールを用いて積層した。
一方、粒径5μの酸化ジルコニウム粉末10部、メチル
セルロース(2%水溶液の粘度1500センチポイズ)0.4
部、水19部、シクロヘキサノール2部およびシクロヘキ
サノン1部を含む混合物を混練してペーストを得た。該
ペーストをメッシュ数200、厚さ75μのテトロン製スク
リーン、その下に厚さ30μのスクリーンマスクを施した
印刷板およびポリウレタンスキージを用いて、前記積層
して作成した膜のBのフィルム層側の面にスクリーン印
刷した。しかる後、膜面に得られた付着層を空気中で乾
燥した。
セルロース(2%水溶液の粘度1500センチポイズ)0.4
部、水19部、シクロヘキサノール2部およびシクロヘキ
サノン1部を含む混合物を混練してペーストを得た。該
ペーストをメッシュ数200、厚さ75μのテトロン製スク
リーン、その下に厚さ30μのスクリーンマスクを施した
印刷板およびポリウレタンスキージを用いて、前記積層
して作成した膜のBのフィルム層側の面にスクリーン印
刷した。しかる後、膜面に得られた付着層を空気中で乾
燥した。
一方、かくして得られた多孔質層を有する膜の他方の
面(Aフィルム層側の面)に、同様にして平均粒径5μ
のα−炭化ケイ素粒子を付着させた。
面(Aフィルム層側の面)に、同様にして平均粒径5μ
のα−炭化ケイ素粒子を付着させた。
しかる後、温度140℃、圧力30kg/cm2の条件で各膜面
の粒子層をイオン交換膜面に圧着することにより、膜の
陽極側面および陰極側面には酸化ジルコニウム粒子およ
び炭化ケイ素粒子が各々膜面1cm2当り各々1.0mgおよび
1.0mg付着したイオン交換膜を作成した。
の粒子層をイオン交換膜面に圧着することにより、膜の
陽極側面および陰極側面には酸化ジルコニウム粒子およ
び炭化ケイ素粒子が各々膜面1cm2当り各々1.0mgおよび
1.0mg付着したイオン交換膜を作成した。
得られた膜を20%カ性カリ水溶液で90℃、16時間加水
分解を行ないカリウム塩タイプのイオン交換膜とした。
かくして得られた膜のBフィルム層側に、チタンのパン
チドメタル(短径2mm、長径5mm)に酸化ルテニウムと酸
化イリジウムと酸化チタンの固溶体を被覆した低い塩素
過電圧を有する陽極を、またイオン交換膜のAフィルム
層側にはSUS304製パンチドメタル(短径2mm、長径5mm)
にルテニウム入りラネーニッケル(ルテニウム5%、ニ
ッケル50%、アルミニウム45%)を電着して低い水素過
電圧を有するように陰極を加圧接触させ、陽極液に3.5
規定の塩化カリウム水溶液を、陰極室に水を供給しつ
つ、陽極室の塩化カリウム濃度を2.3規定に、また陰極
室の水酸化カリウム濃度を35重量%に保つつ、90℃、30
A/dm2の条件で電解を行なった。
分解を行ないカリウム塩タイプのイオン交換膜とした。
かくして得られた膜のBフィルム層側に、チタンのパン
チドメタル(短径2mm、長径5mm)に酸化ルテニウムと酸
化イリジウムと酸化チタンの固溶体を被覆した低い塩素
過電圧を有する陽極を、またイオン交換膜のAフィルム
層側にはSUS304製パンチドメタル(短径2mm、長径5mm)
にルテニウム入りラネーニッケル(ルテニウム5%、ニ
ッケル50%、アルミニウム45%)を電着して低い水素過
電圧を有するように陰極を加圧接触させ、陽極液に3.5
規定の塩化カリウム水溶液を、陰極室に水を供給しつ
つ、陽極室の塩化カリウム濃度を2.3規定に、また陰極
室の水酸化カリウム濃度を35重量%に保つつ、90℃、30
A/dm2の条件で電解を行なった。
その際、陽極室へ供給する塩化カリウム水溶液中の塩
素酸カリウムの濃度を0g/l、5g/l、10g/l、20g/lの4つ
の異なったレベルに保った。この結果、各条件での電解
性能は以下の通りとなった。
素酸カリウムの濃度を0g/l、5g/l、10g/l、20g/lの4つ
の異なったレベルに保った。この結果、各条件での電解
性能は以下の通りとなった。
各条件でのテストを60日間行なった後、膜を観察した
が、膜に異常は認められなかった。
が、膜に異常は認められなかった。
実施例2 実施例1と同様な方法でイオン交換容量1.44meq/gの
テトラフルオロエチレンとCF2=CFO(CF2)3COOOH3共重
合体を得た。該共重合体を得た。該共重合体をA′とす
る。A′をプレス製膜して厚さ300μのフイルムとし
た。また、イオン交換容量0.90meq/gのテトラフルオロ
エチレンと 共重合体を得た。該共重合体をB′とする。B′をプレ
ス製膜して厚さ15μのフィルムとした。更にA′とB′
を重量比1:1でブレンドして130℃でロール混練した後プ
レス製膜し、厚さ15μのフィルムとした。次にA′フィ
ルムとB′フィルムの間にブレンド膜を介して熱ロール
を用いて積層した。該積層膜を実施例1と同様な方法で
A′フィルム層側の面に平均粒径0.3μのα−炭化ケイ
素粒子を膜面1cm2当り1.0mg、B′フィルム層側の面に
平均粒半径1μの酸化ジルコニウムを膜面1cm2当り1.0m
g夫々付着させたイオン交換膜を作成し、電流密度を30A
/dm2にした他は実施例1と同様な条件で加水分解および
電解を行なった。その結果以下の通りとなった。
テトラフルオロエチレンとCF2=CFO(CF2)3COOOH3共重
合体を得た。該共重合体を得た。該共重合体をA′とす
る。A′をプレス製膜して厚さ300μのフイルムとし
た。また、イオン交換容量0.90meq/gのテトラフルオロ
エチレンと 共重合体を得た。該共重合体をB′とする。B′をプレ
ス製膜して厚さ15μのフィルムとした。更にA′とB′
を重量比1:1でブレンドして130℃でロール混練した後プ
レス製膜し、厚さ15μのフィルムとした。次にA′フィ
ルムとB′フィルムの間にブレンド膜を介して熱ロール
を用いて積層した。該積層膜を実施例1と同様な方法で
A′フィルム層側の面に平均粒径0.3μのα−炭化ケイ
素粒子を膜面1cm2当り1.0mg、B′フィルム層側の面に
平均粒半径1μの酸化ジルコニウムを膜面1cm2当り1.0m
g夫々付着させたイオン交換膜を作成し、電流密度を30A
/dm2にした他は実施例1と同様な条件で加水分解および
電解を行なった。その結果以下の通りとなった。
[発明の効果] 本発明において、供給塩水中のクロレート濃度を5g/l
以下に保持することにより、製品となる水酸化カリウム
中の塩化カリウム濃度を15ppm(50%水酸化カリウム)
以下という高品質のものを取得することができる。いわ
ゆる効果は長期間にわたって安定・確実に達成され得る
ものである。
以下に保持することにより、製品となる水酸化カリウム
中の塩化カリウム濃度を15ppm(50%水酸化カリウム)
以下という高品質のものを取得することができる。いわ
ゆる効果は長期間にわたって安定・確実に達成され得る
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−251290(JP,A) 特開 昭51−144399(JP,A) 特開 昭57−35688(JP,A) 特開 昭52−63899(JP,A) 特開 昭56−29685(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】含フッ素陽イオン交換膜により陽極室と陰
極室が区画された電解槽において、陽極室に塩化カリウ
ム水溶液を供給し陰極室に水酸化カリウムを製造する方
法において、含フッ素陽イオン交換膜が、カルボン酸基
を有するパーフルオロカーボン膜主体層とスルホン酸基
を有するパーフルオロカーボン重合体層との複層膜から
なり、後者の層が陽極室に面しているパーフルオロ陽イ
オン交換膜であり、塩化カリウム水溶液中のクロレート
濃度を5g/l以下に保持し電解することを特徴とする高純
度水酸化カリウムの製造方法。 - 【請求項2】カルボン酸基を有するパーフルオロカーボ
ン主体層は、イオン交換容量が0.9〜1.6ミリ当量/グラ
ム乾燥樹脂であり、厚さが80〜300μである特許請求の
範囲第1項記載の方法。 - 【請求項3】スルホン酸基を有するパーフルオロカーボ
ン重合体層は、イオン交換容量が0.8〜1.3ミリ当量/グ
ラム乾燥樹脂であり、厚さが10〜40μである特許請求の
範囲第1項又は第2項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62052979A JP2658037B2 (ja) | 1987-03-10 | 1987-03-10 | 高純度水酸化カリウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62052979A JP2658037B2 (ja) | 1987-03-10 | 1987-03-10 | 高純度水酸化カリウムの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63219594A JPS63219594A (ja) | 1988-09-13 |
| JP2658037B2 true JP2658037B2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=12930020
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62052979A Expired - Lifetime JP2658037B2 (ja) | 1987-03-10 | 1987-03-10 | 高純度水酸化カリウムの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2658037B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN119506918A (zh) * | 2025-01-20 | 2025-02-25 | 优利德(江苏)化工有限公司 | 一种氢氧化钾生产用离子膜电解槽 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS51144399A (en) * | 1975-06-09 | 1976-12-11 | Nippon Soda Co Ltd | Method for removal of the chlorate in the brine for production of alka li chloride by electrolysis with ion exchange membrane |
| JPS60251290A (ja) * | 1984-05-29 | 1985-12-11 | Asahi Glass Co Ltd | 水酸化カリウムの製造方法 |
-
1987
- 1987-03-10 JP JP62052979A patent/JP2658037B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63219594A (ja) | 1988-09-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |